教育実習で授業観察記録を書くことになったものの、

「何を見ればいいのか分からない」

「授業を見ても感想しか書けない」

「指導教員に見られても大丈夫な内容にしたい」

「評価される観察記録の書き方を知りたい」

と悩んでいませんか。

教育実習の授業観察記録は、ただ授業を見た感想を書くものではありません。

大切なのは、授業者の発問や指示、板書、児童生徒の反応、時間配分などを観察し、そこから自分が何を学んだのかを書くことです。

たとえば、

「先生の説明が分かりやすかったです」

だけでは、観察記録としては少し弱いです。

一方で、

「教師は導入で前時の内容を確認したあと、本時のめあてを児童の発言から引き出していた。そのため、児童が学習課題を自分ごととして捉えやすくなっていた。自分が授業を行う際も、教師が一方的にめあてを提示するのではなく、児童の発言を生かして課題設定できるようにしたい」

と書けば、授業の事実、児童生徒の反応、自分の学びが伝わります。

この記事では、教育実習の授業観察記録に書く内容、評価される観察ポイント、メモの取り方、例文、NG例と改善例まで分かりやすく解説します。

授業観察記録だけでなく、毎日の実習日誌にも同じように「事実・学び・反省」を書く必要があります。日誌全体の書き方に不安がある人は、「教育実習日誌の書き方」を読んでおくと、観察記録の内容も日誌に自然につなげやすくなります。

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目次

教育実習の授業観察記録とは

教育実習の授業観察記録とは、実習中に見学した授業について、授業の流れや教師の働きかけ、児童生徒の反応、自分が学んだことを記録するものです。

教育実習では、いきなり自分が授業をするのではなく、まず指導教員や他の先生の授業を観察する時間があります。

この授業観察は、ただ座って見る時間ではありません。

授業の進め方、発問の仕方、板書の構成、児童生徒への声かけ、つまずきへの対応などを学ぶ大切な時間です。

その学びを整理するために書くのが、授業観察記録です。

授業観察記録は「感想文」ではない

授業観察記録でよくある失敗は、感想だけで終わってしまうことです。

たとえば、次のような書き方です。

「先生の授業は分かりやすかったです。児童も楽しそうに参加していて、とても勉強になりました」

この文章は悪いわけではありません。

しかし、観察記録として見ると、何が分かりやすかったのか、児童がどのように参加していたのか、自分が何を学んだのかが具体的に伝わりません。

授業観察記録では、

何があったのか

なぜそう感じたのか

児童生徒はどのように反応したのか

自分の授業にどう生かすのか

まで書くことが大切です。

つまり、授業観察記録は感想文ではなく、授業を分析して学びを整理する記録です。

授業者の意図と児童生徒の反応を記録するもの

授業観察記録では、教師の行動だけを書くのでは不十分です。

大切なのは、教師の働きかけによって、児童生徒がどのように反応したかを見ることです。

たとえば、教師が発問をした場面では、

どのような発問だったか

児童生徒はすぐに答えられたか

考える時間は十分にあったか

発問によって授業が深まったか

を見る必要があります。

板書を見る場合も、単に「板書が見やすかった」と書くのではなく、

本時の流れが分かる板書だったか

重要語句が整理されていたか

児童生徒がノートに写しやすい構成だったか

授業のまとめにつながっていたか

まで見ると、記録の内容が深くなります。

授業者の意図と児童生徒の反応をセットで見ることで、観察記録は一気に評価されやすくなります。

教育実習日誌との違い

教育実習日誌は、実習期間中の一日の流れや活動内容、反省、学びをまとめる記録です。

一方、授業観察記録は、見学した授業に焦点を当てて書く記録です。

教育実習日誌が一日全体の記録だとすれば、授業観察記録は一つの授業を詳しく見る記録です。

たとえば、教育実習日誌には、

朝の打ち合わせ

授業観察

給食指導

清掃指導

帰りの会

指導教員からの助言

一日の反省

などを書きます。

一方、授業観察記録には、

授業の導入

発問

板書

教材の使い方

児童生徒の反応

時間配分

自分が学んだこと

を書きます。

どちらも教育実習では大切な記録ですが、目的が少し違います。

授業観察記録では、授業そのものを深く見る意識を持ちましょう。

観察記録が評価に関わる理由

授業観察記録は、指導教員が実習生の学ぶ姿勢を見る材料になります。

指導教員は、観察記録を通して、

授業を真剣に見ているか

児童生徒の反応まで見ているか

教師の工夫に気づけているか

自分の課題として考えられているか

次の授業に生かそうとしているか

を見ています。

もちろん、文章が上手であることだけが評価されるわけではありません。

しかし、記録が毎回「分かりやすかった」「勉強になった」だけでは、授業から何を学んだのかが伝わりにくくなります。

反対に、少し文章が苦手でも、具体的な事実と自分の学びが書かれていれば、真剣に観察していることが伝わります。

授業観察記録は、完璧な文章を書くためのものではありません。

教育実習生として、授業から何を学び、自分の授業にどう生かそうとしているのかを示すための記録です。

授業観察記録に書く基本項目

授業観察記録を書くときは、いきなり文章を書き始めるよりも、まず基本項目を押さえることが大切です。

学校や大学によって記録用紙の形式は違いますが、基本的に書く内容は大きく変わりません。

ここでは、授業観察記録に入れておきたい項目を紹介します。

授業日時・学年・教科・単元名

まずは、いつ、どの学年の、何の授業を観察したのかを書きます。

基本情報が抜けていると、あとから見返したときに内容が分かりにくくなります。

書き方の例は次の通りです。

授業日時:6月10日 2時間目

学年:小学4年生

教科:国語

単元名:説明文の読み取り

授業者:指導教員の先生

この部分は難しく考える必要はありません。

ただし、教科名や単元名は正確に書くようにしましょう。

単元名が分からない場合は、授業後に指導教員へ確認しても大丈夫です。

本時のねらい

本時のねらいとは、その授業で児童生徒に何を身につけさせたいのかという目標です。

授業観察記録では、この本時のねらいを意識して授業を見ることが大切です。

たとえば、国語の授業なら、

登場人物の気持ちの変化を読み取る

筆者の主張を文章中の根拠から考える

段落ごとの内容を整理する

などが考えられます。

算数・数学なら、

面積の求め方を理解する

比例の関係を表から読み取る

図形の性質を使って説明する

などです。

本時のねらいが分かると、教師の発問や板書、児童生徒の活動が何のために行われているのか見えやすくなります。

観察記録では、

「本時のねらいを達成するために、教師はどのような発問や活動を設定していたか」

という視点で書くと、内容が深まります。

授業の流れ

授業観察記録では、授業の流れを簡単に整理して書きます。

一般的には、

導入

展開

まとめ

の3つに分けると書きやすくなります。

たとえば、次のように整理できます。

導入:前時の復習を行い、本時のめあてを確認した。

展開:教科書の本文を読み、児童が登場人物の気持ちを考えた。ペアで意見交換をしたあと、全体で発表した。

まとめ:本時の学習内容を振り返り、次時は別の場面の読み取りを行うことを確認した。

授業の流れを書くときは、細かい発言をすべて書く必要はありません。

授業がどのように進んだのか、あとから読んで分かる程度にまとめれば大丈夫です。

教師の発問・指示

授業観察で特に重要なのが、教師の発問と指示です。

発問とは、児童生徒に考えさせるための問いかけです。

指示とは、何をするのかを分かりやすく伝える言葉です。

たとえば、発問には次のようなものがあります。

「なぜ主人公はこのとき黙っていたのでしょうか」

「この式から分かることは何ですか」

「前の時間に学習したことと比べると、どこが違いますか」

一方、指示には次のようなものがあります。

「教科書の24ページを開きましょう」

「まず一人で考えて、ノートに書きましょう」

「隣の人と考えを交流しましょう」

観察記録では、発問と指示を分けて見ると書きやすくなります。

特に、児童生徒の考えを引き出した発問や、活動がスムーズに進んだ指示は記録しておくとよいです。

板書・教材・ICTの使い方

板書や教材、ICTの使い方も重要な観察ポイントです。

板書を見るときは、文字のきれいさだけを見るのではありません。

大切なのは、児童生徒が学習内容を整理しやすい板書になっているかどうかです。

たとえば、

めあてが分かりやすく書かれているか

重要語句が整理されているか

児童生徒の意見が生かされているか

まとめが見て分かる形になっているか

を見ます。

教材やICTについては、

ワークシートが考えを整理しやすいものだったか

写真や動画が理解を助けていたか

電子黒板やタブレットが目的に合って使われていたか

を観察します。

ただ「ICTを使っていてすごい」と書くのではなく、ICTを使ったことで児童生徒の理解がどう深まったのかを書くと、観察記録として質が上がります。

児童生徒の反応

授業観察記録で差がつくのが、児童生徒の反応です。

教師の動きだけでなく、児童生徒がどう反応したかを書くことで、授業をよく見ていることが伝わります。

たとえば、

発問に対して多くの児童が手を挙げていた

考える時間を取ったことで、ノートに自分の意見を書けていた

ペア活動では、自分の考えを相手に説明しようとする姿が見られた

難しい問題では手が止まる児童もいたが、教師の声かけで再び取り組んでいた

などです。

児童生徒の反応を書くときは、決めつけた表現を避けましょう。

たとえば、

「やる気がなかった」

と書くよりも、

「活動開始直後は手が止まっている児童が数名いた」

と書いた方が客観的です。

観察記録では、児童生徒を評価するのではなく、事実として様子を書くことが大切です。

自分が学んだこと・今後に活かしたいこと

授業観察記録の最後には、自分が学んだことや今後に活かしたいことを書きます。

ここがないと、ただ授業を見ただけの記録になってしまいます。

たとえば、

「導入で前時の復習を行うことで、児童が本時の学習に入りやすくなることを学んだ」

「発問後すぐに指名するのではなく、考える時間を取ることで、児童が自分の意見を持ちやすくなると感じた」

「板書は教師が説明した内容を残すだけでなく、児童の考えを整理する役割があると分かった」

このように書くと、授業から学んだことが伝わります。

さらに、

「自分が授業を行う際も、児童が考える時間を確保したうえで発表につなげたい」

と書けば、自分の授業づくりにつながる記録になります。

授業観察で見るべきポイント

授業観察で何を見ればよいか分からない場合は、授業を「導入」「展開」「まとめ」に分けて見ると整理しやすくなります。

授業全体をぼんやり見るのではなく、それぞれの場面で何が行われているかを意識しましょう。

導入で見るポイント

導入は、授業の最初の部分です。

ここでは、児童生徒が本時の学習に向かう準備をします。

導入で見るべきポイントは、次の通りです。

児童生徒の興味をどう引き出しているか

前時の復習をどう行っているか

本時のめあてをどう提示しているか

学習への見通しを持たせているか

たとえば、教師が授業の最初に写真や具体物を見せていた場合は、

「児童の興味を引き出すために、導入で実物を提示していた」

と記録できます。

また、前時の復習から本時の課題につなげていた場合は、

「前時の内容を確認したあと、本時のめあてを提示していたため、児童が学習のつながりを理解しやすい導入になっていた」

と書けます。

導入では、児童生徒が「今日は何を学ぶのか」を理解できているかを見ることが大切です。

展開で見るポイント

展開は、授業の中心部分です。

ここでは、児童生徒が考えたり、話し合ったり、問題を解いたりします。

展開で見るべきポイントは、次の通りです。

発問の仕方

指示の分かりやすさ

児童生徒の反応

個別支援

時間配分

話し合い活動の進め方

教師の声かけ

特に注目したいのは、教師がどのタイミングで発問し、児童生徒の考えをどう広げているかです。

たとえば、

「教師はすぐに正解を示すのではなく、『どうしてそう考えたのですか』と問い返していた。その結果、児童が理由を説明しようとする姿が見られた」

と書くと、授業の深まりが伝わります。

また、つまずいている児童への支援も大切です。

「問題に取り組めず手が止まっている児童に対して、教師は答えを直接教えるのではなく、前の問題を一緒に確認していた」

と書けば、個別支援の観察になります。

展開では、教師の説明だけでなく、児童生徒がどのように考え、活動していたかを見るようにしましょう。

まとめで見るポイント

まとめは、授業の最後に学習内容を整理する場面です。

まとめで見るべきポイントは、次の通りです。

本時の学びをどう整理しているか

児童生徒に振り返りを書かせているか

めあてとまとめがつながっているか

次時の学習につなげているか

たとえば、

「授業の最後に、教師は本時のめあてに戻り、児童の発言を使ってまとめを行っていた」

と書くと、導入とまとめのつながりが見えます。

また、

「児童は振り返りで、自分が分かったことだけでなく、次に考えたいことも書いていた」

と書けば、児童生徒の学びの深まりを記録できます。

まとめでは、授業がどのように終わったかだけでなく、児童生徒が何を学んだ状態で授業を終えたのかを見ることが大切です。

評価される授業観察記録の書き方

評価される授業観察記録には、共通点があります。

それは、授業の事実だけでなく、そこから考えたことや自分の学びまで書かれていることです。

ここでは、指導教員に伝わりやすい授業観察記録の書き方を紹介します。

「事実」と「感想」を分けて書く

授業観察記録では、事実と感想を分けて書くことが大切です。

事実とは、実際に授業で起きたことです。

感想とは、それを見て自分が感じたことです。

たとえば、次のように分けられます。

事実:教師は発問後、すぐに指名せず、児童がノートに考えを書く時間を取っていた。

感想・考察:考える時間があったことで、発表が苦手な児童も自分の意見を整理しやすくなっていたと感じた。

このように書くと、何を見て、そこから何を考えたのかが分かります。

反対に、

「考える時間があってよかったです」

だけでは、何がよかったのかが伝わりにくくなります。

「なぜそうしたのか」を考察する

授業観察記録では、教師の行動を見て終わるのではなく、「なぜ先生はそのようにしたのか」を考えることが大切です。

たとえば、教師がペア活動を取り入れていた場合、

「ペア活動をしていた」

だけでは記録として浅くなります。

次のように考えると、内容が深くなります。

「教師は全体発表の前にペア活動を取り入れていた。これは、児童が自分の考えを一度言葉にすることで、全体の場でも発表しやすくするためだと考えられる」

このように、教師の意図を考察すると、授業をよく見ていることが伝わります。

もちろん、教師の意図を完全に当てる必要はありません。

「考えられる」「感じた」「学んだ」という表現を使えば、実習生として自然な書き方になります。

児童生徒の反応を具体的に書く

評価される観察記録には、児童生徒の反応が具体的に書かれています。

たとえば、

「児童が楽しそうだった」

だけでは抽象的です。

次のように書くと具体的になります。

「教師が身近な例を出して説明すると、児童から『それ知ってる』という声が上がり、学習内容に関心を持つ様子が見られた」

「ペア活動では、最初は発言が少なかった児童も、相手の意見を聞いたあとに自分の考えをノートに書き加えていた」

このように、児童生徒の言葉や行動を書くと、授業の様子が伝わりやすくなります。

ただし、児童生徒を悪く決めつける表現は避けましょう。

「集中力がない児童がいた」

よりも、

「説明中に視線が教科書から離れている児童が数名いた」

の方が客観的です。

自分の授業にどう活かすかを書く

授業観察記録で特に大切なのは、自分の授業にどう活かすかを書くことです。

教育実習では、授業を観察したあと、自分が授業を行う機会があります。

そのため、観察記録には、

自分ならどう取り入れるか

自分の課題は何か

次の授業で意識したいことは何か

を書くとよいです。

たとえば、

「発問後に考える時間を取ることで、児童が自分の考えを持ちやすくなることを学んだ。自分が授業を行う際も、すぐに指名するのではなく、ノートに考えを書く時間を確保したい」

このように書けば、観察から学び、自分の授業につなげようとしていることが伝わります。

抽象的な表現を避ける

授業観察記録では、抽象的な表現をできるだけ避けましょう。

よく使ってしまう抽象的な表現には、次のようなものがあります。

分かりやすかった

勉強になった

すごいと思った

よい授業だった

児童が楽しそうだった

これらの表現を使う場合は、必ず具体的な理由を足します。

たとえば、

「分かりやすかった」

ではなく、

「教師が図を使って説明していたため、児童が問題の場面をイメージしやすくなっていた」

と書きます。

「勉強になった」

ではなく、

「児童の発言を板書に位置づけることで、学級全体の考えが整理されることを学んだ」

と書きます。

抽象的な表現を具体的に直すだけで、観察記録の質は大きく上がります。

授業観察中のメモの取り方

授業観察記録を書くためには、授業中のメモが重要です。

ただし、授業中にすべてを書こうとすると、授業を見る余裕がなくなってしまいます。

メモは、あとで観察記録を書くための材料です。

きれいな文章で書く必要はありません。

すべてを書こうとしない

授業中の発問や児童生徒の反応を、すべて書こうとする必要はありません。

すべてを書こうとすると、手元ばかり見てしまい、授業全体の流れや児童生徒の様子を見逃してしまいます。

メモを取るときは、

印象に残った発問

児童生徒の反応が変わった場面

板書の工夫

教師の声かけ

自分が真似したいと思った工夫

を中心に書きましょう。

大切なのは、量よりも観察の質です。

時系列で簡単にメモする

メモは、授業の流れに沿って時系列で書くと、あとから整理しやすくなります。

たとえば、次のように書きます。

導入:前時の復習。児童に昨日の内容を質問。

めあて:「なぜ主人公の気持ちは変わったのか考えよう」

展開:本文を音読。気持ちが分かる言葉に線を引く。

ペア:自分の考えを交流。

全体:児童の意見を板書。

まとめ:気持ちの変化をノートに整理。

この程度の簡単なメモでも、授業後に清書するときには十分役立ちます。

発問・板書・反応を中心に書く

授業観察でメモしておきたい中心は、発問、板書、児童生徒の反応です。

この3つを押さえると、観察記録が書きやすくなります。

発問:教師がどのように問いかけたか

板書:学習内容をどう整理していたか

反応:児童生徒がどう考え、どう動いたか

たとえば、

発問:「どうしてこの考えになったの?」

板書:児童の意見を左右に分けて整理

反応:最初は発言が少なかったが、ペア後に発表が増えた

このようにメモしておくと、あとで次のような文章にできます。

「教師は全体発表の前にペア活動を取り入れ、児童が自分の考えを確認する時間を設けていた。その結果、最初は発言が少なかった児童も、ペアで話したあとには全体の場で発表する姿が見られた」

気づいたことは記号で整理する

授業中は時間が限られているため、記号を使ってメモすると便利です。

たとえば、次のように決めておくと書きやすくなります。

T:教師の発言

C:児童生徒の発言

Q:発問

B:板書

気:気づいたこと

学:自分が学んだこと

例としては、次のように書けます。

Q「なぜそう考えた?」

C「前の文に書いてあるから」

B:児童の意見を本文の言葉とつなげて板書

学:根拠を本文から探させる発問が大切

記号を使うことで、授業中でも短い時間で必要な情報を残せます。

自分が分かればよいので、記号は自由に決めて大丈夫です。

授業後すぐに清書する

授業観察記録は、できるだけ授業後すぐに清書しましょう。

時間がたつと、児童生徒の反応や教師の発問を忘れてしまいます。

特に、印象に残った場面は、授業直後なら具体的に思い出せます。

授業後に清書するときは、次の順番で整理すると書きやすいです。

まず、授業の流れを簡単に書く

次に、印象に残った教師の工夫を書く

その工夫による児童生徒の反応を書く

最後に、自分が学んだことを書く

たとえば、次のようにまとめられます。

「本時では、導入で前時の復習を行ったあと、児童の発言をもとにめあてを確認していた。展開では、教師が『なぜそう考えたのか』と問い返すことで、児童が本文の言葉を根拠に説明しようとする姿が見られた。発問によって児童の考えを深めることができると学んだ。自分が授業を行う際も、答えを急がせるのではなく、理由を考えさせる発問を意識したい」

授業観察では、実習日誌やメモ帳、筆記用具の準備も大切です。記録用のノートや予備のペンを忘れると、観察後の清書が一気に難しくなります。実習初日から必要なものを確認したい人は、

教育実習の持ち物チェックリスト」で準備漏れを防いでおきましょう。

授業観察記録の例文

ここからは、実際に授業観察記録を書くときに参考にできる例文を紹介します。

例文をそのまま丸写しするのではなく、自分が見た授業の内容に合わせて、発問、児童生徒の反応、板書、学びの部分を置き換えて使ってください。

小学校の授業観察記録の例文

本時では、導入で前時の学習内容を振り返ったあと、児童の発言をもとに本時のめあてを確認していた。教師が一方的にめあてを提示するのではなく、児童の気づきを生かして課題につなげていた点が印象に残った。

展開では、教師が「どうしてそう考えたのですか」と問い返すことで、児童が自分の考えの理由を説明しようとする姿が見られた。すぐに正解を示すのではなく、児童の発言を受け止めながら考えを深めていた。

また、板書では児童の意見を整理しながらまとめていたため、授業の流れが分かりやすかった。自分が授業を行う際も、児童の発言を生かしながら、考えが整理される板書を意識したい。

中学校の授業観察記録の例文

本時の授業では、導入で前時の内容を短時間で確認し、本時の課題にスムーズにつなげていた。生徒は前時の学習を思い出しながら、本時の学習内容を理解しようとしていた。

展開では、教師が発問後にすぐ答えを求めるのではなく、個人で考える時間を取っていた。その後、ペアで意見を交流する時間が設けられたことで、生徒が自分の考えを整理してから発表できていた。

特に、発表が苦手そうな生徒も、ペア活動後にはノートを見ながら自分の意見を伝えようとしていた点が印象に残った。自分が授業をする際も、全体発表の前に個人思考やペア活動を取り入れ、生徒が安心して発言できる流れを作りたい。

高校の授業観察記録の例文

本時では、授業の冒頭で前回の内容を確認したあと、具体的な資料を用いて本時のテーマに入っていた。教師が資料を提示しながら発問したことで、生徒は教科書の内容と実際の事例を結びつけて考えていた。

展開では、生徒に考えさせる場面と教師が説明する場面の切り替えが明確だった。特に、重要な用語を説明するだけでなく、「この考え方はどの場面で使えるか」と問いかけていたため、生徒が知識を暗記するだけでなく、活用する視点を持てていた。

授業を観察して、教師の説明量が多くなりすぎないように、生徒自身が考える時間を確保することの大切さを学んだ。自分の授業でも、知識を伝えるだけでなく、生徒が自分の言葉で説明できる場面を作りたい。

国語の授業観察記録の例文

本時では、登場人物の気持ちの変化を読み取ることをねらいとして授業が行われていた。教師は本文中の言葉に注目させながら、「どの言葉から気持ちが分かりますか」と発問していた。

児童は本文に線を引きながら考え、自分の意見をノートに書いていた。教師が「なぜその言葉を選んだのですか」と問い返すことで、児童は根拠をもとに説明しようとしていた。

この授業から、国語では感想を自由に言わせるだけでなく、本文の言葉を根拠に考えさせることが大切だと学んだ。自分が授業を行う際も、児童が根拠を持って発言できるような発問を意識したい。

算数・数学の授業観察記録の例文

本時では、新しい計算方法を考える授業が行われていた。教師は最初から解き方を説明するのではなく、既習事項を確認したうえで、「今までの考え方を使うと、どのように解けそうですか」と発問していた。

児童は図や式を使いながら、自分なりの解き方を考えていた。発表の場面では、教師が複数の考え方を板書し、それぞれの共通点や違いを整理していた。

この授業から、算数・数学では答えを出すことだけでなく、考え方を説明する活動が重要だと学んだ。自分が授業を行う際も、児童生徒がどのように考えたのかを言葉で説明できるように支援したい。

英語の授業観察記録の例文

本時では、新しい表現を使ってペアで会話する活動が行われていた。教師は最初に例文を提示し、発音練習を行ったあと、生徒同士で実際に会話する時間を設けていた。

生徒は最初は戸惑っている様子もあったが、教師がモデルを示したことで、活動内容を理解して取り組んでいた。ペア活動中には、教師が机間指導を行い、発音や表現に困っている生徒に声をかけていた。

この授業から、英語の授業では教師の説明だけでなく、生徒が実際に使う場面を作ることが大切だと学んだ。自分が授業を行う際も、練習から実際の活動へ自然につながる流れを意識したい。

NGな授業観察記録の書き方

授業観察記録では、内容が薄く見えてしまう書き方があります。

悪気がなくても、書き方によっては「授業を十分に見ていない」と受け取られることもあります。

ここでは、避けたい書き方を確認しておきましょう。

「分かりやすかった」だけで終わる

「分かりやすかったです」

「勉強になりました」

「よい授業でした」

このような表現だけでは、何を見てそう感じたのかが伝わりません。

書く場合は、必ず理由を足しましょう。

たとえば、

「教師が図を使って説明していたため、児童が問題場面をイメージしやすくなっていた」

と書けば、具体的な観察になります。

児童生徒の様子を書かない

授業観察記録で教師の行動だけを書いてしまう人も多いです。

しかし、授業は教師だけで成り立つものではありません。

教師の発問や指示に対して、児童生徒がどう反応したかまで見ることが大切です。

「教師がペア活動を取り入れていた」

だけでなく、

「ペア活動を取り入れたことで、発表前に自分の考えを確認する児童の姿が見られた」

と書くと、授業の効果まで伝わります。

教師の行動だけを並べる

授業の流れを時系列で書くことは大切です。

しかし、

「先生が説明した」

「先生が板書した」

「先生が指名した」

「先生がまとめた」

だけでは、記録が単なるメモになってしまいます。

教師の行動を書いたあとに、

その意図は何か

児童生徒はどう反応したか

自分は何を学んだか

を加えるようにしましょう。

批判的な表現になっている

授業観察記録では、授業者を批判するような書き方は避けましょう。

たとえば、

「説明が長くて分かりにくかった」

「板書が見にくかった」

「児童が集中していなかった」

と書くと、批判的に見える可能性があります。

改善するなら、

「説明の時間が長くなると、児童の視線が教科書から離れる場面が見られた。自分が授業を行う際は、説明の途中で発問や活動を入れ、児童が考える時間を作りたい」

のように、自分の学びとして書くとよいです。

自分の学びにつながっていない

授業観察記録では、最後に自分の学びを書くことが大切です。

授業の様子を詳しく書いていても、自分が何を学んだのかがないと、記録として物足りなくなります。

最後は、

「自分が授業を行う際も意識したい」

「今後はこの点に注意したい」

「研究授業では取り入れたい」

という形で、自分の実習につなげて書きましょう。

NG例文と改善例

ここでは、よくあるNG例文と改善例を紹介します。

同じ内容でも、書き方を少し変えるだけで印象が大きく変わります。

NG例文:感想だけの記録

先生の授業はとても分かりやすかったです。児童も楽しそうに参加していて、よい授業だと思いました。自分もこのような授業ができるようになりたいです。

この例文は、悪い内容ではありません。

しかし、何が分かりやすかったのか、児童がどのように参加していたのか、自分が何を学んだのかが具体的ではありません。

改善例:事実・考察・学びを入れた記録

本時では、導入で前時の内容を確認したあと、児童の発言をもとに本時のめあてを設定していた。教師が一方的に説明するのではなく、児童の気づきを取り上げて課題につなげていたため、児童が学習内容を自分ごととして捉えやすくなっていた。

展開では、教師が発問後に考える時間を設けていたことで、多くの児童がノートに自分の考えを書いていた。自分が授業を行う際も、すぐに指名するのではなく、児童が考えを整理する時間を確保したい。

この改善例では、授業の事実、児童の反応、自分の学びが入っています。

そのため、授業をしっかり観察していることが伝わります。

NG例文:児童生徒への表現が強すぎる記録

授業中、集中していない児童が多く、先生の話を聞いていない様子だった。もう少し静かにさせた方がよいと思った。

この書き方は、児童生徒や授業者を批判しているように見える可能性があります。

教育実習生の観察記録では、決めつける表現や上から目線の表現は避けた方がよいです。

改善例:客観的で丁寧な表現に直した記録

説明の時間が長くなった場面では、教科書から視線が離れている児童が数名見られた。その後、教師が具体物を提示して問いかけると、児童の視線が前方に向き、発問に反応する姿が見られた。

このことから、児童の集中を保つためには、説明だけで進めるのではなく、具体物や発問を取り入れて児童が考える場面を作ることが大切だと学んだ。

この改善例では、児童を決めつけず、実際に見られた様子を客観的に書いています。

さらに、自分の学びにつなげているため、前向きな記録になります。

指導教員に評価される観察記録のコツ

授業観察記録で大切なのは、うまい文章を書くことではありません。

授業から何を学び、自分の実習にどう生かそうとしているかを伝えることです。

授業者の工夫に注目する

授業を見るときは、授業者の工夫に注目しましょう。

たとえば、

導入で児童生徒の興味を引き出していた

発問で考えを深めていた

板書で意見を整理していた

机間指導でつまずきを確認していた

まとめで本時の学びを整理していた

といった点です。

「なぜ先生はこのタイミングで声をかけたのか」

「なぜこの順番で板書したのか」

と考えることで、記録の内容が深くなります。

児童生徒の変化を見る

授業観察では、児童生徒の変化を見ることも重要です。

授業の最初は発言が少なかった児童が、ペア活動後に発表できるようになった。

問題に取り組めずにいた生徒が、教師の声かけで再び考え始めた。

資料を見たあとに、児童の発言が増えた。

このような変化は、授業の工夫と児童生徒の学びがつながっている場面です。

観察記録に書くと、授業をよく見ていることが伝わります。

自分の課題として書く

授業観察記録では、他の先生の授業を見て終わるのではなく、自分の課題として書くことが大切です。

たとえば、

「発問の仕方が勉強になった」

だけで終わらせず、

「自分は授業を進めることに意識が向きすぎて、児童が考える時間を十分に取れない可能性がある。発問後は沈黙を恐れず、児童が考える時間を確保したい」

と書くと、自分の課題が明確になります。

批判ではなく学びとしてまとめる

授業を観察していると、気になる場面が出てくることもあります。

しかし、そのまま批判的に書くのではなく、自分の学びとしてまとめることが大切です。

たとえば、

「説明が長かった」

ではなく、

「説明が続く場面では、児童の集中が途切れやすくなることに気づいた。自分が授業を行う際は、説明の途中に発問や活動を入れることで、児童が考える時間を作りたい」

と書きます。

このように書けば、気づきを前向きな学びとしてまとめられます。

次の授業づくりにつなげる

授業観察記録は、次の授業づくりに生かしてこそ意味があります。

観察記録の最後には、

自分の授業で取り入れたいこと

注意したいこと

改善したいこと

を書きましょう。

例文は次の通りです。

今回の授業を観察して、導入で児童の興味を引き出すことが、その後の活動への意欲につながると学んだ。自分が授業を行う際も、最初に身近な例や具体物を示し、児童が「考えてみたい」と思える導入を工夫したい。

観察記録を書けても、職員室での報告や授業中の態度で評価を下げてしまう実習生もいます。記録以外の立ち振る舞いまで不安な人は、「教育実習で失敗しない方法」でNG行動と改善策を確認しておきましょう。

授業観察後に指導教員へ質問するときの例文

授業観察後は、分からなかったことや気づいたことを指導教員に質問すると、学びが深まります。

ただし、質問するときは、いきなり「なぜですか」と聞くよりも、自分が見たことや考えたことを伝えてから質問すると丁寧です。

発問について質問する例文

本日の授業で、先生が発問後にすぐ指名せず、児童がノートに考えを書く時間を取られていた点が印象に残りました。発問後の待つ時間は、どのくらいを目安にされているのでしょうか。

今日の授業で、「どうしてそう考えたのですか」と問い返されていた場面がありました。児童の考えを深める発問を考えるとき、どのような点を意識されていますか。

板書について質問する例文

本日の板書では、児童の意見が整理されていて、授業の流れが分かりやすいと感じました。板書計画を立てるときは、事前にどの程度まで考えておくとよいでしょうか。

児童の発言を板書に取り入れる場面が印象に残りました。予定していた板書と児童の発言が違った場合、どのように整理すればよいでしょうか。

児童生徒への声かけについて質問する例文

授業中、手が止まっている児童に対して、先生が答えを直接教えるのではなく、前の問題を確認するように声をかけていた点が印象に残りました。つまずいている児童への声かけでは、どのようなことを意識されていますか。

発表が苦手そうな児童にも、先生がやさしく声をかけて参加を促していた場面がありました。児童が安心して発言できるようにするために、日頃から意識されていることはありますか。

時間配分について質問する例文

本日の授業では、個人で考える時間、ペアで交流する時間、全体で確認する時間が分かりやすく区切られていました。授業の時間配分を考えるとき、特に気をつけていることはありますか。

自分が授業をすると、説明が長くなってしまいそうで不安があります。限られた時間の中で、説明と活動のバランスを取るには、どのように考えればよいでしょうか。

個別支援について質問する例文

授業中、先生が机間指導をしながら、児童のノートを確認されていた点が印象に残りました。短い時間で児童の理解度を見るとき、どのような点を見ればよいでしょうか。

つまずいている児童に対して、どこまで支援するべきか迷うことがあります。自分で考えさせる時間と、教師が支援するタイミングはどのように判断されていますか。

授業後に質問したいことがあっても、「こんなことを聞いて大丈夫かな」と迷う人は多いです。発問・板書・生徒対応など場面別に聞き方を知りたい人は、「教育実習で指導教員に質問する例文」を読んで、失礼にならない聞き方を準備しておきましょう。

授業観察記録を指導案に活かす方法

授業観察記録は、提出して終わりではありません。

観察した内容は、自分が授業をするときの指導案作成に役立ちます。

よい発問を自分の授業に取り入れる

授業観察で印象に残った発問は、自分の授業にも取り入れられます。

特に、

児童生徒に理由を考えさせる発問

前時の学習とつなげる発問

考えを比較させる発問

根拠を示させる発問

は、指導案を作るときの参考になります。

そのまま真似するのではなく、自分の授業のねらいに合わせて調整しましょう。

板書計画の参考にする

授業観察では、板書の構成もよく見ておきましょう。

指導案を書くときには、板書計画を考える場面があります。

そのとき、観察した授業の板書が参考になります。

めあてをどこに書くか

児童生徒の意見をどう整理するか

重要語句をどう目立たせるか

まとめをどのように残すか

を意識して見ると、自分の板書計画が立てやすくなります。

児童生徒のつまずきを予想する

授業観察では、児童生徒がどこで迷ったのかを記録しておくと、指導案作成に役立ちます。

たとえば、

問題文の意味を理解するところでつまずいた

自分の考えを言葉にするのが難しそうだった

ペア活動では話し始めるまでに時間がかかった

計算方法は分かっていても、理由の説明が難しそうだった

このような様子を記録しておくと、自分の授業で支援を考える材料になります。

時間配分を考える材料にする

授業観察では、各活動にどのくらい時間を使っていたかも見ておくとよいです。

導入に何分使っていたか

個人で考える時間は何分だったか

ペア活動はどのくらいだったか

まとめに十分な時間が残っていたか

を見ておくと、自分の指導案で時間配分を考えるときに役立ちます。

教育実習生は、授業中に説明が長くなりやすいです。

観察記録をもとに、どの活動にどのくらい時間を使うかを具体的に考えましょう。

研究授業の改善点につなげる

教育実習では、研究授業を行うことがあります。

授業観察で学んだことは、研究授業の改善にもつながります。

たとえば、

導入で児童生徒の興味を引き出す

発問後に考える時間を取る

板書で意見を整理する

机間指導でつまずきを確認する

まとめでめあてに戻る

といった視点は、研究授業でも重要です。

授業観察で気づいたことを記録しておくと、自分の研究授業を考えるときに役立ちます。

観察記録で「よい発問」や「板書の工夫」に気づけたら、次は自分の授業案に落とし込む段階です。授業の流れや本時のねらいの書き方で迷う人は、「教育実習の指導案の書き方と例文」で提出前に確認しておくと安心です。

授業観察記録を書くときの注意点

授業観察記録を書くときは、内容だけでなく表現にも注意が必要です。

特に、授業者や児童生徒について書くときは、丁寧で客観的な表現を意識しましょう。

授業者を批判する書き方は避ける

教育実習生の立場で、授業者を批判するような書き方は避けましょう。

「説明が下手だった」

「進め方がよくなかった」

「板書が分かりにくかった」

と書くのではなく、自分の学びとして書き換えます。

たとえば、

「説明が続く場面では、児童の集中を保つために発問や活動を入れる工夫が必要だと感じた」

と書けば、批判ではなく学びになります。

児童生徒を決めつける表現は避ける

児童生徒について書くときも、決めつける表現は避けましょう。

「やる気がない」

「集中力がない」

「理解していない」

と書くと、強い表現になります。

代わりに、

「活動開始後、手が止まっている児童が数名見られた」

「説明中に視線が別の方向を向く生徒がいた」

「問題に取り組むまでに時間がかかる様子が見られた」

のように、見えた事実を書くと丁寧です。

個人名は原則書かない

授業観察記録では、児童生徒の個人名は原則として書かない方が安全です。

必要がある場合でも、

ある児童

数名の生徒

発表した児童

手が止まっていた生徒

のように書くとよいです。

教育実習では、個人情報への配慮も大切です。

記録は提出物として扱われるため、誰が読んでも問題のない表現を心がけましょう。

ネガティブな場面も学びとして書く

授業中には、児童生徒が集中できていない場面や、活動が思うように進まない場面もあります。

そのような場面を書いてはいけないわけではありません。

ただし、書き方が大切です。

たとえば、

「児童が騒がしかった」

ではなく、

「活動の切り替え場面では、次に何をするのか確認するまでに時間がかかる様子が見られた。活動前の指示を簡潔に伝えることの大切さを学んだ」

と書くと、前向きな学びになります。

提出前に誤字脱字を確認する

授業観察記録は、提出前に必ず読み直しましょう。

特に確認したいのは、次の点です。

教科名や単元名に間違いがないか

児童生徒や授業者を批判する表現になっていないか

感想だけで終わっていないか

自分の学びが書かれているか

誤字脱字がないか

内容がよくても、誤字脱字が多いと雑な印象を与えてしまいます。

提出前に一度声に出して読むと、不自然な文章に気づきやすくなります。

授業観察記録が書けないときの対処法

授業を見たあとに、何を書けばよいか分からなくなることもあります。

その場合は、無理に立派な文章を書こうとせず、見たことを整理するところから始めましょう。

授業の流れを思い出す

まずは、授業の流れを思い出します。

導入で何をしたか

展開でどのような活動があったか

まとめで何を確認したか

この3つを思い出すだけでも、記録の土台ができます。

細かい言葉を思い出せなくても、授業の流れが分かれば書き始められます。

印象に残った発問を1つ選ぶ

授業全体を書こうとすると難しく感じます。

その場合は、印象に残った発問を1つ選びましょう。

たとえば、

「なぜそう考えたのですか」

「どの言葉から分かりますか」

「前の学習と比べると、どこが違いますか」

などです。

その発問によって児童生徒がどう反応したかを書くと、観察記録になります。

児童生徒の反応を1つ書く

書くことに困ったときは、児童生徒の反応を1つ思い出してください。

手を挙げた

ノートに考えを書いていた

ペアで話し合っていた

発表を聞いてうなずいていた

問題に悩んでいた

このような反応をもとに、教師の働きかけとつなげて書くと、内容が具体的になります。

自分の授業に活かせる点を考える

最後に、自分の授業に活かせる点を考えます。

導入の工夫

発問の仕方

板書の整理

児童生徒への声かけ

時間配分

この中から1つ選び、

「自分が授業を行う際も意識したい」

と書けば、学びのある観察記録になります。

指導教員に確認する

どうしても書けない場合は、指導教員に確認しても大丈夫です。

その際は、

「何を書けばいいですか」

と丸投げするのではなく、

「本日の授業では、発問後に考える時間を取っていた点が印象に残りました。この点を観察記録に書こうと思うのですが、視点としてよろしいでしょうか」

のように、自分なりに考えたうえで相談すると丁寧です。

記録の提出や質問が怖いと感じる人は、「教育実習で指導教員が怖いときの対処法」も読んでおくと気持ちが楽になります。

授業観察記録とあわせて書けるようにしたい実習記録

教育実習では、授業観察記録以外にもさまざまな記録を書く機会があります。

授業観察記録で身につけた「事実、考察、学び」の書き方は、他の提出物にも役立ちます。

教育実習日誌

教育実習日誌は、一日の活動や反省をまとめる記録です。

授業観察記録で書いた学びは、その日の実習日誌にも活かせます。

たとえば、

「授業観察を通して、発問後に児童が考える時間を確保することの大切さを学んだ」

という内容は、日誌の反省欄にも使えます。

教育実習レポート

教育実習後には、実習全体を振り返るレポートを書くことがあります。

授業観察記録を丁寧に残しておくと、レポートを書くときに具体例として使えます。

「教育実習を通して学んだこと」を書くとき、観察記録があると内容に説得力が出ます。

反省文

授業観察記録は、反省文を書くときにも役立ちます。

反省文では、できなかったことだけを書くのではなく、

何を学んだか

どこに課題を感じたか

次にどう改善するか

を書くことが大切です。

観察記録で学んだ発問や板書、児童生徒への声かけをもとに書くと、具体的な反省文になります。

研究授業の振り返り

教育実習中に研究授業を行う場合、授業後に振り返りを書くことがあります。

授業観察で見た先生方の工夫は、自分の研究授業の振り返りにもつながります。

たとえば、

導入で児童の関心を引き出せたか

発問は分かりやすかったか

板書は授業の流れに合っていたか

児童生徒の反応を見ながら進められたか

時間配分は適切だったか

を振り返るときに、授業観察の視点が役立ちます。

FAQ:教育実習の授業観察記録でよくある質問

ここでは、教育実習の授業観察記録でよくある疑問に答えます。

Q1.授業観察記録は毎時間書く必要がありますか?

大学や実習校の指示によります。

毎時間書く場合もあれば、指定された授業だけ詳しく書く場合もあります。

迷ったときは、自己判断せず、大学の実習要項や指導教員の指示を確認しましょう。

Q2.授業中のメモはそのまま提出してもよいですか?

基本的には、授業中のメモをそのまま提出するのではなく、授業後に整理して清書した方がよいです。

メモはあくまで材料です。

提出用には、授業の流れ、教師の工夫、児童生徒の反応、自分の学びが伝わる文章に整えましょう。

Q3.児童生徒の悪い様子を書いてもよいですか?

書いてはいけないわけではありません。

ただし、決めつけや批判にならないように注意が必要です。

「集中していなかった」と書くよりも、

「説明中に視線が前方から離れている児童が数名見られた」

のように、客観的な表現にしましょう。

そのうえで、

「児童の集中を保つためには、説明の途中で発問や活動を入れることが大切だと学んだ」

と書くと、前向きな記録になります。

Q4.「分かりやすかった」と書くのはダメですか?

書いても大丈夫です。

ただし、「分かりやすかった」だけで終わると内容が浅くなります。

なぜ分かりやすかったのかを具体的に書きましょう。

たとえば、

「図を使って説明していたため、児童が問題場面をイメージしやすくなっていた」

「児童の発言を板書に整理していたため、考えの違いが分かりやすかった」

のように書くとよいです。

Q5.授業者への疑問を書いてもよいですか?

書き方に注意すれば大丈夫です。

「なぜこの進め方にしたのか疑問に思った」と強く書くよりも、

「この場面で教師がペア活動を取り入れた意図について、授業後に確認したいと感じた」

のように書くと丁寧です。

疑問は批判ではなく、学びを深めるための視点として書きましょう。

Q6.観察記録に自分の反省を書いてもよいですか?

書いてもよいです。

むしろ、自分の授業づくりにどう活かすかを書くことで、学びが伝わりやすくなります。

たとえば、

「自分は授業を進めることに意識が向きすぎる可能性があるため、児童の反応を見ながら発問や説明の仕方を調整できるようにしたい」

のように書くと、観察から自分の課題につなげられます。

Q7.書くことが思いつかないときはどうすればよいですか?

まずは、印象に残った場面を1つ選びましょう。

発問

板書

児童生徒の反応

教師の声かけ

まとめ方

この中から1つ選び、

何があったか

児童生徒はどう反応したか

自分は何を学んだか

の順番で書くと、観察記録になります。

Q8.指導教員に見せる前に確認すべきことはありますか?

提出前には、次の点を確認しましょう。

感想だけで終わっていないか

授業の事実が書かれているか

児童生徒の反応が入っているか

自分の学びが書かれているか

批判的な表現になっていないか

誤字脱字がないか

特に、授業者や児童生徒に対する表現は丁寧に確認しましょう。

まとめ

教育実習の授業観察記録は、ただ授業を見た感想を書くものではありません。

授業者の発問や指示、板書、教材の使い方、児童生徒の反応を観察し、そこから自分が何を学んだのかを整理する記録です。

授業観察記録は「事実+考察+学び」で書く

評価される授業観察記録に必要なのは、きれいな文章ではありません。

大切なのは、

授業で何があったか

児童生徒はどう反応したか

なぜそのような工夫がされていたのか

自分は何を学んだか

今後の授業にどう活かすか

を書くことです。

評価される記録は児童生徒の反応まで見ている

教師の行動だけでなく、児童生徒の反応まで書くと、授業をよく観察していることが伝わります。

発問後に考えていた

ペア活動で意見を交流していた

板書を見ながらノートに整理していた

声かけによって再び取り組み始めた

このような具体的な反応を入れることで、観察記録の質が高まります。

観察記録は自分の授業づくりに活かすことが大切

授業観察記録は、提出して終わりではありません。

観察した内容は、指導案作成や研究授業、反省文、教育実習レポートにもつながります。

よい発問、分かりやすい板書、児童生徒への声かけ、時間配分などを記録しておくことで、自分の授業づくりに活かせます。

迷ったら感想ではなく「次にどう活かすか」まで書く

授業観察記録で迷ったときは、最後に必ず「自分ならどう活かすか」を書きましょう。

「自分が授業を行う際も、児童が考える時間を確保したい」

「発問後すぐに答えを求めるのではなく、理由を説明させる問い返しを意識したい」

「板書では児童の意見を整理し、授業の流れが分かるようにしたい」

このように書けば、観察から学び、自分の成長につなげようとしている姿勢が伝わります。

教育実習の授業観察記録は、最初から完璧に書けなくても大丈夫です。

まずは、授業の事実をよく見て、児童生徒の反応を記録し、自分の学びとしてまとめることを意識しましょう。