電話が鳴ると緊張してしまい、「最初に何と言えばよいの?」「担当者が不在のときはどう答える?」「この敬語は失礼ではない?」と不安になる方は少なくありません。

電話対応は、難しい敬語をすべて覚えるよりも、よくある場面ごとの基本の型を身につけることが大切です。型があれば、新人や事務職、パート・アルバイトの方でも落ち着いて対応できます。

この記事では、電話を受ける流れ、取り次ぎや伝言のフレーズ、間違いやすい敬語、クレーム時の対応まで、実務でそのまま使える例文とともに解説します。

この記事でわかること

  • 電話を受けてから切るまでの基本手順
  • 取り次ぎ・不在・折り返し・伝言で使える敬語
  • 電話対応で避けたいNG表現と正しい言い換え
  • 聞き取れないときやクレーム時の対処法
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電話対応の基本の流れ|まずは6ステップを覚えよう

電話対応は、次の6ステップに分けると覚えやすくなります。

  1. 3コール以内を目安に電話を取る
  2. 会社名・部署名・自分の名前を名乗る
  3. 相手の会社名・名前・用件を確認する
  4. 担当者へ取り次ぐ、または不在対応をする
  5. 内容・連絡先・折り返しの要否を復唱する
  6. お礼を伝え、相手が切ったことを確認して受話器を置く

完璧に話そうとする必要はありません。相手の情報を正確に確認し、わからないことは曖昧に答えず、担当者へつなぐことを優先しましょう。

電話に出る前に準備するもの

電話の近くには、メモ帳と書きやすいペンを常備します。メモには「日時・会社名・名前・用件・電話番号・折り返しの要否・受けた人」を残せるようにしておくと安心です。

社内の担当者名、部署名、内線番号、よくある問い合わせ先も一覧にしておくと、保留時間を短くできます。

第一声の基本フレーズ

基本例
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、△△でございます」

3コール以上お待たせした場合は、冒頭に「お待たせいたしました」を添えます。

遅れて出た場合
「お待たせいたしました。株式会社〇〇、△△でございます」

会社によって決められた受電フレーズがある場合は、社内ルールを優先してください。

声のトーンと話す速さ

電話では表情や身ぶりが見えないため、声の印象が重要です。背筋を伸ばし、普段より少し明るい声で、語尾まで聞こえる速さで話しましょう。早口になりやすい方は、句点ごとに一呼吸置くと落ち着いて聞こえます。

電話対応の敬語フレーズ早見表

よくある場面のフレーズを、すぐ確認できるようにまとめました。

場面使えるフレーズ
相手の名前を確認する「恐れ入りますが、御社名とお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
名前を聞き直す「申し訳ございません。もう一度お名前をお願いできますでしょうか」
用件を確認する「差し支えなければ、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」
担当者へつなぐ「担当の〇〇におつなぎいたします。少々お待ちくださいませ」
保留にする「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
担当者が不在「申し訳ございません。〇〇はただいま席を外しております」
折り返しを提案する「戻り次第、〇〇から折り返しご連絡いたしましょうか」
伝言を申し出る「よろしければ、私がご伝言を承ります」
内容を確認する「念のため復唱いたします。〇〇ということでよろしいでしょうか」
電話を終える「お電話いただき、ありがとうございました。失礼いたします」

【受け方】相手の会社名・名前・用件を確認する

相手が名乗ったら、会社名と名前をメモします。聞き取れなかったときは、推測せずに聞き直しましょう。正確に確認することは失礼ではありません。

会社名や名前を聞き取れなかった場合

基本例
「恐れ入ります。少々お電話が遠いようですので、もう一度御社名とお名前をお願いできますでしょうか」

漢字を確認したい場合
「お名前の漢字を確認させていただいてもよろしいでしょうか」

実際には回線の問題でなくても、「お電話が遠いようで」と添えると、相手の話し方を責めずに聞き直せます。

用件を確認する場合

担当者名がわからない電話や、取り次ぎ先を判断する必要があるときは、用件を確認します。

「差し支えなければ、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」

相手が用件を伝えたくない場合は、無理に聞き出さず、社内ルールに従って対応しましょう。

【取り次ぎ】担当者へつなぐときのマナーと例文

取り次ぐ前に、相手の会社名と名前、担当者名を確認します。無言で保留ボタンを押さず、必ず一言断りましょう。

担当者が在席している場合

「株式会社〇〇の△△様でいらっしゃいますね。担当の佐藤におつなぎいたしますので、少々お待ちくださいませ」

社外の相手に対して自社の人を呼ぶときは、「佐藤さん」「佐藤部長」ではなく、原則として名字だけを使います。

保留が長くなりそうな場合

保留が長くなるときは、いったん電話に戻り、状況を伝えます。

「お待たせして申し訳ございません。確認にもう少々お時間がかかりそうですが、このままお待ちいただけますでしょうか」

長時間待たせる可能性がある場合は、折り返しを提案すると親切です。

取り次ぎ先を間違えた場合

「大変失礼いたしました。担当部署を確認のうえ、改めておつなぎいたします。少々お待ちいただけますでしょうか」

言い訳をせず、謝罪と今後の対応を簡潔に伝えます。

【不在】担当者がいないときの対応と例文

「今いません」だけで終わらせず、不在であることを丁寧に伝え、折り返し・伝言・再連絡のどれを希望するか確認します。

席を外している場合

「申し訳ございません。〇〇はただいま席を外しております。戻り次第、折り返しご連絡いたしましょうか」

外出・休暇・退勤の場合

外出中
「申し訳ございません。〇〇は外出しており、〇時頃に戻る予定でございます」

休み
「申し訳ございません。〇〇は本日休みをいただいております」

退勤後
「申し訳ございません。〇〇は本日退勤しております」

休暇の理由や外出先など、業務に不要な個人情報は伝えません。また、戻り時間が不明なときは推測せず、「戻り時間は未定でございます」と正直に答えましょう。

担当者が別の電話に出ている場合

「申し訳ございません。〇〇はただいま別の電話に出ております。終わり次第、折り返しご連絡いたしましょうか」

【伝言】メモの取り方と復唱フレーズ

伝言は、最低でも次の項目を記録します。

  • 電話を受けた日時
  • 相手の会社名・部署名・名前
  • 用件
  • 電話番号
  • 折り返しが必要か
  • 希望する連絡時間
  • 電話を受けた自分の名前

伝言を預かるとき

「よろしければ、私がご伝言を承ります」

「かしこまりました。念のため、お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか」

復唱するとき

「念のため復唱いたします。株式会社〇〇の△△様、お電話番号は〇〇、〇日の〇時頃までに折り返しをご希望ということでお間違いないでしょうか」

数字、日時、名前は特に間違いやすいため、一つずつ区切って確認します。

電話をかけるときの基本マナーと例文

電話対応には、受け方だけでなく、かけ方にも基本の順序があります。「自分の会社名と名前」「相手の都合」「用件」を簡潔に伝えましょう。

電話をかけたときの第一声

「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。営業部の佐藤様はいらっしゃいますでしょうか」

担当者につながったら、すぐに用件へ入らず、相手の都合を確認します。

「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△です。ただいまお時間よろしいでしょうか」

不在時に伝言を依頼する場合

「恐れ入りますが、〇〇の件でお電話した旨をお伝えいただけますでしょうか」

折り返しを求める場合は、電話番号と都合のよい時間も伝えます。

電話対応でよくあるNG敬語と言い換え

丁寧にしようとして長く言いすぎるより、簡潔で自然な敬語を使うほうが伝わりやすくなります。

避けたい表現適切な言い換えポイント
もしもしお電話ありがとうございます会社の受電では名乗りから始める
誰ですかお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか相手への配慮を添える
ちょっと待ってください少々お待ちくださいませ「ちょっと」を避ける
わかりましたかしこまりました/承知いたしました社外の相手には丁寧な表現を使う
今いませんただいま席を外しております状況と次の提案を伝える
〇〇様でございますね〇〇様でいらっしゃいますね「ございます」は物や自分側に使う
お名前を頂戴できますかお名前をお伺いできますか名前そのものを受け取るわけではない
了解しました承知いたしました目上や社外には「承知」が無難

「お伺いさせていただく」は使いすぎない

「お名前をお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」は丁寧に見えますが、表現が重くなっています。「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」で十分です。

自社の人には敬称を付けない

社外の相手に「佐藤部長は外出しています」と言うのではなく、「佐藤は外出しております」と表現します。ただし、社内ルールや相手との関係によって運用が異なる場合もあります。

クレーム電話の基本対応

クレーム電話では、すぐに結論を出そうとせず、まず相手の話を遮らずに聞きます。事実確認前に会社の責任まで認めるのではなく、不快な思いや不便をかけたことに対してお詫びするのが基本です。

クレーム対応の4ステップ

  1. 不快な思いや不便をかけたことをお詫びする
  2. 相手の話を最後まで聞き、要点をメモする
  3. 内容を復唱し、事実関係を確認する
  4. 自分で判断できない場合は責任者へ引き継ぐ

最初に使える例文

「このたびはご不快な思いをおかけし、申し訳ございません。詳しい状況をお伺いしてもよろしいでしょうか」

「ご不便をおかけしております。確認のうえ、担当者から改めてご連絡いたします」

わからないことを即答しない

「たぶん大丈夫です」「私にはわかりません」と答えると、不信感につながります。

「私では判断いたしかねますので、責任者に確認のうえご連絡いたします」と伝え、誰がいつまでに連絡するかを明確にしましょう。暴言や脅迫などがある場合は、一人で抱え込まず、社内の対応方針に従って上司や責任者へ引き継ぎます。

新人でも電話対応が上達する練習法

よく使うフレーズを電話の横に置く

第一声、聞き返し、保留、不在、折り返し、終わりの挨拶を1枚にまとめます。言葉が出てこない不安が減り、電話に集中しやすくなります。

先輩とロールプレイをする

「担当者が不在」「会社名が聞き取れない」「急ぎの用件」など、よくある場面を想定して練習します。録音できる環境なら、自分の声の速さや語尾も確認できます。

失敗した内容だけを書き足す

すべてを一度に覚える必要はありません。対応後に困った場面を一つだけ振り返り、次に使うフレーズをメモへ追加しましょう。小さな改善を重ねるほうが、実務では早く上達します。

電話対応への不安が強く、事務職そのものがつらいと感じている場合は、業務量や教育体制、職場環境にも原因がないか整理することが大切です。

電話対応に関するよくある質問

電話は何コール以内に取るのがマナーですか?

一般的には3コール以内が目安です。ただし、会社独自の基準があればそちらを優先します。遅れたときは「お待たせいたしました」と添えましょう。

「もしもし」は絶対に使ってはいけませんか?

日常会話では問題ありませんが、会社の電話では「お電話ありがとうございます」「いつもお世話になっております」などから始めるのが一般的です。通話が途切れたときは、「〇〇様、こちらの声は届いておりますでしょうか」と確認すると丁寧です。

相手の名前を何度も聞き返しても失礼ではありませんか?

曖昧なまま取り次ぐより、聞き直すほうが適切です。「度々申し訳ございません。確認のため、もう一度お名前をお願いできますでしょうか」と伝えましょう。

保留は何分までなら大丈夫ですか?

明確な全国共通ルールはありませんが、長く待たせないことが基本です。確認に時間がかかるとわかった時点で電話へ戻り、待ってもらうか、折り返しにするかを尋ねましょう。

担当者の不在理由はどこまで伝えますか?

「席を外しております」「外出しております」「本日休みをいただいております」など、業務上必要な範囲にとどめます。休みの理由や外出先など、個人的な情報は伝えません。

折り返しはいつまでにすればよいですか?

「当日中」などと一律に決めるのではなく、相手の希望と用件の緊急度を確認し、社内の担当者へ正確に伝えます。約束した時刻に間に合わない場合は、わかった時点で連絡を入れることが大切です。

電話を切るのはどちらが先ですか?

一般には、電話をかけた側やお客様が先に切るのを待ちます。ただし、相手が切らずに待っている場合は、「失礼いたします」と伝え、受話器を静かに置きましょう。

営業電話を断るときはどう言えばよいですか?

「申し訳ございませんが、現在そのようなご提案はお受けしておりません」と簡潔に伝えます。担当者の予定や個人情報を安易に教えず、会社のルールに従いましょう。

まとめ|電話対応は敬語よりも「確認と型」が大切

電話対応で大切なのは、難しい敬語を並べることではありません。明るく名乗り、相手の名前と用件を正確に確認し、復唱して、次の対応を明確にすることです。

まずは「第一声」「聞き返し」「保留」「不在」「伝言」「終わりの挨拶」の6つを手元に置き、繰り返し使ってみましょう。基本の型が身につけば、突然の電話でも落ち着いて対応できるようになります。