入社や異動の直後で、仕事の手順がまだ分からない。先輩は忙しそうで、誰に聞けばよいかも決まっていない。そんな状態では、「また聞いたら迷惑かな」と迷う間に、作業が止まってしまうことがあります。
まず伝えたいのは、どこで止まっているかと、誰に・いつ確認すればよいかを決めてほしいことです。手順をすべて理解してからでなくても、質問先そのものを相談できます。
この申請の入力項目が分からず、作業が止まっています。確認先もまだ分からないため、どなたに、いつ質問すればよいか教えていただけますか。
この記事では、質問先や質問できる時間が決まっていないときの、口頭・チャットの例文を紹介します。先輩に時間を取ってもらう言い方から、上司への相談、回答待ちの間に進めてよい範囲の確認まで、場面別にまとめました。
仕事を教えてもらえないときは、質問先と時間を確認する
説明を受けられない理由は、その場では分からないこともあります。担当が決まっていない、引き継ぎが途中、説明する時間を確保できていないなど、業務の進め方に課題がある場合もあります。
相手の意図を決めつける必要はありませんが、「自分ができないせい」と一人で抱えなくて大丈夫です。質問先の調整まで、すべて自分だけで引き受ける必要もありません。
確認したいことは、次の三つです。
- 誰に聞くか:手順を説明する人と、判断・承認する人。
- いつ聞くか:質問できる時間と、担当者が不在の場合の確認先。
- それまでどうするか:進めてよい作業と、確認まで止める作業。
担当者が決まっていても、その人が判断できる範囲とは限りません。操作方法は先輩、例外の扱いは上司など、内容によって確認先が分かれることもあります。
相談は「確認したこと・止まっている箇所・決めてほしいこと」でまとめる
「何も分かりません」としか言葉が出てこないときは、目の前の一件から伝えられます。次の順番を目安にしてみてください。
- 何の仕事についての相談か。
- 手順書や引き継ぎ資料など、すでに確認したこと。
- どの箇所で作業が止まっているか。
- 質問先・確認時間・作業範囲のうち、何を決めてほしいか。
申請の登録について確認したいことがあります。手順書の入力例は確認しましたが、「区分」の選び方が載っておらず、登録前で止めています。この項目の確認先を教えていただけますか。
資料が渡されていない場合は、「資料をまだ受け取っていません」と伝えてかまいません。長時間調べた実績がなければ質問できない、ということではありません。
期限がある場合は、「今日17時の提出に必要です」など、実際の期限も添えます。以下の業務名・時刻・所要時間は例なので、職場の状況に置き換えてください。確認にかかる時間が分からないときは、無理に「5分で済みます」と約束しなくて大丈夫です。
先輩に質問の時間を取ってもらう例文
口頭:今、質問してよいかを確認する
申請入力の「区分」について確認したいです。手順書は見ましたが、選ぶ基準が分からず、登録前で止めています。今、画面を見ながら教えていただけますか。難しければ、今日の何時ごろならよいでしょうか。
「今お時間ありますか」だけでなく、用件と止まっている箇所を添えます。相手が今対応できない場合は、次の時間を確認しましょう。
チャット:説明を受ける時間を相談する
お疲れさまです。申請入力の確認時間についてご相談です。
手順書の入力例は確認しましたが、「区分」の判断ができず、登録前で止めています。
本日、画面を見ながらご説明いただける時間はありますか。提出期限は17時です。対応が難しい場合は、別の確認先を上司に相談したいと考えています。
チャットを送っただけで、説明の時間が確保されたとは扱いません。時刻や場所、使う連絡手段まで返答で確認します。
「後で」と言われたら、確認する時刻を決める
承知しました。今日の何時ごろに、こちらから声をかければよいでしょうか。今日は難しければ、確認先を上司に相談します。
「後で」がいつか分からないまま待つのが難しい場合、時刻を聞き直してかまいません。相手の都合が分からなければ、職場で決められた質問用チャットなどがあるかも確認できます。
上司に、誰へ質問するか決めてもらう例文
口頭:質問先が最初から分からない
担当になった申請業務について、確認先をご相談したいです。共有された資料は見ましたが、入力項目の説明がなく、登録に進めていません。手順を教わる方と、判断に迷ったときの確認先を決めていただけますか。
「誰でもいいので教えてください」から一歩進め、説明する人と判断する人を確認する例です。資料がある場所さえ分からないなら、そのことから相談して大丈夫です。
チャット:確認先と、不在時の相談先を決めてもらう
お疲れさまです。申請業務の確認先についてご相談です。
現在、入力項目の判断基準が分からず、登録前で作業を止めています。共有資料には該当する説明がありませんでした。
手順を確認する担当の方と、ご不在時の相談先をご指定いただけますか。あわせて、最初に説明を受ける時間も調整いただけると助かります。
質問先を決めることは、先輩個人を責めることとは別です。困っている業務と、決めてほしい体制を伝えましょう。
複数の人から、別の人に聞くよう言われた
申請の確認先について、整理をお願いしたいです。AさんからはBさんへ、BさんからはAさんへ確認するよう案内があり、現時点で判断を確認できていません。この項目の確認先を一本化していただけますか。
誰が悪いかを判断してもらう文面ではなく、案内された経緯と未解決の点を伝える例です。手順と承認で担当が異なる場合は、それぞれ誰かを決めてもらいます。
回答を待つ間に、進めてよい範囲を確認する例文
返事を待つ間、「何もしていないと思われそう」と焦ることもあります。ただ、分からない操作を試して登録したり、確認前の内容を外部へ送ったりする必要はありません。
確認済みの手順と自分の権限の範囲で進められることを整理し、不明な範囲は上司などに確認します。
口頭:止める箇所と、先に進める作業を確認する
「区分」の回答をいただくまでは、登録は止めておきます。手順が確認できている資料の照合を先に進めてよいでしょうか。ほかに優先する作業があれば、ご指示いただけますか。
チャット:下書きまで進めてよいか確認する
申請業務の回答待ちの間の進め方について確認です。
入力項目が未確定のため、登録・送信は止めています。確認済みの項目だけ下書きに整理し、未確定箇所を空欄にしておく進め方でよいでしょうか。
下書きの作成も控えた方がよい場合は、待機中に担当する作業をご指示ください。
下書き保存でも共有・通知などが発生するシステムがあります。保存による影響も分からない場合は、保存前に確認してください。返事がないことを、操作の許可と受け取らないようにします。
安全や金額などに影響するため、操作を止めたい
この操作は金額の確定に関わるため、手順を確認するまでは実行を止めています。確認できる方への連絡と、それまでの作業をご指示いただけますか。
人の安全、金銭、個人情報、取り消せない操作などに関わる場合は、推測で進めず、職場の確認・緊急連絡の手順に従います。通常のチャット返信を待つだけでは間に合わないときは、決められた連絡先へ状況を知らせてください。
返事がない・「自分で考えて」と言われたときの対応
期限に影響しそうなら、止まっている状況を再共有する
午前に相談した申請の件について、進捗をご報告します。入力項目の確認待ちで、登録は止めています。このままでは本日17時の提出に間に合わない可能性があります。
確認できる方の調整、または提出期限の扱いについて、ご判断をお願いできますか。
同じ質問を何度も送るより、今の状態と期限への影響を加えて報告します。「何分待てば再連絡してよいか」に一律の正解はないため、提出期限や業務への影響から判断しましょう。
「自分で考えて」と言われても、判断基準が分からない
自分では、手順書のこの条件からA区分と考えています。ただ、今回のケースが当てはまるか判断できていません。確認すべき基準か、判断をお願いする方を教えていただけますか。
自分の案がある場合の例です。判断材料自体が渡されていないなら、案を無理に作る必要はありません。
判断に使う資料と基準がまだ分かっていません。まず、参照する資料の場所と、判断が必要な場合の確認先を教えていただけますか。
言い方を工夫しても、必要な説明を受けられないことはあります。伝え方だけで解決できない状況まで、読者が背負わなくてよいのです。
教えてもらえた後は、次の確認方法を決めておく
説明を受けられたら、教わった内容と次に確認する箇所を短く伝えます。職場で認められた方法でメモを残すと、次の質問も整理しやすくなります。
説明ありがとうございました。入力手順は確認できました。今回は教わった範囲で下書きを作り、送信前に確認をお願いしたいです。次回から、例外の判断は○○さんへチャットで確認する形でよいでしょうか。
「もう二度と質問しません」と約束する必要はありません。次回の質問先、使う連絡手段、送信や提出前の確認が必要かを確かめておきましょう。
手順は分かったものの、一人では期限に間に合わない場合は、質問先ではなく作業の分担を相談する段階です。仕事で「手伝ってほしい」と伝える頼み方と、分担を相談する例文を参考にしてください。
相談しても状況が変わらないときは、別の相談先を選べる
確認先をお願いしても決まらない、説明を受けられず業務が止まる状態が続く場合は、別の管理職や教育担当、人事などへ状況を伝える選択肢があります。
業務名、質問した日時と相手、受けた返答、止まっている作業、期限への影響を、分かる範囲で整理します。記録を完璧にそろえてからでなければ相談できないわけではありません。社内情報は、職場の情報管理ルールに従って扱ってください。
異動後に担当している申請業務について相談です。手順と確認先を上司に相談していますが、まだ説明の時間と担当者が決まらず、登録できない状態が続いています。教育担当の調整と、当面の担当範囲について相談できる方につないでいただけますか。
質問すると怒鳴られる、脅されるなど、相手に恐怖を感じる場合は、二人だけでの話し合いを無理に進めなくて大丈夫です。別の管理職や社内相談窓口など、安全に相談できる相手を選んでください。
眠れない、出勤前につらさが強いなど、生活への影響が続く場合は、産業医や医療機関などの専門家に相談する選択肢もあります。業務上の相談と並行して、自分の状態を伝えてかまいません。
「誰に、いつ聞けばよいか」から相談してよい
仕事を教えてもらえず止まっているときは、分からない手順だけでなく、質問先と質問できる時間も確認できます。資料で確認できたことと、止まっている箇所を短く伝え、決めてほしいことを添えましょう。
回答待ちの間にどこまで進めるかも、一人で推測しなくて大丈夫です。「確認先を決めていただけますか」「回答までに進めてよい範囲を教えていただけますか」。今必要な一つから、相談を始められます。