供花を送るときは、ご遺族が受け付けているかを確認し、担当葬儀社に注文窓口・種類・数量・名札・締切を確かめてから手配しましょう。
供花(きょうか)は、故人を悼む気持ちを込めて供える花です。この記事では、通夜・葬儀の会場へ贈る供花を扱います。葬儀後の自宅用の花や、一周忌などの法要のお供えとは、届け方や受取条件が異なります。
参列できない人全員が供花を贈る必要はありません。香典・弔電・供花をすべてそろえることも必須ではなく、ご遺族の意向と関係性を踏まえて判断してください。
供花を送る前に、受け入れと注文窓口を確認する
まず訃報や葬儀の案内を読み、供花辞退の記載と、専用注文サイト・指定花店などの案内がないかを確認します。指定があれば、その窓口に従いましょう。
「家族葬」という名称だけで、供花を受け付けているかは判断できません。また、参列辞退・香典辞退・供花辞退・供物辞退・弔電辞退は、それぞれ対象が異なります。
「ご厚志辞退」など範囲がはっきりしないときは、担当葬儀社などの指定窓口へ確認します。ご遺族へ何度も質問するより、案内と担当窓口で確認できる情報を優先してください。
供花辞退が明確な場合は注文しません。自宅へ送ったり、花付きの電報へ替えたりして届けようとしないことが大切です。
辞退の範囲を整理したい方は、香典辞退と供花・供物などの辞退の違いも参考にしてください。
注文前のチェックリスト
- 葬儀の特定:故人と喪主などの正しい氏名、正式な会場名・住所・式場名。
- 式の日時:通夜・葬儀・告別式の開始日時。
- 受け入れ:供花の可否、指定窓口、外部業者からの搬入可否。
- 花の条件:宗教・宗派、祭壇や会場に合わせた形式・種類の指定。
- 数量:一基・一対など、注文先の単位と実際の個数。
- 名札:贈り主の正式名称、人名の漢字と読み方、行分けや配置。
- 注文者:氏名と連絡先。支払者・名札の贈り主と異なる場合は、その情報。
- 費用:税込総額、名札代・搬入費などの追加費用。
- 支払い:方法と期限、請求書・領収書の宛名。
- 締切:注文期限と搬入可能日時、変更・取消の期限と費用。
葬儀社名や必要な氏名が分からないときは、訃報の案内や社内の取りまとめ窓口などで確かめます。葬儀社から個人情報を案内してもらえるとは限らないため、分からない項目を推測で埋めないようにしましょう。
葬儀社への注文方法と、外部の花店へ頼む場合の注意点
担当葬儀社や指定窓口に、必要事項を伝える
担当葬儀社では、会場や祭壇に合わせた供花を案内してもらえる場合があります。ただし、葬儀社への電話注文だけが唯一の方法ではありません。案内された専用サイトや指定花店があれば、そちらを利用します。
- 受け入れの可否と注文方法を確認する。
- 選べる供花の種類、数量、税込総額を確かめる。
- 贈り主名、名札の表記、故人との関係を伝える。
- 搬入日時、支払い、変更・取消条件を確認して申し込む。
- 受付完了と注文内容を確認し、控えを保存する。
注文フォームの入力だけでなく、必要な決済や受付完了まで確認します。連名で贈る場合は注文担当者を1人決め、別の人が同じ供花を重複して注文しないようにしましょう。
外部の花店への注文は、会場の条件を確認してから
外部の花店へ依頼したい場合は、購入する前に担当葬儀社や会場へ確認します。指定業者以外の供花を受け入れない場合や、持ち込み料金が必要な場合もあります。
受け入れ可能な場合も、搬入時間、サイズ、花の形、名札、設置・撤去の担当などを確認し、花店へ共有してください。
会場の住所が分かっても、自由に配送してよいということではありません。一般の宅配花や花束が、そのまま葬儀会場用の供花として使えるとも限りません。
外部からの手配ができない場合は指定窓口に従います。注文先の違いだけで、必ず安い・高いと判断しないようにしましょう。
種類・数量・予算は、会場の案内に合わせる
花の種類や色、形式は宗教・地域・会場の条件で異なります。「白い菊なら、どの宗教でもよい」とは決めつけず、注文先へ用途を伝えて相談します。
スタンド花や籠花などの名称も、注文先の商品案内を確認してください。宗教や会場によっては、個別の名札を付けない、芳名板へまとめて掲示するなど、表示方法が異なる場合もあります。
一般に「一基」は1つの供花、「一対」は対になる2つを指します。ただし、商品価格が一基分か一対分か、何を一単位で注文するかは必ず確認しましょう。
数量は数字の意味だけで決めず、受け入れ可能数や会場の広さに合わせます。予算も全国共通の正解はなく、高額な花ほど弔意が深いわけではありません。
連名の場合は、総予算、参加者の負担額、支払担当者を注文前に決めておきます。
供花の名札・連名の書き方|個人・夫婦・会社・友人・親族
名札には、原則として供花を贈る側の名前を記載します。故人名や喪主名は葬儀の確認に必要な情報で、贈り主の名札とは分けて伝えましょう。
以下は架空の氏名・社名による表記例です。名札の大きさ、行数、文字数、縦書き・横書きは注文先の書式を優先します。
下表の「/」は項目の区切りです。名札に印刷する記号ではありません。縦書きの左右は、名札を正面から見た向きで説明しています。
| 贈り方 | 表示する文字の例 | 縦書きの配置・確認点 |
|---|---|---|
| 個人 | 山田太郎 | 中央に氏名を縦1列で記載する例。 |
| 夫婦・同じ姓 | 山田太郎/山田花子 | 連名にする例では、右に太郎、左に花子。共通の姓を中央上部に置く書式もあるため、注文先へ確認する。 |
| 夫婦・異なる姓 | 山田太郎/鈴木花子 | それぞれの氏名を縦に並べる例。左右の順序は2人で確認し、書式を注文先へ相談する。 |
| 会社と代表者 | 株式会社〇〇/代表取締役/山田太郎 | 会社名を右側、代表者名を中央、その右脇に役職を小さく添えるなどの書式がある。完成形を確認する。 |
| 部署一同 | 株式会社〇〇/営業部一同 | 会社名を右側、部署名を中央などに配置。有志のみなら「営業部有志一同」にする。 |
| 友人の連名 | 佐藤一郎/鈴木次郎/田中三郎 | 対等な友人で五十音順にする例なら、正面から右に佐藤、中央に鈴木、左に田中。 |
| 友人の団体表記 | 〇〇大学/友人有志一同 | 学校名などを添える場合の行分けは注文先へ確認。「友人一同」だけの表記もある。 |
| 親族の団体表記 | 〇〇家親族一同/孫一同 | 実際の贈り主の範囲に合う表記を選ぶ。2つの例を両方記載する必要はない。 |
夫婦は連名・代表者名のどちらかを、慣習に合わせて確認する
夫婦の名札は、2人の連名にする方法と、代表者名で贈る方法があります。家から贈るという慣習が残る地域や家庭もあるため、一つの表記だけを絶対的な決まりにしないことが大切です。
上表は2人の氏名を表示する場合の例です。故人との関係、本人たちの希望、地域の慣習を踏まえ、注文先に仕上がりを確認してください。
連名の順序・人数と「一同」の範囲を確認する
親族や会社の連名では、役職・年齢などの順序に配慮する場合があります。対等な友人なら五十音順などにできますが、関係者の合意や社内ルール、名札の書式に合わせましょう。
掲載できる人数は名札によって異なります。「何名までは連名、それ以上は必ず一同」と全国共通に決める必要はありません。文字が多いときは、掲載可能人数を注文先へ確認します。
「親族一同」「孫一同」「部署一同」は、その範囲の人が実際に参加している場合に使います。一部だけの参加なら「有志一同」など、実態に合う表記を相談してください。
代表者は、参加の同意、氏名の漢字・読み方、費用負担を確認します。名札に全員の名前を載せない場合も、申込書や精算用の名簿とは分けて管理しましょう。
正式名称と敬称を確認し、配置は注文先に任せる
会社名・役職・人名は正式表記を確認します。「株式会社」を自己判断で省いたり、贈り主名に「様」「御中」など宛先用の敬称を付けたりしないようにしましょう。
花の設置順や名札の掲示場所は、会場の進行やご遺族の方針によって決まります。自分の名前を目立つ位置に置くよう求めず、誰からの供花か正確に伝わることを優先してください。
葬儀社への電話・名札確認・連名者への連絡例
以下はすべて架空の例文です。故人名・会場・日時・商品・名札・人数・費用は、実際の情報に合わせて直してください。
1.受け入れと注文方法を尋ねる電話
段階:まだ注文を決める前。担当葬儀社へ、供花を受け付けているか尋ねます。
「〇〇と申します。〇月〇日に△△会館で行われる、故□□様のご葬儀への供花について伺いたく、お電話しました。供花は受け付けていらっしゃいますか。受け付けている場合は、注文窓口と、選べる種類・数量、締切を教えていただけますでしょうか」
2.外部の花店から搬入できるか尋ねる
段階:供花は受け入れ可能と確認できたが、外部の花店へはまだ注文していない場合。
「供花について、外部の花店からの搬入は可能でしょうか。可能な場合、形式やサイズ、搬入日時、名札、設置・撤去の条件と、追加費用の有無を確認させてください」
3.名札の正式表記・配置を確認する
段階:注文内容と贈り主が決まった後、名札の制作前に注文先へ伝える文章。
名札の表記は「株式会社〇〇」「代表取締役」「山田太郎」でお願いいたします。氏名の読みは「やまだ たろう」です。会社名・役職・氏名の行分けと配置を、制作前に確認させていただけますでしょうか。
4.連名者へ予算・氏名・負担額を確認する
段階:葬儀社へ受け入れを確認済み。友人の代表者が、注文前に参加者を募る文章です。
〇〇さんのご葬儀に、希望する人で供花を1基贈ることを考えています。参加は任意です。総額は税込〇〇円の予定で、参加人数が決まり次第、1人あたりの負担額をお知らせします。その金額を確認いただいてから注文します。参加を希望する方は、〇月〇日〇時までに、氏名の正式表記と読み方を私へ個別にお知らせください。名札は「〇〇大学 友人有志一同」を予定しています。
会社で取りまとめる場合は、社内の規程や費用負担の扱いを先に確認します。必要な連絡期限は注文締切から決め、参加しない理由の説明は求めないようにしましょう。
名札の間違い・供花辞退・間に合わない場合の対応
名札の誤字に気づいたら、注文先へ早めに連絡する
注文番号や受付控えを用意し、どの文字をどう直すのかを明確に伝えます。人名の異体字なども、使える文字や代替表記を確認してください。
制作後や搬入直前は修正できない場合もあるため、変更期限や費用を確認します。連名者間で訂正しただけで終わらず、注文先へ伝わったことまで確かめましょう。
葬儀に間に合わない場合は、会場へそのまま届けない
締切や搬入時間に間に合わないと分かったら、注文先へ連絡して対応を相談します。葬儀終了後の会場へ配送したり、ご遺族の了承なく自宅用の花へ変更したりしないでください。
供花の代わりに香典・弔電・自宅への花を必ず用意する必要はありません。別の方法を考える場合も、相手の意向を確認してから判断します。
注文後に供花辞退を知ったら、手配状況を確認する
注文先へ事情を伝え、制作・搬入がどこまで進んでいるか、取消や変更が可能かを確認します。期限や進行状況により費用が発生する場合もあります。
購入済みであっても、会場やご遺族へ受け取りを強く求めないようにしましょう。辞退の意向を尊重し、注文先の案内に沿って対応してください。
まとめ|受け入れ・数量・名札・総額を確認してから注文しよう
供花は、訃報の案内と担当窓口で受け入れを確かめ、会場に合う種類・数量・搬入日時で手配します。外部の花店へ頼む場合も、会場の条件を先に確認しましょう。
名札は贈り主の正式な名前を使い、連名の順序や「一同」の範囲を参加者と共有します。支払いと変更・取消条件も確認し、ご遺族の負担を増やさない形で弔意を伝えてください。