この記事では、
季節に関係なく使える、時候の挨拶をご紹介します。

手紙の書き出し(前文)には形式的な要素が多く、
書くのが難しいと感じるかもしれません。

しかし、形式さえ覚えれば型に従って簡単に書けるようになります。

手紙を書き慣れない人は、
まずは基本の形を参考にして
前文や文章を考えてみるとよいでしょう。

手紙を書くときに綺麗な手紙が書けずに悩んでいらっしゃる方がいたら、
別の記事で「きれいな手紙が書ける便箋と封筒」をご紹介しています。

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良かったら読んでみてください。

>綺麗な字が書ける便箋

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季節に関係なく使える時候の挨拶:基本の形

前文とは

前文とは、主文で本題を伝える前に、
前置きとして述べられる挨拶のことです。

前文は、基本的には

「頭語」
「時候の挨拶」
「安否を尋ねる挨拶」
「お礼やお詫びの挨拶」

の4つの要素で構成されています。

それぞれの要素の書き方を見ていきましょう。

頭語とは

頭語は、手紙の一番はじめにくる挨拶言葉です。

たとえば、人の家を訪れたときには、いきなり中に入るのではなく、
まず「ごめんください」などの挨拶で呼びかけます。

それと同様に、手紙を書くときには、
一般的に「拝啓(はいけい)」など
独特の言葉をつかって挨拶をします。

(使用例)

頭語:「こんにちは」にあたる「拝啓」「謹啓」など
結語:「さようなら」にあたる「敬具」「謹言」など

頭語は、
手紙文の書き出し(前文)に書く言葉であり、
結語は手紙文の末尾を結ぶ言葉です。

また、頭語は結語(敬具や草々)とセットで使われ、
間違った組み合わせをしてしまうとマナー違反です。

時候の挨拶

時候の挨拶とは
頭語の後に続く書き出しの言葉で、
「○○の候」「○○のみぎり」といった表現が一般的です。

時候の挨拶は、季節の移り変わりや
差出人の心情を表現する部分です。

頭語のあとに一文字分スペースをとって、記入します。

短く表現した「漢語調」と少し砕けた表現の「口語調」の2つの種類があり、
目上の方には「漢語調」、親しい方には「口語調」と使い分けることが多いようです。

(使用例)

1月の挨拶

<漢語調>
初春の候、新春の候、迎春の候、厳寒の候、大寒の候、寒冷の候

<口語調>
正月気分も抜け、寒さ厳しき折から、厳しい寒さが続きますが

時候の言葉は、手紙を出す時期や
そのときの気候によって、使い分けなければなりません。

しかし、ビジネス文書などでは、
季節を問わず年中使える時候の挨拶として、
「時下」を用いる場合があります。

時下とは、「このところ」「今現在」などの意味合いを持つもので、
春夏秋冬を問わず使うことができます。

(使用例)

「拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」

時候の挨拶は現実の季節感に合ったものを使うことが大切です。

遠方に住む方だと自分の住んでいるところとは
季節感が異なることもあります。

お相手の住む地域の季節感に合わせて時候の挨拶を選びましょう。

月ごとの時候の挨拶を書きたい人は以下を参照してください。


「時候の挨拶1月から12月までの季語と結び」をまとめています。
👇

安否を尋ねる挨拶

時候の挨拶の次は、相手の安否を気遣う言葉を書くのが一般的です。

「ご機嫌いかがですか」
「お元気のことと存じます」

といった言葉で、相手への思いやりを表します。

なお、それに続けて、
「お蔭様で、私どもも元気で暮らしています」など、
こちらの安否を伝えることもあります。

お礼やお詫びの挨拶

前文の最後は、日頃お世話になっているお礼や
感謝の気持ち、お詫びを伝える言葉で締めくくります。

前文を省略するケース

前文は、どのような手紙・ビジネス文書でも
必ず書くといったものではありません。

前文を書くかどうか迷った時は、以下を目安にしてください。

前文を書く場合

・目上の人に差し出す手紙
・前文がある手紙の返信

前文を省略可能な場合

・急用の手紙
・事務的な内容の手紙
・親しい人に宛てるはがきや手紙
・年賀状、寒中見舞い、暑中見舞いなど
・お見舞い(病気、けが、災害など)
・弔事(死亡通知やお悔やみ状、会葬のお礼など)

お見舞い状やお悔やみ状は、前文を省略する

お見舞い状やお悔やみ状、あるいは緊急の用件を伝える手紙では、
時候の言葉とあわせて、その次にくる前文もすべて省略します。

先方が明らかに喜ぶべき状態にないと分かっているお悔やみの手紙で、
「お元気にしていますか」「私どもは元気にしています」などといった
安否を尋ねる言葉や安否を伝える言葉も、前文をすべて省略します。

見舞い状の前文の挨拶

前略 
このたびは、突然の病に倒れられご入院されたとのこと、
突然のことで驚いております。

ここに謹んでお見舞い申し上げます。

悔やみ状の前文の挨拶

このたびの悲報を知り、
いまだに信じられない思いがしております。

心からお悔やみ申し上げます。

相手の安否を尋ねる挨拶

前文の最初は、相手の安否を尋ねる言葉を使います。

・いかがお過ごしでしょうか。

・ご様子はいかがですか。

・お健やかにお過ごしでしょうか。

・ご無沙汰しておりますが、お元気ですか。

・皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

・お障りなくお暮らしでございましょうか。

・相変わらずお達者にお暮らしでしょうか。

感謝を伝える挨拶

前文の最後は、日ごろお世話になっていることのお礼や、
感謝の気持ち、お詫びを伝える言葉で締めくくります。

・日ごろは何かとお世話になり、ありがとうございます。

・いつもお心にかけていただき、まことに恐縮です。

・先月お伺いした際は、大変お世話になりました。

・先日は心のこもったおもてなしをいただき、ありがとうございました。

・常々ひとかたならぬご芳情をたまわり、深謝申し上げます。

・平素から温かいご厚情をたまわり、心より感謝いたしております。

・過日はご多忙中にもかかわらず、お力添えをたまわり、
 誠にありがとうございました。

お詫びを伝える挨拶

・ご無沙汰ばかりで申し訳ありません。

・久しくお便りも差し上げず、大変失礼いたしました。

・長らくご無音いたしましたことをお詫び申し上げます。

・雑事にとりまぎれご無沙汰を重ね、心苦しく存じます。

・先日は長居をしてしまい、申し訳ございませんでした。

・このたびはご返信が遅れ、大変申し訳ありません。

・いろいろとお手数をおかけしており、恐縮に存じます。

その他の挨拶

面識のない相手に送る手紙では、
時候や安否に関する言葉は省略し、
頭語の後に以下のような言葉を続けます。

面識のない人への挨拶

・はじめてお手紙を差し上げます。

・○○様からのご紹介にあずかりました△△と申します。

・突然のお手紙、失礼いたします。

・突然一筆申し上げる失礼をお許しください。

・失礼ながら、はじめてお便りを差し上げます。

・はじめてお便りを差し上げます。
 ご無礼のほど、なにとぞご容赦ください。

返信の挨拶

返信の場合は、手紙を受け取ったことを伝えます。
時候の言葉などは、状況により省略しても問題ありません。

・お手紙ありがとうございました。

・お便り、うれしく拝見いたしました。

・お手紙ありがとう。
 懐かしく、うれしい気持ちで胸がいっぱいになりました。

・本日、お便りを拝受いたしました。

・○月○日付のご書面、確かに拝受いたしました。

・このたびはご丁重なご書面をいただき、恐縮に存じます。

・ご芳書を拝受し、感謝申し上げます。

コロナ禍を盛り込みたい場合

書き出しの挨拶

・暑さだけでなく、感染予防への配慮が欠かせない日々が
 まだまだ続いておりますが、皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

・長く続くこのコロナ禍で、
 山本様のお仕事も影響が受けられたのではと、皆で心配しております。
 何か出来ることがありましたら、遠慮なくおっしゃってくださいませ。

結びの挨拶

・コロナの状況が落ち着き、感染への不安の日々がなくなり、
 気兼ねなく会える日が一日も早くお訪れることを願っています。

・まだまだ、コロナウイルスに対する配慮が欠かせない日々が
 続いておりますが、お互い健康に気をつけて過ごしましょう。

・時節柄、思うように会えず残念ですが、
 お互い体調に気をつけて過ごしましょう。

・これからも、コロナウイルスへの感染予防への、
 注意が欠かせない日々が続くとは思いますが、
 皆様のご健康を心よりお祈り致します。

・お盆の帰省もままならず、お目にかかれないのが残念ですが、
 お正月には家族揃って帰省出来ることを願っています。

・コロナの感染予防だけでなく、暑さへの配慮も欠かせませんが、
 皆さま何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。

・コロナウイルスの影響が収まらない日々が、まだ続いておりますが、
 〇〇様におかれましてはご健康に充分に留意され、
 ご自愛くださるよう心よりお祈りしております。

まとめ

この記事では、
季節に関係なく使える時候の挨拶をご紹介しました。

ビジネスの取引先や、目上の方への送り状などでは、
型通りに頭語から始め、時候の挨拶、安否に関する挨拶、
感謝やお詫びの挨拶と続けるのが無難です。

しかし、実際のはがきや手紙の書き出しでは、
上記のすべての要素を入れる必要はありません。

基本的な形式をつかみ、それを相手や状況に応じて
前文を作ってみられたらいかがでしょうか。

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よっちゃん
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