看護師として働きながら、「もっと専門性を高めたい」「転職で有利になる資格を取りたい」「将来の働き方の選択肢を増やしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
看護師資格だけでもさまざまな職場で働けますが、プラスの資格を取得することで、専門分野へのキャリアアップや転職、働き方の変更につながる可能性があります。
ただし、資格によって取得条件や難易度、活かせる職場は異なります。
資格を取ること自体を目的にするのではなく、「将来どのような看護師になりたいのか」「どのような働き方をしたいのか」を考えて選ぶことが大切です。
この記事では、看護師におすすめの資格10選を比較し、それぞれの特徴やおすすめ理由、向いている人をわかりやすく紹介します。
キャリアアップや転職を考えている方は、自分に合った資格を見つける参考にしてください。
目次
看護師におすすめの資格10選を比較
看護師におすすめの資格は、目指すキャリアによって異なります。
専門性を高めたい場合と、介護・在宅分野へ活躍の場を広げたい場合では、選ぶ資格も変わってきます。
まずは、今回紹介する10の資格・認定制度について、主な特徴とおすすめな人を比較してみましょう。
| 資格・認定制度 | 主な特徴 | 取得難易度の目安 | おすすめ度 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| 認定看護師 | 特定の看護分野で専門性を高められる | 高め | ★★★★★ | 得意分野を持つ看護師を目指したい人 |
| 専門看護師 | 高度な看護実践能力を身につけられる | 高い | ★★★★★ | 大学院で学び専門性を深めたい人 |
| 特定行為研修 | 一定の診療の補助を手順書に基づいて行える | 高め | ★★★★★ | 臨床でより高度な実践力を身につけたい人 |
| ケアマネジャー | 介護分野でケアプラン作成などに携われる | やや高め | ★★★★★ | 介護・在宅分野へキャリアを広げたい人 |
| 保健師 | 地域・企業などで健康支援に携われる | 高め | ★★★★★ | 予防医療や地域保健に関心がある人 |
| 助産師 | 妊娠・出産・産後ケアの専門職として働ける | 高め | ★★★★★ | 母子看護・周産期医療に携わりたい人 |
| 呼吸療法認定士 | 呼吸療法に関する専門知識を深められる | やや高め | ★★★★☆ | ICUや呼吸器領域で働く人 |
| 消化器内視鏡技師 | 内視鏡検査・治療の専門知識を証明できる | やや高め | ★★★★☆ | 内視鏡室や消化器領域で働く人 |
| BLS・ACLS関連コース | 一次・二次救命処置の知識と技術を学べる | 比較的挑戦しやすい | ★★★★☆ | 救急対応力を高めたい人 |
| 医療安全管理者関連研修 | 医療安全やリスク管理の知識を深められる | 研修により異なる | ★★★★☆ | 管理職や医療安全分野を目指す人 |
資格や研修の中には、看護師免許に加えて実務経験や指定された教育課程の修了が必要なものもあります。また、民間資格や研修修了資格などは、取得しただけで必ず給与が上がるとは限りません。
現在の職場で活かせるか、転職先で評価されるか、資格手当の対象になるかまで確認してから取得を検討するとよいでしょう。
看護師におすすめの資格10選
ここからは、看護師のキャリアアップや働き方の選択肢を広げるのに役立つ資格・認定制度を詳しく紹介します。
1.認定看護師
おすすめ理由:特定の看護分野で専門的な知識と技術を身につけ、自分の強みを活かしたキャリアを目指せる点がおすすめです。
認定看護師は、特定の看護分野において高い専門性を持ち、質の高い看護を実践する看護師です。臨床現場で患者へのケアを行うだけでなく、ほかの看護師への指導や相談対応などでも力を発揮します。
「自分の得意分野をつくりたい」「臨床経験を活かして専門性を高めたい」という看護師に向いています。
取得には一定の実務経験などの要件があるため、現在の経験年数や勤務分野を確認しながら計画的に目指すことが大切です。
2.専門看護師
おすすめ理由:より高度な専門知識を身につけ、複雑な看護問題への対応や組織横断的な活動に携わりたい人におすすめです。
専門看護師は、特定の専門看護分野において高度な知識と実践能力を持つ看護師です。患者や家族への看護だけでなく、医療チーム内の調整、相談、教育、研究など幅広い役割を担います。
取得を目指すには大学院で専門的に学ぶ必要があるため、時間や費用を含めた長期的なキャリアプランが必要です。
将来的に高度実践看護や教育・研究分野で活躍したい人にとって、有力な選択肢の一つです。
3.特定行為研修
おすすめ理由:臨床現場での判断力と実践力を高め、患者の状態に応じた迅速な対応につなげられる点が魅力です。
特定行為研修は、看護師が医師または歯科医師の判断を待たずに、あらかじめ作成された手順書に基づいて一定の診療の補助を行うために必要な専門的知識や技能を学ぶ研修制度です。
急性期医療や在宅医療など、迅速な判断と対応が求められる現場で専門性を高めたい看護師に向いています。
資格そのものではなく研修制度ですが、看護師として高度な実践能力を身につけたい場合に検討したい選択肢です。
4.ケアマネジャー(介護支援専門員)
おすすめ理由:看護師として培った医療知識を活かしながら、介護・在宅分野へキャリアの選択肢を広げられます。
ケアマネジャーは、介護を必要とする人や家族の相談に応じ、適切な介護サービスを利用できるようケアプランの作成や関係機関との調整などを行います。
看護師としての医療知識や患者・家族とのコミュニケーション経験を活かしやすく、病院以外の働き方を考えている人にもおすすめです。
将来的に居宅介護支援事業所や介護施設、地域包括ケアに関わる仕事をしたい人は、取得を検討するとよいでしょう。
看護師資格やこれまでの経験を活かしながら、病院以外の仕事にも目を向けたい方は、
「看護師から異業種へ転職できる?おすすめの仕事を紹介」も参考にしてください。
看護師から挑戦しやすい仕事や、資格・経験を活かせる転職先を詳しく紹介しています。
5.保健師
おすすめ理由:病気の治療を支えるだけでなく、健康づくりや疾病予防の段階から人々を支援したい看護師におすすめです。
保健師は、地域住民や企業で働く人などを対象に、健康相談や保健指導、健康教育などを行う国家資格です。
自治体の保健センターなどで働く行政保健師のほか、企業で従業員の健康管理を支援する産業保健分野などで活躍する道もあります。
夜勤のない働き方を希望している人や、地域医療・予防医療に関心がある人にとっても検討する価値のある資格です。ただし、保健師になるには所定の教育課程を修了し、保健師国家試験に合格する必要があります。
資格取得だけでなく、「できれば夜勤のない働き方に変えたい」と考えている方は、
「夜勤なしで働ける看護師の仕事おすすめ15選」も参考にしてください。
看護師資格を活かしながら、夜勤なしで働ける仕事や職場を比較して紹介しています。
6.助産師
おすすめ理由:妊娠・出産・産後という女性と家族にとって大切な時期を専門的に支援でき、周産期医療のスペシャリストを目指せます。
助産師は、妊娠・出産・産後の母子を専門的に支援する国家資格です。正常な経過の分娩介助をはじめ、妊産婦への保健指導や新生児のケア、育児支援など幅広い役割を担います。
産婦人科や周産期母子医療センター、助産院などで活躍できるほか、経験を積んで地域の母子支援に携わる道もあります。
母性看護や周産期医療に関心があり、妊娠・出産・育児まで継続して女性や家族を支えたい人に向いています。
助産師になるには、看護師国家試験に合格していることに加え、所定の助産師教育課程を修了し、助産師国家試験に合格する必要があります。取得までに時間や費用がかかるため、長期的なキャリアプランを立てて検討しましょう。
7.3学会合同呼吸療法認定士
おすすめ理由:呼吸療法に関する専門知識を深められるため、呼吸器病棟やICUなどで専門性を高めたい看護師におすすめです。
3学会合同呼吸療法認定士は、呼吸療法に関する専門的な知識や技能の向上を目的とした認定制度です。
呼吸管理が必要な患者に関わる機会が多い看護師にとって、日々の看護実践に活かしやすい知識を体系的に学べる点がメリットです。
特に、ICUや救命救急、呼吸器内科・外科などで勤務している看護師や、人工呼吸管理について専門的に学びたい人に向いています。
認定を受けるには対象となる実務経験や講習の受講など所定の要件があるため、受験を考えている場合は最新の認定制度や申請条件を確認しましょう。
8.消化器内視鏡技師
おすすめ理由:内視鏡検査や治療に関する専門知識を深め、内視鏡室や消化器領域でのキャリアアップにつなげたい看護師におすすめです。
消化器内視鏡技師は、消化器内視鏡検査や治療に関する専門的な知識・技術を持つ医療従事者を対象とした認定制度です。
内視鏡室では、検査や治療を受ける患者への説明や観察、医師の介助、機器の取り扱いなど、専門的な知識が求められます。
すでに内視鏡室や消化器領域で勤務している看護師であれば、実務経験を活かしながら専門性を高める選択肢になります。
取得を目指す場合は、勤務経験や講習会への参加など所定の要件を確認し、計画的に準備を進めましょう。
9.BLS・ACLS関連コース
おすすめ理由:急変時や救急場面で必要となる知識と技術を学ぶことができ、幅広い診療科で実践に活かしやすい点が魅力です。
BLSは一次救命処置、ACLSは心停止などの緊急事態に対応するための二次救命処置について体系的に学ぶコースです。
救急外来やICUだけでなく、病棟やクリニックなどでも患者の急変に遭遇する可能性があります。救命処置について学んでおくことで、緊急時に必要な対応を理解する助けになります。
特に、救急看護に興味がある人や、急変対応に対する知識・技術を高めたい人におすすめです。
なお、BLS・ACLSには複数の団体が提供するコースがあり、受講要件や認定期間などが異なります。勤務先で推奨されているコースがある場合は、事前に確認するとよいでしょう。
10.医療安全管理者関連研修
おすすめ理由:医療事故の防止や安全な組織づくりに関する知識を深められるため、将来的に管理職や医療安全部門で活躍したい看護師におすすめです。
医療安全管理者は、医療機関における安全管理体制の構築や医療事故防止、職員への教育などに関わる役割を担います。
看護師として臨床経験を積んだ後、主任や看護師長などの管理職を目指す人や、医療安全管理部門で働きたい人にとって、関連する研修で学ぶことはキャリア形成の一つの選択肢になります。
ただし、「医療安全管理者」という単一の国家資格があるわけではありません。勤務先で求められる研修内容や要件を確認したうえで、自分のキャリアに合った研修を選ぶことが大切です。
看護師が資格を選ぶときの5つのポイント
資格を取得すれば、必ず転職や収入アップにつながるとは限りません。
大切なのは、自分が目指すキャリアに必要な資格を選ぶことです。
将来どのような働き方をしたいか考える
まずは、5年後、10年後にどのような働き方をしたいのかを考えてみましょう。
専門分野を極めたいのであれば認定看護師や専門看護師、介護分野へ進みたいのであればケアマネジャーなど、目標によって選ぶ資格は変わります。
資格を先に選ぶのではなく、理想のキャリアから逆算して必要な資格を考えることがポイントです。
現在の仕事に活かせるか確認する
現在勤務している診療科や職場で活用できる資格であれば、取得後の知識や技術を実践につなげやすくなります。
たとえば、呼吸器領域で働いている場合は呼吸療法に関する認定、内視鏡室で働いている場合は消化器内視鏡技師など、現在の経験と関連する資格を選ぶ方法があります。
取得に必要な期間と費用を確認する
資格や認定制度によっては、取得までに長期間の学習が必要になる場合があります。
受講料や受験料だけでなく、教材費や交通費、場合によっては休職や勤務調整が必要になることもあります。
取得を目指す前に、必要な期間と総費用を確認し、仕事や家庭と両立できるか検討しましょう。
勤務先の資格取得支援制度を確認する
病院や医療法人によっては、資格取得に必要な費用の一部または全部を補助する制度を設けている場合があります。
研修期間中の勤務扱いや休暇制度、受講料の補助などを利用できれば、資格取得の負担を軽減できる可能性があります。
資格取得を決める前に、勤務先の教育制度やキャリア支援制度を確認してみましょう。
資格取得後の求人や待遇も調べる
転職や収入アップを目的として資格を取得する場合は、取得後にどのような求人があるのかを事前に確認することも重要です。
資格手当の有無や給与への反映は勤務先によって異なります。
資格取得だけで判断せず、その資格を評価している職場がどのくらいあるのかも調べておきましょう。
資格取得の目的が収入アップであれば、資格手当だけでなく、基本給の高い職場への転職や働き方の見直しも選択肢になります。
「看護師が年収アップする方法」では、資格取得以外も含め、看護師が収入を増やすための具体的な方法を詳しく解説しています。
資格取得と転職を考えている看護師が求人選びで確認したいポイント
資格を活かして転職する場合は、仕事内容や給与だけでなく、長く働き続けられる環境かどうかも確認することが大切です。
求人票だけでは分からない項目もあるため、応募前や面接時にできるだけ情報を集めましょう。
- 月平均の残業時間
- 夜勤の回数
- オンコールの有無と頻度
- 有給休暇の取得状況
- 職員の離職状況
- 看護師の人員配置
- 教育・研修体制や資格取得支援制度
特に資格取得後のキャリアアップを考えている場合は、資格手当の有無だけでなく、取得した資格や専門性を実際の業務で活かせる環境があるかを確認しましょう。
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看護師におすすめの資格に関するよくある質問
Q1.看護師が資格を取ると給料は上がりますか?
資格を取得しただけで必ず給料が上がるわけではありません。
勤務先によっては資格手当が支給される場合がありますが、対象となる資格や金額は職場によって異なります。
収入アップが目的の場合は、資格手当の有無とあわせて基本給や各種手当、昇進制度なども確認しましょう。
Q2.転職に役立つ資格はどれですか?
転職先によって評価される資格は異なります。
専門分野で働きたい場合はその領域に関連する資格や認定、介護分野であればケアマネジャーなどが選択肢になります。
ただし、看護師の転職では資格だけでなく、臨床経験や担当業務、コミュニケーション能力なども重要です。
Q3.働きながら資格取得を目指せますか?
働きながら目指せる資格や研修もあります。
ただし、長期間の教育課程や実習が必要な場合もあるため、勤務先の資格取得支援制度や休暇制度を確認しておくことが大切です。
仕事との両立が難しい場合は、勤務形態を見直す方法もあります。
Q4.資格を取る前に転職サイトで求人を調べてもいいですか?
資格取得前に求人を確認しておくことは有効です。
取得を考えている資格が実際にどのような職場で評価されているのか、資格手当があるのか、どの程度の実務経験が求められているのかを確認できます。
複数の求人を比較してから資格取得を決める方法もあります。
資格を活かせる職場を探してみよう
資格取得をキャリアアップにつなげるためには、その資格や専門性を評価してくれる職場を選ぶことが重要です。
看護師向けの転職サービスでは、一般には公開されていない求人を紹介してもらえる場合があるほか、給与や勤務条件、教育体制、資格取得支援制度などについて相談できることがあります。
今すぐ転職する予定がなくても、どのような求人があるのかを確認することで、今後取得する資格や目指すキャリアを考える材料になります。
資格取得をきっかけに、今より働きやすい職場への転職を考えている方は、
「看護師がホワイトな職場へ転職する方法」も参考にしてください。
残業や夜勤、人員配置、休暇の取りやすさなど、長く安心して働ける職場を見極めるポイントを紹介しています。
まとめ|看護師の資格は将来のキャリアから逆算して選ぼう
看護師が取得を検討できる資格や認定制度には、認定看護師や専門看護師、ケアマネジャー、保健師、助産師などさまざまな選択肢があります。
大切なのは、「人気があるから」「転職に有利そうだから」という理由だけで資格を選ばないことです。
専門性を高めたいのか、働く場所を変えたいのか、夜勤のない仕事を目指したいのか、管理職を目指したいのかによって、必要な資格や経験は異なります。
まずは自分が将来どのような看護師になりたいのかを考え、その目標から逆算して資格を選びましょう。
また、資格取得と同時に転職を考えている場合は、取得した資格を評価してくれる職場や、専門性を活かせる求人があるかを事前に調べることも大切です。
資格を活かせる職場を探したい方は、「看護師向けおすすめ転職サイト比較」も参考にしてください。
各サービスの特徴やサポート内容を比較し、自分の希望条件に合った転職サービスを選ぶポイントを紹介しています。
▶ 看護師向けおすすめ転職サイトを比較して、自分に合った職場を探してみる