この記事では、
法要・法事の案内状について例文をあげてご説明いたします。

法要・法事の案内状と言うと難しそうですが、
法事のお知らせをするための通知と考えてみるとわかりやすいでしょう。

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法事・法要とは

法事・法要とは、
故人の冥福を祈り、供養をするための仏教行事です。

法要は、経を読んでもらうなどの供養の儀式部分を差し、
法事は、その法要や併せて行う食事などを含めたものを意味します。

一般的な忌明けは四十九日で、厳密には忌明けまでの間、
七日おきに法要がありますが、初七日と四十九日以外は
遺族のみで行なわれることが多いようです。

そして四十九日を過ぎると、
一周忌、三回忌、七回忌…といった年忌法要になります。

法事・法要の案内状を送る時期

案内状は法事・法要の1ヶ月半くらい前から作成し、
法事・法要を行う日の1ヶ月前にお招きする方々へ案内状を送付します。

案内状の出欠の確認が、
開催日の2週間前くらいに終われば、
会食のお斎(おとき)や、引き出物の準備も行いやすくなるということです。

案内状作成のポイント

案内状は簡潔にわかりやすく法事の内容を伝えることが大切です。

こちらでは、そのポイントと注意点を紹介します。

誰の法要なのかを明記する

案内状には、誰の何回忌目の法要なのかが解るように、
下記の3つの項目を明記するようにしましょう。

・故人の氏名
・施主の氏名
・何回忌の法要か(四十九日なのか一周忌なのか等)

日程について明記する

特に年忌法要は、厳密に故人の命日に行うというよりは、
参列者の多くが都合の付く日程に配慮して執り行われることが多く、
故人の命日の前の休日(土曜・日曜)に法事を行うのが一般的といえます。

慣例として法事の日程を明記する際には、
西暦は用いず令和○○年と記載したほうがいいです。

場所について明記する

自宅で法事・法要を行うのか、別に会場を設けて行うのかを記載します。

多くの方を招待する場合は、
菩提寺やホテル等で会場を設けて行われることが多いです。

また、法要後に会食を行うかどうかも記載したほうが良いでしょう。

法事・法要の食事(お斎)について

法事・法要と一口に言っても、
以下のように様々な法事・法要があります。

・法要(僧侶の読経、法話、参列者の焼香)
・お墓参り
・卒塔婆供養
・納骨
・お斎(会食)

詳細に説明する必要は無いですが、
法要とお斎で会場が異なる場合には、
お斎を行なう場所を記載しておくと良いでしょう。

主催者側で法要だけにするのか、
法要とお斎を行うのかを自由に決定できます。

差出し人の住所、氏名

案内状には、施主の氏名をフルネームで記載します。

直前になって出欠の変更が出た場合に連絡が取れるよう、
施主の電話番号を忘れずに入れておきましょう。

案内状の書き方の注意点

法事・法要の案内状を書くうえで、注意しておきたい点があります。

通常の手紙とは異なり、特別なマナーがありますので以下で説明します。

◆句読点は使用しない
法事・法要の案内状には、
句読点の「、」や「。」は使用せずに案内文を作成するようにしましょう。

これは、お悔み事に関する案内状、遺族が送付するお礼状でも同様です。

なぜ句読点を使用しないかは、以下の3つの理由があげられます。

・もともと案内状は毛筆で書かれていて、
句読点を使用しない慣習がそのまま現代にも残ったから

・行事がスムーズに終わるように、
という願いのために句読点を使用しないようになったため

・句読点がなくても
文章を読みとる力を持っている相手に対して、
わざわざ句読点を使用するのは失礼だから

二重封筒はNG

案内状を封筒で送付する場合、
二重封筒は不幸が重なるという意味で、使用しないのが礼儀となります。

案内状の封筒は白い無地のものを使用しましょう。

最近では、
往復はがきを使用することもありますが、これは問題ありません。

案内状の例文

近親者だけですませる法要ならば、電話連絡でもかまいませんが、
四十九日法要や一周忌、三回忌の法要など大きな法要を営むときは、
往復はがきや封書で法要の案内をしたほうが良いでしょう。

出欠の返事をもらうために、
往復はがきや返信用はがきを同封して送ります。

返信用はがきの表に返送先の住所、氏名を書き、
裏には出欠に丸がつけられるようにしておきます。

案内文は簡潔に必要なことを伝えることが大切です。

内容は時候のあいさつ、誰の何回忌か、日時・場所
(必要な場合は地図・電話番号を添える)、
平服でよい場合はその旨を明記します。

案内状の例文:父の四十九日

謹啓 ○○の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

先般、亡父の葬儀に際しましては、
ご丁重なるご厚志を賜りまして、誠にありがとうございました。

さて、来る○月○日は○○○○信士の七七日にあたります。

つきましては○月○日(○曜日)午前○時より、
菩提寺の○○寺において、四十九日の法要を営みたいと存じます。

法要後は、供養のしるしに粗餐を差し上げたいと存じます。

その折には、
亡き父の思い出話などをお聞かせいただければ幸いでございます。

ご多用のところ誠に恐縮ではございますが、
ご出席くださいますようお願い申し上げます。

お手数ですが、○月○日までに同封の葉書にて、
ご返信いただければ幸いです。 敬具

                 記

日時  ○月○日(○曜日)午前○時
場所  ○○○○○○

  令和○○年○月○日

                 氏名○○ ○○

案内状の例文:父の一周忌

謹啓 ○○の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて 来る○月○日は 亡父○○○○
○○○○信士の一周忌にあたります。

つきましては 生前ご親交を賜りました方々のご来臨をいただき
ささやかながら追善の供養をいたしたく存じます。

ご多用中まことに恐縮でございますが、 
ご光来を賜りたくご案内申し上げます。 敬具

                 記

日時  ○月○日(○曜日)午前○時
場所  ○○○○○○

  令和○○年○月○日

               氏名○○ ○○

尚、 
勝手ながら同封の葉書にて○月○日迄にご返信お願い申し上げます。

案内状の例文:母の三回忌

拝啓 ○○の候 皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、来る○月○日は、母○○の三回忌にあたります。

つきましては、○月○日(○曜日)午前○時より、
菩提寺の○○寺において、年回法要を営みたいと存じます。

何かとご多用の折とは存じますが、
ご参列ご焼香くださいますようお願い申し上げます。 敬具

  令和○○年○月○日

                 氏名○○ ○○

なお、法要の後に粗餐を差し上げたく存じますので、
同封の葉書で○月○日までにご返事をお願い申し上げます。

まとめ

この記事では、
法要・法事の案内状についてご説明しました。

故人の法事へ集まってくださる方々のために、
案内状ひとつをとっても、いろいろと配慮しなければならない点があります。

相手方を気遣いつつ内容を
簡明に伝えることは、多少手間であるかもしれません。

しかし、法事をトラブルなく進行し、遺族と参列者が共に故人を偲び、
その供養を行う場をつくり上げるために必要不可欠な手順といえます。

事前にしっかりとした準備を行い、
故人を偲べる法事を行えるようにしたいものです。