弔電を送るときは、まず受け入れの可否、通夜・葬儀の日時、正式な届け先、宛名を確認してから申し込みましょう。配達の条件は、利用するサービスや地域によって異なります。
弔電は、電報でお悔やみの気持ちを伝える方法です。通夜や葬儀に参列できないときなどに利用されますが、参列できない人全員が必ず送るものではありません。ご遺族の意向と、故人やご遺族との関係を踏まえて判断してください。
この記事では、弔電を送る側に向けて、手配前の確認から宛名・届け先の書き方、申し込みの流れ、関係別の文例まで紹介します。
弔電を送る前に確認したいこと
訃報の案内を手元に置き、必要な情報をまとめます。不明点は会社の取りまとめ担当者や葬儀担当者など、確認できる窓口へまとめて尋ねると行き違いを減らせます。
- 受け入れ:弔電を受け付けているか、辞退の案内がないか。
- 式の日時:通夜・葬儀・告別式の開始日時。
- 届け先:正式な会場名、住所、必要なら式場名や部屋名。
- 会場の受取条件:弔電を受け取れる日時と、必要な記載事項。
- 受取人:喪主などの正しい氏名と読み方。
- 故人:正しい氏名と、受取人との関係。
- 差出人:氏名、会社名、部署名、肩書きなど。
- 宗教・宗派:分かる範囲で、文面や台紙に配慮する。
- 配達条件:届け先の地域、希望日、式までの配達可否。
- 変更・取消条件:申し込み後の連絡先、受付時間、期限、費用。
確認できない項目を推測で埋めないことが大切です。ご遺族へ同じ質問を何度もしたり、非公開の住所などを無理に調べたりすることは控えましょう。
家族葬でも、弔電を受け取るかは別に確認する
「家族葬」は、主に参列者の範囲や葬儀の規模に関する呼び方です。それだけで弔電も辞退しているとは限りません。
参列辞退、香典辞退、供花・供物辞退、弔電辞退は、それぞれ対象が異なります。「ご厚志辞退」など範囲がはっきりしないときは、案内や葬儀担当者の説明で確認してください。
弔電辞退が明確な場合は送らず、意向を尊重します。自宅へ送ればよいということではありません。また、花や線香などが付いた電報は、供花・供物の辞退にも関わるため、メッセージだけの電報と分けて確認しましょう。
香典を辞退されている場合も、代わりに弔電を必ず送る必要はありません。辞退の範囲の考え方は、香典を辞退されたときの対応と注意点でも紹介しています。
弔電の宛名と届け先の書き方
宛名は一般に喪主の氏名|故人名と区別する
弔電の宛名は、一般に喪主の氏名にします。故人の名前を、そのまま生存する受取人の欄に入れないようにしましょう。
例えば、故人が山田太郎さん、喪主が山田花子さんなら、受取人は「山田花子 様」です。故人名は、故人名欄や会場での識別に必要な情報として、利用サービスの指示に沿って記載します。
下表はすべて架空の記入例です。入力欄の名称や敬称の選択方法はサービスごとに異なります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 届け先住所 | 実際の会場の都道府県・市区町村・番地 |
| 会場名・式場名 | 〇〇斎場 第1式場 |
| 受取人 | 山田花子 様(喪主) |
| 故人名 | 山田太郎(専用欄や指定された箇所へ) |
| 差出人 | 株式会社〇〇 代表取締役 鈴木一郎 |
個人宛てには「様」を使い、同じ宛先に「御中」と重ねません。入力画面に敬称の選択欄がある場合は、「様」が二重にならないか確認しましょう。
喪主名が分からない場合は、利用先の案内で確認する
まず訃報の案内や葬儀担当者を通じて、喪主の氏名を確認します。なお、NTT東日本の弔電マナー案内では、喪主名が分からない場合の例として「故〇〇様 ご遺族様」が紹介されています。
ただし、これは全サービス共通の入力方法ではありません。故人名や受取人が特定できず配達できない場合もあるため、利用するサービスへ記載方法を確認してから申し込んでください。
斎場・寺院・自宅は、実際に受け取れる場所を指定する
通夜や葬儀に合わせる場合は、実際に式が行われる会場を確認します。同じ会場で複数の葬儀があることもあるため、住所だけでなく会場名・式場名・喪主名・故人名などを正確に伝えましょう。
寺院名が分かっていても、その寺院が式場とは限りません。自宅や寺院へ送る場合も、受け取れる日時や、そこへ届けてよいかを確認します。
会場で受け取れないからといって、ご遺族の了承なく自宅などへ届け先を変更しないでください。
会社名・連名で送るときは、差出人を明確にする
会社として送る場合は、社内の手配ルールを確認し、会社名・役職・氏名などを記載します。部署や有志で送る場合も、誰からの弔電か分かる名称にしましょう。
受取人に分かる差出人名と、申し込みや支払いをする担当者の情報は別の場合があります。それぞれの欄を確認し、個人名だけが表示されるなどの行き違いを防ぎます。
弔電の申し込み方法と配達日時の確認
インターネット・電話で申し込む基本の流れ
例えばNTT東日本・西日本では、インターネットのD-MAILや、対応する電話窓口から電報を申し込めます。ただし、受付時間や利用できる回線、支払い方法などの条件は異なります。
- 弔電の受け入れと、宛名・届け先・式の日時を確認する。
- 利用先の公式案内で、届け先への配達可否と日時を確認する。
- 弔事に合う台紙と文面を選ぶ。
- 受取人・故人名・差出人などを入力、または電話で伝える。
- 誤字、配達予定、総額、変更・取消条件を確認して申し込む。
- 受付完了画面やメール、問い合わせ番号などを保存する。
「115」は、どの電話回線からでも同じ事業者へ同じ条件でつながるとは限りません。接続できない場合の連絡先も含め、利用する事業者の公式案内を確認してください。
電話で依頼するときは、氏名の漢字や読み方も正確に伝えます。インターネットの場合も、入力や決済の途中で終わらず、受付が完了したことまで確認しましょう。
通夜・葬儀の開始前に届くか、会場の受取時間と合わせる
式で受け取ってもらうなら、会場が対応できる時間帯に、通夜や葬儀の開始に間に合うよう手配します。前日など早い日付を選ぶ場合も、会場が受け取れるか確認が必要です。
申し込みの締切に間に合うことと、式の開始時刻までに届くことは別です。当日配達の対象でも、午前の式に間に合うとは限りません。
「お届け希望日」を選べても、細かな時刻を指定できるとは限りません。直前なら、届け先と式の開始時刻を利用先に伝え、配達可能か確認してから申し込みます。
地域によっては郵便サービスを利用する配達となり、当日配達や日付・時間の指定ができない場合もあります。天候や交通事情による遅延の案内も確認しましょう。
料金は合計額と条件を確認する
料金の仕組みはサービスによって異なります。台紙、メッセージ、申し込み方法、オプションなどを含め、支払う総額を確認してください。
文字数やページ数の扱いも事業者によって異なります。古い料金表だけで判断せず、申し込み時の公式案内や見積もり画面を確認すると安心です。
台紙は高価なものほどよいということではありません。宗教的な図柄や付属品の有無も確認し、相手の意向に合うものを選びましょう。
関係別|弔電に使えるお悔やみの文例
以下はすべて本記事用に作成した架空の文例です。名前・関係性・生前の交流などを事実に合わせて調整し、該当しない文章は省いてください。
文例では、特定の宗教の死後観に触れずにお悔やみを伝えています。弔事の書面で句読点を省く慣習に合わせて示していますが、実際の入力では利用サービスの文字・改行などの条件も確認しましょう。
1.関係性を限定しない短い基本文
場面:訃報を受け、故人のご遺族へ簡潔にお悔やみを伝える場合。
〇〇様のご逝去を悼み
謹んでお悔やみ申し上げます
2.親しい友人を亡くし、そのご遺族へ送る
場面:自分の親しい友人である〇〇さんが亡くなり、喪主などのご遺族へ送る場合。
〇〇さんとのお別れを知り 悲しみに暮れております
ともに過ごした時間と温かな言葉を 大切に心にとどめてまいります
ご家族の皆様に 心よりお悔やみ申し上げます
3.友人の親が亡くなり、そのご遺族へ送る
場面:友人のお母様である〇〇様が亡くなり、喪主などのご遺族へ送る場合。自分も故人にお世話になったことがある想定です。
〇〇様のご逝去を伺い 謹んでお悔やみ申し上げます
生前 温かく接していただいたことを思い出しております
ご家族の皆様のお悲しみをお察しいたします
故人との面識や交流がなければ、2行目は省いてください。「お母様」と書く場合は、宛名の相手にとって母親に当たるかを確認します。
4.職場の同僚の家族が亡くなった
場面:同僚の家族である〇〇様が亡くなり、喪主などのご遺族へ部署の同僚一同で送る場合。
〇〇様のご逝去の報に接し 職場一同 心よりお悔やみ申し上げます
ご遺族の皆様のお悲しみをお察しし
謹んで哀悼の意を表します
「職場一同」は、部署や有志など実際の差出人の範囲に合わせて直します。差出人欄にも、会社名や部署名を記載してください。
5.取引先の担当者が亡くなり、会社名で送る
場面:生前に取引でお世話になった担当者の〇〇様ご本人が亡くなり、そのご遺族へ会社として送る場合。
〇〇様のご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げます
生前に賜りましたご厚情に深く感謝するとともに
ご遺族の皆様に 心より哀悼の意を表します
これは「担当者の家族が亡くなった場合」の文例ではありません。会社としての送付先や差出人名は、社内担当者と確認しましょう。
6.宗教・宗派が分からない相手へ送る
場面:亡くなった〇〇様とご遺族の宗教・宗派が分からず、特定の教義に触れずに気遣いを伝える場合。
〇〇様のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます
ご家族の皆様のお悲しみはいかばかりかと存じます
どうかお身体を大切になさってください
弔電の文面で気をつけたい言葉遣い
敬称は、宛名の相手から見た関係に合わせる
「ご尊父様」は受取人の父、「ご母堂様」は受取人の母を指す敬称です。難しい敬称を使えば必ず丁寧になるわけではありません。
例えば、亡くなった方が同僚の父親でも、喪主がその方の配偶者なら、喪主にとっては「ご主人様」です。同僚との関係だけを見て「ご尊父様」と書かないようにしましょう。
関係が分かりにくい場合は、正しい故人名を用いて「〇〇様のご逝去を悼み」とすると、続柄の取り違えを避けられます。
宗教表現・重ね言葉・回復を急がせる言葉に配慮する
「ご冥福」「成仏」「往生」などは、宗教・宗派を問わず使える表現ではありません。相手の信仰が分からない場合は、「謹んでお悔やみ申し上げます」「哀悼の意を表します」など、特定の死後観に触れない文章にします。
「重ね重ね」「たびたび」など、不幸の繰り返しを連想させる重ね言葉を避ける慣習にも配慮しましょう。直接的な死の表現を繰り返したり、死因や詳しい事情を尋ねたりすることは控えます。
「早く立ち直って」「元気を出して」と回復を促すより、悲しみに寄り添う言葉や身体への気遣いを短く添えます。参列できない事情やお詫びだけを長く書く必要もありません。
弔電の手配で困ったときの対応
葬儀に間に合わない・葬儀後に訃報を知った
式に間に合わないと分かったら、葬儀終了後の会場へそのまま送らないようにします。申し込み済みなら、まず利用サービスへ変更・取消が可能か連絡しましょう。
葬儀後に自宅などへ弔電を送ることが適する場合もありますが、届け先と受け入れを確認してから判断してください。無断で自宅へ変更したり、必ず後日送らなければならないと考えたりする必要はありません。
相手との関係に応じて、お悔やみの手紙など別の方法を選ぶこともできます。香典も送りたい場合は、辞退の意向を確認したうえで、香典を郵送する手順と添え状の文例をご覧ください。弔電と香典の両方が必要という意味ではありません。
喪主名や会場の情報を確認できない
訃報の案内や取りまとめ窓口で再確認し、利用サービスにも必要な情報を尋ねます。分からない氏名や住所を推測して申し込むことは避けてください。
ご遺族に連絡できない場合も、無理に個人情報を探すのではなく、後日、確認できる方法で弔意を伝えることを検討します。
申し込み後に氏名・日時の間違いに気づいた
受付完了メールなどを確認し、問い合わせ番号を用意して利用先へ連絡します。配達日当日や発送後は、変更・取消ができない場合があります。
修正内容は、受取人名、故人名、届け先、配達日など、どの項目かを明確に伝えましょう。修正方法や費用は事業者の案内に従ってください。
弔電の読み上げや受け取りの返事は求める?
式でどの弔電を読み上げるかは、ご遺族や式の進行によって決まります。自分の弔電を目立たせるために、読み上げを求めることは控えましょう。
配達状況を確かめたい場合は、利用先の確認方法を使います。ご遺族に受け取りの返事やお礼を求める必要はありません。
まとめ|宛名・届け先・配達条件を確かめてから手配しよう
弔電は、受け入れの可否と式の日時を確認し、喪主などの正しい宛名と、受け取れる届け先へ手配します。申し込み締切だけでなく、式の開始前に届くかまで確かめましょう。
文面は、故人と受取人の関係に合う言葉で簡潔に整えます。ご遺族の意向を尊重し、送ること自体を目的にせず、負担を増やさない形でお悔やみを伝えることが大切です。