教育実習で授業を行うとき、
「どんな質問をすれば生徒が考えてくれるのだろう」
「発問を考えたつもりなのに、生徒が反応してくれない」
「指導教員から『もっと考えさせる発問を入れて』と言われた」
と悩む実習生は少なくありません。
発問は授業の流れを左右する重要な要素です。
ただ答えを確認するだけの質問では、生徒は受け身になりやすくなります。一方で、生徒自身が考え、理由を説明し、友達の意見と比べるような発問ができると、授業は一気に活性化します。
実際に教育実習では、授業内容そのものだけでなく、「どのような発問をしたか」を指導教員から見られることが多くあります。
生徒が主体的に考える授業をつくるためには、発問の意図や順番を理解しておくことが大切です。
この記事では、教育実習生向けに発問の基本から、生徒が考える授業になる質問例、指導案への書き方、実習で失敗しないコツまで詳しく解説します。
目次
発問とは?教育実習で重要視される理由
発問とは生徒の思考を引き出す問いかけ
発問とは、教師が生徒に対して投げかける「考えるための問い」のことです。
単に答えを確認するための質問ではありません。
生徒に気付きを与えたり、理由を考えさせたり、自分の考えを表現させたりする役割があります。
例えば、
「徳川家康は江戸幕府を開きましたか?」
という質問は、知識を確認する問いです。
一方で、
「なぜ徳川家康は江戸を政治の中心にしたと思いますか?」
という発問は、生徒に理由を考えさせることができます。
教育実習で大切なのは、知識を確認するだけで終わらせず、生徒が「なぜだろう」「どうしてだろう」と考えられる場面をつくることです。
なぜ教育実習では発問が重視されるのか
教育実習では、授業を一方的に説明するだけでは高く評価されにくいです。
指導教員が見ているのは、
・生徒が考える場面を作れているか
・生徒の意見を引き出せているか
・授業のねらいに向かう発問になっているか
・生徒の反応に合わせて授業を進められているか
という点です。
どれだけ教材研究をしても、発問がうまく機能しなければ、生徒の思考は深まりません。
そのため、発問は授業づくりの中心と考えられます。
発問だけでなく、授業全体の進め方や実習中のNG行動も不安な人は、「教育実習で失敗しない方法」を読んでおくと、発問以外で評価を下げやすい行動も事前に確認できます。
発問と質問の違い
発問と質問は似ていますが、目的が異なります。
質問は、事実確認や状況確認が中心です。
例
・宿題はやりましたか?
・昨日の内容を覚えていますか?
・この人物の名前は何ですか?
一方、発問は生徒の思考を促す問いです。
例
・なぜそう考えましたか?
・他の考え方はありますか?
・もし立場が逆ならどうなりますか?
・どこからそう言えますか?
教育実習では、質問だけで授業を進めると、教師が確認して生徒が答えるだけの授業になりやすくなります。
生徒が考える授業にするためには、質問と発問を使い分けることが大切です。
発問と問い返しの違い
問い返しとは、生徒の発言をさらに深めるための追加の問いです。
例えば生徒が、
「戦争はよくないと思います。」
と発言した場合、
「なぜそう思ったのですか?」
と聞くのが問い返しです。
さらに、
「では、戦争を防ぐために必要なことは何だと思いますか?」
と続けると、生徒の考えをより深めることができます。
発問が授業を進めるための問いであるのに対し、問い返しは生徒の発言を受け止め、さらに考えを広げるための問いです。
教育実習では、発問を用意するだけでなく、生徒の答えにどう返すかまで考えておくと、授業中に慌てにくくなります。
良い発問と悪い発問の違い
生徒が考えないNG発問の例
教育実習でよくある失敗が、生徒が考えなくても答えられる発問です。
例えば次のような問いです。
・分かりましたか?
・大事ですね?
・答えはAですね?
・これは正しいですね?
・ここまで大丈夫ですね?
これらは教師が答えを誘導しているだけなので、生徒は深く考える必要がありません。
また、多くの場合、
「はい」
だけで終わってしまいます。
もちろん、理解確認として使う場面はあります。
しかし、授業中の発問がこのような確認ばかりになると、生徒が自分の考えを持つ時間が少なくなります。
生徒が考える良い発問の例
生徒が考える発問は、理由や根拠を求めるものです。
例
・なぜそう思いますか?
・どこからそう言えますか?
・他に考えられる理由はありますか?
・AとBを比べると何が違いますか?
・もし自分だったらどうしますか?
・友達の意見と似ているところはありますか?
・反対の立場から考えるとどうなりますか?
このような発問は、生徒が自分の言葉で考えを説明しやすくなります。
特に教育実習では、正解を言わせる発問だけでなく、「なぜそう考えたのか」を聞く発問を入れると、授業に深まりが出ます。
良い発問に共通する3つの特徴
良い発問には共通点があります。
1つ目は、理由を説明させることです。
「なぜ?」
「どうして?」
「どこからそう言える?」
という聞き方をすると、生徒は根拠を考えるようになります。
2つ目は、比較させることです。
「AとBは何が違いますか?」
「前に学んだ内容と比べるとどうですか?」
と聞くことで、生徒は違いや共通点に気付きやすくなります。
3つ目は、自分事にすることです。
「自分ならどうしますか?」
「生活の中で似た場面はありますか?」
と聞くと、生徒は学習内容を自分に引き寄せて考えやすくなります。
指導教員が見ている発問のポイント
指導教員は、発問の数だけを見ているわけではありません。
主に次の点を見ています。
・授業のねらいにつながっているか
・生徒が考える時間が確保されているか
・発問の意図が明確か
・生徒の発言を活かしているか
・発問が説明の代わりになっていないか
発問は多ければよいわけではありません。
むしろ、ねらいと関係のない発問が多いと、授業の流れが分かりにくくなります。
教育実習では、発問を増やすことよりも、「なぜその発問をするのか」を説明できるようにしておくことが大切です。
教育実習で使える発問の作り方5ステップ
STEP1 本時のねらいを明確にする
発問は、授業のねらいから逆算して考えます。
まず、
「この授業で生徒に何を理解してほしいのか」
「授業の最後に、どんなことを言えるようになってほしいのか」
を明確にしましょう。
ここが曖昧だと、発問も曖昧になります。
例えば社会科で、
「江戸幕府の成立について理解する」
というねらいだけでは、発問が作りにくいです。
もう少し具体的に、
「江戸が政治の中心になった理由を、地理的条件と関連付けて考える」
とすると、
「なぜ江戸は政治の中心に選ばれたのでしょうか?」
という発問につなげやすくなります。
STEP2 生徒に気付かせたいことを決める
授業のゴールが決まったら、生徒にどんな気付きを与えたいかを考えます。
例えば理科なら、
「実験結果には条件の違いが関係している」
という気付きです。
国語なら、
「登場人物の言葉には心情が表れている」
という気付きです。
この気付きが明確になると、発問も作りやすくなります。
発問は、教師が答えを教えるためのものではなく、生徒が大事なことに気付くためのきっかけです。
STEP3 生徒の反応を予想する
教育実習では、生徒の反応を予想することが重要です。
発問だけを考えても、生徒がどのように答えるかを想定していないと、授業中に慌ててしまいます。
例
教師
「なぜこの地域では米作りが盛んなのでしょう?」
予想される生徒の反応
・平野が広いから
・水が多いから
・昔から作っていたから
・気候が合っているから
ここまで予想しておくと、生徒の答えに対して、
「地形に注目した意見ですね」
「水の条件に気付けましたね」
「資料のどこから分かりますか?」
と返しやすくなります。
STEP4 確認発問と思考発問を分ける
授業中には、確認発問と思考発問の両方が必要です。
確認発問
「江戸幕府を開いた人物は誰ですか?」
思考発問
「なぜ江戸が政治の中心になったのでしょう?」
確認発問は、知識を確かめるために必要です。
しかし、確認発問だけでは授業が単調になります。
教育実習では、確認発問で基礎を押さえたあと、思考発問で理由や根拠を考えさせる流れを意識しましょう。
STEP5 まとめにつながる発問を作る
授業の最後には、学びを整理する発問を入れます。
例
・今日一番大切だと思ったことは何ですか?
・学んだ内容を一言でまとめると?
・次に活かせそうなことは何ですか?
・最初の考えと変わったところはありますか?
まとめの発問があると、生徒は授業で学んだことを自分の言葉で整理できます。
また、指導教員から見ても、授業のねらいに向かって学びをまとめようとしている姿勢が伝わります。
発問を指導案に落とし込む段階で迷う人は、「教育実習の指導案の書き方と例文」をあわせて読むと、発問をどの欄にどう書けばよいかまで整理しやすくなります。
授業の流れ別|使える発問例
導入で使える発問例
導入では、生徒の興味を引き出すことが大切です。
いきなり説明から入るよりも、写真、資料、身近な例を見せてから発問すると、生徒が考えやすくなります。
使いやすい発問例
・この写真を見て気付いたことはありますか?
・今日のテーマについて知っていることはありますか?
・なぜこのような結果になったと思いますか?
・どんなことが起こりそうですか?
・自分の経験で似たことはありますか?
・この資料を見て不思議に思ったことはありますか?
・前回の授業とつながるところはありますか?
導入の発問は、難しすぎないことが大切です。
最初から答えにくい発問をすると、生徒が沈黙しやすくなります。
展開で使える発問例
展開では、学習内容の理解を深める発問を行います。
ここでは、理由、根拠、比較を意識しましょう。
使いやすい発問例
・なぜそうなると思いますか?
・どこからそう言えますか?
・AとBの違いは何でしょう?
・共通している点はありますか?
・他の考え方はありますか?
・もし条件が変わったらどうなりますか?
・その理由を説明できますか?
・友達の意見と比べてどうですか?
・資料のどの部分を見てそう考えましたか?
展開の発問では、生徒の答えに対してすぐ正解を言わないことも大切です。
「なるほど、どこからそう思いましたか?」
「同じ考えの人はいますか?」
「違う考えの人はいますか?」
と問い返すことで、授業に広がりが出ます。
深く考えさせる発問例
思考を深めたい場面では、正解を一つにしぼらない発問が効果的です。
使いやすい発問例
・反対の立場から考えるとどうなりますか?
・他の方法でも説明できますか?
・もし自分がその場にいたらどうしますか?
・本当にそう言い切れるでしょうか?
・なぜその考えを選んだのですか?
・別の見方をするとどうなりますか?
・友達の意見を聞いて考えが変わりましたか?
・今までの学習とつなげると、どんなことが言えますか?
深く考えさせる発問は、授業の中心場面で使うと効果的です。
ただし、発問が難しすぎると生徒が答えにくくなります。
必要に応じて、
「まず一人で考えてみましょう」
「隣の人と話してみましょう」
と段階を作ると、発言しやすくなります。
まとめで使える発問例
授業の最後には、学習内容を整理し、次の学びにつなげる発問を行います。
使いやすい発問例
・今日の授業で一番印象に残ったことは何ですか?
・今日学んだことを一言でまとめると?
・最初の考えと変わったところはありますか?
・今日の学習を生活の中で活かすとしたら?
・次回の学習で調べてみたいことはありますか?
・友達の意見を聞いて気付いたことはありますか?
・今日の学びで新しく分かったことは何ですか?
・授業前の自分に伝えるとしたら何と言いますか?
・この学習内容を他の人に説明するとしたら何を伝えますか?
まとめの発問は、生徒自身に学びを振り返らせる役割があります。
授業の最後を教師が説明して終わるのではなく、生徒自身の言葉で整理させることで定着しやすくなります。
教科別|教育実習で使える発問例
国語の発問例
国語では登場人物の心情や表現の意図を考えさせる発問が効果的です。
・主人公はなぜこの行動をとったのでしょうか?
・この言葉にはどんな気持ちが込められていると思いますか?
・作者はなぜこの表現を選んだのでしょうか?
・もし自分が主人公ならどうしますか?
・場面が変わることで印象はどう変化しましたか?
・この一文がなくなると作品の印象はどう変わりますか?
・どの言葉からその気持ちが読み取れますか?
社会の発問例
社会科では理由や背景、因果関係を考えさせる発問が重要です。
・なぜこの地域でこの産業が発達したのでしょうか?
・もしこの出来事が起こらなかったらどうなっていたと思いますか?
・当時の人々はどのような気持ちだったでしょうか?
・現在との共通点はありますか?
・なぜこの制度が必要だったのでしょうか?
・地図や資料からどんなことが分かりますか?
・この出来事は現代にどのような影響を与えていますか?
算数・数学の発問例
答えだけでなく、考え方や根拠を説明させることが大切です。
・なぜその式になったのですか?
・別の解き方はありますか?
・どこで間違えやすいと思いますか?
・この考え方は他の問題にも使えそうですか?
・答えが正しいことを説明できますか?
・友達の解き方との違いは何ですか?
・一番分かりやすい解き方はどれだと思いますか?
理科の発問例
予想と結果を結び付ける発問が有効です。
・なぜそのような結果になったのでしょうか?
・実験前の予想と比べるとどうでしたか?
・条件を変えるとどうなると思いますか?
・どの結果からそう考えましたか?
・身近な生活の中で似た例はありますか?
・もし実験結果が逆だったらどう考えますか?
・他の要因は考えられませんか?
英語の発問例
英語では表現の使い方やコミュニケーションを意識させます。
・なぜこの表現を使ったのでしょうか?
・他にどんな言い方がありますか?
・この場面ではどの表現が適切ですか?
・自分なら何と言いますか?
・相手に伝わりやすい言い方はどれですか?
・ネイティブならどんな場面で使うと思いますか?
・この表現を使って自分のことを話せますか?
道徳の発問例
道徳では正解を求めるのではなく、多様な価値観を認めることが大切です。
・あなたならどうしますか?
・なぜそのように考えたのですか?
・違う立場ならどう感じるでしょうか?
・友達の考えを聞いてどう思いましたか?
・大切にしたい価値は何ですか?
・どちらの考えも正しいとしたら、その理由は何でしょうか?
・自分の生活と結び付けるとどんな場面がありますか?
指導案に書ける発問例と記入方法
指導案の発問欄は何を書く?
指導案の発問欄には、教師が授業中に生徒へ投げかける問いを書きます。
単に質問を書くのではなく、
・何を考えさせたいのか
・どの場面で使うのか
・どんな反応を期待するのか
を意識して作成します。
発問を書くときの基本フォーマット
発問
↓
予想される生徒の反応
↓
教師の支援
この流れで考えると授業が組み立てやすくなります。
発問→予想される生徒の反応→教師の支援例
発問
なぜ江戸は政治の中心になったのでしょうか。
予想される生徒の反応
・交通の便が良かった
・人口が多かった
・土地が広かった
・防衛しやすかった
教師の支援
・地図資料を確認させる
・友達の意見と比較させる
・根拠を発表させる
・資料中のキーワードに注目させる
指導案の記入例
教師の発問
「なぜ主人公は最後にこの言葉を選んだのでしょうか」
予想される反応
・相手を思いやったから
・後悔していたから
・感謝を伝えたかったから
支援
・本文の根拠部分を確認する
・ペアで意見交換する
・複数の考えを認める
・本文中の表現に線を引かせる
発問を考えられても、指導案のどこにどう書けばよいか分からない実習生は多くいます。
教育実習の指導案の書き方と例文では、実際の指導案例を見ながら発問欄の書き方まで確認できるため、提出前の不安を減らせます。
生徒が黙ってしまったときの対処法
発問が難しすぎる場合
難しい発問は生徒が答えられません。
例えば、
「日本の近代化についてどう考えますか」
よりも、
「日本はなぜ急いで近代化を進めたのでしょうか」
の方が考えやすくなります。
発問が抽象的すぎる場合
抽象的な発問は避けましょう。
悪い例
・どう思いますか?
改善例
・主人公の行動についてどう思いますか?
対象を明確にすると答えやすくなります。
待つ時間が短い場合
教育実習生に多い失敗が、発問してすぐ答えを求めることです。
生徒は考える時間が必要です。
発問後は5秒から10秒程度待つ意識を持ちましょう。
ペアトークを活用する方法
全体発表の前に、
「隣の人と30秒話してみましょう」
と伝えるだけでも発言量が増えます。
実習中でも取り入れやすい方法です。
指導教員からよく受ける指摘
・答えを急ぎすぎている
・発問の意図が分からない
・生徒の発言を拾えていない
・発問が説明になっている
・教師ばかり話している
これらは実習生がよく受ける指摘です。
発問だけでなく授業全体の進め方に不安がある場合は、教育実習で失敗しない方法を読んでおくと、指導教員からよく指摘される行動や評価を下げやすいポイントも事前に確認できます。
発問を上達させるための授業観察のコツ
ベテラン教師はどんな発問をしているか
授業観察では発問に注目しましょう。
特に見るべきポイントは、
・どのタイミングで発問しているか
・どのように問い返しているか
・生徒の発言をどう活かしているか
です。
発問を観察記録に残す方法
発問を記録するときは、単に教師の質問を書き写すだけでは不十分です。
次の3点をセットで記録すると学びが大きくなります。
発問内容
↓
生徒の反応
↓
教師の返し
例えば、
教師
「なぜこの地域では米作りが盛んなのでしょうか?」
生徒
「川が多いからだと思います。」
教師
「なるほど。では川が多いと、なぜ米作りに有利なのでしょう?」
このように記録すると、発問と問い返しの流れが見えてきます。
授業観察をするときは、
・どの発問で生徒がよく反応したか
・どの発問で沈黙が起きたか
・教師がどのように問い返したか
を意識してメモすると、自分の授業づくりに活かしやすくなります。
授業観察で何を書けばよいか分からない人は、教育実習の授業観察記録の書き方を参考にすると、評価されやすい記録の取り方や観察ポイントが具体的に分かります。
真似したい発問をストックする
良い発問は教科を超えて活用できます。
実習期間中は「発問ノート」を作るのがおすすめです。
ノートには、
・良かった発問
・生徒が盛り上がった発問
・問い返しの例
・自分が使いたい発問
を書きためておきます。
実習中だけでなく、教員採用試験や将来の授業づくりにも役立ちます。
発問づくりで役立つ教材研究の進め方
発問は教材研究で決まる
良い発問は教材研究から生まれます。
教材の内容を十分理解していないと、生徒がどこでつまずくのか、どこを考えさせればよいのかが見えてきません。
反対に、教材研究がしっかりできていると、
「ここは生徒に気付かせたい」
「ここは比較させたい」
というポイントが明確になります。
結果として発問も作りやすくなります。
教材研究から発問を作る流れ
教材研究から発問を作る基本的な流れは次のとおりです。
教材を読む
↓
授業のねらいを確認する
↓
重要な学習内容を整理する
↓
生徒がつまずきそうな部分を探す
↓
発問を考える
↓
生徒の反応を予想する
↓
問い返しを考える
この流れを意識すると、発問が授業のねらいからズレにくくなります。
生徒のつまずきを予想する方法
発問は、生徒が悩みそうな場面に合わせて作ることが大切です。
例えば、
社会なら
「なぜその出来事が起きたのか」
理科なら
「なぜ実験結果がそうなったのか」
数学なら
「なぜその式になるのか」
がつまずきやすいポイントです。
つまずきを予想できると、
「なぜそう考えたのですか?」
「別の考え方はありますか?」
という発問につなげやすくなります。
教材研究が浅いと発問も浅くなりがちです。
発問が思い浮かばない人は、まず教材研究を見直してみましょう。
教材研究の具体的な進め方を知りたい人は、教育実習の教材研究のやり方を読むと、授業準備から発問づくりまでの流れを整理できます。
指導教員に評価される発問の特徴
生徒主体の授業になっている
評価される授業は、教師が話す時間よりも、生徒が考える時間が確保されています。
発問によって、
・考える
・話し合う
・発表する
という流れが生まれていることが大切です。
発問に意図がある
良い発問は、授業のねらいにつながっています。
例えば、
「なぜそう思いますか?」
という発問も、
何を考えさせたいのかが明確でなければ意味がありません。
指導教員から、
「なぜその発問を入れたの?」
と聞かれたときに説明できる状態が理想です。
生徒の発言を活かしている
発問した後に、生徒の発言を拾うことも重要です。
例えば、
生徒
「交通の便が良かったからだと思います。」
教師
「交通に注目したのですね。どの資料からそう考えましたか?」
このように返すことで、生徒の発言を授業に活かせます。
問い返しができている
良い授業では問い返しが自然に行われています。
例
生徒
「平和が大切だと思います。」
教師
「なぜそう思いましたか?」
生徒
「戦争で多くの人が苦しむからです。」
教師
「では平和を守るために私たちにできることは何でしょう?」
問い返しができると、生徒の思考が一段深まります。
また、指導教員からも高く評価されやすくなります。
実習中は分からないことを一人で抱え込まず、指導教員へ適切に質問することも大切です。
教育実習で指導教員に質問する例文では、授業後の相談や指導案の確認をお願いするときの具体的な聞き方を紹介しています。
教育実習の発問に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 発問と質問は何が違いますか?
質問は知識確認が中心です。
例えば、
「江戸幕府を開いた人物は誰ですか?」
は質問です。
一方、
「なぜ江戸幕府は長く続いたのでしょうか?」
は発問です。
発問は、生徒が考えることを目的としています。
Q2. 生徒が答えないときはどうすればよいですか?
発問を具体的にしたり、考える時間を確保したりしましょう。
また、
「隣の人と30秒話してみましょう」
とペアトークを取り入れると発言しやすくなります。
Q3. 指導案には何個くらい発問を書けばよいですか?
授業内容によりますが、
導入で1〜2個
展開で2〜5個
まとめで1〜2個
程度が目安です。
大切なのは数ではなく、授業のねらいにつながっているかどうかです。
Q4. 良い発問かどうかを判断する方法はありますか?
次のチェックをしてみましょう。
・生徒が考える余地があるか
・理由や根拠を説明できるか
・授業のねらいにつながっているか
・答えを誘導していないか
これらを満たしていれば、良い発問である可能性が高いです。
Q5. 発問が思いつかないときはどうすればよいですか?
教材研究を深めることが一番の近道です。
また、授業観察で先生方の発問を記録すると、自分の引き出しが増えていきます。
まとめ
発問は授業づくりの中心になる
発問は、生徒の思考を引き出すための重要な技術です。
同じ教材でも、発問が変われば授業の質は大きく変わります。
良い発問は生徒の思考を動かす
知識を確認するだけでなく、
「なぜ」
「どうして」
「どこからそう言えるのか」
を考えさせることが大切です。
教育実習では「発問→反応→問い返し」を意識しよう
発問だけを準備しても十分ではありません。
生徒の反応を予想し、その後の問い返しまで考えておくことで、授業に深まりが生まれます。
授業観察と教材研究を繰り返して発問力を高めよう
発問力は一度で身につくものではありません。
授業観察で良い発問を学び、教材研究で発問を磨き、実際の授業で試しながら少しずつ成長していきます。
教育実習では完璧な授業を目指す必要はありません。
大切なのは、生徒に考えてもらうために試行錯誤することです。
発問を工夫できるようになれば、生徒が主体的に学ぶ授業に一歩近づけるでしょう。