「何年働いても給料がほとんど上がらない」「仕事は増えているのに、収入は入社した頃と変わらない」と悩んでいませんか。

事務職は、会社の業務を支える大切な仕事です。しかし、成果が数字に表れにくく、営業職や専門職と比べて昇給につながりにくい場合があります。

ただし、事務職だから給料が上がらないと決まっているわけではありません。現在の評価制度や担当業務を確認し、スキルを増やしたり、より待遇のよい職場へ移ったりすることで年収を上げられる可能性があります。

この記事では、事務職の給料が上がらない主な理由と、年収を上げるためにできる5つの方法を解説します。今の会社に残るか転職するか迷っている方は、判断材料としてお役立てください。

この記事でわかること

  • 事務職の給料が上がりにくい主な理由
  • 給料が上がらない会社に見られる特徴
  • 事務職のまま年収を上げる5つの方法
  • 昇給を相談するときの準備と伝え方
  • 今の会社に残るか転職するかの判断基準
  • 転職先を選ぶときに確認したい7項目
スポンサーリンク



事務職は本当に給料が上がらない?

事務職は、ほかの職種と比べて給料が上がりにくいと感じる人が少なくありません。

その理由の一つは、仕事の成果を売上や契約件数などの数字で示しにくいことです。書類の正確さや迅速な対応、周囲への気配りなどは会社にとって欠かせませんが、評価する基準が曖昧になりやすい傾向があります。

また、会社によっては事務職の昇給額や役職が限られており、長く勤務しても給与水準が大きく変わらないことがあります。

ただし、給料が上がるかどうかは「事務職だから」だけで決まるものではありません。会社の業績、給与制度、担当業務、雇用形態、保有スキルなどによっても変わります。

まずは、給料が上がらない原因が自分にあるのか、会社の制度にあるのかを分けて考えることが大切です。

事務職の給料が上がりにくい7つの理由

1.仕事の成果が数字で見えにくい

事務職の仕事は、書類作成、電話対応、データ入力、備品管理、日程調整など、社内の業務を円滑に進める役割が中心です。

ミスなく仕事を終えても、それが「できて当然」と受け取られ、評価に反映されないことがあります。

一方で、営業職の売上や契約件数のような明確な数字がないため、上司が昇給の根拠を示しにくいこともあります。

2.定型業務が多いと思われている

事務職には、毎月または毎年繰り返す定型業務があります。そのため、会社側から「誰が担当しても同じ仕事」と見られる場合があります。

実際には、仕事の正確さや処理速度、調整力によって業務の質は変わります。しかし、その違いが評価制度に組み込まれていなければ、経験年数が増えても給料は上がりにくくなります。

3.昇進できる役職が少ない

事務部門は、営業部門などと比べて人数が少なく、主任や係長、課長といった役職の枠も限られていることがあります。

上の役職が空かなければ、能力や経験があっても昇進できません。役職手当がつかないため、年収が大きく増えない状態が続くこともあります。

4.評価基準が明確ではない

何を達成すれば昇給するのかが明確でない会社では、努力の方向がわからなくなります。

「頑張っている」「周囲を支えている」という評価だけでは、具体的な昇給につながらない場合があります。

評価面談がない、目標設定が行われない、昇給基準を質問しても説明されない場合は、会社の評価制度そのものに問題がある可能性があります。

5.会社の業績が伸びていない

本人が努力していても、会社の業績が悪ければ昇給や賞与は期待しにくくなります。

売上が減っている、経費削減が続いている、人員補充が行われないといった状況では、事務職に限らず給料が上がらない可能性があります。

6.担当業務の範囲が変わっていない

入社したときと同じ業務を続けている場合、会社側は給与を上げる理由を見つけにくくなります。

難しい仕事を引き受ける、業務改善に取り組む、後輩を指導するなど、以前より責任のある役割を担当することで評価につながる可能性があります。

7.非正規雇用で昇給制度が限られている

契約社員やパート、派遣社員などは、雇用契約によって給与の決まり方が異なります。

勤続年数だけでは時給や月給が上がらず、契約更新時の交渉や担当業務の変更が必要になることもあります。

昇給の条件がわからない場合は、雇用契約書や就業規則を確認しましょう。派遣社員の場合は、勤務先ではなく派遣会社の担当者へ相談します。

給料が上がらないと感じたときに最初に確認すること

給料への不満だけで退職を決める前に、現在の給与と評価制度を具体的に確認しましょう。

基本給と手当の内訳を確認する

給与明細を見て、基本給、職務手当、資格手当、残業手当などの内訳を確認します。

月給が変わっていないように見えても、手当が増えている場合があります。反対に、手当だけが増えて基本給が上がっていない場合は、賞与や退職金の計算に影響する可能性があります。

過去数年間の昇給額を確認する

感覚だけでなく、入社時から現在までの基本給と年収の変化を確認しましょう。

毎年少額でも昇給しているのか、何年間もまったく変わっていないのかによって、今後の対応は異なります。

昇給の時期と条件を確認する

就業規則や人事評価制度に、昇給の時期や条件が記載されていることがあります。

資格取得、評価結果、勤続年数、役職への昇進など、どの条件を満たせば給与が上がるのかを確認してください。

同じ地域・職種の求人と比較する

求人サイトなどで、同じ地域、経験年数、業務内容の事務職と給与を比較します。

現在の給与が相場より低い場合は、昇給交渉や転職を考える根拠になります。相場と大きく変わらない場合は、手当や働き方を含めて年収を上げる方法を検討しましょう。

事務職のまま年収を上げる5つの方法

1.評価につながるスキルを身につける

資格を取ること自体を目的にするのではなく、現在の仕事や希望する職種で評価されるスキルを選びましょう。

たとえば、Excelの関数やピボットテーブル、業務自動化、会計ソフト、給与計算、社会保険手続きなどは、職場によって実務に役立つ可能性があります。

経理事務なら簿記、人事・労務事務なら給与計算や社会保険、貿易事務なら語学力や貿易実務など、目指す仕事に合わせて学ぶことが大切です。

ただし、資格を取得すれば必ず昇給するとは限りません。取得前に、資格手当の有無や社内評価との関係を確認してください。

2.業務改善の実績を数字で残す

事務職の成果は、意識して記録しなければ見えにくいものです。

「書類作成の時間を1件あたり10分短縮した」「入力ミスを月10件から2件に減らした」「在庫管理方法を変更して発注漏れを防いだ」など、改善前と改善後を数字で残しましょう。

数字にできない仕事でも、マニュアル作成、問い合わせ対応、後輩の指導、他部署との調整など、担当した内容を記録できます。

こうした実績は、社内評価だけでなく転職活動でも役立ちます。

3.担当業務の範囲を広げる

一般事務から営業事務、経理事務、人事・労務事務などへ業務範囲を広げることで、専門性を高められる場合があります。

ただし、仕事だけが増えて給与が変わらない状態にならないよう注意が必要です。新しい仕事を引き受ける前に、評価方法や役割変更について上司へ確認しましょう。

4.昇給や異動について相談する

給与について相談するときは、「給料が低いので上げてください」と伝えるだけでは、希望が通りにくいことがあります。

これまでの実績、増えた業務、取得したスキル、今後担当できる仕事を整理し、昇給の条件を確認する形で相談しましょう。

現在の部署で昇給が難しい場合は、専門性を生かせる部署への異動を希望する方法もあります。

5.より待遇のよい会社へ転職する

会社の給与水準や昇給制度に原因がある場合、個人の努力だけで年収を上げることは難しくなります。

数年間昇給がない、仕事や責任だけが増えている、評価基準が示されないという場合は、転職によって状況を変えられる可能性があります。

ただし、月給だけを見て転職先を決めると、残業や休日など別の条件が悪くなることがあります。年収と働きやすさの両方を比較しましょう。

昇給を相談するときの準備と伝え方

昇給について相談することは、わがままではありません。ただし、感情的に不満を伝えるのではなく、会社側が判断しやすい材料を用意することが大切です。

担当業務と実績を一覧にする

入社時から増えた業務、改善したこと、周囲から任されている役割を一覧にします。

処理件数、作業時間、ミスの減少、経費削減など、数字で表せるものがあれば記載しましょう。

相談する時期を選ぶ

人事評価の直前や次年度の予算を決める前など、会社が給与を検討しやすい時期に相談します。

繁忙期や上司が急いでいるときに突然伝えるのではなく、事前に面談の時間をお願いしましょう。

昇給条件を具体的に質問する

次のように、今後の行動につながる聞き方をすると話し合いやすくなります。

「現在は〇〇と△△を担当しています。今後、どのような役割や成果を達成すれば、昇給の対象になりますか」

すぐに昇給できないと言われた場合は、必要な条件、評価時期、今後任せてもらえる仕事を確認してください。

回答の内容を判断材料にする

具体的な条件や時期を示してもらえた場合は、その内容に取り組んでから再度相談できます。

一方、「そのうち考える」「事務職だから仕方がない」といった曖昧な回答が続く場合は、現在の会社で年収を上げるのが難しい可能性があります。

給料が上がらない会社に残るか転職するかの判断基準

給料が上がらないからといって、必ずしもすぐ転職する必要はありません。仕事内容や人間関係、休日、通勤時間など、給与以外の条件も含めて判断しましょう。

今の会社に残る選択が向いている場合

  • 少額でも定期的な昇給がある
  • 昇給条件や評価基準が明確になっている
  • 希望する業務や部署へ移れる可能性がある
  • 残業が少なく、休日を取りやすい
  • 人間関係や職場環境に大きな不満がない
  • 身につけたい経験やスキルを得られる
  • 給与以外の福利厚生が充実している

転職を検討したほうがよい場合

  • 何年働いても基本給がほとんど変わらない
  • 業務や責任だけが増え、評価されていない
  • 昇給の条件や評価基準を説明してもらえない
  • 会社の業績悪化や人員削減が続いている
  • 同じ地域・業務内容の求人より給与が低い
  • スキルを身につけても生かせる仕事がない
  • 生活に必要な収入を確保できない

転職するか迷っている場合は、退職を決める前に求人を調べてみましょう。実際の給与や応募条件を確認するだけでも、現在の職場を客観的に判断できます。

退職への迷いが強い方は、事務職を辞める勇気が出ないときに考えたいことも参考にしてください。

転職後の仕事が見つかるか不安な方は、事務職を辞めたいけれど次がないと不安な人へで、退職前にできる準備を確認できます。

転職先を選ぶときに確認したい固定チェック7項目

年収を上げるために転職する場合でも、提示された月給だけで決めるのは避けましょう。次の7項目を確認すると、入社後の後悔を防ぎやすくなります。

1.給与・賞与・昇給

基本給、各種手当、賞与の支給実績、昇給の有無と評価基準を確認します。

求人票に「昇給あり」と書かれていても、具体的な金額や実績まではわからない場合があります。面接では、差し支えない範囲で昇給の時期や評価方法を確認しましょう。

固定残業代が含まれている場合は、対象となる時間数と超過分の支給についても確認が必要です。

2.残業

月平均の残業時間だけでなく、繁忙期の残業や持ち帰り仕事の有無も確認します。

月給が上がっても残業時間が大幅に増えれば、時間当たりの収入が下がる可能性があります。

3.休日・休暇

年間休日、完全週休2日制かどうか、有給休暇の取りやすさ、年末年始や夏季休暇の有無を確認します。

「週休2日制」は、毎週必ず2日休めるという意味ではないため注意してください。

4.業務内容

一般事務と書かれていても、電話営業、来客対応、経理補助、社内清掃などが含まれることがあります。

担当する業務の範囲、1日の流れ、使用するソフト、求められる経験を確認しましょう。

5.人員体制

事務職の人数、欠員補充か増員か、一人事務になる可能性があるかを確認します。

少人数の職場では幅広い経験を積める一方、休みを取りにくかったり、一人に仕事が集中したりすることがあります。

6.教育・引き継ぎ体制

入社後に誰が仕事を教えるのか、研修期間はどのくらいか、業務マニュアルがあるかを確認します。

前任者の退職日が迫っている場合は、十分な引き継ぎを受けられない可能性があります。

7.職場環境

職場の年齢構成、部署間の連携、上司への相談のしやすさ、評価面談の有無などを確認します。

可能であれば、面接時の社員同士の様子や職場の雰囲気も見ておきましょう。

年収を上げたい事務職が転職前に準備すること

これまでの経験を棚卸しする

担当した業務を「一般事務」とまとめるのではなく、使用したソフト、処理件数、対応した相手、改善したことまで書き出します。

自分では普通だと思っている経験が、別の会社では評価されることがあります。

希望年収と最低条件を決める

希望年収だけでなく、これより下では生活が難しいという最低条件も決めておきます。

年間休日、残業時間、通勤時間、仕事内容などについても、譲れない条件と妥協できる条件を整理しましょう。

在職中に求人を比較する

収入が途切れることに不安がある場合は、今の会社で働きながら求人を調べる方法があります。

転職活動を始めたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。条件のよい求人がなければ、現在の職場に残る選択もできます。

給料の低さを理由に転職するか迷っている方は、サイト内の事務職の給料が安いと感じたときの関連記事もあわせてご覧ください。

事務職の給料が上がらないときのFAQ

Q1.事務職は何年働いても給料が上がらないのでしょうか?

事務職でも昇給する会社はあります。昇給の有無は、会社の給与制度、業績、評価基準、担当業務、役職などによって異なります。まずは就業規則や過去の給与明細を確認し、昇給条件を上司や人事担当者へ尋ねてみましょう。

Q2.資格を取れば給料は上がりますか?

資格を取っただけで必ず給料が上がるわけではありません。資格手当があるか、取得した資格を生かせる仕事を担当できるかを確認する必要があります。現在の仕事や希望する転職先で評価される資格を選びましょう。

Q3.上司に給料を上げてほしいと伝えてもよいですか?

相談しても問題ありません。ただし、不満だけを伝えるのではなく、担当業務、実績、増えた責任、身につけたスキルを整理し、昇給に必要な条件を確認する形で伝えると話し合いやすくなります。

Q4.給料が上がらないことを理由に転職してもよいですか?

生活に必要な収入を得られない場合や、会社の制度上、将来も昇給を期待できない場合は、転職を考える正当な理由になります。ただし、給与だけでなく残業、休日、仕事内容、職場環境なども含めて比較しましょう。

Q5.転職すれば必ず年収は上がりますか?

転職しただけで必ず年収が上がるわけではありません。これまでの経験を生かせる求人を選び、基本給、賞与、手当、残業代を含めた年収で比較することが大切です。求人票だけで判断せず、面接や労働条件通知書でも確認しましょう。

まとめ|給料が上がらない原因を整理して次の行動を決めよう

事務職の給料が上がらない背景には、成果が数字で見えにくいことや、昇進できる役職が少ないこと、会社の評価制度や業績など、さまざまな理由があります。

年収を上げたい場合は、まず給与の内訳と昇給条件を確認しましょう。そのうえで、仕事に役立つスキルを身につける、業務改善の実績を残す、担当業務を広げる、昇給や異動を相談するといった方法があります。

努力や実績が評価されず、会社の制度上も昇給を期待できない場合は、転職も選択肢の一つです。

ただし、今すぐ退職する必要はありません。在職中に求人を調べ、給与・賞与・昇給、残業、休日・休暇、業務内容、人員体制、教育・引き継ぎ体制、職場環境の7項目を比較してから判断できます。

「事務職だから仕方がない」と諦めるのではなく、自分の経験と希望する働き方を整理し、納得できる収入へ近づくための一歩を始めましょう。