管理栄養士の実習を終えた後は、学んだことを振り返るだけでなく、お世話になった施設や指導者へ感謝の気持ちを伝えることが大切です。
最近では、従来のお礼状(手紙)に加えて、お礼メールを送るケースも増えています。
しかし「件名はどう付ける?」「送るタイミングは?」「失礼のない例文は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お礼メールを送る意義からマナー、件名の付け方、送信タイミング、具体的な例文、よくあるNG例やQ&Aまでを詳しく解説します。
就職活動や社会人生活にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。
実習後の感謝の伝え方には「メール」と「お礼状」があります。
より正式な文書として残る形を知りたい方は、管理栄養士実習のお礼状の書き方をご覧ください。
目次
管理栄養士実習でお礼メールを送るべき理由
実習後に感謝の気持ちを伝える方法として「お礼状(手紙)」が一般的でしたが、現代では「お礼メール」もよく使われています。
ここでは、なぜお礼メールを送る必要があるのか、手紙との違い、メールのメリットと注意点を解説します。
手紙との違いと使い分け
お礼状は形式的に丁寧で正式な印象を与える一方、メールは迅速に感謝を伝えられるという利点があります。
例えば、実習最終日の当日にお礼メールを送れば「誠意ある対応」として評価されやすいです。
ただし、病院や保育園など伝統的な施設では、やはりお礼状を好む傾向もあるため、「即時性を重視するならメール、形式美を重視するなら手紙」と考えて使い分けると安心です。
メールでお礼を伝えるメリット・デメリット
メリットは、すぐに送れること、相手が出先でも確認しやすいこと。
デメリットは、形式的な文章になりすぎると軽く見られること、手紙ほど印象に残りにくいことです。
したがって「メール+お礼状」の併用がベストケースです。
お礼メールの基本マナー
お礼メールは気持ちを伝えるものですが、ビジネスメールの一面もあるため基本マナーを守ることが大切です。
ここでは送信のタイミングや件名、宛先の書き方など具体的なルールを整理します。
送信のタイミングは「終了当日〜翌日」
最も望ましいのは、実習最終日の夜に送ることです。
遅くとも翌日中には送信しましょう。
数日空くと「忘れていた」と思われるリスクがあります。
件名の付け方
件名は一目で内容がわかるようにすることが重要です。
例:
- 管理栄養士実習のお礼/〇〇大学 栄養学科 山田花子
- 実習でお世話になりました/〇〇大学・山田花子
宛先・Cc・Bccの使い方
宛先(To)は指導担当の先生へ。
Ccは学科の担当教員へ送る場合に使い、Bccは基本的に不要です。
複数の先生へ送る際は、敬称の順序にも注意しましょう。
署名の入れ方
本文末には必ず署名を入れます。
大学名、学科、学年、氏名、電話番号、メールアドレスを記載すると丁寧です。
お礼メールの書き方と構成
お礼メールはただ「ありがとうございました」と伝えるだけでは不十分です。
学んだことや今後の抱負を簡潔に書くことで、相手に「真剣に取り組んだ」と伝わります。
ここでは基本の構成を解説します。
冒頭の挨拶
冒頭では「大変お世話になりました」と感謝を一文で伝えます。
実習で学んだことの振り返り
印象に残った指導や体験を一つ挙げて書くと誠意が伝わります。
今後への抱負や感謝の言葉
「今後の学習に活かしたい」「管理栄養士を目指して努力する」など前向きな抱負を入れると好印象です。
結びの言葉
「末筆ながら皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます」と結ぶと丁寧です。
管理栄養士実習のお礼メール例文集
ここでは具体的なメール例文を紹介します。
大学生や社会人など立場によって少しずつ表現を変えると、より丁寧に伝わります。
大学生(病院実習)向け例文
件名:管理栄養士実習のお礼/〇〇大学 栄養学科 山田花子
本文:
〇〇病院 管理栄養士部門
△△先生
大変お世話になっております。
〇〇大学栄養学科3年の山田花子です。
このたびの実習では、栄養指導の場に立ち会わせていただき、大変貴重な経験をすることができました。
特に糖尿病患者様への対応を拝見し、管理栄養士としての専門性の高さを実感いたしました。
今後はこの学びを活かし、さらに勉学に励んでまいります。
改めて心より感謝申し上げます。
――――――――――
〇〇大学 栄養学科 3年
山田花子
TEL:080-xxxx-xxxx
Mail:xxxxx@xxxx.com
――――――――――
大学生(保育園・給食施設)向け例文
件名:実習のお礼/〇〇大学 山田花子
本文:
〇〇保育園 管理栄養士 △△先生
先日は実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。
園児の食事の工夫やアレルギー対応について学ぶことができ、将来の栄養士活動に大きく役立つと感じております。
今後も食育について学びを深めてまいります。
社会人(養成課程・転職準備中)向け例文
件名:管理栄養士実習のお礼/△△
本文:
〇〇病院 管理栄養士 △△先生
平素よりお世話になっております。△△と申します。
このたびの実習では、臨床現場の栄養管理を直接体験させていただき、改めて管理栄養士を目指す決意を固めることができました。
今後は国家試験合格を目指し、より一層努力してまいります。
お礼メールとお礼状の併用について
メールだけで済ませて良いのか、それともお礼状も送るべきか迷う方は多いでしょう。
ここでは使い分けの考え方を整理します。
メールだけで十分な場合
大学や養成校を通じて依頼された短期実習では、メールだけでも十分なケースがあります。
メール+手紙を送ると喜ばれるケース
病院や高齢者施設などでは、正式な文書を重視する文化が残っています。
そのため「メールで即お礼 → 数日後にお礼状郵送」が最も丁寧です。
NG集|失礼になりやすいお礼メールの例
せっかく感謝の気持ちを伝えるお礼メールも、表現を誤ると逆に「常識がない」「誠意が足りない」と思われてしまうことがあります。
ここでは、医療実習のお礼メールでよくあるNG例を具体的に紹介します。
ぜひ自分の文面を見直すときの参考にしてください。
❌ 件名なし/「ありがとうございました」だけの件名
NG理由:
メールは件名で内容を判断されます。
件名がない、あるいは「ありがとうございました」だけでは、どの実習に関するお礼なのか分かりにくく、埋もれてしまう危険があります。
先生方は日々多数のメールを受け取るため、適切な件名を付けるのが礼儀です。
NG例文
件名:ありがとうございました
改善例
件名:【実習お礼】○月○日~○月○日 内科実習に参加させていただきありがとうございました
❌ 砕けすぎた表現(例:「めっちゃ勉強になりました!」)
NG理由:
医療現場ではフォーマルな文章が基本です。
友達同士のような砕けすぎた表現は、感謝の気持ちが伝わらないどころか「社会人として未熟」と受け取られる可能性があります。
NG例文
先生のお話、めっちゃ勉強になりました!
改善例
先生から臨床現場での診療の流れを丁寧にご指導いただき、大変勉強になりました。
❌ 署名なし(誰からのメールかわからない)
NG理由:
送信者の情報が本文や署名に書かれていないと、先生方は「この学生はどこの誰?」と分からず困ってしまいます。
学年・大学名・氏名を必ず明記し、必要に応じて連絡先を加えましょう。
NG例文
以上、ありがとうございました。
改善例(署名付き)
----------
○○大学医学部 ○年
氏名:山田太郎
Mail:xxxx@gmail.com
----------
❌ コピペ感の強い定型文だけの文章
NG理由:
インターネットで探した文章をそのままコピペすると、どこかよそよそしく感じられます。
感謝を伝えるお礼メールでは、特に「自分が学んだこと」や「印象に残った指導」を一言加えるのが大切です。
NG例文
このたびは実習でお世話になり、誠にありがとうございました。
改善例
このたびは内科実習でご指導いただき、誠にありがとうございました。特に診察の際に患者さんへの声かけを学ばせていただいたことが印象に残っております。
❌ 長すぎて読みづらいメール
NG理由:
感謝の気持ちを込めるあまり、A4用紙1枚分ほどの長文を送ってしまうのも逆効果です。
先生方は多忙なため「要点が分からない」と感じさせてしまいます。
NG例文
先生に教えていただいたことが本当にたくさんあって、すべてが勉強になり、忘れられない経験となりました。まず第一に~(以下長文が延々続く)
改善例
実習を通して診療の流れを理解することができ、大変勉強になりました。特に診察時の患者さんへの接し方を学べたことが印象的でした。
👉 このように、「件名・言葉遣い・署名・分量」に注意するだけで、お礼メールの印象は大きく変わります。
メールではカジュアルになりすぎてしまうのが不安…という方は、お礼状を送るのも安心です。
👉 【例文付き】管理栄養士実習のお礼状の書き方
お礼メール送信前チェックリスト
お礼メールを送る前に、以下のポイントを確認しましょう。
すべてにチェックが付けられれば、失礼のない丁寧なメールに仕上がります。
- 件名は具体的か?
例:「【実習お礼】○月○日~○月○日 内科実習に参加させていただきありがとうございました」
- 本文は丁寧語・敬語で統一されているか?
「めっちゃ」「すごく助かりました」などの砕けすぎた表現は避けているか。
- 感謝の言葉が最初に入っているか?
冒頭に「このたびは実習でご指導いただき、誠にありがとうございました」と記載しているか。
- 具体的な学びや印象に残ったことを書いているか?
「診察時の患者さんへの声かけが勉強になりました」など、自分の体験を入れているか。
- 長すぎず、読みやすい分量になっているか?
要点をまとめて、5~10行程度で伝えられているか。
- 署名を入れたか?
大学名・学年・氏名・メールアドレスを明記しているか。
- 誤字脱字はないか?
先生のお名前や診療科名を間違えていないか。
- 送信先アドレスを間違えていないか?
Cc・Bccの設定を含め、送信前に再確認しているか。
よくある質問(Q&A)
実習後のお礼メールでよくある悩みをQ&A形式でまとめました。
Q1:メールと手紙、両方必要ですか?
回答:
基本的にはどちらか一方でも失礼にはあたりません。
ただし、病院や施設の中には形式を重んじるところもあります。
迷った場合は「まずはメールで迅速に感謝を伝え、その後改めて手書きのお礼状を送る」という二段構えがおすすめです。
特にお世話になった先生方には手紙の方が丁寧な印象を与えられます。
病院や施設によっては手紙でのお礼を重視する場合もあります。
実際に送る際の文例や送付マナーは、こちらの記事で詳しく解説しています。
件名:実習のお礼(○○大学 管理栄養士養成課程 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
先日は管理栄養士実習で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
実習を通じて学んだ知識と経験を、今後の学習や将来の業務にしっかりと活かしてまいります。
まずはメールにてお礼申し上げます。
後日、改めてお手紙を送付させていただきます。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q2:送信が数日遅れてしまった場合は?
回答:
理想は実習終了後「翌日まで」に送ることですが、やむを得ず遅れた場合は素直にお詫びを添えましょう。
「連絡が遅れた理由」を具体的に書く必要はなく、冒頭に一文「ご連絡が遅くなり申し訳ございません」と添えるだけで誠意が伝わります。
件名:実習のお礼(ご連絡が遅れ申し訳ございません)
○○病院 ○○科 ○○先生
このたびは管理栄養士実習で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
ご連絡が遅くなり、申し訳ございません。
実習中に学ばせていただいた○○の知識や、先生から頂戴したご指導を今後の学びに必ず活かしてまいります。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q3:指導者の名前を全員書くべきですか?
回答:
直接指導してくださった先生のお名前をきちんと明記するのが基本です。
その他に関わってくださったスタッフの方々には「先生方ならびにスタッフの皆様」という表現を使うと、全員に配慮した形になります。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
このたびは管理栄養士実習において、多くの学びの機会をいただき誠にありがとうございました。
○○先生をはじめ、先生方ならびにスタッフの皆様のおかげで、実践的な知識を身につけることができました。
今後も努力を続けてまいります。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q4:スマホから送っても大丈夫ですか?
回答:
送信自体は可能ですが、スマホでは改行や署名が崩れやすく、宛名の敬称を誤ってしまうこともあります。
可能な限りPCから送信するのが安心です。
やむを得ずスマホを使う場合は、事前に下書きをPCメールアプリで作成し、送信のみスマホで行うと整った形を保てます。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
このたびは実習で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
実習中に学んだ知識を今後の勉学に活かしてまいります。
まずはメールにてお礼申し上げます。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q5:メールの件名はどうすれば良いですか?
回答:
件名は簡潔に「実習のお礼」とし、所属と氏名を入れるのが基本です。
特に病院では多くの学生を受け入れているため、誰からのメールかが一目でわかるようにしましょう。
「件名に感情表現」は避け、ビジネスメールに近い形式を守ると安心です。
件名:実習のお礼(○○大学 管理栄養士養成課程 ○○ ○○)
Q6:お礼メールは実習先の代表アドレス宛でもよいですか?
回答:
可能ですが、できるだけ直接ご指導いただいた先生個人宛に送るのが望ましいです。
代表アドレスしかわからない場合は「○○科の先生方へ」と冒頭に記載し、複数の先生に伝わるように配慮しましょう。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科の先生方へ
このたびは管理栄養士実習で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
貴重なご指導をいただき、学びを深めることができましたこと、心より感謝申し上げます。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q7:文章が短すぎても大丈夫ですか?
回答:
お礼メールは長文である必要はなく、「感謝・学んだこと・今後に活かす意志」の3点が入っていれば十分です。
逆に長すぎると読み手の負担になってしまうため、5〜8行程度を目安にするとバランスが良いです。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
実習では大変お世話になり、誠にありがとうございました。
ご指導いただいた○○について学びを深めることができ、今後の学習に大きな励みとなりました。
学んだことを将来の業務に活かせるよう努力いたします。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q8:実習でミスをしてしまった場合も触れるべき?
回答:
お礼メールで反省や謝罪を長々と書く必要はありません。
どうしても触れたい場合は「ご迷惑をおかけした場面もございましたが、その経験も含めて学びといたします」と簡潔に述べるのが適切です。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
実習中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
ご迷惑をおかけする場面もございましたが、先生方のご指導を通じて多くを学ぶことができました。
この経験を糧に、より成長できるよう努めてまいります。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q9:CCで大学の担当教員を入れても良いですか?
回答:
基本的には不要です。
お礼メールはあくまで学生本人から実習先への直接的な感謝の意志を示すものだからです。
ただし、大学側の指示で「CCに教員を入れるように」とされている場合は従いましょう。
件名:実習のお礼(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
このたびは実習で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
※本学担当教員○○先生をCCにて同席させていただいております。
学んだ内容を今後の学びや活動に活かしてまいります。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
Q10:メールを送った後に誤字に気づいたら?
回答:
誤字脱字程度であれば再送は不要です。
ただし宛名や敬称を間違えた場合は、すぐにお詫びのメールを送るのが望ましいです。
「誤って○○と記載してしまいました。訂正しお詫び申し上げます」とシンプルに伝えれば問題ありません。
件名:先ほどのメールの訂正とお詫び(○○大学 ○○)
○○病院 ○○科 ○○先生
先ほどお送りした実習のお礼メールに誤記がございました。
宛名を「○○先生」とすべきところを「△△先生」と記載してしまいました。
訂正し、お詫び申し上げます。
○○大学 ○○学部 ○○学科
学生 ○○ ○○
まとめ
管理栄養士実習のお礼メールは、迅速さ(当日〜翌日)・件名の工夫・感謝と学びの具体化・署名の明記がポイントです。
迷ったら「感謝 → 学び → 抱負 → 結び」の流れで書けば安心です。
また、施設によってはメールだけでなく手紙の併用が望ましい場合もあるため、状況に応じて対応しましょう。
本記事ではメールでのお礼のマナーを解説しましたが、より正式に感謝を伝える場合は「お礼状(手紙)」もおすすめです。