謝罪メールの締め方は、「対応が終わっているか」「次の連絡があるか」「相手への依頼があるか」で選びます。依頼がなければ、お詫びの言葉だけで締めてもかまいません。対応中なら現在の状況や確認済みの連絡予定を、依頼が必要なら対象と求める行動を添えましょう。
「再発防止に努めます」「何卒ご容赦ください」を、すべてのメールに入れる必要はありません。丁寧な定型句を増やすより、本文で伝えた事実と最後の一文を一致させることが大切です。
例文を使う前に
以下の50例は、説明用の架空例です。[ ]を実際に確認した情報へ置き換え、使う場面が合うものを選んでください。本文で必要な事実や対応を説明したうえで、メール末尾に添える短文として使います。
原因・責任・完了状況・日時・承認を、例文に合わせて作らないでください。予定を伝える例は、その連絡や対応を実施できることが確認されている場合に限ります。
まず使える謝罪メールの締め方3例
1.対応が完了し、追加の依頼がない
使う場面:必要な訂正・対応が完了し、その内容を本文で伝えている場合。
2.対応中で、次の経過連絡が決まっている
使う場面:対応は未完了で、経過を報告できる日時が確認できている場合。
3.修正版の確認と回答が必要
使う場面:修正版を添付済みで、相手による内容確認と回答が必要な場合。
同じ修正版の送付でも、相手の回答が不要なら例文3の確認・返信依頼は入れません。自分からの報告だけでよい場合と、相手の行動が必要な場合を分けてください。
自分に合う締め方の選び方
- 訂正や対応が完了した:例文4〜10
- 確認・対応が続いている:例文11〜17
- 次の連絡や引き継ぎを伝える:例文18〜23
- 確認・返信などをお願いする:例文24〜33
- 上司・同僚・部下に送る:例文34〜40
- 納期遅れについて締める:例文41〜46
- 決定済みの改善策を添える:例文47〜50
取引先には「お詫び申し上げます」「申し訳ございません」、日常的にやり取りする社内の相手には「申し訳ありません」など、関係と内容に合う丁寧さを選びます。相手が上司だからといって、不要な指導依頼や許しを求める言葉まで付け足す必要はありません。
また、対応が続いていても、過去に起きた不備について「申し訳ございませんでした」と書くことはあります。ただし、それだけで終えず、必要に応じて対応中であることを明記しましょう。
訂正・対応が完了したときの締め方|例文4〜10
完了した範囲を具体的に示します。「送付が完了した」ことと、「相手の確認や案件全体が完了した」ことは区別してください。
4.誤った案内を訂正し、追加の行動は求めない
使う場面:正しい案内を本文で示し、相手の確認作業や返信は必要ない場合。
5.添付し忘れた資料を送る
使う場面:今回のメールに必要な資料を添付済みで、受領返信は不要な場合。
6.回答が遅れ、今回のメールで回答する
使う場面:問い合わせへの回答を本文に記載し、未回答の項目が残っていない場合。
7.返金手続きは完了したが、着金は未確認
使う場面:承認済みの返金手続きが完了し、着金まで完了したとは確認できていない場合。
8.不具合の復旧を確認して報告する
使う場面:対象機能の復旧を確認済みで、復旧範囲を本文に記載している場合。
9.相手の再作業が発生したことを踏まえて謝る
使う場面:不備によって相手に再作業が生じ、その事実を確認できている場合。
10.電話で説明した訂正内容を記録として送る
使う場面:電話で説明済みの内容を、変更せずメールでも共有する場合。
添付忘れ・誤送信などのメール全体を確認したい場合は、ビジネス謝罪メールの書き方と場面別の例文も参考にしてください。原因や対応策は、そのまま転用せず実際の確認状況に合わせます。
確認・対応が続いているときの締め方|例文11〜17
まだ終わっていないことを明記します。原因や対応方法が未定でも、確認できた不備についてお詫びすることはできます。
11.不備は確認済みだが、原因は調査中
使う場面:不備の事実は確認でき、原因の調査を実際に進めている場合。
12.訂正作業を進めている
使う場面:訂正は始まっているものの、修正版を送れる状態ではない場合。
13.一部だけ対応が完了している
使う場面:完了した部分と、対応が続いている部分を区別できる場合。
14.不備の影響範囲を確認している
使う場面:不備は確認できたものの、ほかの資料や処理への影響を調べている場合。
15.個別の対応方法がまだ決まっていない
使う場面:不備は確認済みで、担当部署が対応方法を検討している場合。
16.相手からの複数の質問のうち、一部が未回答
使う場面:回答済みと確認中の項目を分けて本文で示している場合。
17.完了予定も次の連絡日時も、まだ確認できていない
使う場面:現在の対応状況はわかるものの、案内できる予定がまだない場合。
予定をまだ伝えられない場合は、所属先で連絡予定を調整します。結びを整えるために「本日中」「必ず明日」などの期限を作らないでください。
次の連絡・引き継ぎを伝える締め方|例文18〜23
連絡する日時・内容・担当者は、確認できているものだけを書きます。経過を知らせる日時を、対応完了の期限に置き換えないようにしましょう。
18.原因調査の経過を連絡する
使う場面:調査結果が確定していなくても、経過を報告する予定が決まっている場合。
19.訂正済み資料の送付日時が決まっている
使う場面:修正と確認の工程を踏まえ、送付できる日時を確認済みの場合。
20.約束した報告時刻になったが、結論は出ていない
使う場面:予定どおり経過を報告し、次回の報告日時も確認できている場合。
21.専門部署の担当者へ引き継ぐ
使う場面:引き継ぎが済み、次の担当者と連絡日時が決まっている場合。
22.合意済みの日時に電話で説明する
使う場面:相手と電話の日時を調整済みで、説明内容も決まっている場合。
23.復旧済みだが、原因報告は後日になる
使う場面:復旧を確認済みで、原因調査は継続中。調査状況の報告予定がある場合。
確認・返信などが必要なときの締め方|例文24〜33
「よろしくお願いいたします」は、一律に避ける表現ではありません。実際に必要な依頼を具体的に書き、その依頼に添えて使えます。謝罪の代わりに置いたり、依頼がないのに付け足したりする必要はありません。
24.修正版への差し替えをお願いする
使う場面:修正版を添付済みで、相手が保管している旧版の差し替えが必要な場合。
25.重複した通知を対象外として扱ってもらう
使う場面:同じ通知を重複送信し、どちらを有効な通知とするか確認できている場合。
26.対応に必要な注文番号を尋ねる
使う場面:不備は確認済みで、対象取引を特定するため注文番号が必要な場合。
27.提示した対応案から希望を選んでもらう
使う場面:実施可能と承認された複数の対応案を、本文で提示している場合。
28.誤って案内した会議日時を再調整する
使う場面:案内日時の誤りを確認し、こちらが対応できる候補日時を本文に示している場合。
29.訂正した請求書への異議の有無を確認する
使う場面:訂正した請求書を送付済みで、支払処理の前に相手の確認が必要な場合。
30.誤送信した情報の取り扱いをお願いする
使う場面:所属先の手順に従い、送信内容を特定したうえで、削除を依頼してよいと確認できている場合。
誤送信は、削除依頼のメールだけで対応を終えず、所属先の報告・対応手順に従ってください。
31.説明のための面談日時を相談する
使う場面:面談での説明が必要と判断され、相手に日程相談をしてよい場合。
32.案内を誤った送付先を確認する
使う場面:こちらの案内の不備で送付先の確認が必要となり、安全な確認方法を本文で示している場合。
33.手続きに必要な期限を添えて回答をお願いする
使う場面:手続き上の回答期限が実際にあり、その理由を説明できる場合。
「ご確認ください」と「ご返信ください」は別の依頼です。使い分けを詳しく知りたい方は、謝罪メールで「よろしくお願いします」を使う場面と、依頼の有無による締め方をご覧ください。
上司・同僚・部下への締め方|例文34〜40
社内メールでも、何について謝り、誰が次に何をするのかを明確にします。「ご指導ください」を習慣的に付け足すより、判断が必要ならその対象を示しましょう。
34.上司に、承認前の案を相談する
使う場面:不備への対応案をまとめたが、実施には上司の承認が必要な場合。
35.上司に、社外へ報告してよい範囲を確認する
使う場面:顧客への報告が必要で、案内内容の社内確認を受ける場合。
36.同僚に、遅れた引き継ぎの完了を知らせる
使う場面:引き継ぎの遅れを謝り、必要な情報を共有場所へ掲載済みの場合。
37.同僚へ依頼した作業の取り消しを伝える
使う場面:自分の誤った依頼内容を確認し、作業を止めてもらう必要がある場合。
38.部下へ誤った指示の訂正を伝える
使う場面:自分の指示に誤りがあり、正しい作業内容を本文で示している場合。
39.関係部署へ、誤った共有資料の利用停止を依頼する
使う場面:共有済み資料に誤りがあり、訂正版ができるまで利用を止める必要がある場合。
40.チームへ、報告漏れの補足を共有する
使う場面:会議や報告で伝え忘れた情報を、今回のメールで補足している場合。
件名や書き出しを含む社内向けの文面は、上司・同僚・部下への社内謝罪メールの例文をご覧ください。実際に確認できた原因・対応・予定に合わせて調整しましょう。
納期遅れについての締め方|例文41〜46
納期遅れでは、納品できる日時、変更への合意、見込み、次の報告予定を区別します。ここでは結びの短文に絞って紹介します。
41.変更後の納期に合意済み
使う場面:実施可能な納期を確認し、相手とも変更に合意している場合。
42.納品可能な候補日はあるが、変更への合意はまだない
使う場面:社内で納品可能な日時を確認済みで、相手へ変更の相談をする場合。
43.納品日時が見込みの段階
使う場面:現時点の見通しはあるものの、未確認の工程が残っている場合。
44.納品日時は未定で、進捗報告の予定だけがある
使う場面:次の報告はできるが、納品できる日時はまだ案内できない場合。
45.再延期について相談する
使う場面:一度変更した納期にも間に合わず、新たな候補日時を確認済みの場合。
46.一部の先行納品を提案する
使う場面:先行納品できる対象と日時、残りの状況を確認済みで、分納を提案してよい場合。
納期が確定・見込み・未定の場合の全文例や、本文に必要な情報は、納期遅れのお詫びメールの書き分けで確認できます。
決定済みの改善策を添える締め方|例文47〜50
改善策は、承認・決定・実施の状況が確認できている場合に書きます。原因が未確認なのに「確認不足でした」と決めつけたり、実施が決まっていない対策を約束したりしないでください。
47.送信前の確認手順を導入済み
使う場面:送信ミスへの対策として、確認手順の運用を実際に始めている場合。
48.承認済みの対策を、決まった日から始める
使う場面:対策の内容と開始日が決定し、相手へ案内してよい場合。
49.関係者への手順の再周知が完了した
使う場面:案内の誤りなどに対し、正しい手順を関係者へ再周知済みの場合。
50.対策の運用状況を後日報告する
使う場面:対策を実施済みで、運用状況を確認して報告する予定も決まっている場合。
避けたい締め方と、事実を変えない修正例
次の比較例は、50例には含めていません。言葉を直すときも、原因・対応・期限・相手への依頼を勝手に追加しないことが大切です。
依頼がないのに「よろしくお願いします」で終える
前提:訂正が完了し、相手の確認作業や返信は必要ない場合。
修正前:以上、よろしくお願いいたします。
修正後:[確認済みの不備]につきまして、改めてお詫び申し上げます。
依頼がないため、お詫びで締めています。「よろしくお願いいたします」という言葉自体が禁止という意味ではありません。
経過報告の予定を、完了期限に変えてしまう
前提:[連絡日時]に報告する予定だけが決まり、完了日時は未定の場合。
修正前:[連絡日時]までに対応を完了いたします。
修正後:[連絡日時]に、その時点の対応状況をご報告いたします。完了予定は現在未定です。
報告と完了は別の約束です。「丁寧にするため」に、約束の範囲を広げないようにしましょう。
原因が未確認なのに「確認不足」と断定する
前提:資料の誤記は確認済みですが、発生原因は調査中の場合。
修正前:私どもの確認不足について、深くお詫び申し上げます。
修正後:[資料名]の誤記について、お詫び申し上げます。原因は現在確認しております。
謝罪の対象を確認できた不備に合わせ、原因は確認中と伝えます。
未決定の再発防止策を約束する
前提:原因調査中で、二重確認などの対策はまだ決まっていない場合。
修正前:今後は二重確認を徹底し、同じミスを二度と起こしません。
修正後:[確認済みの不備]について、お詫び申し上げます。原因と今後の対策は、現在確認しております。
実施が決まっていない対策や、再発しないという保証を結びに加えないでください。
通常のお詫びを、許しや理解の要求に置き換える
前提:必要な説明と訂正は済んでおり、相手に許しや事情の理解を求める必要はない場合。
修正前:何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。事情をご理解ください。
修正後:[確認済みの不備]について、改めてお詫び申し上げます。
「ご容赦」は許しを求める言葉です。丁寧さを上げるための万能な結びではありません。「ご理解」も、何について理解を求めるのかを確かめて使います。
感謝だけで謝罪を終える
前提:相手の指摘を受けて誤記を確認し、訂正済みの場合。
修正前:ご指摘いただき、ありがとうございました。
修正後:ご指摘いただき、ありがとうございます。[資料名]の誤記について、お詫び申し上げます。
感謝を添えることはできますが、不備へのお詫びの代わりにはしません。
本文と結びを一致させる送信前チェック
- 謝罪の対象:本文と結びで、同じ不備について書いているか。
- 対応状況:送付済み・作業中・検討中・未定を混同していないか。
- 予定:見込みを確約に、連絡日時を完了期限に変えていないか。
- 依頼:確認・返信・差し替えなど、本当に必要な行動だけを求めているか。
- 改善策:承認や実施の状況を確認しているか。
- 置き換え:[ ]、ファイル名、日時、担当者名に誤りがないか。
件名・宛名・書き出し・本文・署名まで整える場合は、確認済みの事実・対応・次の連絡を伝えるビジネス謝罪文の組み立て方をご覧ください。結びだけで、本文に必要な説明を補おうとしないことが大切です。
また、連絡手段は「重大な謝罪なら必ず電話、その後メール」と一律には決められません。緊急性、影響、相手の連絡方針、所属先の手順に応じて判断します。手段を検討する際は、謝罪で電話とメールを使い分ける際の比較も参考にし、実際の連絡方針を優先してください。
謝罪メールの締め方でよくある質問
「申し訳ございません」と「申し訳ございませんでした」はどう選びますか?
現在続いている不便については「申し訳ございません」、過去に起きた不備については「申し訳ございませんでした」と書けます。ただし、謝罪の時制だけで対応状況は伝わりません。未完了の案件では、対応中であることや次の連絡予定を必要に応じて添えます。
締めに「よろしくお願いいたします」は使えますか?
使えます。確認や返信などの依頼があるなら、対象と行動を具体的に書いて添えます。依頼がない場合は、お詫びで締めてもかまいません。詳しい使い分けは、本文中で紹介した関連記事を参考にしてください。
「何卒ご容赦賜りますよう」は取引先なら必須ですか?
必須ではありません。許しを求める意味があるため、通常のお詫びの言い換えとして毎回使う必要はありません。取引先へのメールでも、確認済みの不備へのお詫びだけで締められます。
再発防止策がまだ決まっていない場合はどうしますか?
決まっていない対策を約束せず、確認中であることを伝えます。「謝罪・改善・配慮」のすべてを、毎回の結びに入れる必要はありません。次の報告予定を確認できている場合は、その日時と報告内容を添えましょう。
冒頭で謝っていれば、最後も謝る必要がありますか?
必ず繰り返す必要はありません。短い訂正メールで謝罪が明確なら、必要な案内や依頼で締める形もあります。説明が長くなった場合などに、末尾で簡潔にお詫びを添えると整理できます。「重ねて」は、そのメールの前の部分などで謝罪を伝えているときに使ってください。
相手から返信がないとき、「ご理解いただいた」と書いてもよいですか?
返信がないことだけで、理解・了承・解決を確認したことにはできません。合意が必要な事項は、実際に確認できた範囲で扱います。自分側の対応完了と、相手の了承も分けて考えましょう。
最後の一文は、難しい敬語を増やすより、本文と同じ事実を短く伝えることを意識してください。対応状況と依頼の有無を確かめ、必要な言葉だけを残しましょう。