教育実習で指導案を作成するとき、
・何を書けばよいのか分からない
・本時目標の書き方に自信がない
・指導教員からダメ出しされたくない
・例文を見ながら作りたい
・提出できるレベルの指導案を作りたい
と悩んでいませんか。
教育実習の指導案は、単に授業内容を書くだけではありません。
目標、学習活動、評価規準がつながっているかどうかが重視されます。
実際には、内容そのものよりも「授業の流れが成立しているか」を見られることが多く、初めて指導案を書く実習生ほど修正を受けやすい傾向があります。
しかし、評価される指導案には共通点があります。
それは「目標→活動→評価」が一貫していることです。
本時目標、学習活動、発問、評価規準、板書計画の具体例から、指導教員に指摘されやすいNG例まで紹介します。
読み終える頃には、提出できるレベルの指導案を自信を持って作成できるようになります。
目次
まず結論|教育実習の指導案は「目標・活動・評価」の一貫性が最重要
教育実習の指導案で最も重要なのは、「目標・活動・評価」の一貫性です。
この3つがつながっていれば、多少表現が未熟でも授業の意図は伝わります。
逆に、文章が丁寧でも目標と活動が一致していない指導案は修正対象になりやすいです。
まずは「何を学ばせたいか」「どの活動で学ばせるか」「どう評価するか」をセットで考えるようにしましょう。
指導案で最も見られるのは「きれいな文章」ではなく授業の筋道
教育実習生の多くは、文章を上手に書こうとします。
しかし、指導教員が見ているのは作文力ではありません。
授業として成立しているかどうかです。
例えば、
本時目標
「分数の意味を理解する」
学習活動
「分数カードを使って考える」
評価規準
「分数を図で表現できる」
であれば、一応つながっています。
一方で、
本時目標
「分数の意味を理解する」
評価規準
「計算問題を正確に解く」
となると、目標と評価がずれてしまいます。
指導案では文章の上手さより、授業設計の筋道が重要です。
評価される指導案は本時目標から授業展開までつながっている
評価される指導案には共通点があります。
それは、本時目標から授業展開までが一直線につながっていることです。
良い例
本時目標
「三角形の面積の求め方を説明できる」
学習活動
・図形を観察する
・面積を予想する
・公式を使って計算する
・考え方を説明する
評価規準
「三角形の面積の求め方を自分の言葉で説明できる」
授業展開を見るだけで目標達成に向かっていることが分かります。
指導案を書く際は、常に
「この活動で本当に目標を達成できるか」
を確認しましょう。
学校指定の様式がある場合は必ずそちらを優先する
指導案にはさまざまな形式があります。
インターネットの例文やテンプレートは参考になりますが、実習校の様式が最優先です。
不明点がある場合は、早めに指導教員へ確認しましょう。
質問の仕方に迷う場合は、「教育実習で指導教員に質問する例文」を参考にすると、失礼のない相談がしやすくなります。
教育実習で使える指導案の例文|本時目標・展開・評価規準の書き方
指導案を完成させる近道は、実際の例文を見ることです。
ここでは教育実習でよく使われる基本例を紹介します。
本時目標の例文
悪い例
「分数を理解する」
良い例
「分数の意味を理解し、図を使って表現できる」
「登場人物の気持ちの変化を読み取り、自分の言葉で説明できる」
「三角形の面積を求める公式を使って問題を解くことができる」
達成した状態が見える目標を意識しましょう。
例文
短文
「分数の意味を説明できる。」
標準
「分数の意味を理解し、図を使って説明できる。」
丁寧
「分数の意味を理解し、図や具体物を活用しながら説明できるようにする。」
学習活動の例文
学習活動は子どもの動きを中心に書きます。
例
・問題を読み課題を把握する
・グループで考えを共有する
・発表内容を比較する
・学習内容をまとめる
教師の行動ではなく、児童生徒の活動を具体的に書くことが重要です。
教師の支援・指導上の留意点の例文
例
・つまずいている児童には具体物を提示する
・発表が苦手な児童にはヒントカードを配布する
・多様な考えが出るよう補助発問を行う
支援内容を書くことで授業の見通しが伝わります。
評価規準の例文
例
「分数の意味を理解し、図を用いて説明できる。」
「登場人物の心情変化を根拠とともに説明できる。」
「公式を使って正しく面積を求めることができる。」
評価規準は観察可能な行動で書きます。
発問の例文
良い発問例
「なぜそう考えたのですか。」
「ほかの考え方はありますか。」
「共通している部分は何でしょうか。」
子どもが考える余地のある発問を意識しましょう。
発問づくりに苦手意識がある場合は、「発問の作り方と例文」を参考にすると、思考を深める問いを作りやすくなります。
板書計画の例文
例
左側
本時の課題
中央
児童生徒の意見
右側
まとめ
板書は授業の流れが一目で分かる構成にします。
教育実習の指導案とは|初心者が知っておくべき基本
指導案とは、授業をどのように進めるかを事前に整理した計画書です。
教育実習では授業の質だけでなく、授業を設計する力も評価対象になります。
指導案は授業の流れを整理する設計図
家を建てる前に設計図を作るように、授業にも設計図が必要です。
指導案には、
・目標
・学習活動
・発問
・評価方法
などを記載します。
授業本番で迷わないためにも重要な役割があります。
教育実習で指導案が重視される理由
教育実習では完成度より成長過程が重視されます。
そのため、
・どのような意図で授業を作ったか
・どのような支援を考えたか
・どのように評価するか
を指導案で示す必要があります。
指導案と授業台本の違い
指導案は授業の流れを示すものです。
一方、授業台本は教師のセリフを細かく記録したものです。
指導案では、
「どのような学習活動を行うか」
を重視します。
略案と細案の違い
略案
・授業の流れを簡潔に記載
細案
・発問
・予想される反応
・支援内容
まで詳しく記載
まずは実習校の指示を確認しましょう。
また、良い指導案を作るためには授業観察も重要です。
授業中にどこを見るべきか迷う場合は、「授業観察記録の書き方」も参考になります。
指導案の基本構成と書く順番
指導案は「目標→評価→活動」の順で考えると作りやすくなります。
先に授業のゴールを決めることで、活動内容や発問がぶれにくくなります。
単元名・教材名の書き方
単元名や教材名は教科書や学習指導要領に合わせて記載します。
例
国語
「ごんぎつね」
算数
「分数のたし算とひき算」
理科
「ものの燃え方」
独自の表現ではなく、正式名称を使用しましょう。
単元目標の書き方
単元目標は、その単元を通して身に付けさせたい力を書きます。
例
「登場人物の気持ちの変化を読み取り、自分の考えを表現できる。」
「分数の意味を理解し、日常生活で活用できる。」
単元終了時の姿を具体的にイメージすることが大切です。
本時の目標の書き方
本時目標は1時間の授業で達成したい内容です。
悪い例
「分数について学ぶ。」
良い例
「分数の意味を理解し、図を使って説明できる。」
評価できるレベルまで具体化しましょう。
本時の展開の書き方
一般的な授業展開は次の流れです。
導入
課題提示
展開
まとめ
振り返り
例
導入(5分)
前時の復習
展開(25分)
グループ活動
まとめ(10分)
学習内容の整理
振り返り(5分)
学びの確認
時間配分も必ず記載しましょう。
評価規準の書き方
評価規準は達成状況を確認するための基準です。
悪い例
「理解できた。」
良い例
「図を用いて分数の意味を説明できる。」
行動として確認できる表現を使います。
板書計画・準備物の書き方
板書計画では、
・課題
・考え
・まとめ
の配置を事前に決めます。
準備物も具体的に書きましょう。
例
・教科書
・ワークシート
・タブレット
・掲示資料
・実物教材
良い指導案と悪い指導案の違い
評価される指導案には共通点があります。
それは児童生徒の学びが具体的に見えることです。
目標が具体的かどうか
悪い例
「気持ちを理解する。」
良い例
「気持ちの変化を根拠を示して説明できる。」
達成した姿が見える目標を設定しましょう。
子どもの活動が明確かどうか
悪い例
「教師が説明する。」
良い例
「グループで意見交換し考えをまとめる。」
児童生徒の活動を中心に書くことが重要です。
発問が授業のねらいにつながっているか
悪い例
「分かりましたか。」
良い例
「なぜその考えになったのでしょうか。」
思考を深める発問を意識しましょう。
評価規準で学びを確認できるか
悪い例
「理解できた。」
良い例
「自分の言葉で説明できる。」
評価可能な行動で表現します。
時間配分に無理がないか
実習生に多い失敗です。
発表時間を長く取りすぎるとまとめができなくなります。
実際に授業時間を計算しながら作成しましょう。
ケース別|小学校・中学校・高校で変わる指導案の書き方
校種によって重視されるポイントが異なります。
小学校の指導案は活動と支援を具体的に書く
小学校では活動中心の授業が多くなります。
・ペア活動
・グループ活動
・体験活動
などを具体的に記載しましょう。
また、支援が必要な児童への配慮も重要です。
中学校の指導案は教科内容と発問を重視する
中学校では学習内容の理解が重視されます。
そのため、
・中心発問
・学習課題
・思考の流れ
を明確にします。
高校の指導案は学習内容と評価の整合性を重視する
高校では学習内容が高度になります。
そのため、
・学習内容
・評価規準
・到達目標
の整合性が重要になります。
国語・算数(数学)・英語で意識したい違い
国語
根拠を説明する活動を重視
算数(数学)
考え方を説明する活動を重視
英語
聞く・話す・読む・書くの4技能を意識
実習当日に必要な教材や教具の準備漏れが心配な方は、「教育実習の持ち物チェックリスト」も確認しておくと安心です。
指導教員に指摘されやすいNG例と修正ポイント
教育実習では同じようなミスで修正されることがよくあります。
事前に知っておくことで防げます。
NG例1|本時目標が抽象的すぎる
NG例
「分数を理解する。」
OK例
「分数の意味を図を使って説明できる。」
NG例2|学習活動が教師中心になっている
NG例
「教師が説明する。」
OK例
「児童が話し合い考えを共有する。」
NG例3|発問がYes・Noで終わっている
NG例
「分かりましたか。」
OK例
「なぜそう考えたのですか。」
NG例4|評価規準と目標がずれている
目標と評価は必ず一致させましょう。
NG例5|時間配分が現実的ではない
発表や交流活動は予定より長引くことがあります。
余裕を持った時間設定を行いましょう。
教育実習全体の失敗を防ぎたい方は、「教育実習でよくある失敗例と対処法」も参考になります。
先輩実習生が経験した失敗と改善策を知ることで、同じミスを防ぎやすくなります。
提出前に確認したい指導案チェックリスト
提出前には必ず最終確認を行いましょう。
目標・活動・評価がつながっているか
最重要チェック項目です。
児童生徒の動きが具体的に書かれているか
活動内容が見えるレベルまで具体化します。
発問と予想される反応が入っているか
細案では特に重要です。
個別支援や配慮事項が書かれているか
支援内容を具体的に記載しましょう。
誤字脱字・時間配分・形式を確認したか
提出前に必ず確認します。
提出前最終チェック
□ 本時目標は具体的か
□ 目標と評価規準は一致しているか
□ 学習活動は児童生徒中心か
□ 発問は思考を促しているか
□ 個別支援が記載されているか
□ 板書計画があるか
□ 時間配分に無理はないか
□ 学校指定様式に沿っているか
□ 誤字脱字はないか
□ 提出期限を確認したか
教育実習の指導案でよくある質問
Q1.指導案は何日前までに作ればいいですか?
授業の1週間前までに下書きを完成させるのが理想です。
Q2.指導案は手書きとパソコンのどちらがよいですか?
学校の指示に従います。指定がなければパソコン作成が一般的です。
Q3.指導案の例文をそのまま使っても大丈夫ですか?
丸写しは避け、自分の授業内容に合わせて修正しましょう。
Q4.板書計画は必ず必要ですか?
学校によりますが、教育実習では求められることが多いです。
Q5.指導教員に大きく修正されたらどうすればいいですか?
なぜ修正されたのかを確認し、次回へ生かしましょう。
Q6.教育実習の指導案と教員採用試験の指導案は違いますか?
評価される視点は異なりますが、「目標・活動・評価」の一貫性は共通です。
まとめ|教育実習の指導案は例文を参考にしながら自分の授業に合わせて作る
教育実習の指導案で最も大切なのは、「目標・活動・評価」の一貫性です。
迷ったときは、
本時目標
↓
学習活動
↓
評価規準
の順番で確認してみてください。
この流れがつながっていれば、授業の意図は伝わりやすくなります。
例文は参考になりますが、そのまま使うのではなく、実習校や学級の実態に合わせて調整することが大切です。
また、授業後の振り返りまで含めて教育実習です。
実習終了後のレポートや反省文に備えたい方は、「教育実習の反省文の書き方」もあわせて参考にしてください。
学んだことや課題を整理することで、教育実習全体の成長につながります。