ビジネスシーンで「この敬語、合っているだろうか?」と不安になった経験はありませんか。
敬語は、日本の社会において相手への敬意や配慮を示す重要なコミュニケーション手段です。
しかし、自己流で使っていると、知らないうちに失礼な印象を与えてしまうことも少なくありません。
本記事では、正しい敬語の使い方を基礎から整理し、よくある間違い・正しい言い換え・すぐに使える例文までを網羅的に解説します。
新入社員の方はもちろん、社会人経験を重ねた方でも「改めて確認したい」と感じる内容を、実務目線で丁寧にまとめました。
目次
- 1 正しい敬語の基本と重要性
- 2 敬語の基本3種類を正しく理解する
- 3 よく使う敬語の正しい言い換え一覧【保存版】
- 4 間違いやすい敬語NG集と言い換え例
- 5 シーン別|すぐ使える敬語例文集
- 6 6. よくある質問(Q&A)
- 6.1 Q1. 「了解しました」は本当にNGですか?
- 6.2 Q2. 「ご確認ください」は失礼になりますか?
- 6.3 Q3. 二重敬語はどこまでがNGですか?
- 6.4 Q4. 「〜させていただきます」は使ってはいけませんか?
- 6.5 Q5. 社内メールでも敬語は必要ですか?
- 6.6 Q6. 上司を社外の人に紹介するときの敬語は?
- 6.7 Q7. 電話で噛んでしまった場合、どうリカバーすべきですか?
- 6.8 Q8. チャットツールでも敬語は必要ですか?
- 6.9 Q9. 新入社員が最優先で覚えるべき敬語は?
- 6.10 Q10. 敬語に自信がないときの対処法は?
- 6.11 Q11. メールと電話で敬語を変える必要はありますか?
- 7 まとめ|正しい敬語を身につけるためのポイント
正しい敬語の基本と重要性
敬語は単なる言葉遣いではなく、相手との関係性を円滑にし、信頼を築くための重要なビジネススキルです。
正しい敬語を使えるかどうかで、「仕事ができる人」「配慮ができる人」という印象が大きく変わります。
一方で、間違った敬語や不自然な表現は、意図せず相手を不快にさせたり、評価を下げてしまう原因にもなります。
この章では、まず敬語を正しく使うことの重要性と、間違えた場合に起こりやすいリスクについて整理し、なぜ今あらためて敬語を学び直す必要があるのかを解説します。
敬語を間違えると起こるビジネス上のリスク
敬語の誤用は、想像以上にビジネスへ悪影響を与えます。
例えば、取引先に対して上から目線に聞こえる敬語を使ってしまうと、「配慮に欠ける」「常識がない」と判断されることがあります。
特にメールや電話では表情が見えないため、言葉遣い一つで印象が大きく左右されます。
【NG例】
・「こちらで確認させていただきますので、少々お待ちしてください」
・「〇〇部長が申されていました」
一見丁寧に見えますが、「お待ちしてください」は誤用、「申される」は二重敬語です。
このような小さなミスの積み重ねが、信頼低下につながるケースは少なくありません。
正しい敬語が信頼・評価につながる理由
正しい敬語を自然に使える人は、それだけで「社会人としての基礎ができている」「安心して仕事を任せられる」という評価を得やすくなります。
敬語は相手への敬意を言語化する手段であり、適切に使うことで相手との距離感を適正に保つことができます。
【良い例】
・「恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか」
・「〇〇部長がおっしゃっていました」
このように、正しい敬語は相手に安心感を与え、円滑なコミュニケーションを支えます。
敬語を身につけることは、結果的に自身の評価やキャリアアップにも直結する重要な要素なのです。
敬語の基本3種類を正しく理解する
敬語が難しいと感じる最大の理由は、「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の違いが曖昧なまま使われていることにあります。
この3つの役割を正しく理解すれば、敬語は決して難しいものではありません。
むしろ、誰が主語なのか、誰に敬意を向けるのかを意識するだけで、表現は自然と整理されます。
この章では、敬語の基本となる3種類をそれぞれ分かりやすく解説し、間違えやすいポイントや実務で使える例文を交えながら、正しい使い分けができるよう丁寧に説明していきます。
尊敬語とは|意味と使い方
尊敬語は、相手や第三者の行動・状態を高めて表現する敬語です。
主に上司・取引先・お客様など、自分より立場が上の人の動作について使います。
ポイントは、「自分の行動には使わない」ことです。
【尊敬語の例】
・言う → おっしゃる ・行く → いらっしゃる ・見る → ご覧になる
【例文】
・「部長はすでに会議室へいらっしゃっています」
・「資料をご覧になりましたでしょうか」
【間違いやすいNG例】
・「私が明日、いらっしゃいます」 → 自分の行動に尊敬語を使うのは誤りです。
謙譲語とは|意味と使い方
謙譲語は、自分や自分側の行動をへりくだって表現し、相手を立てる敬語です。
尊敬語とは逆に、主語は常に「自分」になります。
ビジネスメールや電話対応で最も使用頻度が高い敬語でもあります。
【謙譲語の例】
・言う → 申し上げる
・行く → 伺う
・聞く → 拝聴する
【例文】
・「後ほどこちらから改めてご連絡申し上げます」
・「明日、御社へ伺ってもよろしいでしょうか」
【注意点】
「ご説明させていただきます」のような表現は、過剰になると不自然になるため、使いすぎには注意が必要です。
丁寧語とは|意味と使い方
丁寧語は、「です・ます」を使って文章全体を丁寧にする表現で、相手の立場に関係なく使える敬語です。
社内外を問わず、最も基本となる言葉遣いといえます。
【丁寧語の例】
・確認する → 確認します
・思う → 思います
【例文】
・「本日の資料はこちらになります」
・「その件については、後ほどご連絡します」
尊敬語・謙譲語と組み合わせることで、より適切で自然な敬語表現が完成します。
『ビジネスメールの基本構成と正しい書き方』
よく使う敬語の正しい言い換え一覧【保存版】
ビジネスの現場では、限られた表現を繰り返し使うことが多く、「この言い方で本当に正しいのだろうか」と不安になる場面が少なくありません。
特にメールや電話では、その場で確認できず、曖昧なまま送ってしまうケースも多いでしょう。
この章では、日常業務で頻出する敬語表現を中心に、誤りやすい表現と正しい言い換えを一覧形式で整理しました。
すぐに確認でき、実務でそのまま使える“保存版”として活用してください。
ビジネスで頻出する基本敬語の言い換え
まずは、社内外問わず使用頻度の高い基本表現から確認しましょう。
何気なく使っている言葉ほど、誤用に気づきにくいものです。
【よくある表現 → 正しい敬語】
・了解しました → 承知しました
・ご苦労さまです → お疲れさまです
・すみません → 恐れ入ります/申し訳ございません
【例文】
・「内容を承知しました。早速対応いたします」
・「お疲れさまです。本日の件ですが…」
メール・電話で使う敬語の言い換え
メールや電話では、表情や態度が伝わらない分、言葉遣いがそのまま印象になります。
特にクッション言葉や依頼表現は丁寧さが求められます。
【NG表現 → 正しい表現】
・確認してください → ご確認いただけますでしょうか
・少し待ってください → 少々お待ちいただけますでしょうか
・後で連絡します → 後ほどご連絡いたします
【例文】
・「恐れ入りますが、資料をご確認いただけますでしょうか」
・「担当者に確認の上、後ほどご連絡いたします」
社内・社外で使い分ける敬語
敬語は、社内と社外で使い分ける意識が重要です。
特に上司や取引先を同時に話題に出す場合は注意が必要です。
【使い分け例】
・社内:部長が申していました → ✕
・社外:部長が申していました → ✕
・正:部長が申しておりました(社外向け)
【例文】
・「弊社の部長・山田がそのように申しておりました。
間違いやすい敬語NG集と言い換え例
敬語は「丁寧にしよう」と意識するほど、かえって不自然になったり、誤った表現になりやすいものです。
特に日本語には、善意から生まれた誤用や、長年の慣習で広まった間違い敬語が数多く存在します。
この章では、ビジネスシーンで特に多い敬語のNG例を取り上げ、「なぜ間違いなのか」「どう言い換えれば正しいのか」をセットで解説します。
正しい知識を身につけることで、相手に失礼な印象を与えるリスクを確実に減らすことができます。
二重敬語のNG例
二重敬語とは、同じ言葉に尊敬語や謙譲語を重ねて使ってしまう誤用です。
一見とても丁寧に聞こえますが、文法的には誤りとされています。
【NG例 → 正しい表現】
・おっしゃられました → おっしゃいました
・拝見させていただきました → 拝見しました
・伺わせていただきます → 伺います
【例文】
・「先ほどの件について、部長がおっしゃいました」
・「資料はすでに拝見しました」
丁寧すぎて不自然な敬語
過度に丁寧な表現は、かえって回りくどく、相手に違和感を与えることがあります。
特に「〜させていただく」の多用には注意が必要です。
【NG例 → 正しい表現】
・ご説明させていただきます → ご説明いたします
・確認させていただきます → 確認いたします
【ポイント】 相手の許可や恩恵がない場面では、「させていただく」は不要です。
上から目線・失礼に聞こえる表現
無意識に使っている言葉が、相手に失礼な印象を与えるケースもあります。
特に目上の人や取引先には注意が必要です。
【NG例 → 正しい表現】
・了解しました → 承知しました
・参考になりました → 勉強になりました
【例文】
・「ご提案内容、承知しました」
・「貴重なお話をいただき、大変勉強になりました」
『ビジネスマナーの基本と注意点』
シーン別|すぐ使える敬語例文集
敬語は知識として理解していても、実際の場面でとっさに正しい表現が出てこないことが少なくありません。
特にビジネスでは、メール・電話・対面など状況に応じた使い分けが求められます。
この章では、よくあるシーン別に「そのまま使える敬語例文」をまとめました。
表現に迷ったときにすぐ確認できるよう、簡潔かつ実践的な文例を中心に紹介します。
日々の業務で繰り返し使うことで、自然と正しい敬語が身についていくはずです。
ビジネスメールで使える敬語例文
ビジネスメールでは、丁寧さと簡潔さのバランスが重要です。
過度に長い敬語表現は、かえって読みにくくなります。
【依頼する場合】
・「恐れ入りますが、資料をご確認いただけますでしょうか」
・「お手数をおかけいたしますが、ご対応のほどお願いいたします」
【報告する場合】
・「本件につきまして、以下のとおりご報告いたします」
・「先ほどの件は、無事完了いたしました」
電話対応で使える敬語例文
電話では、声と言葉遣いのみで印象が決まるため、特に敬語の正確さが重要です。
【取り次ぎ】
・「恐れ入りますが、〇〇はただいま席を外しております」
・「戻り次第、こちらから折り返しご連絡いたします」
【確認・依頼】
・「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
・「担当者に確認の上、改めてご連絡いたします」
上司・取引先・お客様別の敬語例文
相手との関係性によって、敬語のレベルは調整する必要があります。
【上司向け】
・「本件について、ご指示いただけますでしょうか」
【取引先向け】
・「貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます」
【お客様向け】
・「ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません」
『電話対応の基本マナーと敬語表現』
6. よくある質問(Q&A)
敬語については、基本的なルールを理解していても、「この場面ではどの表現が正しいのか」「失礼に聞こえていないか」と迷うことが少なくありません。
特にビジネスシーンでは、相手の立場や関係性、やり取りの手段(メール・電話・チャット)によって最適な敬語表現が変わるため、判断が難しくなりがちです。
ここでは、実際に多くの社会人が悩みやすい敬語の疑問をQ&A形式で整理しました。
実務で遭遇しやすいケースを中心に、理由・考え方・すぐ使える例文までセットで解説します。
迷ったときの「確認用辞書」としてご活用ください。
Q1. 「了解しました」は本当にNGですか?
結論から言うと、目上の人や取引先に対しては避けたほうが無難です。
「了解」には“相手の申し出を認める”という意味合いがあり、状況によっては上から目線に受け取られる可能性があります。
ビジネスシーンでは、より丁寧で無難な表現を選ぶことが重要です。
【推奨表現】
・承知しました ・かしこまりました
【例文】
「ご連絡ありがとうございます。内容、承知しました。」
Q2. 「ご確認ください」は失礼になりますか?
命令形に近いため、相手との関係性によっては強く感じられる場合があります。
依頼の場面では、クッション言葉を添えて丁寧さを補うのが適切です。
【推奨表現】
・ご確認いただけますでしょうか
・恐れ入りますが、ご確認のほどお願いいたします
【例文】
「恐れ入りますが、添付資料をご確認いただけますでしょうか。」
Q3. 二重敬語はどこまでがNGですか?
同じ語に尊敬語や謙譲語を重ねて使う表現は、原則として二重敬語となり誤用です。
「丁寧にしよう」とする意識から使われがちですが、正しい日本語とは言えません。
【NG例 → 正しい表現】
・おっしゃられる → おっしゃる
・拝見させていただく → 拝見する
【例文】
「資料はすでに拝見しました。」
Q4. 「〜させていただきます」は使ってはいけませんか?
必ずしもNGではありませんが、使用条件があります。
「相手の許可」や「恩恵」を受けて行う行為でない場合は、不自然になるため注意が必要です。
【適切な例】
・修正させていただきます(相手の依頼がある場合)
【例文】
「ご指示いただいた箇所を修正させていただきます。」
Q5. 社内メールでも敬語は必要ですか?
はい、必要です。
特に上司や他部署宛てのメールでは、社外メールに近い丁寧な敬語表現を心がけましょう。
同僚宛てでも最低限の丁寧語は必要です。
【例文】
「本日の会議資料を共有いたします。ご確認ください。」
Q6. 上司を社外の人に紹介するときの敬語は?
社外向けには、上司であっても自分側の人間として扱うため、謙譲語を使用します。
尊敬語を使うと、相手より上に立ててしまうため注意が必要です。
【正しい表現】
「弊社の〇〇が申しておりました」
【例文】
「弊社の部長・山田が、そのように申しておりました。」
Q7. 電話で噛んでしまった場合、どうリカバーすべきですか?
無理に言い直そうとせず、「失礼いたしました」と一言添え、落ち着いて話を続けるのが最善です。
過度に謝りすぎる必要はありません。
【例文】
「失礼いたしました。改めてご説明いたします。」
Q8. チャットツールでも敬語は必要ですか?
ビジネス利用であれば必要です。
ただし、メールほど堅くする必要はなく、簡潔さと丁寧さのバランスを意識しましょう。
【例文】
「承知しました。後ほど対応いたします。」
Q9. 新入社員が最優先で覚えるべき敬語は?
まずは頻出かつ汎用性の高い敬語から覚えるのがおすすめです。
特に以下の3つは、どの職種でも必須と言えます。
【必須敬語】
・承知しました ・恐れ入ります ・申し訳ございません
【例文】
「恐れ入りますが、少々お時間をいただけますでしょうか。」
Q10. 敬語に自信がないときの対処法は?
迷った場合は、無理に尊敬語・謙譲語を使おうとせず、丁寧語に戻すのが安全です。
事前に例文をストックしておくのも有効です。
【例文】
「確認の上、改めてご連絡いたします。」
Q11. メールと電話で敬語を変える必要はありますか?
基本的な敬語ルールは同じですが、電話では即時性が高いため、より簡潔で分かりやすい表現が好まれます。
メールは文章構成も含めて丁寧さを意識しましょう。
【例文(電話)】
「ただいま確認いたします。少々お待ちください。」
【例文(メール)】
「恐れ入りますが、現在確認中でございます。改めてご連絡いたします。」
まとめ|正しい敬語を身につけるためのポイント
正しい敬語は、相手への敬意を伝えるだけでなく、自身の信頼や評価を高める重要なビジネススキルです。
本記事では、敬語の基本から言い換え一覧、NG例、シーン別例文までを網羅的に解説しました。
大切なのは「完璧を目指す」ことではなく、「間違いに気づき、正しく直せる」ことです。
この記事を手元の辞書として活用し、日々の業務で少しずつ正しい敬語を身につけていきましょう。