「転職したのに、前の職場より忙しくなってしまった」「入職してみたら人手不足で、毎日のように残業がある」など、転職後に職場選びを後悔する看護師は少なくありません。

看護師の人手不足が深刻な職場では、一人ひとりの業務負担が大きくなりやすく、残業の増加や希望休の取りにくさ、十分な教育を受けられないといった問題につながることがあります。

しかし、人手不足の状況は求人票だけでは分からないこともあります。

そのため、求人情報だけで判断せず、面接や職場見学など複数の情報から職場の実態を確認することが大切です。

この記事では、看護師が転職前に人手不足の職場を見抜く方法を、求人票・面接・職場見学の3つの段階に分けて詳しく解説します。

長く安心して働ける職場を探している方は、求人選びの参考にしてください。

スポンサーリンク

目次

看護師が人手不足の職場を避けたほうがよい理由

人手不足だからといって、必ずしも働きにくい職場とは限りません。

一時的な退職や産休・育休などによって、一時的に人員が不足しているケースもあるからです。

しかし、慢性的な人手不足が続いている職場では、看護師一人あたりの負担が大きくなり、働きやすさに影響する可能性があります。

転職先を選ぶ際は、人員不足の理由や職場の対応まで確認することが重要です。

残業が増えやすい

人手不足の職場では、限られた人数で多くの業務を担当するため、勤務時間内に仕事が終わらないことがあります。

看護記録や委員会活動、入退院対応などが勤務時間後まで残り、残業が常態化している職場もあります。

求人票に「残業少なめ」と書かれていても、実際の月平均残業時間や残業代の支給状況まで確認すると安心です。

希望休や有給休暇を取りにくくなることがある

スタッフの人数に余裕がない職場では、一人が休むことで勤務シフトへの影響が大きくなるため、希望休や有給休暇を取りにくい場合があります。

「有給休暇制度あり」という記載だけで判断せず、実際の有給休暇取得率や希望休の日数、連休の取りやすさなども確認しておきましょう。

夜勤回数が増える可能性がある

夜勤を担当できる看護師が不足している職場では、特定のスタッフに夜勤が集中することがあります。

入職時に聞いていた夜勤回数より多くなる可能性もあるため、「月に何回程度ですか」だけでなく、「現在のスタッフの平均的な夜勤回数は何回ですか」と確認するのがおすすめです。

新人や中途採用者の教育が十分に受けられないことがある

慢性的な人手不足の職場では、既存スタッフが日々の業務に追われ、新しく入職した看護師を教育する時間を十分に確保できないことがあります。

特にブランクがある看護師や未経験の診療科へ転職する場合は、教育担当者の有無や研修制度、独り立ちまでの流れを確認しておくことが大切です。

離職者が増えてさらに人手不足になることがある

人手不足によって一人あたりの負担が増えると、疲労やストレスから退職者が増え、さらに人手不足が進むという悪循環に陥ることがあります。

そのため、現在のスタッフ数だけでなく、離職率や平均勤続年数、中途採用者の定着状況なども職場選びの判断材料になります。

求人票から人手不足の職場を見抜く方法

求人票だけで職場の人員状況を完全に判断することはできません。

しかし、複数の求人情報を比較すると、人手不足の可能性を考えるきっかけになるポイントがあります。

ここでは、求人を探す段階で確認しておきたいポイントを紹介します。

同じ求人が長期間掲載されている

同じ医療機関が長期間にわたって看護師を募集している場合は、募集の理由を確認してみましょう。

事業拡大や病棟の増設による増員募集であれば問題ありませんが、採用しても短期間で退職者が出ているため、常に募集を続けている可能性もあります。

求人の掲載期間だけで判断するのではなく、「今回の募集は増員ですか、それとも欠員補充ですか」と面接時に確認することが大切です。

一年中いつ見ても求人が出ている

時期を変えて求人サイトを確認しても、いつも同じ職場が募集している場合は、慢性的な人手不足の可能性があります。

ただし、大規模病院や複数施設を運営する法人では、年間を通して採用活動を行っているケースもあります。「常に募集している=離職率が高い」と決めつけず、募集人数や採用理由まで確認しましょう。

募集人数が多すぎる

施設規模に対して募集人数が多い場合も、理由を確認したいポイントです。

新規開設や増床による大量採用であれば自然ですが、通常の欠員補充で多くの看護師を募集している場合は、複数の退職者が出ている可能性があります。

給与が相場より極端に高い

給与が高い求人は魅力的ですが、周辺の医療機関と比較して極端に高い場合は、給与だけで判断しないようにしましょう。

夜勤回数が多い、残業が多い、オンコールの負担が大きいなど、業務負担が給与に反映されているケースもあります。

基本給だけでなく、夜勤手当や固定残業代、各種手当を含めた給与の内訳を確認することが重要です。

「急募」「大量募集」が繰り返されている

「急募」や「複数名募集」という求人を見つけた場合は、なぜ急いで採用する必要があるのかを確認してみましょう。

急な退職者が出たケースもあれば、事業拡大による増員の場合もあります。求人情報だけでは理由が分からないため、応募前や面接時に募集背景を確認することをおすすめします。

休日や残業時間の記載が曖昧

「休日応相談」「残業あり」など、勤務条件の記載が曖昧な求人は、具体的な数字を確認することが大切です。

年間休日数、月平均残業時間、有給休暇取得率、希望休の日数などを確認すると、実際の働き方をイメージしやすくなります。

面接で人手不足の職場を見抜く方法

求人票で気になる職場を見つけたら、面接は人員状況を確認できる重要な機会です。ただし、「人手不足ですか」と直接聞くだけでは、具体的な状況が分からないことがあります。

実際の勤務状況が分かる質問をすることで、入職後の働き方をイメージしやすくなります。

今回の募集理由を確認する

まず確認したいのが、看護師を募集している理由です。

「今回の募集は増員でしょうか。それとも欠員補充でしょうか」と質問すると、採用の背景を確認できます。

欠員補充の場合は、前任者が退職した理由を詳しく答えてもらえないこともありますが、スタッフの入れ替わりが多いかどうかを知る手がかりになることがあります。

看護師の人数と配置体制を確認する

病床数だけでなく、日勤・夜勤それぞれの看護師配置を確認しましょう。

「日勤は通常何名体制ですか」「夜勤は看護師何名で担当しますか」と具体的に質問すると、実際の勤務体制を把握しやすくなります。

また、看護助手や介護職など、看護師以外のスタッフ配置について確認することも重要です。

月平均の残業時間を確認する

人員に余裕があるかを判断する材料の一つが、実際の残業時間です。

「残業はありますか」という質問だけではなく、「看護師の月平均残業時間はどのくらいですか」と数字で確認しましょう。

さらに、前残業の有無や看護記録を勤務時間内に終えられるかなども確認すると、実際の業務負担を把握しやすくなります。

夜勤回数と夜勤の人員体制を確認する

夜勤がある職場へ転職する場合は、月の夜勤回数だけでなく、夜勤時の人員体制まで確認しましょう。

人手不足の職場では、夜勤を担当できる看護師が限られているため、一部のスタッフに夜勤が集中することがあります。また、夜勤時の看護師数が少ないと、一人あたりの業務負担が大きくなる可能性があります。

面接では「月平均の夜勤回数は何回ですか」「夜勤は看護師何名体制ですか」「急な欠勤が出た場合はどのように対応していますか」など、具体的に確認しておくと安心です。

有給休暇や希望休の取得状況を確認する

求人票に「有給休暇あり」と記載されていても、実際に取得しやすいとは限りません。

人手不足の職場では、スタッフが休むと勤務シフトを組むことが難しくなり、有給休暇や希望休を申請しにくい場合があります。

「有給休暇の取得率はどのくらいですか」「希望休は月に何日まで申請できますか」「連休を取得しているスタッフはいますか」などを確認すると、休みの取りやすさを判断しやすくなります。

教育体制や独り立ちまでの期間を確認する

中途採用の看護師に対する教育体制も、人員に余裕があるかを判断するポイントの一つです。

「中途採用者にも教育担当者はつきますか」「入職後はどのような流れで仕事を覚えますか」「夜勤に入るまでの目安はどのくらいですか」などを確認しましょう。

教育スケジュールやサポート体制について具体的な説明がある職場は、中途採用者の受け入れ体制が整っている可能性があります。

面接時の質問に具体的に答えてくれるか確認する

面接では質問の内容だけでなく、採用担当者の回答にも注目しましょう。

残業時間や夜勤回数、離職状況などについて質問した際に、具体的な数字や実際の状況を説明してくれるかどうかは重要なポイントです。

質問への回答が曖昧な場合は、その場で判断せず、職場見学や追加質問などで情報を集めてから検討しましょう。

職場見学で人手不足を見抜くチェックポイント

可能であれば、入職を決める前に職場見学をしておきましょう。求人票や面接だけでは分からない職場の雰囲気や、実際に働いているスタッフの様子を確認できます。

スタッフが常に走り回っていないか

職場見学では、看護師がどのような様子で働いているかを確認しましょう。

スタッフ全員が常に走り回っている、ナースコールが鳴り続けている、休憩に入る余裕がなさそうといった状況が見られる場合は、業務量に対して人員が不足している可能性があります。

ただし、救急対応や入退院が重なるなど、一時的に忙しい時間帯だった可能性もあります。一場面だけで判断せず、スタッフの人数や通常の業務量についても確認しましょう。

スタッフの表情や雰囲気を確認する

働いている看護師の表情やスタッフ同士のコミュニケーションも、職場環境を知る手がかりになります。

挨拶があるか、スタッフ同士で声を掛け合っているか、困ったときに相談できる雰囲気があるかなどを確認しましょう。

忙しい職場でも、スタッフ同士が協力できる体制が整っていれば働きやすい場合があります。単純な忙しさだけでなく、チームワークにも注目することが大切です。

ナースステーションが整理されているか

ナースステーションやスタッフルームの状態も確認してみましょう。

書類や物品が常に散乱している場合は、整理する時間が取れないほど業務が忙しい可能性もあります。

ただし、整理整頓の状況だけで人手不足とは判断できません。あくまで職場環境を確認する一つの材料として考えましょう。

休憩を取れているか確認する

可能であれば、看護師が実際に休憩時間を確保できているか確認しましょう。

人手不足の職場では、休憩中にもナースコール対応を求められたり、十分な休憩時間を確保できなかったりすることがあります。

面接や見学時に「休憩は交代で取れていますか」と質問することで、実際の勤務状況を確認できます。

新人や中途採用者をサポートする余裕があるか

入職後に安心して働くためには、新人や中途採用者をフォローできる体制があることも重要です。

職場見学では、スタッフ同士で質問や相談をしている様子があるか、教育担当者が配置されているかなどを確認しましょう。

特に未経験分野へ転職する場合やブランクがある場合は、教育体制を重視して職場を選ぶことをおすすめします。

人手不足でも働きやすい職場の特徴

医療・介護の現場では、一時的に人員が不足することもあります。そのため、人手不足という理由だけで転職候補から外す必要はありません。

大切なのは、人員が不足したときに職員の負担を減らす仕組みや対策があるかどうかです。

業務分担が明確になっている

看護師が看護業務に集中できるよう、看護助手や介護職、医療事務などとの業務分担が明確な職場は、一人あたりの負担を軽減しやすくなります。

職場を選ぶ際は、看護師の人数だけではなく、他職種を含めた人員配置も確認しましょう。

残業を減らす取り組みがある

電子カルテや業務支援システムの導入、記録方法の見直し、委員会活動の勤務時間内実施など、残業を減らす具体的な取り組みがある職場は、働きやすさを考えている可能性があります。

面接では「残業削減のために取り組んでいることはありますか」と質問してみるのも一つの方法です。

急な欠勤をフォローできる体制がある

子育て中の看護師などにとって、急な休みが発生した際のフォロー体制は重要です。

欠勤が出るたびに休日のスタッフを呼び出す職場よりも、応援体制や人員配置の調整によって対応できる職場のほうが、スタッフ一人ひとりの負担を抑えやすいでしょう。

採用と定着の両方に取り組んでいる

人手不足を解消するためには、新しい看護師を採用するだけでなく、現在働いているスタッフが長く続けられる環境を整えることも重要です。

教育制度の充実や勤務シフトの見直し、有給休暇の取得促進など、職員の定着に向けた取り組みがあるか確認しましょう。

人手不足の職場を避けるための求人選び7項目チェックリスト

看護師が転職先を選ぶ際は、「人手不足かどうか」だけでなく、実際の働き方を複数の項目から確認することが大切です。

応募や内定承諾の前に、次の7項目をチェックしてみましょう。

  1. 残業時間:月平均の残業時間と前残業の有無を確認する
  2. 夜勤回数:月平均の夜勤回数と夜勤時の看護師配置を確認する
  3. オンコール:オンコールの有無、月の担当回数、実際の呼び出し頻度を確認する
  4. 有給取得率:有給休暇の取得率や希望休、連休の取りやすさを確認する
  5. 離職率:可能であれば離職率や平均勤続年数、中途採用者の定着状況を確認する
  6. 人員配置:日勤・夜勤の看護師数と看護助手など他職種の配置を確認する
  7. 教育体制:中途採用者への研修や教育担当者、独り立ちまでのサポートを確認する

すべての条件が理想どおりの職場を見つけることは難しいかもしれません。

自分が特に重視したい条件に優先順位をつけ、複数の求人を比較することが転職後のミスマッチを減らすポイントです。

人手不足の職場への転職を避けるためにできること

複数の求人を比較する

一つの求人だけを見ていると、その給与や休日、残業時間が一般的な条件なのか判断しにくくなります。

同じ地域・同じ施設形態の求人を複数比較し、給与、年間休日、残業時間、夜勤回数などを確認しましょう。

求人票だけで転職先を決めない

求人票には基本的な勤務条件は掲載されていますが、職場の雰囲気や実際の忙しさまでは分からないことがあります。

面接で具体的な質問をし、可能であれば職場見学を行ってから転職を判断しましょう。

内定が出てもすぐに決めない

内定をもらうと安心してすぐに入職を決めたくなるかもしれませんが、勤務条件を改めて確認することが大切です。

給与、勤務時間、休日、夜勤回数など、重要な条件は書面でも確認し、不明点があれば入職前に質問しましょう。

転職サイトや転職エージェントから情報を集める

自分だけでは職場の内部情報を確認しにくい場合は、看護師向け転職サイトや転職エージェントを活用する方法もあります。

サービスによっては、求人票だけでは分からない職場の雰囲気や過去の紹介実績などの情報を持っている場合があります。

ただし、得られる情報の範囲や正確性はサービスによって異なるため、複数の情報を照らし合わせて判断しましょう。

看護師向け転職サービスを比較してから選びたい方は、看護師向けおすすめ転職サイト比較」も参考にしてください。

各サービスの特徴を比較し、自分に合った転職サポートを選ぶポイントを詳しく紹介しています。

人手不足だけでなく求人条件も確認して転職先を選ぼう

人手不足の職場を避けることも大切ですが、転職後に長く働くためには、自分の希望条件に合った求人を選ぶことも重要です。

給与だけで判断せず、残業時間、夜勤回数、休日、人員配置、教育体制などを総合的に確認しましょう。

求人選びで後悔したくない方は、看護師の転職で失敗しない求人の選び方もあわせて確認してみてください。

応募前にチェックしたいポイントや、自分に合った職場を見極める方法を詳しく解説しています。

働きやすい職場を探している看護師へ

人手不足を避けるだけでなく、残業や休日、職場環境などを重視して転職先を探している方もいるでしょう。

働きやすい職場の特徴や見分け方については、

看護師がホワイトな職場へ転職する方法|働きやすい職場の特徴と見分け方を解説で詳しく紹介しています。

人手不足の確認とあわせて、転職先選びの参考にしてください。

看護師が人手不足の職場を見抜く方法に関するよくある質問

Q1.いつも求人を出している病院は人手不足ですか?

いつも求人を掲載しているからといって、必ずしも慢性的な人手不足とは限りません。

大規模病院の定期採用や事業拡大、増床などを理由に継続して募集している場合もあります。

応募前や面接時に、増員募集なのか欠員補充なのかを確認しましょう。

Q2.面接で人手不足かどうか聞いても大丈夫ですか?

質問しても問題ありません。

ただし、「人手不足ですか」と聞くよりも、「日勤は通常何名体制ですか」「今回の募集は増員ですか、欠員補充ですか」など、具体的に質問したほうが実際の状況を把握しやすくなります。

Q3.職場見学ではどこをチェックすればよいですか?

スタッフの人数や表情、忙しさ、スタッフ同士の声掛け、休憩の取りやすさなどを確認しましょう。

ただし、一時的に忙しい時間帯もあるため、一つの場面だけで判断せず、面接で聞いた情報とあわせて判断することが大切です。

Q4.人手不足の職場はすべて避けるべきですか?

必ずしもそうとは限りません。

産休・育休や事業拡大などによる一時的な人員不足の場合もあります。

人手が不足した際の応援体制や業務分担、採用計画、残業削減への取り組みなどを確認し、職員の負担を減らす仕組みがあるかを判断しましょう。

自分に合った職場を見つけたい方へ

「求人票だけでは人手不足か判断できない」「職場の雰囲気や実際の働き方も確認してから転職したい」という方は、看護師向け転職サービスを活用して情報を集める方法もあります。

複数の求人を比較しながら、残業時間や夜勤回数、休日、教育体制など、自分が重視する条件に合った職場を探してみましょう。

看護師向けおすすめ転職サイトを比較する

転職先は給与や知名度だけで決めず、「無理なく働き続けられるか」という視点で選ぶことが大切です。

求人票・面接・職場見学を活用して、自分に合った職場を慎重に見極めましょう。

まとめ|人手不足の職場は求人票・面接・職場見学で見抜こう

看護師が人手不足の職場への転職を避けるためには、求人票だけで判断しないことが大切です。

同じ求人が長期間掲載されている、募集人数が多い、勤務条件の記載が曖昧といった点が気になる場合は、募集理由や実際の勤務状況を確認しましょう。

面接では、日勤・夜勤の人員配置、残業時間、夜勤回数、有給休暇の取得状況、教育体制などを具体的に質問することがポイントです。

さらに、可能であれば職場見学を行い、スタッフの働き方や職場の雰囲気も確認しましょう。

複数の情報を組み合わせることで、入職後のミスマッチを減らし、自分が安心して長く働ける職場を見つけやすくなります。