ミスや不手際などにより相手に迷惑をかけてしまった場合、「お詫びの品」を送ることがあります。

その際に重要なのが、謝罪の気持ちを丁寧に伝える「送付状」です。

ただ品物を送るだけでは誠意が伝わりにくく、信頼回復にはつながりません。


本記事では、法人向け・個人向けの送付状の基本的な書き方や例文、テンプレートをご紹介します。

文面のマナーや注意点も併せて解説していますので、状況に合った適切な対応にご活用ください。

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目次

送付状は本当に必要?お詫びの品に添える重要性とは

「お詫びの品を送れば、それで誠意は伝わるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

ですが、送付状があるかないかで、相手に与える印象は大きく異なります

ここでは、送付状がなぜ必要なのかを具体的に見ていきましょう。

なぜ“書面”で伝えるのが重要なのか

送付状は、単に品物を送るという事務的なものではなく、謝罪の気持ちや今後の対応方針などを丁寧に伝える重要なツールです。

書面として残ることで、誠意や配慮がより相手に伝わりやすくなります。

法人間で送付状が求められる理由

ビジネスの場面では、口頭やメールだけでは正式な謝罪とみなされないこともあります。

書面での謝罪は、記録としても残り、トラブル対応や信頼回復のためにも不可欠です。

カジュアルな相手へも礼を尽くす意義

親しい相手でも、信頼を損ねた場合は誠意ある対応が求められます。

少しくだけた文面であっても、丁寧な言葉遣いと心からの謝意を伝えることが大切です。

送付状の基本ルールと書き方ガイド

送付状にはいくつかの形式的なルールがあります。

ここでは、ビジネスマナーに沿った送付状の基本構成や書き方のポイントを項目ごとに解説します。

(1)日付は「和暦⇔西暦」どちらでもOK

送付状の右上に記載します。

和暦(例:令和◯年◯月◯日)を使うのが一般的ですが、西暦でもマナー違反ではありません

(2)宛先・敬称の正しい書き方

相手の会社名、部署名、氏名を正しく書き、「様」「御中」などの敬称を適切に使い分けることが大切です。

(3)差出人情報は“どこを書くべきか”

自社名・部署・担当者名・連絡先などを左下に明記します。

責任の所在が明確になるようにしましょう。

(4)表題の付け方:「お詫びの品送付のご案内」など

文面の中央に「お詫びとご送付のご案内」や「お詫びの品送付について」などのシンプルな表題を記載します。

(5)頭語+時候の挨拶の例文

「拝啓」などの頭語に続けて、季節感のある時候の挨拶を書きます。

以下は例文です。

拝啓 梅雨の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

(6)本文構成のポイント

本文は以下の順で構成するのが一般的です。

・謝罪の冒頭

・不手際や原因の簡潔な説明

・お詫びの品送付の案内

・今後の再発防止策

具体的に簡潔に、かつ丁寧な表現でまとめましょう。

(7)結語は「敬具」「謹白」から適切に

「敬具」「謹白」などの結語を頭語に合わせて使用します。

「拝啓」の場合は「敬具」が適当です。

(8)記書き:「同封物リスト」の書き方

本文のあとに記」をつけ、同封した物品をリスト形式で明記します。


・お詫びの品(◯◯) 1点
・商品交換分 1点

(9)「以上」で文面をきちんと締める

「記」欄の下には「以上」を記載し、文面の締めくくりを明示します。

ケース別!使える送付状テンプレート例

実際の送付状を作成する際に役立つよう、法人向け・個人向けに分けた例文テンプレートをご紹介します。

そのまま使える形式ですので、差出人名や品名を変更してご利用ください。

法人向け例文テンプレート

令和◯年◯月◯日



株式会社〇〇〇〇
営業部 部長 〇〇 〇〇 様



株式会社△△△△
総務部 □□ □□



お詫びとご送付のご案内



拝啓 梅雨の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。



このたびは、弊社の不手際により貴社に多大なご迷惑をおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。



つきましては、心ばかりではございますが、お詫びの品を同封させていただきましたので、どうかお納めくださいますようお願い申し上げます。



今後はこのようなことのないよう、再発防止に向けて全社を挙げて努めてまいります。



何卒ご容赦くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。



敬具




・お詫びの品(◯◯) 1点



以上

個人向け例文テンプレート

令和◯年◯月◯日

〇〇〇〇 様

〇〇 〇〇(差出人名)

お詫びとご送付について

拝啓 初夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

このたびは私の不注意により、大変なご迷惑をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。

気持ちばかりではありますが、ささやかな品をお送りさせていただきました。ご迷惑の一端でも和らげられれば幸いです。

今後はこのようなことのないよう、十分に気をつけてまいります。

取り急ぎ、お詫びとご送付のご連絡まで申し上げます。

敬具

・お詫びの品(◯◯)

以上

送付状のマナーと注意点まとめ

送付状は誠意を伝えるための大切な書面です。

しかし、不適切な言葉遣いや書き方では、逆効果になってしまうことも。

ここでは、文体や表現、形式における注意点とマナーを解説します。

避けたいNG表現リスト

  • 「とりあえず」「仕方ない」など軽い印象の表現
  • 過度に謝りすぎて感情的になる文面(読む側が負担に感じることも)

文体は「敬語+丁寧語」で統一

  • 基本は「敬語+丁寧語(です・ます調)」
  • 法人宛には、「ございます」「いただきます」などビジネス敬語を適切に使いましょう

PC作成と手書きの使い分け

  • 法人宛にはPC作成・印刷が基本
  • 個人宛は手書きにすることで気持ちが伝わりやすくなる場合もあります

無料テンプレート

【法人向け送付状テンプレート】

株式会社〇〇〇〇  
ご担当者様

平素より大変お世話になっております。
株式会社△△△△の□□と申します。

このたびは、当方の不手際により多大なるご迷惑とご不快の念をおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。
つきましては、ささやかではございますが、お詫びの品を同封させていただきましたのでご査収のほどお願い申し上げます。

今後はこのようなことのないよう、再発防止に努めてまいります。
引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

令和〇年〇月〇日
株式会社△△△△
営業部 □□ □□(名前)
〒000-0000 東京都〇〇区〇〇〇〇
電話:03-XXXX-XXXX
メール:xxxx@xxxx.co.jp

【同封物】
・お詫びの品(〇〇〇〇)1点

【個人向け送付状テンプレート】

〇〇様  

このたびは、私の不注意によりご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
反省の気持ちを込めて、ささやかではありますがお詫びの品をお送りいたします。

どうかお納めいただければ幸いです。
今後はこのようなことがないよう、十分注意してまいります。
引き続き、変わらぬお付き合いをいただけますと幸いです。

取り急ぎ、お詫びかたがた送付申し上げます。

令和〇年〇月〇日
氏名:□□ □□
〒000-0000 東京都〇〇区〇〇〇〇
電話:090-XXXX-XXXX

【同封物】
・お詫びの品(〇〇〇〇)1点

よくある質問(FAQ)

送付状を作成する際に、よくある疑問や不安についてQ&A形式で解説します。

基本的なポイントを押さえておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

Q1. お詫びの品はメッセージカードで済ませても良い?

A. メッセージカードも誠意は伝わりますが、ビジネスでは送付状の方が正式な印象を与えます。

Q2. 送付状は手書きにすべきですか?

A. ビジネス文書ではパソコン作成が主流ですが、個人宛の場合や誠意を強調したいときは手書きも効果的です。

Q3. 謝罪文はどの程度まで具体的に書くべき?

A. 内容が重すぎると逆効果な場合もあります。

簡潔に謝意を伝え、今後の対応を明示するのが基本です。

Q4. お詫びの品を送るタイミングは?

A. 謝罪すべき出来事が発生したら、なるべく早めに送るのがマナーです。

Q5. 同封物が複数ある場合はどう記載する?

A. 「記書き」欄にリスト形式で明記します。例:

・商品交換品 1点

・説明資料 1通

まとめ|心を込めた送付状で信頼回復を

お詫びの品に添える送付状は、形式的な文書ではありますが、その中には謝罪と信頼回復への思いが込められています

状況に応じた文面と丁寧な対応が、今後の良好な関係につながります。

テンプレートも活用しながら、相手に誠意がしっかり伝わる文面を心がけましょう。

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