この記事では、
はがきの宛名と文面の書き方の基本をご紹介します。

ちょっとしたお礼やあいさつが書かれたはがきは、
メールにはない温かみが感じられて受け取り手にも嬉しいものです。

でも、
はがきや手紙をいただくのは好き。だけど、書くのは苦手。
と、感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そんな方に、
はがきの宛名の「縦書き」と「横書き」の書き方の基本や、
宛名・敬称・マナーをご紹介しますので、ぜひ例文を参考にして
相手に失礼のないはがきを出してみてください。

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通常はがきの基本

はがきは、
お礼状や挨拶状、事務的な連絡など、
封書では重すぎる内容のときに利用するのに適しています

基本構成は封書の手紙と同じですが、
裏書きに後付け(書いた日付、差出人、宛名)は不要です。

(前文・主文・末文の3ブロックで構成します)

通常はがきの値段・大きさ・重さ

値段
63円
大きさ(最大)
横10.4センチ×縦15.4センチ
大きさ(最小)
横15センチ×縦9センチ

重さ

2g~6g

*はがきは所定の規格内において私製することができますが、
 その規格を超えるものは第一種郵便物の扱いとなります。

はがきの切手の貼り方と注意点

はがきの切手を貼る位置

縦書きと横書きで切手を貼る位置は違います。
縦書きのはがきの場合は、切手は左上に貼ります。

しかし、問題なのは横書きの場合です。

縦書きと同じように、左上に切手を貼っていませんか?


実は、横書きの場合は、
切手は右上に貼るのが正しい貼り方です。

その理由としては、
郵便局では、消印の読み取りは機械が行っているので、
横書きの左上に切手が貼ってあると機会が読み取れないそうです。

消印を押す場合、
機械は縦書き封筒を基準としてセッティングされているので、
横書きもこのように設定されており、読み取れなかった場合は、
手作業で消印を押さなくてはならないのです。

郵便局としては、統一してあった方が助かると思いますが、
切手の貼り方が間違えていたとしても、郵便物は届来ますし、
受け取った方が不快に思う事は無いでしょう。

何より、気持ちがこもっている事が最も大切な事なのです。

しかし、はがきや手紙を横書きで出す場合、
郵便局の人の手間を増やさないためにも、
右上に切手を貼ることをお勧めします。


そして、切手はぎりぎりに貼るのではなく、
左上横3.5センチ、縦7センチ以内に貼りましょう。

また、切手はセロテープで貼ることはやめましょう。

セロテープの上は消印が押せないので、その切手は、
無効になってしまう可能性がありますのでご注意ください。

切手自体の枚数制限はありませんが、
複数枚の切手を貼る時は、切手同士が
重ならないように貼りましょう。

重なっていると、
使用済みの切手を使っている事を疑われ、
受け取ってもらえない可能性もあります。

常識とマナーに添った送り方をしましょう。

書き損じた場合

書き損じたものを、
修正テープやペンで修正するのは失礼にあたるので、
文字を書き間違ってしまったときは、新しいはがきに書き直しましょう。

書き損じたはがきや、印刷に失敗したはがきなどは、
手数料を支払って新しいはがきや切手と交換できます。
通常はがきの交換手数料は1枚につき5円です。

はがきの書き方の基本構成

はがきは、書くスペースが決まっているので、
手書きで書くときは、1行に15文字ほどのサイズを目安にし、
10行くらいにおさまるように、用件だけを簡潔にまとめます。

書き方の基本構成は、手紙とよく似ています。

前文があり、主文が続き、末文で締める、という三部構成です。

ただし、
前文と末文にあまりスペースを割いてしまうと、
伝えるべきことが書けなくなってしまいます。

また、はがきは略式なので、前文の省略が許されます。

10行前後の短めの文章の場合には、
あえて文頭を一文字下げて書く必要はありません。

前文と末文はそれぞれ1、2行で収めるようにしましょう。

あくまでも伝えるべき用件がメインである、
はがきの書き方の基本をこころがけましょう。

はがきの書き方の基本(表面・裏面)

はがきの書き方の基本(レイアウト)

はがきは一般的に、
受け取る人の名前や住所などの宛名を書く面を「表面」とし、
伝える内容を書く面を「裏面」としています。

表面は、
「切手を貼るほう」といえば、よりわかりやすいでしょうか。

表面を書くことを「表書き」、裏面を書くことを「裏書き」ともいいますが、
はがき作成ソフトなどでは、裏面を「文面」と呼ぶことが多いようです。

表書きの「縦書き・横書き」は、レイアウトを同じにします。

裏面が「縦書き」なら表面も「縦書き」に、
裏面が「横書き」なら表面も「横書き」に。

よくある失敗は、
表面は縦書きなのに、裏面が横書きになっているようなことです。

そうしたからといってはがきが届かなくなるわけではありませんが、
受け取った相手が読みづらいのは間違いありません。

統一感のあるほうが美しいですよ。

レイアウトを合わせることで、
受け取った方も自然に読むことができます。

お礼状などの場合は「縦書き」が望ましい

以下のはがきを書く場合は、「縦書き」にしましょう。

  • お礼状
  • 目上への手紙
  • 慶事
  • 弔事

はがきの書き方の基本(宛名の書き方)

宛名は、
手紙の第一印象に当たるものです。

どんなに内容が良くても表書きが雑であれば好印象になりません。

バランスを考えながら、楷書で丁寧に書きましょう。

はがきの表面に記載するのは、受け取り手と差出人の住所と氏名。

文字の大きさや配置など、全体のバランスを考えて、
読みやすいレイアウトに仕上げましょう。

住所は2行以内に収めよう

住所は、できるだけ2行以内に収まるように書くと、
読みやすくて見た目も美しく仕上がります。

取引先や目上の人などに送るときは、
都道府県名から書き始めるようにすると、
より丁寧なはがきの書き方になります。

番地の数字は、縦書きにするときは漢数字で。

横書きにするときは算用数字で書きます。

アパート、マンション、ビルの名称や社名

住所の1行目には、都道府県名~番地を書き、
アパート、マンション、ビル名などは2行目に書きます。

2行目からは、1行目よりも一回り小さい文字で、
住所の書き出しの高さよりも少し下がった位置から
書きはじめるとスッキリとバランスが良くなります。

肩書きと敬称の違い

 まず、肩書きと敬称の違いをご説明します。

肩書き・・・会社や団体といった組織の中で、
      どのような地位にあるのかを表したもの。
      敬称が持つような、相手を敬う意味は含まれていません。

敬称・・・差出人(自分)と相手の関係を表すもの。
     文字通り、相手に対しての敬意が含まれる。

肩書きには敬称を付けません。

肩書きとは、会社や団体といった組織の中で、
どのような地位にあるのかを表したもの。

会社などの個人に宛てるときの敬称は、
社名や部署名には付けず名前にのみ付けます。

なので「〇〇社長様」「〇〇部長様」とは書きません。

宛先が会社の場合は、
「株式会社 〇〇〇〇 御中」などと 御中 を付けます。

会社の部署などに宛てるときは、
部署名のみに「株式会社 佐藤商事 配送部 御中」などと 御中 を付けます。

会社名のあとに「御中」をつけ忘れたり、
敬称(様)を忘れるようなことのないよう、
くれぐれも注意してくださいね。

宛名の書き方(個人宛)

1.個人あて……基本的には相手の氏名の下に「様」をつけます。

敬称には「様」のほか、「殿」が使われることがあります。

敬称とは、前述したように、自分と相手との関係を示すもの。

「殿」は自分より目下の人に対する敬称であるといわれているため、
目上の人に対して使うのは失礼にあたる場合があります。

公官庁などから発行される文書には、
「殿」が付けられていることがありますが、
個人で出すはがきなどでは、目上・目下・社内外を問わず
オールマイティに使える「様」を用いるのが一般的です。

山口 太郎 様

2. 御夫妻あて/連名の場合……ご主人の名前を右に書き、
 左に奥様の名前または、「奥様」「御奥様」などと書きます。

 宛名がご夫婦連名の場合には名字(姓)を省略できますが、それぞれに様を必ずつけます。
 「様」を1つしか書かないのはNGです。

山口 太郎 様
     奥  様

山口 太郎 様
   幸絵 様

3.先方の家族全員にあてた場合……代表者の氏名を書き、
その左側に「ご家族様」「御家族様」「皆様」などと書きます。
それぞれには必ず「様」をつけます。

山口 太郎  様
   御家族 様

宛名の書き方(会社宛)

1.会社あて……社名の下に「御中」をつけます。
社名が長い場合には、(宛名を書いた時にどうしてもスペースに入らない時に限り)
株式会社を(株)というように省略します。

株式会社 山口商事 御中

2. 担当部署あて……先方の部署名の下に「御中」をつけます。
社名の下に無理に書かずに、改行して部署名を書いても構いません。

株式会社 山口商事
営業部 外部担当集配課 御中

3. 役職・肩書きのある相手あて……まずは社名、部署名を書きます。
つぎに行を変えて、役職→氏名→様の順に書きます。

なお、社名と部署名は一行に収まらなければ改行しても構いません。

課長 山口 太郎 様

4.担当者あて……まずは社名、部署名を書きます。
 次に行を変えて氏名→様の順に書きます。

株式会社 山口商事
営業部 外部担当集配課 
山田 三郎 様

会社名の最後に「御中」を用いますが、 
そのあとに個人名を続けるのは間違いです。

(正) ○○株式会社 御中

(誤) ○○株式会社 総務部 御中 山田太郎 様

宛名の書き方(学校・先生宛)

1. 役職・肩書きのある相手あて……まずは学校名を書きます。
 つぎに行を変えて、役職→氏名→様の順に書きます。

山口県立中央高等学校
校長 三次 達彦 様

2.一般の先生あて……まずは学校名、クラス名を書きます。
次に行を変えて氏名→先生の順に書きます。

「様」を使わずに「先生」と書くのがポイント。

山口市立大殿中学 
3年2組
早川 保彦 先生

相手の名前は中央に大きく

相手の名前の文字は、はがきの中央に、大きめの文字で書きます。

名前の前に社名や部署名を書く場合は、名前そのものが中央に来るよう、
社名や部署名は少し右の位置にずらして書くようにすると良いでしょう。

差出人情報の書き方

表面を縦書きにした場合であれば、差出人の住所氏名は、
切手の幅もしくは差出人の郵便番号枠の幅に収まるよう書き入れます。

引っ越しや転勤で住まいが変わったときは、
ひとことその旨を付け加えておくと親切です。

また、出産などで家族が増えたときは、
新しい子どもの名前に「ふりがな」を付けておくと
はがきをもらった相手も、わかりやすく丁寧です。

はがきの基本の書き方(文面の書き方)

1. 前文

今の季節感を伝える時候の挨拶や相手を気遣う言葉
(お世話になったときにはお礼を、ご無沙汰している場合にはお詫びなどを)を書きます。

時候の挨拶とは
頭語の後に続く書き出しの言葉で、
「○○の候」「○○のみぎり」といった表現が一般的です。

短く表現した「漢語調」と少し砕けた表現の「口語調」の2つの種類があり、
目上の方には「漢語調」、親しい方には「口語調」と使い分けることが多いようです。

(例))

1月の挨拶

<漢語調>
初春の候、新春の候、迎春の候、厳寒の候、大寒の候、寒冷の候

<口語調>
正月気分も抜け、寒さ厳しき折から、厳しい寒さが続きますが

季節の移り変わりを伝え相手の健康を気遣う意味があり、
はがきや手紙に使用できる季節の言葉は時季によって異なります。

時候の挨拶には「早春の候」といったあらたまった印象の挨拶と、
「花の便りが聞かれるころとなりましたが……」といった
きちんとしつつも、やわらかい印象の挨拶があります。

時候の挨拶は現実の季節感に合ったものを使うことが大切です。

遠方に住む方だと自分の住んでいるところとは
季節感が異なることもあります。

お相手の住む地域の季節感に合わせて時候の挨拶を選びましょう。

しかし、
季節を問わず年中使える時候の挨拶として、
「時下」を用いる場合があります。

時下とは、「このところ」「今現在」などの意味合いを持つもので、
春夏秋冬を問わず使うことができます。

(使用例)

「拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」

月ごとの時候の挨拶を書きたい人は以下を参照してください。


「時候の挨拶1月から12月までの季語と結び」をまとめています。
👇

(例文)
やわらかな春のひざしに心なごむ今日この頃、
ご家族の皆様には、お変わりございませんか。

2. 主文
手紙の目的・用件を簡潔に述べます。

(例文)

昨日、久しぶりに井筒屋百貨店に行きましたら、
北海道展で令子様の大好きなケーキが売っていました。

冷凍でお送りしましたので、
届くのを楽しみにしていてください。

3. 末文
結びの挨拶
(相手の健康や無事を願う言葉や、用件を総括する言葉)を述べます。

(例文)

根を詰めすぎずに、ケーキをお供にひと息ついてください。

また、令子様とゆっくりお話しが出来るのを楽しみにしています。

お仕事の方、
くれぐれもご無理なさいませんようご自愛ください。

はがきの基本の書き方(縦書きと横書き)

はがきは封書に比べて略式のものですが、
だからといって書き方にルールがないわけではありません。

また、書き方によっては、改まった印象を与えることもできます。

ここでは、はがきの縦書きの書き方と、
横書きの書き方についての基本をご紹介します。

はがきの基本の書き方(縦書き)

はがきは縦書きでも横書きでもマナー違反にはなりません。

ただし、
基本的に横書きはカジュアルな印象を与えるプライベート向きの書き方です。

横書きのはがきは、気軽でくつろいだ印象を与えるため、
受け取った相手は、軽く扱われたような気がしてしまいます。

そのため、
ビジネスシーンやお礼状などの場合は、縦書きをおすすめします。

改まった相手や目上の人に宛てるときは、縦書きにしましょう。

  • 切手は左上に貼ります。
  • 住所は郵便番号の右端のラインに揃え、
    上から一文字下げたところから書き始めます。
  • 番地などの数字は、漢数字で書きます。
  • 目上の方は改まった内容の場合は、
    ビル名やマンションの名前も略さずに書きましょう、
  • 相手の名前は中央の郵便番号から一文字下げたところから書き始めます。
    住所より大きな文字で書きましょう。
  • 自分の住所と名前は、相手への敬意を表すために、
    相手の住所と名前よりも小さめに書きましょう。
  • 自分の住所も下の郵便番号の右下のラインに揃えて書きます。
    その左側に名前を書きます。
  • 自分の住所と名前の末字の高さを揃えると、より美しく見えます。
  • 連名で書く場合は、相手の名前の両方に様をつけます。

はがきの基本の書き方(横書き)

横書きで書くはがきは、縦書きよりもカジュアルな
書き方なので、儀礼的なお礼や挨拶向きではありません。

横書きのはがきは、親しい間柄の方へ出すのが相応しいです。

時候の挨拶や主文も形式ばらず、親しみのもてる、
話しかけるような言葉を心がけると良いでしょう。

頭語・結語を省略するなど簡略化したスタイルで構いません。

ただし、親しくても相手に失礼な内容や誤字は避けましょう。

  • 切手は右上に貼ります。
    間違える方が多いので気をつけましょう。 
  • 住所の書き始めが端に寄りすぎないよう、
    左端から2文字くらいのスペースを空けたところから
    書き始めましょう。
  • 番地などの数字は、横書きの場合、算用数字を使います。
  • 名前は中央より少し、上に書きます。
  • 自分の住所と名前は右下に小さめに書きます。

まとめ

この記事では、
はがきの書き方の基本と例文を紹介しました。

はがきの正しい書き方を知っていると、
顔を合わせる頻度の少ない相手でも好印象を持ってもらえます。
特に、宛先の書き方は第一印象に大きな影響を与えるポイントです。

はがきの書き方の基本は、
「相手と自分との関係をわきまえて、
 適切な言葉を使い分けること」ではないでしょうか。

ただし、
あまりにも形式にこだわりすぎた、はがきも味気ないので、
丁寧な言葉遣いを選びながらも、素直な表現で気持ちの伝わる、
書き方を意識しながら、はがきを書いてみられてはいかがでしょうか。