クレームへの返信メールでは、お詫び、確認できている事実、これから行う対応、次に連絡する日時を伝えます。原因がわからなくても、問い合わせを受けたことや、確認のために何をするかは案内できます。
大切なのは、丁寧な言葉を増やすことより、相手が「自分の問い合わせはどう扱われているのか」を把握できることです。まずは基本テンプレートを確認し、状況に合う例文へ進んでください。
まず使えるクレーム返信メールの基本テンプレート
以下は、確認できている不便についてお詫びし、調査を進める場合の基本形です。この記事の例文はすべて架空の設定です。[ ]を実際の情報に置き換え、該当しない文は削除してください。
件名:[対象の件]に関するお詫びと確認状況のご連絡
[お客様氏名]様
[自社名][窓口名]の[担当者名]です。
[お問い合わせ内容]について、ご連絡を拝受いたしました。[確認できている不便]につきまして、お詫び申し上げます。
現在、[確認する部署・担当]で[確認する内容]を調べております。原因および対応方法は、現時点では確定しておりません。
[次回連絡日時]までに、私[担当者名]から確認状況をご連絡いたします。調査が続いている場合も、その時点の経過をお知らせいたします。
[自社名]
[部署・窓口名][担当者名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
受付時間:[受付時間・休業日]
使う前の注意:不便の内容まで未確認なら、相手からの申告として受け止めたことを示し、事実と断定しないようにします。連絡日時は社内で確認し、実際に守れる予定を記載してください。
状況別|クレーム対応の謝罪メール例文7選
各例文の前提を確認して選びましょう。交換・返金・日程などの案内は、社内規定や自分の権限を確認してから記載します。すべての例文で、宛先と署名も差し替えてください。
① 原因を調査中の一次返信
使う場面:サービスを利用できなかったことは確認済みですが、原因は未確定の場合です。調査担当と経過連絡の予定を確認してから送ります。
件名:[サービス名]のご利用に関するお詫びと調査のご連絡
[お客様氏名]様
[自社名]お客様窓口の[担当者名]です。
[サービス名]を利用できなかった件について、ご連絡を拝受いたしました。ご不便をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。
現在、担当部署で[確認対象の記録]を調べております。原因と復旧の見通しは、まだ確定しておりません。
[次回連絡日時]までに、私から確認状況をご連絡いたします。原因の特定に至らない場合も、調査の経過をお知らせいたします。
[自社名]お客様窓口
担当:[担当者名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:利用できなかった事実も未確認なら、「利用できなかったとのお申し出を拝受いたしました」とします。「弊社のシステム障害が原因です」など、未確認の原因は加えません。
② 商品の不良・破損についての返信
使う場面:破損の状況を確認済みで、無償交換と返送方法について社内承認を得ている場合です。破損原因までは確認できていない設定です。
件名:[商品名]の破損に関するお詫びと交換のご案内
[お客様氏名]様
[店舗名]の[担当者名]です。
お届けした[商品名]に破損があり、ご使用いただけない状態となっておりますこと、深くお詫び申し上げます。
確認した状況を踏まえ、今回は無償で交換いたします。交換品は[発送予定日]に発送予定です。お手元の商品は[承認済みの返送方法]でご返送ください。返送料は当店が負担いたします。
破損の原因は現在確認中です。[次回連絡日時]までに、私から交換品の発送状況と原因確認の経過をご連絡いたします。
交換に伴いお手数をおかけしますこと、重ねてお詫び申し上げます。
[店舗名]
担当:[担当者名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:交換の可否が未定なら、交換を約束せず「対応方法を確認しております」とします。写真が必要な場合は、破損箇所の確認など依頼理由を添え、必要な範囲だけを求めてください。
③ 接客・スタッフ対応への苦情に対する返信
使う場面:接客について不満の申し出を受け、当日のやり取りをこれから確認する場合です。責任者への共有と確認予定が決まっていることを前提にしています。
件名:[店舗名]の接客についてのお申し出へのご返信
[お客様氏名]様
[店舗名]の[担当者名]です。
[ご来店日]の接客について、ご不快な思いをされたとのお申し出を拝受いたしました。ご説明のためにお手数をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。
いただいた[具体的なお申し出の要点]を責任者に共有し、当日の対応状況を確認いたします。現時点では、やり取りの詳細の確認が済んでおりません。
[次回連絡日時]までに、私から確認の経過と今後の対応についてご連絡いたします。
[店舗名]
担当:[担当者名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:相手が伝えた具体的な内容を一つ入れると、何を確認するのかが明確になります。確認前にスタッフの非を断定したり、実施していない再教育を「行いました」と書いたりしないでください。
④ 納期・配送の遅れについての返信
使う場面:取引先から納期超過の指摘を受け、遅延は確認できていますが、新しい納品日時が未定の場合です。
件名:[商品名・案件名]の納期遅延に関するお詫びと状況のご報告
[取引先会社名]
[部署名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名][部署名]の[差出人名]です。
ご連絡いただいた[商品名・案件名]につきまして、[当初納期]を過ぎても納品できておらず、誠に申し訳ございません。
現在、[確認済みの進行状況]です。担当部署で残りの工程を確認しており、新しい納品日時はまだ確定しておりません。
[次回連絡日時]までに、私から納品の見通しと対応状況をご報告いたします。日時が確定しない場合も、確認できた内容をご連絡いたします。
ご予定に影響を及ぼしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
[自社名][部署名]
[差出人名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:配送の遅れなら、確認済みの発送・配送状況へ置き換えます。発送予定と到着予定、社内で確認した候補日と相手が了承した納期は区別してください。
納期前の連絡や再延期などは、納期が確定・見込み・未定の場合のお詫びメール例文で詳しく紹介しています。
⑤ 誤請求・請求金額の誤りについての返信
使う場面:請求金額の誤りを確認済みで、相手は未払い、旧請求書の取り消しと訂正版の発行が承認されている場合です。
件名:[請求書番号]の請求金額訂正に関するお詫び
[取引先会社名]
[部署名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]経理担当の[差出人名]です。
ご指摘いただいた請求書を確認したところ、請求金額に誤りがございました。照合のお手数をおかけし、誠に申し訳ございません。
対象:[請求書番号・発行日]
誤った請求金額:[誤った金額]円
正しい請求金額:[正しい金額]円
旧請求書は取り消しといたしますので、旧請求書によるお支払いは不要です。[訂正版送付日時]までに訂正版をお送りし、私から送付完了をご連絡いたします。訂正後のお支払期限は[確認済みの支払期限]です。
このたびは請求内容に誤りがありましたこと、深くお詫び申し上げます。
[自社名]経理担当
[差出人名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:金額は税込・税抜の区分も確認します。支払い済みの場合はこの文面を流用せず、入金状況と承認済みの精算方法を確認してください。返金日や手数料負担を独断で約束しないようにします。
⑥ 電話でお詫びしたあとの確認メール
使う場面:電話で確認した対応内容と連絡予定を、記録として共有する場合です。下記の対応について相手と合意済みであることを前提にしています。
件名:[対象の件]に関するお詫びとお電話での確認内容
[取引先会社名]
[部署名]
[担当者名]様
[自社名][部署名]の[差出人名]です。
[通話日時]にお電話でお伝えした[確認済みの不備]につきまして、改めてお詫び申し上げます。
お電話で確認した内容を、以下のとおりご連絡いたします。
・対応内容:[合意済みの対応]
・対応予定:[確認済みの実施日時]
・担当者:[対応担当者名]
・次回のご連絡:[次回連絡日時・報告内容]
記載内容に認識の違いがございましたら、お知らせいただけますでしょうか。次回は上記日時に、私からご連絡いたします。
[自社名][部署名]
[差出人名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:電話で提案しただけなら「合意済み」とせず、「ご提案した内容」とします。メールへの返信がないことだけを理由に、了承を得たと判断しないでください。
⑦ 調査が終わらない場合の中間報告
使う場面:約束した報告期限までに調査が終わらないとわかった段階で、期限を迎える前に経過を伝える場合です。
件名:[対象の件]の調査経過と次回ご連絡予定について
[お客様氏名]様
[自社名]お客様窓口の[担当者名]です。
[前回ご連絡した件]について、調査の経過をご報告いたします。お待たせしておりますこと、お詫び申し上げます。
現時点では[確認できた事実]まで確認できております。一方、[未確認の事項]の確認が残っており、お約束した[当初の報告期限]までに最終結果をご案内することが難しい状況です。
引き続き[次に行う確認]を進め、[次回連絡日時]までに私から経過をご連絡いたします。調査完了の日時は、現時点では未定です。
最終結果のご案内までお時間を要しておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
[自社名]お客様窓口
担当:[担当者名]
電話:[電話番号]
メール:[メールアドレス]
書き換え・注意点:前回約束したのが最終結果ではなく経過報告なら、その約束に合わせて修正します。すでに連絡期限を過ぎた場合は、調査の遅れに加えて、連絡が遅れたこともお詫びしてください。
クレームへの謝罪メールを組み立てる6つの要素
- 件名:対象の商品・案件と、返信の目的を示します。
- 宛名・名乗り:個人のお客様には氏名、法人には会社名・必要な部署名・担当者名を書きます。
- 受領・お詫び:何について連絡を受け、何に対してお詫びするのかを明確にします。
- 確認状況・原因:確認済みの事実と、まだ調べている内容を分けます。
- 対応・連絡予定:誰が何をするか、次にいつ何を知らせるかを伝えます。
- 結び・署名:必要な依頼やお詫びを添え、連絡窓口を示します。
「謝罪メール」はメールという形式を表し、「お詫び文」はお詫びを伝える文章を広く指します。トラブルの大小で明確に分かれるものではありません。名称より、相手が必要としている情報をそろえましょう。
締め方は、相手への依頼があるか、次に自分から連絡するかに合わせて選びます。謝罪メールの「よろしくお願いします」と、依頼の有無で選ぶ締め方も参考にしてください。
謝罪メールのNG表現と改善例
下記の言葉を一律に禁止するものではありません。説明の順序や確認状況によって、責任回避や一方的なお願いに見える点に注意します。
| NG表現 | 気をつけたい理由 | 改善例 |
|---|---|---|
| 繁忙期なので仕方がありません。 | 事情説明から始め、対応の必要性を否定しています。 | お待たせして申し訳ございません。現在[対応状況]で、[日時]に経過をご連絡します。 |
| 担当者の確認不足が原因です。 | 確認前に書くと、推測を事実として伝えてしまいます。 | 原因は確認中です。[担当部署]で[確認内容]を調べております。 |
| そのように受け取られたのであれば残念です。 | 相手の受け取り方だけを問題にしているように見えます。 | [案内内容]についてのお申し出を受け、当日の説明を確認いたします。 |
| 早急に、近日中にご連絡します。 | この表現だけでは、いつまで待つのかわかりません。 | [次回連絡日時]までに、確認状況をご連絡します。 |
| 必ず全額補償します。 | 権限や対応可否を確認していないと、守れない約束になります。 | ご要望の対応について責任者に確認し、[日時]までに回答いたします。 |
| 何卒ご容赦、ご理解ください。 | 説明や対応が足りない段階では、許しを求める印象が強くなります。 | [対応内容]を進めております。ご不便をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。 |
| 申し訳ございません。再発防止に努めます。 | お詫びだけでは、今回の問題への次の行動がわかりません。 | [担当者]が[具体的な対応]を行い、[日時]に状況をご報告します。 |
原因の説明と言い訳は、どう違う?
たとえば「担当者が休みだったので、返信できませんでした」だけでは、社内事情を伝えるだけで、対応が見えません。
引き継ぎ漏れを確認済みなら、「担当者不在時の引き継ぎが漏れ、回答が遅れました。現在は[担当者]が確認し、[日時]までに回答いたします」と書けます。原因の説明は、確認済みの経緯を示し、次の対応につなげるものです。確認していない原因を補ってはいけません。
原因や責任が未確認の場合の注意点
不便へのお詫びと、責任の確定は分けて書きます。利用できない状態を確認しているなら、その不便にお詫びしつつ「原因は調査中」と伝えられます。申し出の内容自体が未確認なら、相手から伺った内容として記載します。
返信時期は、緊急性・営業時間・社内基準に応じて判断します。「必ず24時間以内」と一律に決めるのではなく、まず受付と次の行動を伝え、担当者が連絡できる日時を調整しましょう。解決予定日が未定でも、経過を知らせる日時は別に設定します。
注文番号や写真を求める際は、「対象のご注文を特定するため」など理由を添えます。すでに受け取った情報を再度求めたり、確認に不要な個人情報まで集めたりしないようにしてください。
重大な事故や個人情報に関わる案件は、担当者だけで判断せず、社内の責任者・関係部署に共有します。責任や補償の範囲は断定せず、会社の確認・承認手順に沿って案内します。
社内での謝罪文も必要な場合は、上司・同僚・部下に向けた社内謝罪メールの例文を参照してください。
送信前チェックリスト
- 宛先、会社名、氏名、注文番号などに誤りはないか。
- お客様の申告と、自社で確認した事実を分けているか。
- お詫びの対象が具体的で、相手の受け取り方だけを問題にしていないか。
- 返金・交換・補償や日程は、案内する権限と実行可否を確認したか。
- 実施済み・実施予定・検討中を書き分けているか。
- 担当者、次の行動、次回連絡日時がわかるか。
- 不要な情報提供や、許し・継続利用を求めていないか。
- [ ]の置き換え漏れ、添付忘れ、不要な返信履歴はないか。
クレームへの返信メールでよくある質問
原因調査中でも謝ってよいですか?
確認できている不便や、説明のためにかけている手間についてお詫びできます。未確認の過失まで認める文章にせず、何が確認済みで、何を調べているのかを分けてください。
電話で謝罪したあとも、必ずメールが必要ですか?
一律に必要とはいえません。対応内容や期限を記録として共有したい場合は役立ちますが、相手の希望、案件の性質、社内手順に合わせて判断します。メールでは、電話で話していない約束を追加しないようにしましょう。
「よろしくお願いいたします」で締めてもよいですか?
確認や返信をお願いする場合には使えます。ただし、何を頼むのかを本文で具体的に示してください。依頼がないなら、締めるためだけにお願いを足さず、お詫びや次の連絡予定で結べます。
感謝の言葉を入れないと冷たくなりますか?
すべての返信に「貴重なご意見をありがとうございます」と入れる必要はありません。協力を得た事実があるなら、その内容にお礼を伝えます。問い合わせ内容に即した説明と具体的な対応を優先しましょう。
まとめ|お詫びと、次に行うことを具体的に伝える
クレーム対応の謝罪メールでは、相手の申し出を受け止め、確認できている事実と未確認の内容を整理します。そのうえで、案内できる対応、担当者、次回連絡日時を伝えましょう。
例文は文章の土台です。確認していない原因や実行できない約束を加えず、今回の状況に合う言葉へ書き換えてから送信してください。