転職したばかりなのに、
「職場の雰囲気が合わない」
「聞いていた勤務条件と違う」
「このまま働き続ける自信がない」と悩んでいませんか。
試用期間中に辞めることへ、申し訳なさや経歴への不安を感じる看護師も少なくありません。
しかし、試用期間は病院側だけでなく、働く側が職場との相性を確認する期間でもあります。
試用期間中であっても退職は可能です。
ただし、雇用契約の種類や就業規則を確認し、無断欠勤や突然の退職は避ける必要があります。
この記事では、試用期間中に辞めたい看護師に向けて、退職の基本的な考え方、注意点、伝え方の例文、次の転職で失敗を防ぐ方法を解説します。
この記事でわかること
試用期間中の退職で迷ったときに確認したいポイントを、順番に整理します。
- 試用期間中でも退職できるのか
- 辞める前に確認しておきたい雇用契約と就業規則
- 上司へ退職を伝える手順と例文
- 短期離職を繰り返さないための転職先の選び方
看護師は試用期間中でも退職できる
結論からいうと、看護師も試用期間中に退職できます。
試用期間だから退職できないという決まりはなく、正式採用後と同じように労働契約が成立しています。
ただし、「明日から行きません」と一方的に伝えればよいわけではありません。
まずは雇用契約書、労働条件通知書、就業規則を確認し、定められた手順に沿って退職を申し出ることが大切です。
試用期間は職場との適性を確認する期間
試用期間は、病院や施設が看護師の勤務態度や能力を確認するだけの期間ではありません。
看護師側にとっても、仕事内容、教育体制、人間関係、勤務条件などが自分に合っているかを確認する期間です。
実際に働いて初めて、求人票や面接だけでは分からなかった状況が見えることもあります。
どうしても適応が難しい場合は、試用期間中に退職を検討すること自体が間違いとはいえません。
試用期間中でも労働契約は成立している
試用期間中も、看護師と勤務先の間には労働契約が成立しています。
そのため、給与、勤務時間、休憩、休日などの労働条件が適用されます。
同時に、退職するときも契約内容や就業規則を確認する必要があります。
「まだ正式採用ではないから、連絡せずに辞めてもよい」という考え方は避けましょう。
無期契約は原則として退職を申し出られる
契約期間の定めがない雇用契約では、法律上、労働者は退職を申し出ることができます。
民法では、原則として退職の申入れから2週間が経過すると雇用契約が終了するとされています。
ただし、就業規則に「退職希望日の1か月前までに申し出る」などの手続きが定められていることがあります。
円満退職を目指す場合は、できる限り早く相談し、勤務先と退職日を調整することが現実的です。
有期契約の場合は途中退職の条件が異なる
契約期間が決められている有期労働契約では、無期契約と同じように考えることはできません。
原則として契約期間中の退職には制限があり、やむを得ない事情がある場合などに途中退職が認められます。
契約社員や期間限定採用などに該当する場合は、雇用契約書の契約期間を確認し、勤務先の人事担当者や公的な労働相談窓口へ相談してください。
自分だけで判断して突然退職することは避けましょう。
試用期間中に辞めたいと思ったときの判断基準
転職直後は、慣れない環境や仕事内容によって一時的に不安が強くなることがあります。
一方で、我慢を続けることで心身の健康を損なうケースもあるため、辞めたい理由を整理することが大切です。
時間がたてば改善する可能性があるか
新しい電子カルテの操作、病棟の業務手順、職員の名前が分からないなど、慣れることで改善しやすい悩みもあります。
教育担当者へ質問できる環境があり、少しずつ業務を覚えられている場合は、一定期間様子を見る選択肢もあります。
ただし、明確な期間を決めずに我慢を続けるのではなく、「あと2週間確認する」などの目安を設けましょう。
勤務条件が事前の説明と違っていないか
夜勤回数、残業時間、配属部署、休日、業務内容などが、求人票や面接時の説明と大きく異なる場合は確認が必要です。
まずは雇用契約書や労働条件通知書を見直し、直属の上司や人事担当者へ相談しましょう。
説明と実態の違いが解消されない場合は、退職を検討する理由になります。
教育や相談を受けられる環境があるか
経験者として採用された場合でも、新しい職場の手順を何も教えられないまま、一人で判断を求められる状況は負担になります。
教育担当者がいない、質問すると強く責められる、安全な看護を行うために必要な説明を受けられないといった状況が続く場合は、上司や看護部へ相談してください。
心身に不調が出ていないか
出勤前に動悸や吐き気がする、眠れない、食事が取れない、涙が止まらないなどの不調が続いている場合は、無理に勤務を続けないことが大切です。
体調が悪いときは、医療機関を受診したうえで、休職や勤務調整が可能かを相談してください。
緊急性がある場合は、退職手続きよりも自分の安全と治療を優先しましょう。
辞めるべきか判断できない場合は、看護師を続けるか辞めるか迷った時の考え方も参考になります。
感情だけで結論を出さず、続ける場合と辞める場合を整理してみましょう。
試用期間中に辞める前に確認すること
退職を決める前に、雇用契約、就業規則、給与などを確認しておくと、勤務先との行き違いを防ぎやすくなります。
雇用契約の期間
労働条件通知書や雇用契約書を見て、「期間の定めなし」なのか、「6か月契約」などの有期契約なのかを確認します。
試用期間の長さと雇用契約の期間は別の項目です。
「試用期間3か月」と書かれていても、雇用契約自体は無期契約になっている場合があります。
就業規則の退職手続き
就業規則に記載されている、退職の申出時期、退職届の提出先、必要な手続きなどを確認します。
就業規則が手元にない場合は、上司や人事担当者へ閲覧方法を確認してください。
退職を切り出す前に手続きの流れを把握しておくと、落ち着いて話し合えます。
給与や社会保険などの手続き
短期間の勤務でも、働いた分の給与を受け取る権利があります。
最終給与の支給日、社会保険の資格喪失日、住民税の扱いなどを確認しておきましょう。
健康保険証や職員証、制服、名札、ロッカーの鍵など、勤務先から借りている物も返却します。
退職後に必要となる離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証などの受け取り方法も確認してください。
次の転職活動を始める時期
体調に大きな問題がなく、働きながら活動できる場合は、退職前に求人情報を確認しておく方法があります。
ただし、焦って次の勤務先を決めると、同じようなミスマッチを繰り返す可能性があります。
次の仕事が決まっていないことが不安な方は、看護師を辞めたいけど次がないときの考え方と対処法を参考に、生活費や転職時期を整理しておきましょう。
試用期間中に退職する手順
退職すると決めたら、感情的に伝えるのではなく、手順を確認して進めます。
記録が残る形で意思を伝え、患者や同僚への影響をできるだけ抑えることが大切です。
直属の上司へ面談を申し込む
最初に、師長などの直属の上司へ相談します。勤務中の忙しい時間帯を避け、「ご相談したいことがあるため、お時間をいただけますか」と面談を申し込みましょう。
同僚へ先に話すと、本人から正式に伝える前に噂が広がる可能性があります。
退職の意思は、まず責任者へ伝えてください。
退職の意思と希望日を明確に伝える
面談では、退職を迷っているのか、すでに決めているのかを明確にします。
退職を決めている場合は、「辞めようかと思っています」ではなく、「退職させていただきたいと考えています」と伝えます。
希望日だけを一方的に通告するのではなく、雇用契約と就業規則を確認したうえで、勤務先と調整しましょう。
退職届を提出する
退職日について話し合った後は、勤務先の指示に従って退職届を提出します。
指定書式がある場合は、その書式を使用してください。
口頭で伝えただけでは記録が残らないため、退職の意思や希望日を記載した書面を提出しておくと、認識の違いを防ぎやすくなります。
業務の引き継ぎと貸与品の返却を行う
試用期間中で担当業務が少ない場合でも、患者情報、担当した業務、未完了の作業など、必要な内容は引き継ぎます。
制服、職員証、鍵、マニュアル、電子機器などの貸与品を確認し、指定された日までに返却しましょう。
患者情報を含む資料を持ち帰らないことも重要です。
試用期間中に辞めたいと伝える例文
退職理由をすべて詳しく説明する必要はありません。
ただし、勤務先への批判や不満だけを並べると話し合いが進みにくくなるため、簡潔で落ち着いた表現を心がけます。
職場とのミスマッチを理由にする例文
職場や仕事内容との適性が合わなかった場合は、相手を責める言い方を避け、自分の判断として伝えます。
「お時間をいただきありがとうございます。実際に勤務する中で、自分の経験や適性と、求められている役割に違いがあると感じました。
今後について慎重に考えた結果、試用期間中ではありますが、退職させていただきたいと考えています」
体調を理由にする例文
体調不良が続いている場合は、無理に詳しい病名や症状を説明せず、勤務継続が難しいことを伝えます。
「入職後から体調不良が続いており、今後も現在の勤務を継続することが難しいと判断しました。
大変申し訳ありませんが、退職についてご相談させていただきたいです」
家庭の事情を理由にする例文
家族の介護や育児などの事情がある場合も、必要以上に私生活の詳細を話す必要はありません。
「家庭の事情により、現在の勤務を続けることが難しくなりました。
試用期間中にご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、退職させていただきたいと考えています」
引き止められたときの例文
退職の意思が固まっている場合は、感謝を示しながらも、結論を曖昧にしないことが大切です。
「ご配慮いただきありがとうございます。
ただ、十分に考えたうえでの結論であり、退職の意思は変わりません。
ご迷惑をおかけしますが、必要な手続きを進めていただけますでしょうか」
試用期間中に辞めるときの注意点
短期間での退職そのものだけでなく、辞め方によって勤務先や次の転職先へ与える印象が変わります。
無断欠勤や虚偽の説明は避け、できる範囲で誠実に対応しましょう。
無断欠勤や連絡なしの退職は避ける
出勤がつらくても、連絡をせずに欠勤を続けることは避けてください。
患者の安全や勤務体制に影響するほか、退職手続きや貸与品の返却が進まなくなる可能性があります。
自分で連絡できないほど体調が悪い場合は、家族から連絡してもらう方法や、医療機関を受診して診断書について相談する方法があります。
職場の悪口を退職理由にしない
人間関係や指導方法への不満があっても、「師長が嫌い」「職員の態度が悪い」などの感情的な表現は避けましょう。
改善してほしい問題がある場合は、具体的な出来事と業務への影響を分けて伝えます。
退職理由としては、「自分の適性を考えた結果」「勤務の継続が難しい」など、簡潔にまとめる方法があります。
次の面接で退職理由を説明できるようにする
短期離職があると、次の面接で退職理由を聞かれる可能性があります。
前の職場を批判するのではなく、ミスマッチの原因と次の職場で確認したいことを説明できるようにしておきましょう。
「教育体制を十分に確認できていなかったため、次は研修内容と独り立ちまでの流れを確認したい」など、経験から学んだことまで伝えると、前向きな説明になります。
心身の限界を超えてまで続けない
短期離職を避けたいという気持ちから、不調を我慢し続けることはおすすめできません。
仕事に行くことを考えるだけで強い不安が出る、眠れない日が続くなどの場合は、早めに医療機関や相談窓口を利用してください。
限界のサインを確認したい方は、看護師のメンタルが限界と感じたときに確認したいサインも参考にしてください。
次の転職で同じミスマッチを防ぐ方法
試用期間中の退職を経験したときは、「早く次を決めなければ」と焦るよりも、今回の職場で合わなかった点を整理することが重要です。
辞めたい理由を具体的に整理する
人間関係、教育体制、勤務時間、配属部署、看護方針など、何が合わなかったのかを書き出します。
「何となく合わなかった」で終わらせず、次の求人で確認すべき条件へ置き換えることで、同じミスマッチを防ぎやすくなります。
求人票だけで職場を決めない
求人票に書かれている勤務条件だけでは、実際の残業時間、人員配置、職場の雰囲気、教育方法までは分からないことがあります。
可能であれば職場見学を行い、看護師の表情、質問しやすい雰囲気、整理整頓の状況なども確認しましょう。
面接で教育体制や配属先を確認する
面接では、研修期間、指導担当者、夜勤開始の時期、配属先を決める方法などを具体的に質問します。
「教育体制がありますか」という質問だけではなく、「入職後1か月間は、どのような流れで業務を覚えますか」と聞くと、実際の支援内容を確認しやすくなります。
自分だけで判断しにくい条件は第三者へ確認する
求人票と実際の働き方の違いを自分だけで見極めることが難しい場合は、看護師転職サービスの担当者へ相談する方法もあります。
今回の退職理由と次の職場に求める条件を伝え、残業、教育体制、人員配置などの確認を依頼すると、求人票だけでは分からない情報を整理しやすくなります。
次の求人で確認したい7項目
次の職場でも同じ悩みを繰り返さないために、応募前や面接、職場見学で以下の条件を確認しましょう。
- 月平均の残業時間
- 夜勤回数
- オンコールの有無と頻度
- 有給休暇の取得率
- 離職率
- 人員配置
- 教育・研修体制
離職率や実際の残業時間など、求人票だけでは分からない項目もあります。
採用担当者へ直接質問しにくい場合は、職場見学や転職サービスの担当者を通して確認する方法があります。
よくある質問
ここでは、看護師が試用期間中に退職するときに感じやすい疑問へ簡潔に回答します。
Q1.試用期間中なら即日退職できますか?
試用期間中であることだけを理由に、自由に即日退職できるわけではありません。
雇用契約の種類や勤務先との合意、健康上の事情などによって扱いが異なります。
まず雇用契約書と就業規則を確認し、上司や人事担当者へ相談してください。
Q2.入職して数日でも退職できますか?
入職して数日でも退職を申し出ることはできます。
ただし、連絡なしで出勤しなくなるのではなく、退職の意思を明確に伝えて手続きを進める必要があります。
Q3.試用期間中の退職は履歴書に書く必要がありますか?
短期間の勤務でも、雇用契約が成立して勤務した経歴であることに変わりはありません。
社会保険や雇用保険の記録との違いが生じる可能性もあるため、自己判断で隠すことは避けましょう。
応募書類への記載方法に迷う場合は、ハローワークや転職支援の担当者へ相談してください。
Q4.退職を認めてもらえない場合はどうすればよいですか?
まずは退職の意思と希望日を書面で伝え、雇用契約書と就業規則を確認します。
話し合いで解決できない場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、公的な窓口へ相談してください。
Q5試用期間中の退職は次の転職に不利になりますか?
退職した事実だけで、必ず不利になるとは限りません。
ただし、退職理由や次の職場を選ぶ基準を説明できないと、同じ理由で辞めるのではないかと心配される可能性があります。
ミスマッチの原因と、そこから学んだことを整理して伝えましょう。
まとめ
看護師は試用期間中でも退職できます。
ただし、試用期間だからといって、連絡せずに即日で辞めてよいわけではありません。
雇用契約の期間と就業規則を確認し、直属の上司へ早めに相談することが大切です。
一時的な慣れの問題なのか、勤務条件の相違や心身の不調など、勤務継続が難しい問題なのかも整理しましょう。
体調や患者の安全に影響する状態であれば、無理に我慢を続けないことが重要です。
退職後の転職では、今回合わなかった理由を明確にし、残業、夜勤、人員配置、教育体制などを応募前に確認してください。
焦って次を決めず、納得できる職場を選ぶことが短期離職の繰り返しを防ぐことにつながります。