この記事では、
会社訪問が終わったあとに出す、
お礼状の挨拶と書き方をご紹介します。
会社訪問をしていると周りが、
「お礼状を送らないと」と言っている場面に出くわすと思います。
でも、会社を訪問した後に
「お礼状なんて今まで送ったことないからどうすればいいの?」
と困っているあなたに、ここでは、お礼状の書き方をご紹介します。
お礼状は企業に良い印象を与えられますので、会社訪問の後、
この記事の書き方を参考にお礼状を作ってみてください。
手紙を書くときに綺麗な手紙が書けずに悩まれている方に、
別の記事で「きれいな手紙が書ける便箋と封筒」をご紹介しています。
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目次
会社訪問のお礼状とは
会社訪問のお礼状とは、
「就職活動中の人が、求人をしている企業や店舗などを訪問し、
職場の様子などを見学した後に出すお礼状」のことをさします。
忙しい中、時間を割いて対応してくれたことへのお礼と、
その企業や店舗で働く際の意気込みなどを書きます。
会社訪問で、
あなたが興味をひかれる企業の担当者の名刺を頂戴した場合にも、
メールやお礼状を出しておくと良いと思います。
但しメールは略式となりますので、
できれば手紙でお礼状を出すことをおすすめします。
しかし、お礼状は必ず出さなくてはいけないというものではありません。
ですが、近ごろは、大学の就職課・学生課が学生に対して
「会社訪問をしたらお礼状を出すように」という指導を
しているところが増えてきているようです。
会社訪問のお礼状を送るワンポイント
お礼状は、会社訪問後、なるべく早く送るのがポイント。
印象が鮮やかな当日か翌日のうちに作成し、
すぐにポストへお礼状を投函しましょう。
日が経つにつれ、そのときの状況が思い出しにくくなり、
徐々に書くことが難しくなってしまいます。
先延ばしにして忘れてしまわないよう早めに送りましょう。
事前に、お礼状用の便箋や封筒を用意し、
黒のボールペンまたは、万年筆で記入するのが一般的です。
切手の用意も忘れずに。
お礼状は、マナーのポイントを押さえて丁寧に書くことが大切で、
文章の滑らかさや文字の美麗さにとらわれすぎる必要はありません。
会社訪問のお礼状で使う便箋と封筒と筆記具
会社訪問のお礼状で使う便箋と封筒
会社訪問のお礼状の便箋は、白無地の縦罫が基本。

お礼状の封筒は、白無地の和封筒(長型4号)が基本。
二重か、厚手の上質紙のものを選びます。
茶封筒は事務的文書用なのでお礼状には向きません。


*呉竹の筆ペンの「筆ごこち」を使って書いてみました。
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会社訪問のお礼状で使う筆記具
会社訪問のお礼状の筆記具は、ボールペンなら黒インク、
万年筆なら黒かブルーブラックのインクのものを使います。

会社訪問のお礼状の注意点
1.タイミング
会社訪問をしたらすぐにお礼状を出します。
できるだけ翌日には投函したいものです。
お礼状は早ければ早いほど価値がありますが、
遅くとも先方の手もとには一週間以内に届くようにします。
同様に企業説明会のお礼状の場合も、説明会のあとすぐに出します。
2.内容
忙しい中を時間を割いて対応してくれたことに対するお礼と、
もしその職場に魅力を感じた場合には、その会社で働く場合の
抱負などをあらためて書きます。
3. 注意点
お礼状を書くときは誤字、脱字に注意します。
特に先方の会社名や担当者名に誤りがあると非常に失礼にあたります。
もしお礼状を書いている時に、ミスを見つけた場合には、
修正テープなどを使わず新しい便箋に書き直して下さい。
4. 会社に提出する書類があれば一緒に送る
ただし、
会社に提出書類がある場合において、
その用意のために時間がかかる場合はお礼状だけを先に送ります。
会社訪問のお礼状の文章の書き方の構成

会社訪問のお礼状の書き方の構成は、
順番に
「頭語、時候の挨拶、お礼の言葉、主文、結びの挨拶、結語、後付け、相手の会社名と担当者名」
で締めます。
①頭語
②時候の挨拶
③お礼の言葉
④主文(実際に経験した内容・出来事・学んだ事・感謝の言葉)
⑤結びの挨拶
⑥結語
⑦後付け(日付・学校名・氏名)
⑧相手の会社名と担当者の名前
ここでは、お礼状の書き方について詳しくみていきましょう。
①頭語
「頭語」とは手紙の冒頭に書き出す言葉。
「拝啓」「拝呈」「啓上」などが一般的です。
目上の人に対して少し改まった表現になると、
「謹啓」「謹呈」などがあります。
いずれも「頭語」に対して使用できる「結語」は決まっています。
一般的な手紙の場合
頭語「拝啓(はいけい)
結語「敬具(けいぐ)」
丁寧な手紙の場合 (目上の方に対して)
頭語「謹啓(きんけい)」
結語「謹言(きんげん)」または「謹白(きんぱく)」
前文は、「頭語」と「時候のあいさつ」で構成されています。
お礼状の文章は頭語で始まり、結語で結ぶ流れになります。
一般的に、ビジネスで用いる手紙には「拝啓」を頭語に用います。
急ぎの用件を伝える際は、時候の挨拶を使わずに、
「前略」を使用する場合もありますが、
今回の会社訪問のお礼状には向きません。
そのため「拝啓」を頭語にしてお礼状を作成していきましょう。
②時候の挨拶
時候の挨拶とは、
頭語の後に続く書き出しの言葉で、
「○○の候」「○○のみぎり」といった表現が一般的です。
ただ注意点として、時候の挨拶を書き始める場所は、
一文字分空ける必要があります。
季節の移り変わりを伝え相手の健康を気遣う意味があり、
手紙に使用できる季節の言葉は時季によって異なります。
しかし、
季節を問わず年中使える時候の挨拶として、
「時下」を用いる場合があります。
時下とは、「このところ」「今現在」などの意味合いを持つもので、
春夏秋冬を問わず使うことができます。
(使用例)
「拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」
月ごとの時候の挨拶を書きたい人は以下を参照してください。
会社訪問のお礼状を出すときの
「時候の挨拶1月から12月までの季語と結び」をまとめています。
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③お礼の言葉
「頭語」「時候の挨拶」に続いて、担当してくださった方へのお礼を述べましょう。
(例文)
・お忙しいところ、会社訪問の機会をいただき、誠にありがとうございました。
・お忙しい中、私の訪問見学のためにお時間を割いて頂き、
ありがとうございました。
・この度は、お忙しい中、会社訪問の機会を頂きまして、
誠にありがとうございました。
④主文(実際に経験した内容・出来事・学んだ事)
ここでは、 お礼状の本文に当たる部分のため
基本的にはあなたの気持ちや感想などを記していきます。
時候の挨拶のときと同様、次の行から一文字分空けて主文を記していきます。
主文の流れはお礼から書き始め、面接であれば、その場で感じたこと、
その会社を志望する気持ちなどを書いていくといいでしょう。
(例文)
・面接では、貴社の今後の事業展開やターゲット層の拡大について、
また、貴社の今後の展開までご解説いただき、大変感謝しております。
ぜひ、貴社の一員として働かせていただければと願っております。
⑤結びの挨拶
結びのあいさつでは、改めて感謝の気持ちを伝え、
最後にその会社の繁栄を祈る挨拶を入れると良いでしょう。
(例文)
・皆様の今後一層のご活躍お祈り申し上げます。
・貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
・末筆ながら、皆様方の
ますますのご発展を心からお祈り申し上げます。
・末筆ながら、いっそうのご躍進のほどご祈念申し上げます。
⑥結語
「頭語」と対をなす締めの言葉になります。
「拝啓ー敬具」「「謹啓ー謹白」などが一般的に使用されています。
また今回のようなケースでは使用しないのですが、
「前略」を使用した場合は「早々」になるので、念頭においておきましょう。
結語を書く際は、下を一文字分空けて記入するようにしましょう。
⑦後付け(日付・大学名・氏名)
すべて書き終えたら最後に署名をします。
名前だけではなく、
大学名とお礼状を書いた日付も記入しましょう。
*日付は少し特別で、最初2文字分を空けてから書きます。
(日付)令和○年○月○日
*署名も結語と同様に下を一文字分空けて書くようにしましょう。
(学校名・学部・学科)○○大学 ○○部
(氏名)○○ ○○
こちらの日にちなのですが
「いつにすればいいの?」と疑問に思う方も多いと思いますが
「手紙を書いた日」か「手紙を送った日」のどちらかでかまいません。
参加した当日にお礼状を書いたと印象をつけられるので、
手紙を書いた日の日付を書くのもいいかもしれません。
⑧相手の会社名と担当者の名前
最後に相手の会社名と担当者の名前を記入してお礼状は完成です。
(会社名) ○○株式会社
(部署名) ○○〇〇部
(担当者名) ○○○○ 様
相手の名前を記載せずに送ってしまうと、
誰に宛てたお礼状なのかわからなくなるので、
必ず記入するのを忘れないようにしましょう。
相手の氏名は、
主文などの他の文章と高さを合わせて記入するようにしましょう。
会社名・部署名・担当者名の3つを記載し、完成になります。
通常、お礼状の宛先は人事担当者(あるいは採用担当者)または、
対応してくれた担当者になります。
宛先に書く相手の氏名がわからない場合には、
「人事採用ご担当者様」などと書けば良いでしょう。
また、小さな会社の場合には、
採用に関する業務を社長が兼務していることがあります。
その場合の宛名は、「社長 ◯◯◯◯様」と書きます。
会社訪問のお礼状の書き方:例文3点

*呉竹の筆ペンの「筆ごこち」を使って書いてみました。
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会社訪問のお礼状の書き方:例文1
拝啓 貴社におかれましてはご盛栄のこととお慶び申し上げます。
9月10日に面接を受けさせて頂きました
○○大学 社会福祉学部3年の○○ ○○と申します。
先日はお忙しいところ、
面接の機会をいただきましてありがとうございました。
貴社の今後の事業展開やターゲット層の拡大について、
また、貴社の今後の展開までご解説いただき、大変感謝しております。
貴社での法人営業職に魅力を感じて入社を希望しておりますが、
パソコンを見ながらの2時間の研修、パワハラ、セクハラ、ソジハラに会社をあげて
取り組まれているというご説明を聞き、ますます貴社で活躍していきたいという気持ちが
増しております。
ぜひ、貴社の一員として働かせていただければと願っております。
まずは、面接という機会を与えて頂いたお礼を申し上げたく
お便りいたしました。
末筆ながら、
貴社の益々のご発展と山本様のご活躍をお祈り申し上げます。 敬具
令和〇年〇月〇日
(学校名)○○大学 社会福祉学部3年
(氏名)○○ ○○
福岡物産株式会社 人事課
山本 太郎 様
会社訪問のお礼状の書き方:例文2
謹啓 このたびはお忙しいところを私のためにお時間を割いて頂きまして、
誠にありがとうございました。
本日、○○様から具体的な業務内容についてお話を伺い、非常に勉強になりました。
また、実際に勤務しておられる方の生の声をお聞かせ頂き、
活き活きと活躍しておられる姿を拝見できましたことを感謝しております。
今回のことで貴社で働きたいという思いが一層強くなりました。
とり急ぎお礼を申し上げたくお便りいたしました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展と皆様方のご活躍をお祈り申し上げます。
本日は本当にありがとうございました。 謹白
令和◯年◯◯月◯◯日
(住所) ○○県周南市東区3-30
(学校名)◯◯大学◯◯学部◯◯専攻
(氏名) ◯◯ ◯◯
◯◯◯◯株式会社
人事部担当◯◯様
会社訪問のお礼状の書き方:例文3
謹啓 本日はお忙しいところを私のためにお時間を頂戴し、
ありがとうございました。
具体的な業務内容についていろいろとお話を伺い、
また、貴社の活気にあふれた雰囲気に触れることができましたことは、
就職活動中の私にとって大変意義深いものになりました。
どうか今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
まずはお礼を申し上げたくお便りいたしました。
貴社のご発展と◯◯様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。 謹白
令和◯年◯◯月◯◯日
(住所)○○県○○市◯◯区◯◯2-3
(学校名)◯◯大学◯◯学部◯◯学科◯◯専攻
(氏名) ◯◯ ◯◯
◯◯◯◯株式会社
人事部人事担当◯◯様
会社訪問のお礼メール
上記では「お礼状」について述べましたが、
一部の学生は、メールでお礼をする人もいるようです。
もしメールでお礼の言葉を送る場合の注意点は以下の通りです。
メールでお礼の言葉を送る場合の注意点:お礼メールのポイント
先方を訪問したその日のうちに送信するくらいのタイミングで出す
メールの場合は特に、送信が遅いのはNG。
できれば当日、遅くとも翌日には送信したいものです。
先方の担当者の役職や年齢や職種によっては、メールはそぐわないことがある
おおまかに分類すると、地位 の高い人、年齢の高い人には、
メールでのお礼はそぐわないことが多いと思われますし、
あまり職場でパソコンを使用しない職種の人に対してメールはそぐわないと思われます。
手紙の方が丁寧。礼儀としては手紙の方が上
しかし、逆にメールの場合には気軽にやりとりできる利点があり、
直接担当者にぶつけてみたい質問などを記載すると、返信が期待できるメリットがあります。
担当者の年齢が就活中のあなたの年齢と近ければさらにコミュニケーションしやすいと思われます。
会社訪問のお礼状:お礼メールの例文
会社訪問のお礼メールの例文です。
メールでお礼状を送る場合、頭語・前文・結語を省略しても構いません。
書き出しでは、大学名と自分の名前を書くようにしましょう。
例文を参考にしつつ、自分の言葉で感謝の思いを書いてください。
件名:会社訪問のお礼(○○高校 氏名○○)
………………………
〇〇株式会社
人事部
〇〇様
〇〇高校の〇〇と申します。
本日はお忙しい中、私のためにお時間を頂戴しありがとうございました。
業務内容について話しを伺うことが出来大変勉強になりました。
また、貴社の自由な社風に触れることができ、
改めて貴社で働きたい思いを強くいたしました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
今後の貴社のご発展をお祈りしております。
まずはメールにてお礼申し上げます。
…………………………………
〇〇高校
氏名 ○○ ○○
メールアドレス:〇〇@〇〇
住所:000-0000
〇〇県〇〇市〇〇
件名:会社訪問のお礼
…………………………………
○○株式会社
○○部○○課
○○担当 ○○○○様
○○大学○○学部○○学科○○専攻の○○と申します。
本日はお忙しいところ、時間を割いていただき誠にありがとうございました。
長時間にわたり、業務内容についてご丁寧に説明いただき、
貴社のご配慮に誠に感謝いたしております。
どうぞこれからもご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
今後の貴社のご繁栄とご発展をお祈りしております。
まずは、メールにてお礼申し上げます。
…………………………………
○○大学○○学部○○学科
氏名 ○○○○
メールアドレス ○○○○@○○○○
自宅住所 〒○○○-○○○○
○○県○○市○○町○○
まとめ
この記事では、会社を訪問した後に送る、
お礼状の書き方とマナーをご紹介しました。
就職活動には、学生であっても
「礼儀正しさ」や「社会人としての基本マナー」が求められます。
ちょっとしたことで就職活動に差がつきますので
印象の良いお礼状の書き方をしっかり身につけて
社会人に備えましょう!
お礼状を書くときに綺麗な手紙が書けずに悩んでいらっしゃる方がいたら、
別の記事で「きれいな手紙が書ける便箋と封筒」をご紹介しています。
良かったら読んでみてください。
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