法要の案内は、誰を招くかを決めたうえで、故人名・法要名・日時・場所・会食の有無・返信方法を明確に伝えることが基本です。
また、家族だけで営む場合は、出席してほしい家族への「招待」と、招待しない相手への「お知らせ」を分けましょう。お知らせに出欠の回答を求めると、招待されたと受け取られる可能性があります。
この記事では、主に仏式の四十九日・一周忌・三回忌などを営む側に向けて、案内状の書き方と会食あり・なしの例文、家族だけの場合の伝え方を紹介します。宗派や地域、家庭の方針に合わせて調整してください。
法要の案内を作る前に決めること
まず寺院や会場と相談し、開催の内容を固めます。予約や日時が未確定の段階で、確定した案内として送らないようにしましょう。
- 故人の氏名と法要名。
- 実際に開催する日付・開始時刻・場所。
- 招待する人の範囲と、それぞれの氏名。
- 会食の有無、会食会場、開始予定時刻、移動の有無。
- 返信期限、返信方法、返信先、問い合わせ先。
- 香典や供物を辞退するかどうか。
- 地図、駐車場、移動など、事前に知らせる事項。
命日と実際の開催日は同じとは限りません。案内状には、参列してもらう日付を正確に書きます。法要名や日程に迷う場合は、寺院などへ確認してください。
家族宛てでも「ご家族で」と曖昧にせず、誰を招くかを決めておくと、出欠や人数を確認しやすくなります。
送る時期は、返信と人数確定までの余裕から考える
招待する人の予定調整に加え、会場や料理の人数を確定する時間を見込んで案内します。返信期限は、会場への最終連絡日より前に余裕を持って設定しましょう。
法要の種類や準備期間によって事情が異なるため、「必ず何日前」と一律に考える必要はありません。四十九日など準備期間が短い場合は、内容が決まり次第、相手へ伝えます。
案内状・電話・LINEは、相手との関係に合わせる
改まった案内には、封書に案内状と返信用はがきを入れる方法や、往復はがきなどがあります。受取人が必要事項を後から確認できる形にしましょう。
親しい家族や親族なら、電話・LINE・メールなども選択肢です。電話で伝えた場合は、日時や場所をメモや文章でも知らせると、聞き違いを防げます。
LINEを使わない相手には別の連絡方法を選びます。複数人に知らせる場合も、無断でグループへ追加したり、メールの宛先を共有したりしないようにしてください。
法要の案内状に書く項目と文章の整え方
招待する相手が、いつ・どこへ行き、何を返事すればよいか分かる案内にします。
- 宛名:招待する人の氏名と敬称。
- 故人と差出人:故人の氏名、差出人から見た続柄、施主などの氏名。
- 法要:四十九日・一周忌・三回忌などの法要名。
- 日時・場所:開催日、開始時刻、正式な会場名と住所。
- 会食:有無、ある場合は場所と開始予定時刻、移動の案内。
- 返信:期限、方法、返信先。
- 連絡先:問い合わせを受ける人と電話番号など。
- 差出日:案内を作成・送付する日付。
戒名・法名は、宗派や家族の方針、案内状の書式に応じて記載します。すべての案内状で必須とする必要はありません。会場が分かりにくい場合は、地図や交通案内を別に添えましょう。
正式な書面では、句読点を省く慣習があります。下の正式例文もその形にしていますが、親しい相手へのLINEでは、読みやすい句読点や改行を使って構いません。
頭語と結語を使うなら「謹啓・謹白」「拝啓・敬具」などを対応させます。時候の挨拶は送付時期によって変わるため、以下の例文では特定の季節の表現を使っていません。
会食あり・なしの法要案内状|完成例文
以下の文例はすべて架空のものです。故人名、宛名、続柄、法要名、日時、会場、返信先などを事実に合わせて直してください。日付は差し替え用の表記にしています。
1.一周忌・会食ありの正式な案内状
想定:施主の山田太郎さんが、亡父・山田一郎さんの一周忌へ佐藤健一さんを招待する例です。法要後、別会場で会食を行います。
佐藤健一様
謹啓
平素より温かいお心遣いを賜り 厚く御礼申し上げます
このたび 亡父 山田一郎の一周忌法要を下記のとおり営むこととなりました
ご多用のところ恐縮ではございますが ご参列くださいますようお願い申し上げます
法要後は会場を移し 会食の席を設けております
法要と会食それぞれのご出欠を 同封の返信用はがきにてお知らせいただけますと幸いです
謹白
〇年〇月〇日
記
法要日時 〇年〇月〇日 午前〇時開始
法要会場 〇〇寺 本堂
住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇番地
会食開始予定 同日 午後〇時
会食会場 〇〇会館
住所 〇〇県〇〇市〇〇町△番地
移動 法要終了後 各自で会食会場へ移動をお願いいたします
地図は別紙をご覧ください
返信期限 〇年〇月〇日必着
返信方法 同封の返信用はがきにて
返信先 〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇町□番地
山田太郎
問い合わせ先 山田太郎
電話 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
施主 山田太郎
以上
会食を同じ施設で行う場合は、その旨を明記します。送迎などがある場合も、実際の手配内容に合わせて移動の案内を書き換えてください。
2.三回忌・会食なしの正式な案内状
想定:施主の鈴木花子さんが、亡母・鈴木和子さんの三回忌へ高橋明子さんを招待する例です。会食は設けません。
高橋明子様
謹啓
平素よりお心にかけていただき 厚く御礼申し上げます
このたび 亡母 鈴木和子の三回忌法要を下記のとおり営みたく存じます
ご多用のところ恐縮ではございますが ご参列くださいますようご案内申し上げます
なお 当日は法要のみとし 会食の席は設けておりません
謹白
〇年〇月〇日
記
日時 〇年〇月〇日 午前〇時開始
会場 〇〇寺 本堂
住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇番地
会食 法要後の会食は設けておりません
返信期限 〇年〇月〇日までにご連絡ください
返信方法 電話またはメール
返信先 鈴木花子
電話 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
メール xxxxx@example.com
問い合わせ先 上記返信先と同じ
施主 鈴木花子
住所 〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇県〇〇市〇〇町△番地
以上
会食を設けないこと自体を、失礼や手抜きと考える必要はありません。相手が予定を立てられるよう明記しましょう。弁当を用意しない場合は、弁当を渡すという文章も加えません。
会食の有無だけで、参列者が包む金額が決まるわけでもありません。参列する側の金額の考え方は、法要の香典相場と宗教別の注意点で別に説明しています。
家族だけで営む場合|招待のLINEと、お知らせを分ける
3.家族だけの四十九日法要へ、参加してほしい家族を招くLINE
想定:故人の長男である施主が、妹の花子さんと、その配偶者の健一さんを招待する例です。
父・山田一郎の四十九日法要を、〇年〇月〇日〇時から〇〇寺で営みます。今回は家族だけで行う予定です。花子さんと健一さんの2人に来てもらえたらと思い、連絡しました。
場所:〇〇寺 本堂
住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇番地
会食:今回は設けません。
〇月〇日までに、このLINEへ2人それぞれの出欠を知らせてください。分からないことがあれば私に連絡をお願いします。
山田太郎
「家族だけ」という言葉に頼らず、招待する人を具体的に示します。会食を行う場合は、会場や開始予定時刻を追記し、法要と会食の出欠を分けて尋ねてください。
4.招待しない相手へ、家族だけで営むことを事前に知らせる
想定:日頃交流のある親族へ、家族内で営む方針を知らせる文章です。招待や出欠確認はしません。
日頃より亡父 山田一郎をお心にかけていただき ありがとうございます
父の一周忌法要は 家族内で営むことといたしました
今回は皆様へのご参列のお願いを控えさせていただきます
どうぞご理解賜りますようお願い申し上げます
山田太郎
この例は招待状ではないため、会場や集合時刻、出欠回答の依頼は入れていません。香典や供物も辞退する場合は、下の辞退文を必要に応じて添えます。
5.家族だけで法要を終えたことを事後報告する
想定:法要後、報告が必要な親族などへ伝える短文です。
日頃より亡母 鈴木和子をお心にかけていただき ありがとうございます
母の三回忌法要は 〇年〇月〇日に家族内で営みました
略儀ながら 書中にてご報告申し上げます
鈴木花子
家族だけで営むお知らせを、すべての親族・知人へ送る義務があるわけではありません。関係性やこれまでのやり取りを踏まえて判断します。事前に知らせる文章と、終了後に報告する文章は使い分けましょう。
法要と会食の出欠は、氏名ごとに確認する
会食がある場合は、法要と会食の出欠を分けて回答できる形にします。家族への案内でも、世帯全体で「出席」とするだけでは、参加する人が分からない場合があります。
例えば、夫婦2人を招待する返信はがきには、次のような記入欄を設けられます。以下は説明用の例で、印刷の際は用紙に合わせて配置してください。
ご出欠の返信欄(例)
佐藤健一様
法要 ご出席・ご欠席
会食 ご出席・ご欠席
佐藤明子様
法要 ご出席・ご欠席
会食 ご出席・ご欠席
ご連絡欄 ________
〇年〇月〇日必着でご返送ください
返信を集計するときは、氏名ごとの回答から法要・会食それぞれの参加人数を数えます。招待していない同行者を自由に追加できる欄にはせず、同行の相談があった場合は個別に対応しましょう。
返信用はがきは返送先を記入して用意し、必要な郵便料金や作成方法は発送時に日本郵便の案内で確認します。電話・LINE・メールを指定する場合は、どの連絡先へ、いつまでに返事をするかを明記してください。
LINEの既読や曖昧なスタンプだけで出席とは判断せず、出欠と人数を確認できる回答を整理します。
辞退・日時変更・返信確認に使える短文
香典・供物を辞退する場合の追記
辞退の範囲を明確にします。以下から実際の意向に合う文を選び、不要なものを重ねて入れないようにしてください。
香典のみ辞退
なお お香典は辞退させていただきます
供物のみ辞退
なお お供えの品は辞退させていただきます
両方を辞退
なお お香典およびお供えの品は辞退させていただきます
「お気遣いなく」だけでは、何を辞退するのか伝わらない場合があります。供花なども辞退するなら、その対象も明記しましょう。
決定後に日時・会場を変更する連絡
寺院や会場と変更後の内容を確定し、すでに案内した相手全員へ連絡します。以下は日時と会場の両方が変わる例です。
先日ご案内した、亡父 山田一郎の一周忌法要について、日時と会場の変更をお知らせします。
【変更前】〇年〇月〇日 午前〇時/〇〇寺
【変更後】〇年△月△日 午前△時/△△寺
変更後の住所:〇〇県〇〇市〇〇町△番地
会食は変更後の法要終了後、同じ△△寺の会食室で午後△時からを予定しています。
お手数ですが、変更後の日程での法要・会食それぞれの出欠を、〇月〇日までに私へご連絡ください。
山田太郎
電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
変更しない項目は「変更なし」と示すなど、実際の内容に合わせます。すでに出席の返事をもらっていても、変更後の日程で参加できるか確認してください。
返信期限を過ぎても返事がない人へ確認する
〇月〇日の一周忌法要について、出欠の確認でご連絡しました。行き違いでお返事をいただいていましたら申し訳ありません。会場へ人数を伝えるため、〇月△日までに、法要と会食それぞれの出欠をお知らせいただけますでしょうか。ご予定がまだ分からない場合も、その旨をご連絡いただけると助かります。
返事がないことを責めたり、自動的に出席・欠席と決めたりしないようにします。連絡が取れない場合は、料理の手配期限などを会場と相談し、可能な範囲で相手にも今後の扱いを伝えましょう。
例えば、人数を確定できないまま料理の予約期限を迎えるなら、その状況を知らせ、出席できると分かった時点で改めて連絡をもらうなど、会場で対応できる方法を考えます。
まとめ|招待かお知らせかを分け、必要事項を明確にしよう
法要の案内状には、故人名・法要名・日時・場所・会食の有無・返信方法を明記します。会食がある場合は、法要と会食の出欠を分け、誰が参加するかまで確認しましょう。
家族だけで営む場合も、招待する家族への案内と、招待しない相手へのお知らせは別の文章にします。形式だけにこだわらず、相手が予定と返事の要否を判断できる内容に整えることが大切です。