納品が遅れる可能性や、当初の納期に間に合わないことが分かったら、確認できた情報を整理し、適切な担当者へ早めに共有しましょう。原因の確定や新しい納期の決定を待って、必要な連絡まで止めないことが大切です。

電話・メール・チャットのどれを先に使うかは、一律には決まりません。相手への影響、緊急性、連絡可能な手段、取引先との取り決め、社内手順に合わせて判断します。

この記事では、納品が遅れそうなとき・すでに遅れているときの連絡先と伝える内容、担当者が不在の場合の対応、継続報告と記録の残し方を紹介します。

スポンサーリンク



納品遅延の連絡前に、分かっていることを整理する

「遅れる可能性」と「間に合わないことが判明した状態」を分ける

遅延の可能性を共有するときと、納期に間に合わないことが判明したときでは、伝え方が変わります。さらに、期限をすでに過ぎている場合は、その事実も明確にします。

  • 遅れる可能性がある:「当初納期に間に合わない可能性があり、現在、見通しを確認しています」
  • 間に合わないことが判明した:「当初納期までの納品ができないことが分かりました」
  • 期限をすでに過ぎている:「当初納期を過ぎていますが、現時点で納品できておりません」

「遅れる可能性」と「遅延が発生している状態」を曖昧にすると、相手が予定を判断しにくくなります。連絡時点の状況に合う言葉を選んでください。

確認済みの事実と、未確定の情報を分ける

最初の連絡に向けて、次の項目を整理します。分からない項目は「確認中」「未定」と記載し、情報がそろうまで共有を先延ばしにしないようにしましょう。

  • 対象の案件名・商品名・注文番号など
  • 当初の納期と、その期限が発送・到着・データ提出などのどの段階を指すか
  • 現在の進捗と、遅延の可能性または遅延の事実
  • 確認できている原因と、まだ確認中の事項
  • 相手への影響として分かっていること
  • 新しい納品予定が確定・見込み・未定のどれか
  • 次の報告を担当する人と、報告できる日時

原因が分からない場合は「原因を確認中です」と伝えます。「忙しくて作業が進まなかった」という事情を、事実と異なる「確認工程の遅れ」に置き換えるなど、原因を変えて説明しないでください。

対応策や再発防止策も、実際に決まっている内容だけを伝えます。具体策が未決定なら、決まったように書く必要はありません。

誰へ連絡するかを確認する

社内の報告先と、取引先へ連絡する担当者を決める

社内では、上司・営業担当・進行担当など、案件の判断や対外連絡を担当する人へ共有します。作業担当者が直接取引先へ連絡してよいのか、営業担当を通すのかも確認しましょう。

社内報告を先に行うか、対外連絡と並行するかは、緊急性・連絡権限・社内手順によります。相手の作業開始が迫っているなど、連絡の遅れが影響を広げる場合は、社内の緊急時手順に沿って、必要な速報を行える担当者へ速やかにつなぎます。

複数の担当者が別々の納期を伝えないよう、誰が取引先へ連絡するか、誰が見通しを確認するかを明確にしてください。

取引先の窓口と、決められた代替連絡先を確認する

取引先には、案件の窓口として指定されている担当者へ連絡します。発注担当者と実際の受け取り担当者が異なる場合は、どちらへの共有が必要かも確認します。

担当者が不在の場合に備え、副担当者や部署の共通窓口など、取り決めのある代替連絡先を確認しておくと対応しやすくなります。

不在だからといって、無関係な人を宛先へ追加したり、機密情報を広く送ったりしないようにしましょう。補償や費用負担などの判断を求められた場合は、その場で約束せず、社内の担当者へ確認します。

電話・メール・チャットは、目的と状況で使い分ける

連絡手段は、「何時間遅れるか」「重要顧客か」だけで決めるものではありません。短い遅延でも相手の作業を止める場合があり、大きな案件でも指定のチャットが最も早く確認される場合があります。

手段 使いやすい目的・状況 注意すること
電話 急いで状況を共有し、相手の反応や必要な対応をその場で確認したいとき 相手が応答できるとは限らない。話した内容を記録する
メール 案件・日時・未確定事項などを整理して共有したいとき 送信しただけでは、相手が確認したとは限らない
チャット 日常の連絡窓口として使っており、速報や短い状況共有を行いたいとき 既読を納期変更への了承と扱わない。保存・共有の運用も確認する
オンライン会議 関係者間で影響や対応案を話し合う必要があるとき 会議開催を待って速報を止めない。相談事項と合意事項を記録する

例えば、相手の作業開始が迫っていて、電話なら連絡が取れる状況では、電話で要点を伝える方法が考えられます。一方、専用チャットでの連絡が指定されている場合は、その取り決めに沿って連絡します。

記録はメールだけに残るものではありません。チャットの履歴や社内の案件管理記録も活用できます。電話や会議の後は、必要な内容をメール・チャット・議事メモなど、決められた方法で残しましょう。

最初の連絡と、担当者不在時の対応

電話では案件・状況・未確定事項を短く伝える

電話がつながったら、名乗りと案件名を伝え、当初納期に対する状況を説明します。原因を長く話すより、まず相手が対応を考えるために必要な情報を共有しましょう。

例文:当初納期に間に合わないことが判明し、新しい納期は未定の場合

使う前提:当初納期までに納品できないことと、次回の報告日時を社内で確認できている場合に使います。

「お世話になっております。[会社名]の[氏名]です。[案件名]の納品についてご連絡しました。

当初予定していた[当初納期]までに納品できないことが分かりました。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

現時点で確認できている状況は[確認済みの進捗・事実]です。新しい納品予定はまだ確定しておりません。

[次回の報告日時]に、私から進捗と納品見通しの確認状況をご連絡いたします。まず、現在の状況を共有させていただきました。」

置き換え:[会社名][氏名][案件名][当初納期][確認済みの進捗・事実][次回の報告日時]。次回報告の担当者が別の人なら、担当者名も変更してください。

新しい納品予定が確認できている場合は、未定の部分を実際の日時に変更します。見込みの段階なら「現時点では[日時]の見込みですが、まだ確定しておりません」と、確定情報と区別してください。

電話がつながらないときは、要点を残して必要な窓口へつなぐ

電話がつながらない場合も、相手が戻るまで何も伝えずに待つ必要はありません。利用可能なメールや指定のチャットで、案件名・遅延状況・未確定事項・次回報告予定を残します。

相手の対応を急いで確認する必要がある場合は、決められた代替連絡先へ連絡します。電話をかけた事実や伝言を依頼した事実も記録しますが、それだけで担当者本人に伝わったとは扱わないでください。

例文:担当者不在時に、窓口の人へ伝言を依頼する

使う前提:案件の窓口へ電話し、担当者が不在で、伝言を依頼できる場合に使います。案件名を伝えてよいかも確認してください。

「[会社名]の[氏名]と申します。[担当者名]様へ、[案件名]の納品予定についてご連絡しました。

ご不在でしたら、納品予定に関する連絡があった旨と、折り返し先の[電話番号]をお伝えいただけますでしょうか。要点は[送付する連絡手段]でもお送りします。

急ぎの確認が必要なため、決められた代わりのご担当者がいらっしゃれば、おつなぎいただけますでしょうか。」

置き換え:[会社名][氏名][担当者名][案件名][電話番号][送付する連絡手段]。最後の一文は、急ぎの確認が必要な場合だけ使います。

留守番電話に残す場合も、伝える情報は必要な範囲にとどめます。詳しい原因や機密情報を、不在時の伝言へそのまま入れないようにしましょう。

宛名・挨拶・お詫びを含めたメール全体の文面を確認したい場合は、納期遅れのお詫びメール例文8選|確定・見込み・未定で書き分けるも参考にしてください。例文中の原因や対応は、自分の案件で確認できた内容に合わせてください。

送信・確認・納期変更への了承を分けて管理する

連絡を送ったことと、相手が内容を確認したこと、納期変更に同意したことは、それぞれ異なります。

  • 送信済み:メールやチャットを送った状態。宛先誤りや送信エラーがないかも確認する
  • 確認済み:相手から受領の返答があるなど、状況を確認したことが分かった状態
  • 変更に同意済み:変更する納期や条件について、相手の明確な回答を確認できた状態

メールが届いていても読まれていない場合があり、チャットの既読が付いても、変更案に了承したとは限りません。「承知しました」という返信も、状況を受け取った意味なのか、納期変更を認めた意味なのかを文脈に沿って確認します。

何への返答を求めているかを明確にする

「ご確認ください」だけでは、読んだことを知らせればよいのか、納期変更に回答すればよいのか分かりにくくなります。確認の目的に合わせて、次のように伝えます。

例文:状況の受領確認と、変更案への回答を求める

使う前提:相手の確認が必要な連絡に、目的に合う一文だけを添えます。

状況の受領確認を求める場合
「本連絡をご覧いただいた旨を、ご返信いただけますでしょうか。納品予定はまだ未定のため、変更日時へのご回答をお願いするものではありません。」

納期変更案への回答を求める場合
「[提案する納期]への変更について、ご対応が可能かお知らせいただけますでしょうか。」

置き換え:[提案する納期]には、実際に提示できることを確認した日時だけを入れます。

返答がない場合は、緊急性や取り決めに合わせて再連絡します。「返信がないので了承された」とは判断しないでください。

電話や会議で話した後も、説明した事実・相談中の事項・合意した事項を分けて記録します。納期変更を相談しただけなら、「変更をご了承いただきました」と書かないようにしましょう。

変更前後の納期を示して相談する文面や、承諾後の返信は、納期変更メールの例文10選|理由別・相手別の書き方とマナーも参考になります。日時や代替案は実行可能な内容に限り、連絡手段は今回の状況に合わせて選んでください。

納期未定・原因確認中・再延期でも、継続して報告する

納品予定日時と、次の報告日時を区別する

「[日時]に納品します」と「[日時]に進捗を報告します」は別の予定です。納品の見通しが立っていない場合は、報告日時を納品予定のように伝えないでください。

次の報告では、誰が・いつ・何を伝えるかを確認します。報告日時は、担当者が対応できることを確認したうえで設定し、例文を埋めるために架空の日時を入れないようにしましょう。

報告時刻になっても納期や原因が未確定なら、その時点の進捗と確認状況を伝えます。「新しい情報がないから」と約束した報告を省略しないことが大切です。

例文:約束した報告時刻になっても、納期が未定の場合

使う前提:報告時刻を迎えた時点の事実と、次回報告の担当者・日時を確認できている場合に使います。

「[案件名]について、お約束していた進捗をご報告いたします。

[確認した日時]時点で、[確認済みの進捗・事実]を確認しております。一方、[未確定事項]は引き続き確認中で、新しい納品予定はまだご案内できません。お待たせしており、申し訳ございません。

次回は[次回の報告日時]に、[報告担当者]から[報告する内容]をご連絡いたします。」

置き換え:[案件名][確認した日時][確認済みの進捗・事実][未確定事項][次回の報告日時][報告担当者][報告する内容]。

次回報告の予定もまだ調整できていない場合は、決まっていないことを明記し、社内で担当者と日時を速やかに調整します。既存の報告予定を守れないことが分かった場合も、その予定時刻を過ぎる前に連絡してください。

再延期では、前回の案内から何が変わったかを示す

前回伝えた予定にも間に合わないことが分かった場合は、次の点を整理して連絡します。

  • 前回案内した日時が、合意済みの納期か、見込みとして伝えた予定か
  • その予定に間に合わないことが判明したのか、間に合わない可能性が出たのか
  • 前回の報告から変わった事実と、確認できている影響
  • 新しい予定の確度と、次の報告予定

再延期へのお詫びを添えたうえで、変化した情報を明確にします。原因の確定を待って連絡を止めたり、根拠のない予定を「今度は必ず」と約束したりしないようにしましょう。

先行納品や代替案を伝える場合も、実行可能か、相手が利用できる内容かを確認してから相談します。

連絡内容を記録し、引き継ぎと完了確認まで行う

連絡記録は、相談事項と合意事項を分けて残す

連絡後は、社内の決められた保存先へ記録します。担当者が交代しても状況を追えるよう、送信した内容だけでなく、相手の確認状況と未回答の事項も残しましょう。

納品遅延の連絡・引き継ぎ記録テンプレート

使う前提:連絡を試みたとき、相手と話したとき、回答を受けたときに更新します。未確認の欄は「未確認」、未合意の欄は「未合意」と記載します。

案件名・管理番号:[案件を特定できる情報]
当初納期と完了条件:[日時/発送・到着・提出など]
連絡日時:[実際に連絡した日時]
連絡者:[氏名・部署]
相手:[会社・部署・氏名]
連絡手段:[電話・メール・チャット・会議など]
共有した事実:[確認済みの状況]
未確定事項:[原因・予定などの確認中事項]
相談事項:[回答を求めた内容]
合意事項:[相手の回答で確認できた内容/未合意]
確認状況:[送信済み・伝言依頼済み・本人確認済みなど]
納品予定と確度:[確認済みの日時・見込み・未定]
次回連絡:[日時・担当者・報告内容]
未回答事項の対応:[誰が・いつ・何を確認するか]
記録の保存先:[履歴・議事メモなどの保存先]

置き換え:各[ ]を実際の情報に変更します。相手の返答は、了承の範囲が分かるように記録してください。

社内で引き継ぐときは、「連絡をお願いします」だけで終わらせず、次に連絡する担当者・日時・内容を伝えます。引き継ぎ先が担当することを確認し、同じ連絡が重複したり、誰も連絡しなかったりする状態を防ぎましょう。

発送・到着・受領確認・検収のどこまで済んだかを伝える

遅延への対応が進んだら、案件の取り決めに沿って完了状況を報告します。ただし、次の状態は同じではありません。

  • 発送完了:商品を発送した状態。相手への到着は別に確認する
  • 到着:指定先へ届いた状態。担当者本人の受領確認とは区別する
  • 受領確認:相手が商品やデータを受け取ったことを確認できた状態
  • 検収完了:取り決めに沿った内容確認を終え、完了が確認できた状態

データを送信した場合も、相手が閲覧・ダウンロードできたか、内容確認を終えたかは別です。「納品完了」という言葉を使うときは、案件で定めた完了条件を満たしているか確認してください。

例えば、発送しただけなら「[確認済みの日時]に発送しました。到着はまだ確認できておりません」、受領確認まで済んでいるなら「受領のご連絡をいただきました。検収結果は確認待ちです」と、実際の段階を伝えます。

必要な確認が残っている場合は、その担当者と次の対応も記録します。連絡を始めた後は、相手と社内の双方が現在の状況を追えるようにしておきましょう。