年賀状じまいは、これまでのお礼と、いつから年賀状を控えるかを伝えると、意図がわかりやすくなります。理由は短くてよく、詳しい病状や家庭事情まで説明する必要はありません。
年賀状をやめることは、お付き合いを終えることと同じではありません。関係を続けたい気持ちがある場合は一言添えられますが、連絡先の交換や再会の約束を無理にする必要はありません。
この記事では、最後の年賀状に使える全文例、短い添え書き、理由を添える部分例を紹介します。文例はすべて本記事のオリジナルです。[名前]などは、ご自身の内容に差し替えてください。
年賀状じまいとは?年賀状での挨拶を終えるお知らせ
年賀状じまいとは、これまで年賀状を交わしていた相手に、今後は年賀状による挨拶を控える意思を伝えることです。
何歳になったら行う、全国共通の決まった用紙や文章を使う、といった前提で考える必要はありません。年齢に限らず、準備の負担や生活の変化など、ご自身の事情に合わせて検討できます。
本記事の「お礼→年賀状を終える意思→必要に応じた今後の挨拶」という順序は、意図を伝えやすくするための編集上の提案です。公式に義務づけられた形式ではありません。季節の挨拶の時期に関する一般的な慣習とは分けて説明します。
基本の書き方|お礼と「いつから」を明確にする
- これまでのお礼:年賀状や温かい心遣いへの感謝を伝える。
- 年賀状を終える意思:最後に送る年、または送らなくなる年を書く。
- 必要に応じた結び:今後のお付き合いや、相手の健康を願う言葉を添える。
理由を入れるなら、2番目の前後に短く添えます。年賀状に書く場合は、新年の挨拶に続けて、この流れでまとめられます。「拝啓・敬具」や長い時候の挨拶を足し、正式な手紙と同じ形にする必要はありません。
最後の年賀状と、年内のお知らせでは言葉を変える
たとえば、2027年の年賀状を最後にするなら、その年賀状には「本年の年賀状をもちまして」と書きます。2026年中に連絡し、2027年から送らないなら「2027年より」と書くと明確です。
最後の年賀状に書く場合
本年の年賀状をもちまして、年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
送らなくなる前の年に知らせる場合
[送らなくなる年]年より、年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
「今年で最後」「来年から」は、書いた日と相手が読む年を取り違えないように確認してください。年末に準備する年賀状では、届く新年を基準に書きます。
相手別|最後の年賀状に書く全文例
以下は、この年賀状を最後にし、翌年から送らない場合の完成文です。理由を詳しく書かずに伝える形にしています。日付と差出人名も、はがきのレイアウトに合わせて記してください。
友人へ|普段に近い言葉で伝える
毎年、年賀状で近況を知らせてくれてありがとう。
私からの年賀状は、今年のこの一枚を最後にすることにしました。
年賀状での挨拶は一区切りにしますが、これからも変わらずよろしくお願いします。
穏やかな一年になりますように。
[年]年 元旦
[名前]
「これからもよろしく」は、その気持ちがある場合に添えます。今後の交流について約束したくない場合は、その一文を省き、相手への願いで結んでも構いません。
親戚へ|日頃の心遣いへの感謝を添える
いつも温かいお心遣いをいただき、ありがとうございます。
このたび、本年の年賀状を最後に、年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
これまで年始のお便りをいただきましたこと、心より感謝しております。
今後とも変わらぬお付き合いをいただけましたら幸いです。
皆様にとって健やかな一年となりますよう、お祈り申し上げます。
[年]年 元旦
[名前]
夫婦や家族の連名で出す場合は、誰の年賀状を終えるお知らせなのか、家族で確認してから使ってください。
目上の方・恩師へ|感謝を丁寧に伝える
長年にわたり温かい年始のご挨拶を賜り、心より御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、本年の年賀状をもちまして、年賀状によるご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
年賀状でのご挨拶は一区切りとなりますが、これまで頂戴したお心遣いへの感謝は変わりません。
[名前]様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
[年]年 元旦
[差出人名]
恩師には、宛名に合わせて[名前]様を「[名前]先生」に変えられます。本文の呼び方もそろえましょう。元日に届く想定でない場合は、「元旦」を使わず「[年]年 一月」などに整えてください。
短い文例|印刷文に添える一言
次は、新年の挨拶などが印刷済みの年賀状に加える添え書き用の短文です。全文例とは用途が異なります。印刷文に「来年も年賀状を楽しみにしています」など、矛盾する言葉がないか確認してください。
友人向けの短文
丁寧にまとめる短文
さらに短くする場合
短くする場合も、終える時点とお礼は残すと意図が伝わりやすくなります。
理由別|事情を添えたいときの文例
以下は、お礼の後などに入れる理由と意思表示の部分例です。全文例の意思表示の部分と差し替えて使ってください。理由は相手に納得してもらうために詳しく説明し続ける必要はなく、実際の事情に合う範囲でまとめます。
年齢を理由にする場合
年齢そのものや「高齢」という言葉を入れるかは、ご本人の希望で決められます。病気や体調の説明を加える必要もありません。
手書きや準備の負担を理由にする場合
相手から届く年賀状ではなく、自分の準備や生活について説明すると、相手を責める印象を避けやすくなります。
生活の変化を理由にする場合
こちらは、送らなくなる年を指定する形です。転居や仕事、家庭の事情などを、知らせたくない範囲まで書く必要はありません。
詳しい理由を書かずに伝える場合
理由を伏せたいときに、実際にはない病気や転居を理由にする必要はありません。「皆様への年賀状を控えます」と書くのも、実際に全員への送付を終える場合に限りましょう。
伝える時期と方法|最後の年賀状か、別の連絡かを選ぶ
最後の年賀状に書く場合
新年の挨拶と一緒に、翌年から年賀状を控えることを知らせる方法です。相手もその年の年賀状をすでに出している可能性があるので、行き違いで届いても不自然ではありません。
相手が次の年賀状を準備する前に知らせたい場合は、最後の年賀状を待たず、年内の別の連絡を選べます。「年賀状じまいは必ずこの日まで」と、一律の締め切りを設ける必要はありません。
別のはがき・手紙・メール・LINEで知らせる場合
普段は郵便だけでやり取りする相手なら、はがきや手紙が選択肢になります。日頃からメールやLINEで連絡している相手なら、いつもの方法で個別に伝えることも考えられます。目上の方だから必ず手紙、友人だから必ずLINE、と固定せず、普段の関係から選びましょう。
友人へ年内に送るLINEの全文例
年末以外の便りに季節の一言を添えたい方は、時候の挨拶一覧|1月〜12月の書き出しと結びをビジネス・私用別に紹介から、送る時期に合う表現を選べます。年賀状に月別の時候の挨拶を追加するための案内ではありません。
松の内を過ぎたら、寒中見舞いも選択肢
年賀状としての返礼が松の内を過ぎる場合は、寒中見舞いにお礼とお知らせを添える方法もあります。郵便局のネットショップでは、寒中見舞いを、松の内が明けてから立春を迎えるまでの冬の挨拶状として紹介しています。
松の内は1月7日まで、15日までなど地域や家庭によって異なります。相手の慣習と、その年の立春の日を確認してください。寒中見舞いには、年賀はがきではなく通常はがきや私製はがきを選ぶのが一般的です。これは季節の挨拶に関する慣習であり、年賀状じまいそのものの期限ではありません。
避けたい伝え方と言い換え
次の例は、主に受け取り方への配慮から見直したい表現です。すべてが日本語の誤りや、公式なマナー違反というわけではありません。
相手の年賀状を負担だと責める表現
「毎年いただく年賀状への返事が負担です」では、相手の好意を責めているように受け取られることがあります。自分の準備を続ける難しさに言い換えます。
相手にもやめるよう求める表現
「そちらも来年から出さないでください」は、指示のように響く場合があります。相手に同じ選択を求めず、自分の方針を伝えます。
届く年賀状も辞退したいという希望がある場合は、「今後は年賀状の送付もお控えいただけますと幸いです」と、お願いとして別に伝える方法があります。送付をやめてほしい気持ちがないなら、加える必要はありません。
お付き合い全体を終えるように読める表現
「これまでお世話になりました。さようなら」では、関係そのものを終える挨拶に見える可能性があります。「年賀状によるご挨拶」と、終える対象を限定しましょう。
終える年がわかりにくい表現
「そろそろ年賀状を控えようと思っています」では、決定したのか、いつからなのかが伝わりません。また、2027年の年賀状を最後にするのに「2027年から送りません」と書くのは、実際の送付と食い違います。これは配慮の問題だけでなく、内容の不一致として修正が必要です。
年賀状じまいを伝えた後に年賀状が届いたら
届いたからといって、相手が意向を無視したとは限りません。投函の行き違いや、前年のお知らせを忘れていた可能性もあります。まずは、届いた状況と普段の関係から対応を選びましょう。
- お礼だけ伝えたい:普段使っているメールやLINE、会ったときなどに短くお礼を伝える。
- お知らせが届いていないかもしれない:お礼とともに、年賀状を控える方針を一度簡潔に伝える。
- すでに方針が伝わっており、返信の負担も大きい:追加の返礼を控えることも選択肢にする。
必ず年賀状で返信する、必ず返信しない、と一律には決められません。一度お礼を伝えたことで、翌年から年賀状を再開する義務が生じるわけでもありません。
メール・LINEなどで返信する短文例
初めて知らせる相手には「以前お知らせしたとおり」を削り、「今年から私からの年賀状は控えておりますので」など、事実に合う言葉に変えてください。郵便で返礼する場合は、届く時期に合う挨拶を選びます。
送る前の確認と、よくある質問
送る前に確認したいこと
- 最後に送る年、または送らなくなる年が明確になっているか。
- お礼があり、相手の年賀状を責める言い方になっていないか。
- 理由や「皆様へ」という説明が、実際の事情に合っているか。
- 家族の連名や、印刷済みの文章と内容が食い違っていないか。
- [名前][年]などの差し替えが済み、文字が読みやすいか。
「年賀状じまい」という言葉を本文に入れる必要はありますか?
その言葉を使わなくても、「年賀状によるご挨拶を控えます」と書けば意思を伝えられます。相手が意味を知らない可能性がある場合は、具体的な説明のほうがわかりやすいでしょう。
メールアドレスやLINEの連絡先は必要ですか?
任意です。相手との交流を続けたい場合も、すでに連絡方法があれば、改めて載せる必要はありません。添える場合は、はがきが家族などの目に触れることも考え、記載する情報の範囲を決めてください。
句読点を使ってもよいですか?
年賀状などの挨拶状には句読点を省く慣習がありますが、必ず省かなければならないわけではありません。本記事は読みやすさを優先して句読点を入れています。省く場合は、改行や空白を使って文の区切りがわかるようにしてください。
喪中はがきを出せば、年賀状じまいも伝わりますか?
喪中はがきだけでは、翌年以降も年賀状を控える意思までは伝わりません。その年の年始の挨拶を控えることと、今後の年賀状を終えることは、分けて考えてください。両方を知らせるなら、年賀状じまいの意思と開始する年も明記します。
参考資料
年賀状じまいの意味や、季節の挨拶の慣習を確認するため、以下を参照しました。相手別の言い回しや返信の選択肢は、本記事からの提案です。
- しまうまプリント:年賀状じまいの書き方・文例・送るタイミング(意味と伝え方の参考)
- 郵便局のネットショップ:寒中見舞いの風習・意味・マナー(寒中見舞いの時期、地域差、はがきの選択、句読点の慣習の参考)