「今の事務職を辞めたい。でも、次の仕事が決まらなかったらどうしよう」と、不安を抱えていませんか。
仕事がつらくても、収入が途切れることや、転職先が見つからないことを考えると、簡単には退職を決められないものです。
特に事務職は人気が高く、求人によっては応募が集まりやすいため、「自分には特別な資格も経験もない」「年齢的に転職は難しいかもしれない」と感じる方もいるでしょう。
しかし、今すぐ退職するか、このまま我慢して働き続けるかの二択で考える必要はありません。
在職中に自分の経験を整理し、求人を調べ、必要な準備を進めることもできます。
この記事では、事務職を辞めたいけれど次がないと不安な方に向けて、不安の正体を整理し、退職前にできる準備や転職先を選ぶときの判断基準を解説します。
- 事務職を辞めたいのに次がないと不安になる理由
- 退職を決める前に整理しておきたいこと
- 在職中に始められる転職準備と仕事の探し方
- 先に辞めてもよい場合と在職中に探したほうがよい場合
- 次の職場で確認したい7つの項目
事務職を辞めたいけれど次がないと不安になる理由
事務職を辞めたい気持ちがあっても、退職後の生活や転職活動を考えると不安になるのは自然なことです。
まずは、自分が何に不安を感じているのかを具体的に分けてみましょう。
不安の正体がわかると、必要な準備も見つけやすくなります。
収入が途切れることが怖い
退職後に次の仕事がすぐ決まるとは限りません。
家賃や住宅ローン、生活費などの支払いがある場合、収入がなくなることへの不安は大きくなります。
この場合は、感情だけで退職日を決めるのではなく、毎月必要な生活費と現在の貯蓄額を確認することが大切です。
生活費がどのくらい必要なのかを数字で把握すると、「何か月以内に次の仕事を決めればよいか」「在職中に転職活動をしたほうがよいか」を判断できます。
事務職の求人は競争率が高いと思っている
一般事務は未経験から応募できる求人もあるため、応募者が集まりやすい傾向があります。
そのため、求人を見ただけで「自分は採用されないかもしれない」と不安になる方もいます。
ただし、事務職といっても仕事内容はさまざまです。一般事務だけでなく、営業事務、経理事務、総務、人事、受付、医療事務、学校事務などがあります。
これまで経験した業務と重なる職種まで広げれば、応募できる求人が見つかる可能性があります。
特別な資格やスキルがないと思っている
毎日行っている仕事を「誰にでもできること」と考え、自分にはアピールできるスキルがないと思う方も少なくありません。
しかし、電話対応、来客対応、データ入力、書類作成、請求書処理、在庫管理、スケジュール調整なども、事務職で身につけた大切な経験です。
使用したソフト、処理した件数、担当した業務の範囲、工夫したことまで書き出すと、自分の強みが見つかりやすくなります。
年齢によって転職が難しくなると思っている
年齢を理由に「今から転職するのは遅い」と考えてしまうこともあります。
しかし、採用では年齢だけでなく、実務経験、仕事の正確さ、対応力、職場との相性なども見られます。
若さだけで勝負しようとせず、これまでの経験を次の職場でどのように生かせるかを伝えることが重要です。
たとえば、後輩への業務説明、取引先との調整、ミスを防ぐ仕組みづくりなども、経験を重ねた人だからこそ伝えられる強みです。
転職しても同じ悩みを繰り返しそうで怖い
辞めたい原因を整理しないまま転職すると、次の職場でも同じ悩みを抱える可能性があります。
仕事内容が合わなかったのか、残業が多かったのか、人間関係がつらかったのかによって、選ぶべき転職先は変わります。
転職後の後悔を防ぐためにも、まずは事務職がつらいと感じる理由を整理し、自分が避けたい条件を明確にしましょう。
「次がない」という不安は事実と予想に分けて考える
不安が強くなると、「応募しても採用されない」「自分には転職先がない」と、まだ起きていないことまで事実のように感じてしまいます。
不安を小さくするには、現在わかっている事実と、自分の予想を分けることが有効です。
| 不安に感じていること | 確認できる事実 | 今できる行動 |
|---|---|---|
| 応募できる求人がない | 希望条件に合う求人をまだ十分に調べていない | 求人サイトで勤務地や職種を変えて検索する |
| 採用されないと思う | まだ応募していない、または応募数が少ない | 応募書類を見直し、複数の求人を比較する |
| アピールできる経験がない | 日常業務を整理していない | 担当業務、使用ソフト、成果を書き出す |
| 生活できなくなる | 退職後の生活費を計算していない | 毎月の支出と貯蓄で暮らせる期間を確認する |
「次がない」と決めつける前に、求人を調べ、自分の経験を整理し、実際に応募できる仕事があるかを確認してみましょう。
事務職を辞めたいと思ったときに最初に整理すること
辞めたい原因を書き出す
最初に、「なぜ辞めたいのか」を具体的に書き出します。
- 給料が低く、昇給も期待できない
- 仕事量が多く、残業が続いている
- 休みを取りにくい
- 仕事内容が単調で成長を感じられない
- 人手不足で負担が集中している
- 教育や引き継ぎが不十分である
- 上司や同僚との人間関係がつらい
辞めたい原因が職場にあるのか、事務職という働き方そのものにあるのかも分けて考えましょう。
職場環境が原因なら、別の会社の事務職へ転職することで改善できる可能性があります。
一方、デスクワークや細かな確認作業そのものが合わない場合は、別職種も選択肢になります。
改善できる問題かを確認する
退職しなくても改善できる可能性があるなら、先に方法を検討してみましょう。
仕事量について上司へ相談する、担当業務を見直してもらう、部署異動を希望する、有給休暇を取って休むなどの方法があります。
ただし、相談しても改善されない場合や、相談できる職場環境ではない場合まで、無理に我慢する必要はありません。
改善の見込みがあるかどうかも、退職を判断する材料になります。
次の職場で実現したい条件を決める
「今の会社が嫌だから」という理由だけで求人を選ぶと、大切な条件を見落としやすくなります。
次の職場で実現したい条件を、次の3段階に分けて整理しましょう。
- 絶対に譲れない条件:生活や健康を守るために必要な条件
- できれば実現したい条件:満たされると働きやすくなる条件
- 妥協できる条件:ほかの条件がよければ受け入れられるもの
すべての希望を満たす求人を探すよりも、優先順位を決めたほうが転職先を選びやすくなります。
次の仕事が決まる前に辞めてもよい場合
基本的には、収入面の不安を減らすため、在職中に転職活動を進めると安心です。
ただし、心身の状態によっては、転職先が決まるまで働き続けることが適切とは限りません。
- 朝になると強い吐き気や動悸がある
- 眠れない状態や食欲がない状態が続いている
- 仕事のことを考えると涙が出る
- 休日も仕事の不安から離れられない
- 職場でハラスメントを受けている
- 長時間労働が続き、十分に休めない
- ミスや事故につながりそうなほど集中できない
このような状態が続いている場合は、転職活動よりも休養を優先することがあります。
必要に応じて、家族、医療機関、勤務先の相談窓口などに相談してください。
事務職の辞めどきを示すサインも確認し、体調を崩すまで我慢することがないようにしましょう。
在職中に転職活動をしたほうがよい場合
次に当てはまる方は、働きながら転職先を探す方法が向いています。
- 毎月の生活費に余裕がない
- 貯蓄が少なく、収入を途切れさせたくない
- 心身の状態にはまだ余裕がある
- 転職したい職種や条件が決まっていない
- 希望する求人が見つかるまで時間をかけたい
在職中であれば、希望に合わない求人へ急いで応募する必要がありません。
今の職場と求人を比較しながら、条件を冷静に判断できます。
ただし、仕事と転職活動を同時に進めると疲れやすいため、求人を見る日、応募書類を作る日、休む日を分けることも大切です。
事務職を辞める前に進めたい6つの準備
1.退職後に必要な生活費を計算する
家賃、食費、光熱費、通信費、保険料など、毎月必要な支出を確認します。
退職後は税金や社会保険料の支払いが必要になる場合もあるため、生活費だけで判断しないようにしましょう。
貯蓄で暮らせる期間が短い場合は、在職中の転職活動を優先します。
一定期間暮らせる余裕がある場合でも、転職活動が長引く可能性を考えておくと安心です。
2.これまで担当した業務を一覧にする
職務経歴書を作る前に、担当業務をできるだけ細かく書き出します。
- 書類や資料の作成
- データ入力と集計
- 電話、メール、来客への対応
- 請求書や伝票の処理
- 受発注や在庫の管理
- 会議やスケジュールの調整
- 新人への業務説明や引き継ぎ
「何を担当したか」だけでなく、「どのくらいの件数を処理したか」「どのような工夫をしたか」まで整理すると、経験を具体的に伝えられます。
3.使用できるソフトやシステムを整理する
WordやExcelだけでなく、会計ソフト、勤怠管理システム、顧客管理システム、チャットツールなど、仕事で使用したものを確認します。
Excelについては、「使える」とだけ書くのではなく、表作成、関数、データ集計など、実際にできる操作を具体的に伝えましょう。
4.求人の相場を調べる
退職を決める前に、希望する地域でどのような求人が出ているかを確認します。
給与だけでなく、求人数、必要な経験、雇用形態、勤務時間なども見ておくと、自分が応募できる仕事の範囲がわかります。
一般事務の求人が少ない場合は、営業事務、経理補助、総務補助など、これまでの経験を生かせる周辺職種まで調べてみましょう。
5.応募書類を準備する
履歴書と職務経歴書は、退職を決めてから慌てて作る必要はありません。
在職中から少しずつ準備できます。
応募先ごとに、求められている仕事内容と自分の経験が重なる部分を伝えましょう。
同じ応募書類をすべての会社へ送るよりも、求人に合わせて内容を整えたほうが強みが伝わります。
6.退職時期を具体的に考える
就業規則を確認し、退職の申し出が必要な時期、有給休暇の残日数、担当業務の引き継ぎ期間などを整理します。
賞与の支給時期や繁忙期だけで退職を先延ばしにする必要はありませんが、心身に余裕がある場合は、生活面で不利になりにくい時期を選ぶこともできます。
事務職経験を生かせる次の仕事
「事務職を辞めたら、経験が無駄になる」と考える必要はありません。
事務職で身につけた正確さ、調整力、パソコン操作、対人対応は、さまざまな仕事で生かせます。
別の会社の事務職
事務職そのものではなく、現在の会社の待遇や人間関係に問題がある場合は、別の会社で同じ職種を続ける方法があります。
経験者として応募できるため、担当業務が近い求人では、これまでの経験を評価してもらえる可能性があります。
営業事務
営業担当者のサポート、見積書作成、受発注、納期調整などを行います。一般事務の経験に加えて、社内外との調整が得意な方に向いている仕事です。
経理・総務・人事の補助業務
請求書処理、経費精算、勤怠管理、備品管理、採用業務などの経験がある場合は、専門事務の補助業務も選択肢になります。
経験を重ねることで、将来的に専門性を高められる可能性もあります。
受付やカスタマーサポート
電話対応や来客対応の経験は、受付やカスタマーサポートでも生かせます。
人と話すことが好きで、相手の話を聞いて対応することが得意な方に向いています。
在宅勤務が可能な事務・サポート業務
企業によっては、オンラインでの事務処理、データ入力、営業支援などを行う求人もあります。
ただし、「完全在宅」と書かれていても、研修中の出社、出社日の設定、パソコンや通信環境の条件がある場合があります。応募前に勤務方法を確認しましょう。
次の職場を選ぶときに確認したい7つの項目
「早く今の会社を辞めたい」という気持ちだけで転職先を決めると、条件を十分に確認できないことがあります。
次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、求人票、面接、職場見学などで以下の7項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 給与・賞与・昇給 | 基本給、固定残業代、各種手当、賞与実績、昇給制度 |
| 残業 | 月平均の残業時間、繁忙期、残業が発生する理由 |
| 休日・休暇 | 年間休日、有給休暇の取りやすさ、休日出勤の有無 |
| 業務内容 | 担当業務の範囲、電話対応、来客対応、兼務の有無 |
| 人員体制 | 事務担当者の人数、欠員理由、一人に負担が集中しないか |
| 教育・引き継ぎ体制 | 研修期間、担当者、マニュアル、独り立ちまでの流れ |
| 職場環境 | 上司や同僚との連携、相談方法、職場の雰囲気 |
1.給与・賞与・昇給
月給だけを見るのではなく、基本給と手当の内訳を確認します。
給与額が高く見えても、固定残業代が含まれている場合があります。
賞与や昇給についても、「あり」という記載だけで判断せず、過去の実績や評価方法を確認しましょう。
2.残業
月平均の残業時間だけでなく、繁忙期にどの程度増えるのかを確認します。
「残業は少ない」という説明でも、始業前の準備や持ち帰り作業が発生していないか、質問できる範囲で確認しておくと安心です。
3.休日・休暇
年間休日の日数、土日祝日の出勤、有給休暇の取得状況を確認します。
年間休日が同じでも、会社カレンダーによる土曜出勤がある職場と、完全週休2日制の職場では働き方が異なります。
4.業務内容
「一般事務」という職種名だけでは、実際の担当業務はわかりません。
電話対応、営業支援、経理処理、清掃など、どこまで担当するのかを確認しましょう。
入社後のミスマッチを防ぐには、一日の仕事の流れを質問する方法もあります。
5.人員体制
事務職が一人だけなのか、複数人で仕事を分担するのかによって、休みの取りやすさや負担が変わります。
欠員補充の求人であれば、前任者が辞めた理由や、引き継ぎ期間が確保されているかも確認したい項目です。
6.教育・引き継ぎ体制
入社後に誰が仕事を教えるのか、マニュアルがあるのか、どのくらいの期間で独り立ちするのかを確認します。
「経験者だからすぐできるはず」と考える職場では、会社独自のやり方を十分に教えてもらえない可能性があります。
7.職場環境
職場の人間関係を求人票だけで判断するのは難しいものです。
面接時の対応、社員同士の会話、質問に対する説明なども確認材料になります。
可能であれば職場を見学し、質問しやすい雰囲気があるか、慌ただしすぎないかを自分の目で確かめましょう。
事務職の転職で後悔しない求人の見分け方もあわせて確認すると、応募先を比較しやすくなります。
転職活動を進めても次が決まらないときの見直し方
応募条件を厳しくしすぎていないか確認する
勤務地、給与、休日、勤務時間、仕事内容のすべてを希望どおりにしようとすると、応募できる求人が少なくなることがあります。
譲れない条件を守りながら、通勤時間や職種の範囲など、調整できる条件がないか見直してみましょう。
経験と求人の接点を明確にする
採用担当者が知りたいのは、応募者の経験が自社の仕事にどう生かせるかです。
自己PRでは抽象的な長所だけでなく、「請求書を毎月何件処理した」「複数の営業担当者の予定を調整した」など、仕事の内容を具体的に伝えましょう。
応募書類を使い回しすぎない
志望動機や自己PRがどの会社にも当てはまる内容になっていると、応募先を選んだ理由が伝わりません。
求人票を読み、求められている経験と自分の担当業務が重なる部分を中心に書き直しましょう。
応募する職種の範囲を広げる
一般事務だけでなく、営業事務、総務補助、経理補助など、経験を生かせる仕事を探します。
正社員だけに絞っている場合は、働き方や生活設計を考えたうえで、契約社員なども比較対象にできます。ただし、雇用期間や更新条件は必ず確認しましょう。
一人で判断できないときは第三者に相談する
自分の経験を客観的に評価するのは難しいことがあります。
転職サービスや公的な就職相談窓口などを利用し、応募書類や求人の選び方について相談する方法もあります。
相談したからといって、紹介された求人へ必ず応募する必要はありません。
複数の情報を比較し、最後は自分の希望に合うかどうかで判断しましょう。
事務職を辞めたいけれど次がない人からよくある質問
Q1.次の仕事が決まっていなくても退職してよいですか?
心身の不調が強い場合や、ハラスメントなどで安全に働けない場合は、次の仕事よりも休養や環境から離れることを優先する場合があります。
体調に余裕があり、収入が途切れることへの不安が大きい場合は、在職中に転職活動を進めると安心です。
生活費、貯蓄、健康状態を合わせて判断しましょう。
Q2.事務職しか経験がなくても別の仕事へ転職できますか?
転職は可能です。事務職で身につけたパソコン操作、電話対応、書類作成、調整力、正確さは、営業支援、受付、カスタマーサポートなどでも生かせます。
職種名だけでなく、これまで担当した業務を細かく分けて考えることがポイントです。
Q3.資格がないと事務職への転職は難しいですか?
資格を必須としていない求人もあります。
採用では資格だけでなく、実務経験、パソコン操作、対応力、仕事の正確さなども判断材料になります。
資格取得を考える場合は、応募したい求人で本当に求められているかを調べてから選びましょう。
Q4.転職活動を始めたことは会社に伝えるべきですか?
転職活動を始めた段階で、必ず会社へ伝える必要はありません。
転職先や退職の意思が固まってから、就業規則を確認して退職を申し出る方法が一般的です。
会社のパソコンやメールアドレスを転職活動に使用せず、応募先との連絡は個人の端末で行いましょう。
Q5.転職しても後悔しそうで決断できません
後悔を完全になくすことは難しいものですが、辞めたい原因と次の職場に求める条件を整理することで、ミスマッチは減らせます。
事務職を続けるか転職するかの判断基準を確認し、感情だけでなく、健康、生活、職場の改善可能性、求人状況を合わせて判断しましょう。
まとめ|次がないと決めつけず、退職前にできる準備から始めよう
事務職を辞めたいけれど次がないと不安なときは、すぐに結論を出す必要はありません。
辞めたい原因、生活費、経験、希望条件を整理し、在職中に求人を調べることから始めましょう。
ただし、心身の不調が続いている場合は休養を優先してください。
事務職を辞めたいと思ったときの次の一歩も参考に、自分を守れる働き方を選びましょう。