教育実習が近づくと、
「板書が苦手だから授業が不安」
「黒板のどこに何を書けばいいかわからない」
「指導教員に板書が見にくいと言われたらどうしよう」
と悩む人は少なくありません。
実際、教育実習では授業内容だけでなく、板書の見やすさも評価の対象になります。
しかし安心してください。
教育実習で求められているのは、美しい字を書くことではありません。
生徒が理解しやすく、ノートに写しやすく、授業の流れが分かる板書ができれば十分です。
この記事では、教育実習で見やすい板書を作るコツや黒板レイアウトの考え方、板書計画の作り方、実習生がやりがちなNG例まで詳しく解説します。
板書に苦手意識がある人でも実践できる内容なので、ぜひ授業準備に役立ててください。
目次
教育実習で板書が重要な理由
教育実習では授業の進め方だけでなく、板書の使い方も見られています。
なぜなら、板書には授業設計や生徒理解への配慮が表れるからです。
まずは、教育実習で板書が重要視される理由を確認しておきましょう。
指導教員は板書から授業設計力を見ている
指導教員は黒板を見れば、その授業がどのように設計されているかをある程度判断できます。
例えば、
・授業のめあてが明確か
・学習内容が整理されているか
・まとめまでつながっているか
・生徒が理解しやすい順番になっているか
などです。
黒板が整理されている授業は、教師自身の考えも整理されていることが多く、授業全体が分かりやすくなります。
反対に、場当たり的に書き足した板書は、授業計画の甘さが目立ってしまいます。
生徒の理解度は板書の見やすさで大きく変わる
生徒は教師の話だけでなく、黒板からも情報を得ています。
例えば、
「今日の授業で何を学ぶのか」
「今どこまで進んでいるのか」
「結論は何なのか」
が板書から分かると、生徒は安心して授業を受けられます。
逆に、
・文字が小さい
・情報が散らばっている
・重要な部分が分からない
という板書では、生徒が混乱しやすくなります。
見やすい板書は、生徒の学習を支える大切な教材の一つです。
字の上手さよりも「整理された板書」が評価される
教育実習生の多くが、
「字が下手だから不安」
と感じています。
しかし、実際の学校現場では字の美しさよりも整理の仕方が重視されます。
例えば、
字が少し下手でも
・文字の大きさが統一されている
・重要語句が目立つ
・余白が確保されている
・授業の流れが分かる
という板書なら十分見やすくなります。
板書が苦手な人ほど、字の練習よりレイアウトを意識しましょう。
教育実習全体で評価されるポイントを知りたい人は、教育実習で失敗しない方法も参考にしてください。
教育実習で見やすい板書を作る5つの基本原則
見やすい板書には共通点があります。
ここでは教育実習生が最低限押さえておきたい5つの基本原則を紹介します。
黒板を左・中央・右に分けて使う
最も簡単で効果的なのが、黒板を3つのエリアに分ける方法です。
例えば、
左側
→めあて・課題
中央
→授業の展開
右側
→まとめ
という形です。
最初から場所を決めておくと、黒板が散らかりにくくなります。
授業中に慌てて書く場所を探す必要もありません。
めあて・課題・まとめの位置を固定する
授業ごとに配置を変えると、生徒も混乱します。
おすすめは、
左上
→本時のめあて
中央
→学習内容
右下
→まとめ
という固定パターンです。
位置を固定すると、授業の流れが分かりやすくなります。
また、指導教員からも授業構成が見えやすくなります。
文字の大きさと行間を統一する
板書が見にくくなる原因の一つが文字サイズのばらつきです。
特に緊張すると、
最初は大きい文字
後半は小さい文字
になりがちです。
目安としては、
・重要語句は大きめ
・説明文は同じ大きさ
・行間は指2本程度
を意識すると見やすくなります。
色チョークは使いすぎない
教育実習生によくある失敗が色チョークの多用です。
色を増やしすぎると、どこが重要なのか分からなくなります。
基本は、
白
→本文
黄
→重要語句
赤
→特に強調したい部分
程度で十分です。
3色以内を目安にすると整理された板書になります。
生徒がノートに写しやすい配置を意識する
教師目線ではなく、生徒目線で考えることが大切です。
例えば、
・横に長すぎない
・情報を詰め込みすぎない
・見出しを付ける
・囲みを活用する
などです。
板書を見た生徒が、
「どこを書けばいいのか」
をすぐ理解できる状態を目指しましょう。
教育実習の板書レイアウト例【そのまま使える】
板書が苦手な人ほど、授業前にレイアウトを決めておくことが重要です。
ここではそのまま使える基本レイアウトを紹介します。
基本レイアウトの考え方
最も使いやすいのは三分割型です。
左
→めあて
中央
→授業内容
右
→まとめ
という配置です。
授業の流れが自然に見えるため、多くの学校で使われています。
小学校向け板書レイアウト例
小学校では視覚的な分かりやすさが重要です。
例
左上
今日のめあて
中央
児童の意見や考え
右側
学習のまとめ
下部
イラストや図
文字だけでなく図や矢印も活用すると理解しやすくなります。
中学校向け板書レイアウト例
中学校では情報整理が重要になります。
例
左
課題
中央
学習内容
右
結論・まとめ
重要語句を囲みながら整理すると見やすくなります。
高校向け板書レイアウト例
高校では情報量が増えるため、余白管理が重要です。
例
左
本時のテーマ
中央
解説
右
要点整理
最初からスペース配分を決めておくことがポイントです。
板書スペースを事前に決めるコツ
授業前にノートへ簡単な黒板図を書いておくと失敗が減ります。
例えば、
□めあて
□□□□展開
□□まとめ
程度の簡易メモでも十分です。
授業中の焦りを大幅に減らせます。
教育実習の板書計画の作り方
板書は授業中に考えるものではありません。
授業前に板書計画を作っておくことで、授業の質は大きく向上します。
板書計画とは何か
板書計画とは、
「授業終了時に黒板がどのような状態になっているか」
を事前に設計することです。
優秀な先生ほど、授業前に完成形をイメージしています。
指導案と板書計画を連動させる方法
指導案の流れに合わせて、
めあて
↓
課題
↓
活動
↓
まとめ
を黒板上に配置します。
板書計画は指導案とセットで考えることが重要です。
詳しくは教育実習の指導案の書き方と例文をご覧ください。
授業前に作っておきたい板書メモ
教育実習では、本番前に簡単な板書メモを作っておくことをおすすめします。
板書メモとは、黒板に何を書くかを事前に整理した設計図のようなものです。
例えば、ノートの1ページに次のように書いておくだけでも効果があります。
【板書メモ例】
左上
本時のめあて
中央
課題提示
中央下
生徒の意見
右側
まとめ
下部
重要語句
授業中は想像以上に緊張します。
頭の中だけで板書を管理しようとすると、
「次に何を書くんだっけ」
「まとめを書く場所がない」
という状態になりやすいです。
簡単な板書メモがあるだけで、安心感が大きく変わります。
板書計画の簡単テンプレート
教育実習生向けの基本テンプレートを紹介します。
【板書計画テンプレート】
左上
めあて
左中央
課題
中央
学習内容
中央下
生徒の発言
右上
重要語句
右下
まとめ
授業前にこの型へ当てはめておくだけでも、板書の失敗を大幅に減らせます。
教育実習で板書しながら授業を進めるコツ
板書計画を作っていても、授業中に焦ってしまうことがあります。
ここでは授業を止めずに板書するコツを紹介します。
話しながら書こうとしない
教育実習生がよくやる失敗が、
書く
↓
話す
↓
また書く
ではなく、
書きながら説明する
ことです。
黒板に向かいながら話すと、生徒は聞き取りにくくなります。
おすすめは、
説明する
↓
書く
↓
振り返って確認する
という流れです。
短いサイクルを意識しましょう。
板書する内容を絞る
教師が話した内容をすべて黒板へ書く必要はありません。
板書すべきなのは、
・重要語句
・結論
・考え方の流れ
です。
説明文を長く書きすぎると、生徒もノートを写すことに集中してしまいます。
生徒が写す時間を確保する
授業中にありがちな失敗が、
教師だけが先へ進んでしまうことです。
板書した後は、
「ここまでノートへ写してください」
と一言伝えましょう。
生徒の手が止まっているか確認することも大切です。
発問と板書を連動させる
良い板書は、生徒とのやり取りが見える板書です。
例えば、
教師
「なぜそう考えたのかな?」
生徒
「〇〇だからです」
教師
「なるほど。ではここへ書いておこう」
という流れです。
生徒の発言を黒板へ残すことで、授業への参加意識も高まります。
板書中に背中を向け続けない
黒板に向かう時間が長いと、生徒の様子が見えなくなります。
数行書いたら振り返る習慣をつけましょう。
生徒の反応を確認しながら進めることが大切です。
字が下手でも見やすい板書にする方法
教育実習生の多くが気にするのが字の上手さです。
しかし実際には、字が多少下手でも見やすい板書は作れます。
真っすぐ書くためのコツ
文字が曲がる原因は、行の基準がないことです。
黒板の枠や既に書いた文字を基準線として利用しましょう。
また、一気に長文を書こうとせず、短い単位で区切ると曲がりにくくなります。
文字を大きく見せるコツ
後ろの席から見えない板書は意味がありません。
迷ったら少し大きめに書きましょう。
特に、
・めあて
・課題
・まとめ
・重要語句
は大きく書くことを意識してください。
行間を整える方法
文字同士が近すぎると読みにくくなります。
行間を十分に取るだけで板書は見やすくなります。
黒板が余ることを心配する必要はありません。
余白も大切な情報です。
図や囲みを活用する方法
文章だけで説明しようとすると、黒板が文字だらけになります。
重要語句を囲む
矢印で関係を示す
図を使う
といった工夫をすると理解しやすくなります。
練習量よりもレイアウトを優先する
字の練習を何時間もするより、
・配置
・余白
・色使い
を整える方が効果的です。
見やすい板書はレイアウトで決まると言っても過言ではありません。
教育実習生がやりがちな板書のNG例
ここでは実習生によく見られる失敗例を紹介します。
黒板いっぱいに文字を書いてしまう
空いているスペースを見ると埋めたくなります。
しかし、余白がない板書は非常に見にくくなります。
余白も授業設計の一部です。
色チョークを使いすぎる
赤
黄
青
緑
白
と色を増やしすぎると、重要な部分が分からなくなります。
基本は3色以内がおすすめです。
消す場所を決めていない
黒板を消す計画がないと、途中でスペース不足になります。
どこを残してどこを消すのか事前に決めておきましょう。
重要語句が埋もれてしまう
重要語句は囲む、色を変える、大きく書くなどの工夫が必要です。
本文と同じ扱いでは目立ちません。
板書に時間をかけすぎる
板書が目的ではありません。
授業が目的です。
黒板を書くことに集中しすぎると、生徒とのやり取りが減ってしまいます。
ノートに写せないスピードで進める
教師は理解していても、生徒は初めて学ぶ内容です。
写す時間を確保することも授業の一部です。
めあてとまとめが対応していない
授業の最初に示しためあてに対して、最後のまとめが答えになっているか確認しましょう。
ここがずれると授業全体が分かりにくくなります。
指導教員に評価されやすい板書のポイント
授業の流れが見える板書
学習のまとめが明確な板書
生徒の発言を活かした板書
指導案との整合性がある板書
板書計画を事前に準備していることが伝わる板書
板書について指導教員へ相談したい場合は、教育実習で指導教員に質問する例文も参考になります。
教育実習前にできる板書練習法
板書は本番で急に上達するものではありません。
教育実習が始まる前に少し練習しておくだけで、自信を持って授業に臨めます。
自宅でできる板書練習
最も手軽なのはノートを使った練習です。
授業で扱う内容を想定し、
・めあて
・課題
・まとめ
をどこへ配置するか考えながら書いてみましょう。
実際の黒板サイズでなくても構いません。
大切なのはレイアウトを考える習慣をつけることです。
ホワイトボードを使った練習
自宅にホワイトボードがある場合は積極的に活用しましょう。
立った状態で書く感覚は、机でノートを書くのとは大きく異なります。
文字の大きさや行間を確認しながら練習できるため、本番に近い感覚を身につけられます。
授業動画を見ながら板書を再現する
YouTubeなどの授業動画を見ながら、
「自分ならどう板書するか」
を考える練習も効果的です。
優れた授業者の板書には、
・情報整理
・色使い
・スペース配分
など参考になるポイントがたくさんあります。
授業観察で学ぶポイント
教育実習では授業観察の時間があります。
その際は、
・どこにめあてを書くか
・どのタイミングでまとめを書くか
・どの部分を囲むか
などを意識して観察してみてください。
他の先生の板書を観察する際は、授業観察記録の書き方もあわせて確認しておきましょう。
板書で失敗したときの立て直し方
どれだけ準備していても、教育実習では失敗することがあります。
大切なのは失敗した後の対応です。
黒板がごちゃごちゃになった場合
無理に書き足し続ける必要はありません。
一度整理して、
「ここまでをまとめます」
と区切りをつけましょう。
囲みや線を使うだけでも見やすさは改善します。
書き忘れた場合
実習生は緊張で重要な内容を書き忘れることがあります。
気付いた時点で、
「大事なことなのでここへ追加します」
と落ち着いて補足すれば問題ありません。
慌てて対応すると余計に授業が崩れてしまいます。
時間が足りなくなった場合
板書量が多すぎると授業時間が不足します。
時間が足りない場合は、
・重要語句だけ書く
・まとめを優先する
・説明を簡潔にする
などの対応を取りましょう。
特にまとめは省略しないことが大切です。
指導教員に注意された場合
板書について指摘を受けることは珍しくありません。
例えば、
「文字が小さい」
「情報量が多い」
「まとめが分かりにくい」
などの指摘です。
大切なのは落ち込むことではなく、次の授業で改善することです。
板書について厳しく指導された場合は、教育実習で怒られたときの立ち直り方も参考にしてください。
FAQ
Q1. 教育実習では字が下手だと評価が下がりますか?
基本的に字の上手さだけで評価が下がることはありません。
大切なのは、生徒が読める大きさで整理して書けているかです。
字が多少下手でも、レイアウトや余白を意識すれば十分見やすい板書になります。
Q2. 板書計画は必ず作るべきですか?
教育実習では作ることをおすすめします。
板書計画があると授業中の迷いが減り、黒板のスペース不足も防げます。
特に初めて研究授業を行う場合は必須と考えてよいでしょう。
Q3. 色チョークは何色まで使ってよいですか?
基本は白・黄・赤の3色程度がおすすめです。
色が増えるほど重要な部分が分かりにくくなります。
色は装飾ではなく情報整理のために使いましょう。
Q4. 板書とノート指導はどちらを優先すべきですか?
どちらも重要ですが、まずは生徒が理解できる板書を優先しましょう。
そのうえで、
「ここをノートへ写してください」
と指示を出すと効果的です。
Q5. 黒板を消すタイミングはいつがよいですか?
学習のまとめとして必要な内容を写し終えた後です。
消す予定の場所は授業前に決めておくとスムーズです。
Q6. 指導教員から板書を改善するよう言われたらどうすればよいですか?
まずは具体的にどこを改善すればよいか確認しましょう。
例えば、
「文字の大きさですか」
「色使いですか」
「レイアウトですか」
と質問すると改善点が明確になります。
次の授業で修正する姿勢を見せることが大切です。
まとめ
教育実習の板書は「見やすさ」と「整理」が最優先
教育実習の板書で最も大切なのは、字の美しさではありません。
生徒が理解しやすく、授業の流れが分かるように整理されていることです。
板書計画を作れば授業中の焦りは減らせる
授業前に板書計画を作っておくと、
「どこへ何を書くか」
が明確になります。
結果として授業中の余裕も生まれます。
完璧な字よりも生徒が理解しやすい板書を目指そう
教育実習では完璧を目指す必要はありません。
めあて、課題、まとめが整理され、生徒がノートへ写しやすい板書ができれば十分です。
まずは基本の型を身につけて、自信を持って授業に臨みましょう。