電話メモは、電話を受けていない担当者が、用件と次に必要な対応を理解できるように書くことが大切です。
相手の話をすべて書き取る必要はありません。誰から、何についての連絡なのか、折り返しが必要なのかを整理して残しましょう。
この記事では、基本の7項目、コピーして使えるテンプレート、不在・折り返し・クレームなどの状況別例文、曖昧なメモの直し方を紹介します。
すぐに書式を使いたい方は、下のコピー用の電話メモテンプレートへ進んでください。
例文の会社名・氏名は架空のものです。【日時】【連絡先】などは、実際に確認できた情報へ置き換えてください。
コピーして使える電話メモテンプレート
手書きにも、メールや社内チャットにも使える書式です。必要のない項目は省略できますが、確認していない情報を推測で埋めないようにしましょう。
受電日時:【日時】
宛先:【担当者・部署】
相手:【確認した会社名・氏名など】
連絡先:【折り返し先など、必要な場合】
用件:【何についての連絡か】
必要な対応:【折り返し・伝言・再連絡など】
相手の希望時間:【確認した希望/希望なし/未確認】
こちらが約束した連絡時刻:【合意した日時/約束なし】
受電者:【電話を受けた人】
基本の7項目のうち、「折り返しの要否・時間」の欄は、必要な対応、相手の希望、こちらの約束に分けています。相手が希望した時刻を、そのまま担当者が約束した時刻として書かないことがポイントです。
チェック欄付きの簡易テンプレート
【担当者・部署】宛て
相手:【確認した会社名・氏名など】
連絡先:【必要な場合】
用件:
【確認した内容】
□ 折り返しが必要
□ 相手から再度連絡がある
□ 伝言のみ
□ 対応方法は未確認
相手の希望時間:【希望/希望なし/未確認】
こちらの約束:【合意した日時/約束なし】
受電者:【氏名】
メール・チャットで共有するテンプレート
山田さん
【受電日時】に、青葉商事の佐藤様からお電話がありました。
用件:【具体的な用件】
必要な対応:【折り返し・確認など】
相手の希望時間:【確認した希望/希望なし/未確認】
こちらが約束した連絡時刻:【合意した日時/約束なし】
折り返し先:【確認した連絡先】
受電者:鈴木
共有先や書式に所属先の指定がある場合は、そのルールに合わせてください。
電話メモの基本となる7項目
次の7項目を、確認欄として用意しておきましょう。すべての電話で全項目を聞く必要はありません。会社名や電話番号などは、用件と次の対応に必要な範囲で確認します。
- 受電日時:いつ電話を受けたか。
- 宛先:誰、またはどの部署への連絡か。
- 相手の情報:確認した会社名・部署名・氏名など。
- 連絡先:折り返しなどに必要な場合の連絡先。
- 用件:何についての連絡か。
- 必要な対応と時間:折り返しの要否、相手の希望、こちらの約束。
- 受電者:電話を受けた人。
例えば、伝言だけで折り返しが不要な電話では、連絡先が不要な場合があります。個人からの問い合わせで、会社名を尋ねる必要がないこともあります。
一方、折り返しが必要な場合は、着信番号と希望する連絡先が同じとは限りません。必要な連絡先を確認し、聞き間違いがないよう復唱しましょう。
電話メモの完成例
【宛先】営業部 山田さん
【相手】青葉商事 営業部 佐藤様
【連絡先】【確認した折り返し先】
【用件】商品Aの見積書について、金額の内訳を確認したいとのことです。
【必要な対応】折り返し希望
【相手の希望時間】本日17時まで
【こちらの約束】連絡時刻の約束なし。希望時間を担当者へ伝える旨を案内。
【受電者】鈴木
この例では、「本日17時まで」は相手の希望です。担当者が対応できるかを確認していないため、約束した連絡時刻にはしていません。
電話メモを取るときの進め方
先に確認欄を用意する
電話の近くにテンプレートを置き、聞いた内容を該当する欄へ書き込みます。空欄があれば、確認が必要かどうかを判断しやすくなります。
空欄を埋めること自体を目的にせず、不要な項目は「不要」、聞いていない項目は「未確認」など、状態がわかるようにしましょう。
名前・数字・日時は必要な部分を復唱する
氏名、電話番号、金額、日時などは、聞き間違いが起こりやすい情報です。必要な情報を、一つずつ区切って確認します。
「折り返し先は【電話番号】でよろしいでしょうか。」
「本日17時までのご連絡をご希望ですね。」
聞き取れなかった場合は、推測せずに聞き直しましょう。
用件は「結論・補足・依頼」で整理する
長い用件をメールやチャットでわかりやすく共有したい方は、伝わるビジネス文章の書き方|メール・チャット・報告文の情報を整理するコツも参考にしてください。
相手の話を一字一句書き取るのではなく、担当者が対応するために必要な情報をまとめます。
- 結論:何についての連絡か。
- 補足:対象の資料、確認したい箇所、現在の状況など。
- 依頼:説明、確認、折り返しなど、相手が求めていること。
営業部の山田さんからの折り返しをご希望です。
原因や対応方法がまだ確認できていない場合は、その点も分けて記録します。相手からの申し出を、社内で確認済みの事実として書かないようにしましょう。
電話を終える前に次の対応を確認する
折り返しが必要なのか、相手から再度電話があるのか、伝言だけでよいのかを確認します。
「ご連絡を希望される時間帯はございますか。」
「今回は伝言のみで、折り返しは不要ということでよろしいでしょうか。」
担当者に共有する内容を短く復唱して、認識の違いがないか確認しましょう。
折り返しの希望時間と、約束した時刻を分ける
電話メモを受け取って折り返す際の名乗り方や用件の伝え方は、ビジネス電話のかけ方|名乗り・用件・不在時の伝言・折り返しの例文で紹介しています。
「相手の希望」と「こちらの約束」は別の情報
相手が「本日17時までに連絡してほしい」と伝えても、担当者が対応できることを確認していなければ、会社側が17時までの連絡を約束したことにはなりません。
希望時間だけを確認した場合
こちらの約束:連絡時刻の約束なし
案内した内容:希望時間を担当者へ伝える旨を案内
担当者に確認し、連絡予定を合意した場合
こちらの約束:【合意した連絡日時】
連絡担当者:【確認した担当者】
連絡予定を約束する場合は、自分の権限と、担当者が実行できる予定を確認してください。相手の希望を聞いただけで「その時刻までに必ず連絡します」と伝えないようにしましょう。
「希望なし」「未確認」「約束なし」を使い分ける
- 希望なし:希望時間を尋ね、相手から特に希望はないと回答された。
- 未確認:希望時間をまだ尋ねていない、または回答を確認できていない。
- 約束なし:こちらから具体的な連絡日時を約束していない。
- 折り返し不要:折り返しが不要であることを確認した。
「期限指定なし」とだけ書くと、聞いた結果なのか、確認していないのかがわかりにくくなります。実際の確認状況が伝わる表記にしましょう。
曖昧な電話メモのNG例と直し方
メモを直すときは、確認済みの情報だけを補います。例文に合わせて会社名、用件、期限、原因などを作らないでください。情報が不足している場合は「未確認」と記録し、必要に応じて確認します。
NG例:佐藤様から電話。折り返し希望。
問題点:用件や折り返し先がわかりません。
確認した情報を補った例
折り返し希望。連絡先は【確認した番号】。
希望時間は未確認。連絡時刻の約束なし。
NG例:なるべく早く連絡してください。
問題点:具体的な希望時間と、約束の有無がわかりません。
具体的な時間を確認できていない場合
具体的な希望日時は未確認。
こちらから連絡時刻の約束はしていません。
NG例:例の件で連絡あり。
問題点:電話を受けていない人が、用件を判断できません。
内容を確認できた場合
内容を聞けていない場合は、「用件の詳細は未確認」と書き、推測で補いません。
NG例:かなり怒っていました。
問題点:相手の申し出や、必要な対応がわかりません。
申し出を記録した例
現在の配送状況について説明をご希望。
配送記録は未確認。
具体的な発言や言動を記録する必要がある場合は、所属先のルールに沿って残します。感想だけで用件の説明を置き換えないことが大切です。
状況別の電話メモ例文
担当者が不在で、折り返しを希望された場合
担当者が不在のとき、相手にどう案内するか迷ったら、ビジネス電話の受け方|名乗り・聞き返し・保留・取り次ぎ・不在対応の例文も参考にしてください。
【宛先】管理部 高橋さん
【相手】青葉商事 田中様
【連絡先】【確認した折り返し先】
【用件】送付した契約書の記載内容について確認したいとのことです。
【必要な対応】折り返し希望
【相手の希望時間】【確認した希望日時】
【こちらの約束】連絡時刻の約束なし。希望日時を担当者へ伝える旨を案内。
【受電者】鈴木
相手から再度電話がある場合
【宛先】営業部 山田さん
【相手】青葉商事 佐藤様
【用件】打ち合わせ日程について確認したいとのことです。
【次の対応】佐藤様から【相手が伝えた日時】に再度お電話いただく予定。
【こちらの対応】担当者へ伝言。折り返し不要であることを確認済み。
【受電者】伊藤
伝言のみで、折り返しが不要な場合
【宛先】総務部 中村さん
【相手】青葉商事 小林様
【用件】【伝える内容】についてのご連絡。
【対応】伝言のみ。折り返し不要であることを確認済み。
【受電者】鈴木
日程変更などの申し出を受けた場合は、相手の変更希望と、こちらが了承した内容を分けて書きます。伝言を預かっただけで、担当者が変更を承諾したことにはなりません。
用件が複数ある場合
・見積金額の内訳を確認したい。
・納期について相談したい。
・次回の打ち合わせ候補日を確認したい。
【必要な対応】担当者からの折り返し希望
【相手の希望時間】【確認した希望/希望なし/未確認】
【こちらの約束】【合意した日時/約束なし】
複数の用件は箇条書きにします。確認依頼、変更希望、了承済みの内容を混ぜずに書きましょう。
クレームの電話だった場合
クレームの電話で何を確認し、誰へ引き継ぐかも整理したい方は、クレーム電話対応の基本マニュアル|確認・引き継ぎ・記録の5つの手順をご覧ください。
【宛先】品質管理部 加藤さん
【相手】【確認した相手の情報】
【連絡先】【必要な場合の連絡先】
【申し出】届いた商品に破損があるとのご連絡。
【要望】交換できるか、説明をご希望。
【確認状況】破損の状態と対応条件は未確認。
【伝えた内容】担当部署で確認する旨を案内。交換は約束していません。
【相手の希望時間】【確認した希望/希望なし/未確認】
【こちらの約束】【合意した連絡日時/約束なし】
【受電者】鈴木
相手から聞いた内容、確認済みの事実、まだ不明なことを分けて記録します。緊急性がある場合は、所属先の手順に沿って速やかに共有してください。
手書き・メール・チャットは、職場のルールに合わせる
電話メモの方法は、所属先で使う書式や共有手順に合わせます。
- 手書き:電話中に記録しやすい方法です。読める文字で書き、置き忘れや紛失に注意します。
- メール:用件を整理して共有できます。送信先と、記載する情報の範囲を確認します。
- 社内チャット:担当者へ知らせる際に使えます。通知だけで伝わったと判断せず、必要に応じて受け取りを確認します。
急ぎの連絡は、メモを置くだけで終えず、内線など所属先の緊急連絡方法を使いましょう。
個人情報や機密情報を含む記録は、保存場所、共有範囲、保管期間、廃棄方法のルールに従って扱います。
電話メモでよくある疑問
名前が聞き取れなかったら、聞き返してもよいですか?
必要な情報は、丁寧に聞き直しましょう。「恐れ入りますが、もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と伝えます。聞き取れないまま、似た名前を推測して書かないようにしてください。
用件が長い場合、どこまで書けばよいですか?
担当者が次の対応を判断するために必要な内容を残します。対象の資料や商品、確認したい点、相手の要望、日時や金額などを整理し、複数の用件は箇条書きにしましょう。
折り返し先を聞き忘れたらどうしますか?
折り返しが必要なら、連絡先を確認する必要があります。所属先のルールに沿って、登録情報などから適切な連絡先を確認できるか調べます。着信番号だけで希望する折り返し先だと決めつけず、必要に応じて相手へ再確認してください。
希望時間がないときは、空欄でよいですか?
希望時間を尋ねて「特にありません」と回答された場合は「希望なし」、尋ねていない場合は「未確認」と書きます。空欄より、確認状況がわかる表記にすると引き継ぎやすくなります。
メモはいつ共有すればよいですか?
電話を終えたら内容を読み直し、所属先の手順に沿って担当者へ共有します。急ぎの用件や期限が迫った連絡は、担当者が気づくまでメモを置いて待つのではなく、決められた方法で知らせましょう。
電話メモはいつまで保管しますか?
所属先の保管・廃棄ルールに従ってください。対応が続いている記録や、契約・個人情報を含む記録を、自己判断で廃棄しないようにしましょう。
共有前に確認するチェックリスト
- 誰宛ての電話か、わかるように書いたか。
- 相手の情報と、必要な連絡先を確認したか。
- 何について、どのような対応を求めているかが具体的か。
- 相手の希望時間と、こちらが約束した時刻を分けたか。
- 「希望なし」「未確認」「約束なし」を区別したか。
- 聞いていない情報や、未確認の原因を補っていないか。
- 日時、数字、氏名に誤りがないか。
- 担当者へ届く方法で共有したか。
- 個人情報の扱いが、所属先のルールに合っているか。
電話メモを書き終えたら、「この電話を受けていない人が、用件と次の対応を理解できるか」を確認しましょう。わからない情報を作らず、確認した内容と未確認の内容を分けて残すことが大切です。