クレーム対応でお客様に追加確認をお願いするときは、自社で確認できることを調べたうえで、必要な情報・確認する理由・回答方法を具体的に伝えることが大切です。
すでに説明していただいた内容を繰り返し尋ねたり、「詳しく教えてください」とだけ書いたりすると、お客様に負担をかけてしまいます。調査に必要な項目を絞り、分からない場合の伝え方も添えましょう。
この記事では、注文番号・破損写真・不具合の利用状況などを尋ねるメール例文と、確認をお願いするときの注意点を紹介します。
クレーム対応で追加確認をお願いするときの基本
確認依頼は、相手の説明を疑うためではなく、対象や状況を特定して調査を進めるためのものです。「何のために、どの情報が必要なのか」が伝わる文章に整えます。
- 受け取った申し出の要点と、把握している内容を短く示す
- 追加で確認する理由を伝える
- 回答してほしい項目を箇条書きにする
- 回答方法と、情報が分からない場合の案内を添える
- 回答を受けた後に自社が行う確認を示す
確認できている不便や、追加の説明をお願いする手間には、お詫びを添えます。一方、原因が分からない段階で「弊社の管理不足です」などと断定する必要はありません。
最初の返信全体の組み立てや、商品不良・接客などへのお詫び文を確認したい場合は、お客様からのクレームに返信する謝罪メールの書き方と例文をご覧ください。
お客様に尋ねる前に社内で確認すること
過去のメール・添付・引き継ぎ内容を読む
今回のメールだけでなく、同じ案件の過去のやり取りや、すでに受け取った写真も確認します。別の担当者が聞き取った内容があれば、社内で共有し直しましょう。
追加で尋ねるときは、「商品名と到着日は確認できております。注文の特定に必要なため、注文番号のみお知らせいただけますでしょうか」のように、把握済みの情報を示すと用件が明確になります。
社内で分かることと、お客様にしか分からないことを分ける
注文履歴、発送記録、受付履歴などを確認し、自社で調べられる情報は先に整理します。社内で利用できる情報や手順の範囲を確かめ、必要な項目だけを尋ねてください。
「不具合が出た直前の操作」「届いた時点での商品の状態」など、自社の記録だけでは分からない部分に質問を絞ります。
依頼した情報を受け取れる方法か確認する
写真のメール添付が可能か、容量や形式に制限があるかなど、実際の受付方法を確認します。利用できるか分からないフォームや窓口を、文面に追加しないでください。
必要な情報と、尋ねる理由を整理する
下表は候補の整理です。すべての項目を一度に求めるのではなく、すでに分かっている情報を除き、今回の確認に必要なものを選びます。
| 確認したいこと | 尋ねる情報の候補 | 依頼理由の例 |
|---|---|---|
| 対象の注文 | 注文番号。不明なら注文時期・商品名 | 対象の注文と発送状況を確認するため |
| 破損の状態 | 破損箇所の写真、到着時の状態 | 破損箇所と状態を担当部署で確認するため |
| 不具合の発生状況 | 発生日時、表示された文言、直前の操作 | 該当する時間帯の記録と照合するため |
| 接客時の状況 | 店舗名、利用日時、相談した内容 | 該当する店舗と当日の応対を確認するため |
| 申告と記録の相違 | 食い違っている一点に関する情報 | 記録と伺った状況の相違点を調べるため |
必須とするのは、調査を進めるために欠かせない情報に限ります。補足の情報は「分かる範囲で」と分け、分からない項目があればその旨だけ回答できるようにします。
クレーム対応で確認をお願いするメール例文5選
以下はすべて架空の例文です。[ ]を実際の情報に置き換え、不要な質問は削除してください。社内確認や対応予定も、実際に確認・実行できる内容に合わせます。
各例文は、現在のやり取りに返信し、記載した情報がまだ不足している設定です。添付をお願いする例文は、メールで受け取れることを確認済みとします。
1.対象の注文を特定するため、注文番号を尋ねる
使う場面・前提:商品が届いていないとの申し出を受け、受信済みの情報では対象の注文を特定できていない場合です。
件名:[商品名]のお届けに関する注文情報の確認
[お客様氏名]様
[店舗名]の[担当者名]です。
[商品名]が届いていないとのご連絡を拝受いたしました。状況の確認にあたり、追加でお手数をおかけし申し訳ございません。
対象のご注文と発送状況を確認するため、注文番号を本メールへの返信でお知らせいただけますでしょうか。
注文番号が分からない場合は、次の情報を分かる範囲でお知らせください。
- ご注文のおおよその時期
- ご注文の商品名
いただいた情報をもとに注文履歴を確認し、特定できましたら発送状況をお調べいたします。追加の確認が必要な場合は、その内容をご案内いたします。
[店舗名]
[担当者名・連絡先]
書き換える箇所:商品名、不足している識別情報、注文番号がない場合に自社で照合できる項目。
注意点:注文番号の記載場所を案内する場合は、実際の注文確認メールなどを確認してから書きます。照合できるか分からない項目を、代替手段として約束しないでください。
2.破損状況を確認するため、写真の提供をお願いする
使う場面・前提:注文は特定済みで、破損の申し出を担当部署で確認するために写真が必要な場合です。写真はまだ受け取っていません。
件名:[商品名]の破損箇所の確認について
[お客様氏名]様
[店舗名]の[担当者名]です。
お届けした[商品名]に破損があるとのご連絡を拝受いたしました。状態の確認のため、お手数をおかけします。
破損箇所とその状態を担当部署で確認するため、安全に撮影できる範囲で、該当箇所が分かる写真を本メールへの返信に添付していただけますでしょうか。
撮影のために商品を分解したり、破損した部分に触れたりする必要はございません。撮影が難しい場合は、その旨と、見えている範囲での状態を文章でお知らせください。
写真には、お顔や住所など、今回の確認に不要な情報が写り込まないようお願いいたします。
いただいた内容を担当部署で確認し、対応方法をご案内いたします。
[店舗名]
[担当者名・連絡先]
書き換える箇所:確認が必要な部位、写真の受付方法、実際に確認を行う部署。
注意点:写真がないことだけで申し出を否定せず、文章による説明や社内記録で確認できる範囲を検討します。割れ物・発熱・液漏れなどで危険がある場合は、撮影依頼より安全な対応の案内を優先してください。
3.不具合が発生した日時・画面表示・利用状況を尋ねる
使う場面・前提:サービスを操作できないとの申し出があり、発生日時や画面表示が分からず、該当する記録の確認が必要な場合です。
件名:[サービス名]の操作状況についての確認
[お客様氏名]様
[会社名]の[担当者名]です。
[操作内容]ができないとのご連絡について、確認を進めております。
該当する時間帯の記録と照合するため、次の点を本メールへの返信でお知らせいただけますでしょうか。
- 発生した日時:おおよその時刻で構いません。
- 操作できなくなった画面と、その直前に行った操作
- 画面に表示された文言やエラー番号:覚えている範囲で構いません。
分からない項目は「不明」とご記載ください。確認のために同じ操作を繰り返す必要はございません。また、パスワードや認証コードは送らないでください。
いただいた内容をもとに利用記録を確認し、調査状況をご連絡いたします。確認にお時間をいただく場合も、[社内で確保した報告日時]までに経過をお知らせいたします。
ご説明のお手数をおかけし、申し訳ございません。
[会社名]
[担当者名・連絡先]
書き換える箇所:操作内容、調査に必要な質問、確認する記録、確保できている報告日時。
注意点:端末やブラウザーの情報は、切り分けに必要な場合だけ追加します。専門用語を並べたり、注文・決済などの操作を再実行させたりしないようにしてください。
4.接客時の状況を確認するため、利用日時や店舗を尋ねる
使う場面・前提:接客への不満を受けましたが、店舗と日時が分からず、確認対象を絞る必要がある場合です。
件名:接客についてのお申し出に関する確認
[お客様氏名]様
[会社名]の[担当者名]です。
接客についてご不快な思いをされたとのお申し出を拝受いたしました。状況をご説明いただくお手数をおかけし、申し訳ございません。
該当する店舗と当日の応対を確認するため、次の2点をお知らせいただけますでしょうか。
- ご利用の店舗名
- ご利用の日付と、おおよその時間帯
ご指摘の[すでに伺った応対の要点]については、内容を承っておりますので、改めて同じご説明をいただく必要はございません。
店舗名や日時が分からない場合は、覚えている範囲でお知らせください。いただいた内容をもとに、該当店舗の責任者へ当日の状況確認を依頼いたします。
[会社名]
[担当者名・連絡先]
書き換える箇所:不足している店舗・日時の情報、把握済みの応対内容、社内の確認先。
注意点:すでに店舗が分かっていれば、店舗名の質問は削除します。スタッフの氏名が分からなくても、日時や対応場所などから社内で確認できないか検討しましょう。確認前に、スタッフの非や処分を断定しないでください。
5.お客様の申告と自社記録が異なる点を確認する
使う場面・前提:商品が届いていないとの申し出に対し、配送状況には配達完了と表示されている場合です。注文と配送番号は照合済みですが、実際の受領は確認できていません。
件名:[商品名]のお届け状況についての追加確認
[お客様氏名]様
[店舗名]の[担当者名]です。
商品が届いていないとのご連絡について、配送状況を確認いたしました。
配送状況には[配達完了の表示日時]と表示されておりますが、お客様のお手元に届いていることは、現時点では確認できておりません。
受け取り状況との相違点を調べるため、配送時の通知が届いているか、分かる範囲でお知らせいただけますでしょうか。通知がある場合は、そこに記載された受け渡し場所も、確認できる範囲でお願いいたします。
通知がない場合や、確認が難しい場合は、その旨のみお知らせください。
当店からも配送会社へ配達時の状況を確認いたします。[社内で確保した報告日時]までに、確認の経過をご連絡いたします。
確認にあたりお手数をおかけし、申し訳ございません。
[店舗名]
[担当者名・連絡先]
書き換える箇所:記録の種類と表示内容、食い違っている点、必要な質問、自社側で行う調査、報告日時。
注意点:配達完了の表示だけで、お客様本人が受け取ったとは判断しません。配送会社への問い合わせなど、自社からできる調査も進め、お客様だけに確認を任せないようにします。
責めているように見えやすい表現と言い換え
質問の内容が同じでも、理由や聞き方によって受け取られ方が変わります。相手の説明不足を指摘するより、こちらが確認したい点を具体化しましょう。
| 避けたい書き方 | 言い換え例 |
|---|---|
| 情報が足りないので対応できません。 | 対象のご注文を特定するため、注文番号をお知らせいただけますでしょうか。 |
| 証拠の写真を送ってください。 | 破損箇所の状態を確認するため、安全に撮影できる範囲で写真をお送りいただけますでしょうか。 |
| 本当に届いていませんか。 | 配送記録との相違点を確認するため、配送時の通知の有無をお知らせいただけますでしょうか。 |
| もっと詳しく説明してください。 | 発生日時と、画面に表示された文言を分かる範囲でお知らせください。 |
| 全項目に必ず回答してください。 | 注文の特定には[項目]が必要です。分からない場合は、別の確認方法をご案内します。 |
写真や注文番号を用意できない場合の対応
情報を用意できない理由を繰り返し問いただすより、ほかの方法で何を確認できるか整理します。
- 注文番号がない:自社で照合に使える注文時期や商品名など、必要最小限の代替項目を案内する。
- 写真を撮れない:見えている状態を文章で伺うなど、無理のない方法を検討する。
- 日時を覚えていない:午前・午後、購入した時期など、分かる範囲まで質問を絞る。
代替情報でも確認できない場合は、何が確認できず、次にどの方法を検討するかを説明します。写真や番号があれば必ず対応できる、なければ一切対応できない、と一律に決めつけないことが大切です。
電話での聞き取りを検討する場合も、実際に対応できる窓口と相手の希望を確認します。連絡手段の選び方は、ビジネスの謝罪で電話とメールを使い分ける方法を参考にしてください。
確認依頼メールを送る前のチェックリスト
- 過去のメール、添付、引き継ぎ内容を読んだか。
- 自社で調べられる情報まで尋ねていないか。
- 質問ごとに、調査上の目的があるか。
- 必須の情報と、分かる範囲でよい情報を分けたか。
- 回答方法と、情報が分からない場合の案内があるか。
- 不要な個人情報や、危険な操作を求めていないか。
- 受け取った後に、自社が何を確認するか示したか。
- 宛先・添付・返信履歴に、無関係な人の情報が含まれていないか。
回答後は、必要な情報がそろったかを確認して調査を進めます。報告を約束した日時がある場合は、お客様からの回答待ちであっても、何を確認できていて何が残っているかを整理して連絡しましょう。
調査が続くときや対応が完了したときの連絡は、謝罪メール後の経過報告・再発防止・完了報告の例文で紹介しています。
クレーム対応の確認依頼でよくある質問
追加の質問は何個までにすればよいですか?
一律の個数より、今回の調査に必要かどうかで選びます。複数部署の質問をそのまま並べず、重複を除いて一通に整理しましょう。質問が多い場合は項目ごとの目的を確認し、今必要なものから尋ねます。
写真や画面の画像には何を写してもらえばよいですか?
確認対象の部分だけを具体的に案内します。画面全体や書類全体が不要なら求めず、氏名・住所・決済情報・第三者の情報などが写り込まないよう伝えます。パスワード、認証コード、カード番号全桁は送ってもらわないでください。
確認依頼に返信がない場合、どうすればよいですか?
まず、質問内容と回答方法が分かりやすかったか、代替手段を示していたかを見直します。再連絡が必要なら、不足している項目とその理由を短くまとめ、社内手順や相手の希望に沿って連絡します。返信がないことを、了承や苦情の取り下げとみなしてはいけません。
回答期限を設ける必要がある場合は、業務上の理由と無理のない日程を示し、難しい場合の連絡方法も添えてください。期限を過ぎたら自動的に対応終了とする文面は、独断で加えないようにします。
まとめ|必要な情報を、理由と回答方法を添えてお願いする
クレーム対応で追加確認をお願いする前に、受信済みの情報や社内記録を確認し、お客様に尋ねる項目を絞りましょう。
メールには、必要な情報だけでなく、確認する理由と回答方法を具体的に書きます。注文番号が分からない、写真を撮れないといった場合も、無理のない代替方法を検討することが大切です。
お客様の申告と自社記録が異なるときは、相手の誤りと決めつけず、自社側でも調査を進めます。いただいた情報を何の確認に使い、次にどう対応するかを伝え、調査につながる依頼文に整えてください。