この記事では、
1月に使える時候の挨拶と結びの言葉をご紹介します。
ビジネス関係と親しい人に出す、
1月の時候の挨拶と結びの言葉の例文もご参考ください。
1月は新年を迎え新しい1年をスタートさせる月です。
やはり1月の、特に上旬に送るはがきや手紙には、
新年を感じさせる時候の挨拶を使用した方がよいでしょう。
1月中旬は小寒と呼ばれる季節に当たり、
1月下旬は寒さが1年で最も厳しくなる大寒の季節です。
1月の時候の挨拶は、
新しい年の新たな力がみなぎる時候の挨拶を使用しましょう。
そして、
1月の時候の挨拶の後には、
相手の健康や安否を気遣う言葉を書きましょう。
手紙を書くときに綺麗な手紙が書けずに悩んでいらっしゃる方がいたら、
別の記事で「きれいな手紙が書ける便箋と封筒」をご紹介しています。
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良かったら読んでみてください。
目次
1月の異称:睦月(むつき)
1月の睦月(むつき)の語源や由来については諸説ありますが、
正月は貧富分け隔てなくお互いに親しく睦(むつ)み合う月。
戦や争いをやめて仲睦(むつ)まじくする月。
という意味から来ているそうです。
新しい年の始まりです。
新年を迎えることができた喜びを分かち合い、神に感謝したい…。
そんな思いから、
正月を迎える準備にも力が入り、
やがていろいろなしきたりが生まれていったのでしょう。
旧暦では1月から春が始まります。
外は、まだ寒くて、春にはほど遠い気候ですが、
新しい年を迎える心の華やぎは、初春という言葉にふさわしいですね。
1月の異称といえば、睦月(むつき)です。
これは、睦(むつ)び、親しむ月という意味だそうです。
「めでたし」は、
「目出度し」や「芽出度し」と書くこともあるようですが、
語源は、
「愛づ(めづ)」の連用形「愛(め)で」に、
「甚(いた)し」がついた「愛で甚し(めでいたし)」です。
祝福の言葉として定着した、「おめでとう」は、
言う方も言われる方もうれしくなれる、すてきな言葉ですね。
引用
書名「美人の日本語」
作者「山下景子」
出版社「幻冬舎」
1月の昔の呼び名である和風月名を、
はがきや手紙の季語にして書き出しに使うと、
ひと味違った風流な時候の挨拶文になります。
1月の季語と時候の挨拶
頌春(しょうしゅん)の候
初春(しょしゅん)の候
年始(ねんし)の候
迎春(げいしゅん)の候
新陽(しんよう)の候
新春(しんしゅん)の候
小寒(しょうかん)の候
厳寒(げんかん)の候
寒風(かんぷう)の候
1月の季語の読み方ですが、候は「こう」と読みます。
1月に咲く花:梅(うめ)
「東風(こち)ふかば香(にお)ひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」
菅原道真(すがわらみちざね)公の、心を感じとった梅は、
はるか太宰府(だざいふ)まで飛んでいって咲いたという。
『菅公の飛梅』伝説にちなんだ花言葉。
梅は、寒さの中で咲く気品高い花です。
花言葉「忠実」「気品」
梅の花は、早春、葉に咲き立って花を咲かせます。
紅色の他、白色、淡紅色のものもあり、
5弁または重弁の花は、気品高く芳香があり、
万葉の昔から鑑賞用として愛されてきました。
果実を梅干しなどに利用するようになったのは、
江戸時代以降といわれています。
比較的温暖な気候を好み、
野梅性、豊後性、杏性、紅梅性など多くの園芸品種があります。
そこで、にわか仕込みの不確実な学問は「梅の木学問」、
生長がはやいけれども、大木にはならないそうです。
梅は、生長がはやいけれども、大木にはならないそうです。
そこで、にわか仕込みの不確実な学問は「梅の木学問」、
成り上がりのお金持ちは「梅の木分限(うめのきぶげん)」といいます。
春告草(はるつげぐさ)の異名を持ち、春の季語となっている梅ですが、
「万葉集」では、雪とともに詠(うた)われることも多かったようです。
『今日振りし 雪に競ひて 我がやどの 冬木の梅は 花さきにけり』
万葉集(大伴家持)大変たくさんの異称を持つ梅ですが、
その中のひとつに「好文木(こうぶんぼく)」があります。
昔、晋(しん)の武帝が、学問に励むと梅の花が咲き、
引用
怠(おこた)ると、しおれていたという故事からきた名前です。
書名「花の日本語」
作者「山下景子」
出版社「幻冬舎」
1月の二十四節気:冬至・小寒・大寒
1月のはがきの時候の挨拶は、
上旬、中旬、下旬によっても違ってくるので、
それぞれ例文を交えて1月の季語の
はがきや手紙の書き方をご説明します。
まずは、はがきや手紙を出す日がいつごろか把握しましょう。
その上で、
以下に記載している1月の二十四節気の、
どの時期の季語に該当するかを確認しましょう。
冬至(とうじ) :12月22日頃〜1月4日頃
小寒(しょうかん):1月5日頃〜1月19日頃
大寒(だいかん) :1月20日頃〜2月3日頃
「頃」としているのは、その年によって移り変わる時期が異なるためです。
1月上旬の季語と時候の挨拶(冬至:12月22日頃~1月4日頃)
冬至(とうじ)…
「暦便覧」には、
「日南の限りを行て日の短きの至りなれば也」とあります。
陽光が最も弱く、1年で昼間が最も短い日。
1月上旬のはがきや手紙の時候の挨拶には、
「新春を寿ぎ」「初春のお喜び」「迎春の候」
「年頭のあいさつ」「松の内の賑わい」などがふさわしいです。
その年の1月の気温を考慮して、はがきや手紙を書くと良いでしょう。
1月のはがきや手紙には、
なるべく新年のあいさつを組み込みましょう。
やはり、
新年の挨拶があるのとないのでは、
受け取る印象が違うように感じます。
新年ではなく、
寒さを季語にしてはがきや手紙の時候の挨拶を述べる場合は、
その年の寒さの程度を考慮して時候の挨拶を選ぶのが良いでしょう。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:ビジネス関係
・頌春の候、貴社いよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます。
・初春の候、貴社いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。
・年始の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:親しい人
・新しき年は、寒さも新しく、今更のように肌にしみます。
・皆様お揃いで、穏やかな正月をお迎えのことと存じます。
・雪晴れの好天気が続くと、外の空気がおいしくなります。
・皆様におかれましては、よき初春をお迎えのことと存じます。
・新年を迎えて、身も心も新たな気分でお過ごしのことと思います。
1月中旬の季語と時候の挨拶(小寒:1月5日頃〜1月19日頃)
小寒(しょうかん)…
1月中旬は「小寒」と呼ばれる季節に当たります。
「小寒」とは、
だいたい1月5日から19日頃のことで、
寒さが強くなるこの時期を表します。
「暦便覧」には、
「冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故、益々冷る也」とあります。
この日から寒の入り。
「小寒の氷、大寒に解く」の故事があるように、
小寒と大寒の気温は、小寒の方が寒さが厳しい地方が多いのです。
1月中旬のはがきや手紙の時候の挨拶には、
「小寒の候」「厳寒の候」「寒風の候」
「寒冷の候」を使用すると良いでしょう。
1月上旬では、
新年を祝うような時候の挨拶を使用しましたが、
1月5日以降からは使用せず、その時期に合った季語を
使用するのが一般的です。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:ビジネス関係
・小寒の候、貴社いよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます。
・厳寒の候、貴社いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。
・寒風の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:親しい人
・寒冷の候 寒く冷たい時期になりました。
・松飾りも取れ普段の生活が戻ってまいりました。
・厳しい寒さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
・冬の冷たい風が吹く頃、皆様お障りもなくお過ごしですか。
・松の内の賑わいも過ぎ、寒さもなお厳しくなってまいりました。
1月下旬の季語と時候の挨拶(大寒:1月20日頃〜2月3日頃)
大寒(だいかん)…
「暦便覧」には、
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」とあります。
1年で最も寒く、各地で最低気温が記録されます。
北国では冬の盛りですが、
南国では柳の芽吹きなど、春の兆しが届けられる頃でもあります。
1月20日からは「大寒」と言われ、暦上でも寒さが1年の中で
最も厳しくなる時期ですから季語は厳冬、酷冬、厳寒などといった
字を見るだけでも寒くなりそうな季語を使用します。
また、1月中旬にも使用していた寒風、寒冷といった季語も、
そのまま1月下旬の季語として使用することができます。
暦上「大寒(だいかん)」という最も寒い時期に突入したので、
時候の挨拶として「大寒の候」「厳寒の候」「厳冬の候」
といった言葉を使用すると良いでしょう。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:ビジネス関係
・酷寒の候、貴社いよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます。
・大寒の候、貴社いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。
・降雪の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
1月の季語と時候の挨拶を使った例文:親しい人
・大寒のみぎり、皆様お障りもなくお過ごしですか。
・大寒を過ぎ、寒さも一層厳しい季節となりました。
・暖冬とはいえ、やはり厳しい冬の寒さが身にしみる季節です。
・大寒を迎え冬将軍の到来を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。
・1年で最も寒い時期を迎え、
厳しい寒さが続きますがいかがお過ごしでしょうか。
1月の時候の挨拶:結びの言葉
1月のはがきや手紙の結びの言葉は、
年頭にあたっての挨拶や、1月の季語に合わせた挨拶を入れたあと、
「風邪などひかれませんようご留意ください。」「ご自愛専一に。」
「お身体にお気をつけください。」などの言葉で結びます。
1月の時候の挨拶:結びの言葉(ビジネス関係)
・大寒の候、ご自愛専一に、益々ご活躍ください。
・降雪の候、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
・季節の変わり目ですが、くれぐれもご自愛ください。
貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
・末筆ながら、貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
・末筆ながら、一層のご躍進のほどご祈念申し上げます。
まことに略儀ではございますが、書中をもちまして
ご通知申し上げます。
・時節柄、くれぐれもご自愛ください。
今後とも、よろしくご指導のほどをお願い申し上げます。
社員皆々様には一層のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
・これからもご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申しあげます。
1月の時候の挨拶:結びの言葉(親しい人)
・極寒の折から、ご自愛専一に。
・本年もご一家にとってますますのご多幸を祈っております。
・大寒を迎え、寒さはこれからが本番。くれぐれもお身体を大切に。
・お寒さ厳しい折柄、くれぐれも御身おいといくださいますよう。
・皆様にとって、本年が幸福に満ち溢れる良い一年になりますように。
・春寒はいっそう身にしみます。
お互いに健康には留意したいものでございます。
・風邪が流行っています。
どうぞ風邪とは仲良しになられませんように、
お元気にお過ごしくださいませ。
1月の時候の挨拶を使った「成人式のお祝い」例文
全国的な寒波というニュースでございますが、
ご当地はいかがでございますか?
年の暮れに買った福寿草の蕾がとても可愛らしく開きました。
雅子様、成人式おめでとうございます。
美しく成人されたあなたの晴れ姿、
目を細めていらっしゃるご両親の顔が目に浮かぶようでございます。
大学生活もなかなか忙しいようですが、
大きな人生の節目として、成人の日をお迎えください。
心ばかりですが、お祝いのしるしを同封します。
なにかの足しにしてくださいね。
健康に気をつけ、
学業第一にがんばってください。
風邪が流行っています。どうぞ風邪とは仲良しになられませんように、
お元気にお過ごしくださいませ。
まずはお祝いまで。
まとめ
この記事では、
1月に使える時候の挨拶と結びの言葉をご紹介しました。
1月は、1年をスタートする大事な時期です。
元旦(1日)にはじまり、
書き初め(2日)や鏡開き(11日)。
成人の日(第2月曜日)など、多くの行事があります。
文章を書くときは、
時候の挨拶や1月ならではの季語を入れて、
趣のあるはがきや手紙を相手に届けたいものです。
こうやって考えてみますと日本は本当に細かいところまで、
伝統や風習がある国なのだなと改めて気づかされます。
四季があるだけで珍しいのにも関わらず、
その四季の中にも様々な季節があって名前があり、
季語や時候の挨拶が変わるなんて他の国には、
なかなかないのではないでしょうか?
七十二候などの、季語の言葉も織り交ぜながら、
1月の時候の挨拶の参考にしてくださいね。
- 1月の時候の挨拶
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