突然の訃報に接すると、多くの方が戸惑います。

「香典はいくら包めば失礼にならない?」
「御霊前と御仏前の違いは?」
「新札は使っていいの?」

香典は、故人への弔意と遺族への思いやりを表す大切なものです。

しかし、学校で教わる機会は少なく、自己流で不安なまま参列する方も少なくありません。

この記事では、香典の基本マナーから金額相場、書き方、渡し方、NG例までを徹底解説します。

親族・友人・会社関係など立場別の相場や、すぐに使える例文も豊富に掲載しています。

いざというときに慌てないための「保存版」として、ぜひ最後までご覧ください。

スポンサーリンク

目次

香典とは?基本マナーを正しく理解しよう

香典マナーを知るうえで、まず大切なのは「香典の意味」を理解することです。

単なるお金のやり取りではなく、日本の弔事文化に根付いた大切な慣習です。

ここでは、香典の本来の役割や渡すタイミング、辞退された場合の対応まで、基礎から丁寧に解説します。

香典の意味と本来の役割

香典とは、故人の霊前に供える金品のことです。

もともとは「お香」や「花」を持参する風習から始まり、それが金銭に変わったと言われています。

現在では、次の2つの意味があります。

・故人への弔意を示す
・遺族の葬儀費用を支える

つまり香典は、「助け合い」の文化でもあります。

単なる形式ではなく、「お悔やみの気持ちを形にするもの」であることを覚えておきましょう。

通夜・葬儀どちらで渡す?

基本的に、通夜か葬儀のどちらか一方で渡せば問題ありません。

両方参列する場合でも、香典は一度だけです。

一般的には、

・通夜に参列 → 通夜で渡す
・葬儀のみ参列 → 葬儀で渡す

という形になります。

受付で袱紗(ふくさ)から取り出し、相手から読める向きで差し出します。

例:

「この度はご愁傷様でございます。心ばかりですがお納めください。」

香典辞退の場合の対応方法

最近は「香典辞退」と明記されるケースが増えています。

その場合は、無理に渡さないことがマナーです。

どうしても気持ちを伝えたい場合は、

・弔電を送る
・後日お供え物を送る

などの方法を選びます。

香典を辞退された場合の正しい対応とは?


無理に渡してもいいのか、代わりに何をすべきか、弔電や供物のマナー、使える例文、やってはいけないNG例まで詳しく解説しています。

👇

香典を辞退されたらどうする?正しい対応マナーと失礼にならない例文・NG集まで完全解説

【関係別】香典の金額相場一覧

香典で最も多い悩みが「いくら包めばいいのか」という金額問題です。

少なすぎると失礼ではないかと不安になり、多すぎてもかえって遺族に気を遣わせてしまうことがあります。

香典は“気持ち”が大切とはいえ、一般的な相場から大きく外れないことも重要なマナーです。

ここでは、親族・友人・会社関係など立場別の金額相場を具体的に解説します。

地域差や家族の慣習もあるため、迷った場合は年長者や家族に確認するのが安心です。

親族の場合の香典相場

親族の場合は、血縁の近さや年齢、立場によって金額が変わります。

一般的な相場

関係相場
両親5万円〜10万円
祖父母1万円〜5万円
兄弟姉妹3万円〜5万円
叔父・叔母1万円〜3万円
いとこ5,000円〜1万円

※喪主側になる場合は香典を出さないケースもあります。

判断のポイント

・30代以上ならやや多め
・既婚者は独身より多め
・世帯単位で包むのが基本

具体例

例)30代既婚・祖父の葬儀
→ 3万円が一般的

例)20代独身・叔父の葬儀
→ 1万円程度

地域によっては「家ごと」の付き合いを重視するため、親に相談するのが確実です。

友人・知人の場合の相場

友人関係は距離感が分かりにくく、迷いやすいケースです。

一般的な相場

・親しい友人:5,000円〜1万円
・友人の親:5,000円
・近所の方:3,000円〜5,000円
・恩師:5,000円〜1万円

高額にする必要はありません。

無理のない範囲が基本です。

迷ったときの基準

✔ 今後も長く付き合う関係か
✔ 結婚式に呼ばれるほどの関係か
✔ グループで連名にするか

例)学生時代の親友
→ 1万円が目安

例)会社の元同僚
→ 5,000円が一般的

会社関係の場合の相場

会社関係は、個人で包むか、会社名義で出すかによって異なります。

個人で包む場合

・上司:5,000円〜1万円
・同僚:5,000円
・部下:5,000円
・取引先:5,000円〜1万円

会社名義で出す場合

企業として1万円〜3万円程度が一般的です。

注意点

・会社規定がある場合は従う
・部署でまとめるケースも多い

例)課内で5人連名
→ 1人3,000円ずつ集め、15,000円を「〇〇部一同」として包む

学生・未成年の場合

学生や未成年は、無理をする必要はありません。

一般的には3,000円〜5,000円程度です。

親が包む場合は、子ども名義は不要なこともあります。

例)大学生・友人の祖父
→ 3,000円

経済状況に合わせることが大切です。

連名で包む場合の相場

連名は3名までが基本です。

4名以上の場合は代表者名+「外一同」または「〇〇一同」とします。

連名例

山田太郎
佐藤花子
鈴木一郎

4名以上なら:

営業部一同

金額の考え方

1人あたり3,000円〜5,000円を目安に合算します。

偶数金額にならないよう調整しましょう。

金額に関するよくある誤解

✔ 4万円・9万円は避ける
✔ 偶数(2万円)は避けるのが一般的
✔ 1万円札1枚が無難

ただし、最近は「2万円=ペアで縁が続く」とする地域もあります。

地域差を尊重することが最も大切です。

香典袋の選び方と正しい書き方

香典の金額が決まっても、「表書きは何と書けばいい?」「薄墨って本当に必要?」と悩む方は多いものです。


実は香典マナーで最も失敗が多いのが“書き方”です。

宗教による違いを知らずに誤った表書きをしてしまう、ボールペンで書いてしまう、金額の漢数字を間違える——こうしたミスは少なくありません。

ここでは、宗教別の表書き・薄墨の意味・中袋の具体例・連名の書き方まで、すぐに使える実践例つきで解説します。

宗教別の表書きの違い

香典袋の表書きは宗教によって異なります。

ここを間違えると失礼にあたるため注意しましょう。

仏式の場合

・四十九日前:御霊前
・四十九日以降:御仏前

※ただし浄土真宗は最初から「御仏前」を使います。

神式の場合

・御玉串料
・御榊料
・御神前

キリスト教の場合

・御花料
・献花料

迷った場合は「御霊前」が比較的無難ですが、浄土真宗には使えないため、事前確認が理想です。

薄墨を使う理由

香典の表書きは薄墨で書くのが正式なマナーです。

これは「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味があります。

現在は筆ペンの薄墨タイプが市販されているため、それを使えば問題ありません。

NG例

× 黒のボールペン
× サインペン
× 万年筆

どうしても薄墨が用意できない場合は、濃い黒でも失礼ではありませんが、できるだけ薄墨を選びましょう。

中袋の書き方(具体例つき)

中袋には「金額」「住所」「氏名」を記載します。

表面(中央)

金壱萬円

※旧字体を使うとより丁寧です。

普通の漢字旧字体

裏面

〒123-4567
東京都〇〇区〇〇1-2-3
山田 太郎

金額は改ざん防止のため旧字体を使います。

例)
5,000円 → 金伍阡円
10,000円 → 金壱萬円

数字は算用数字(5,000円)ではなく漢数字が正式です。

夫婦・連名での書き方

夫婦の場合

中央:夫のフルネーム
左横:妻の名前のみ

例:

山田 太郎
  花子

3名までの連名

右から順に目上の人を書く

例:

山田太郎
佐藤花子
鈴木一郎

4名以上の場合

代表者名+「外一同」
または
「営業部一同」

よくある書き方のNG例

✔ 金額を書き忘れる
✔ 住所を書かない
✔ 会社名のみで個人名なし
✔ 旧字体を誤って書く

特に住所未記入は香典返しに支障が出ます。


👉「香典返しの相場とマナー解説」

香典の包み方とお札のマナー

香典は「いくら包むか」だけでなく、「どう包むか」も大切なマナーです。


お札の向きや新札の扱いを知らずに準備してしまい、直前で慌てる方も少なくありません。

細かい作法に見えるかもしれませんが、弔事では“丁寧さ”が何より重要です。

ここでは、実際に準備するときに迷わないよう、具体的な手順と注意点を解説します。

お札の向きと正しい入れ方

香典では、お札の肖像画が裏面・下向きになるように入れます。

基本ルール

・肖像画がある面を「裏」にする
・人物の顔が「下向き」になるように揃える
・複数枚の場合は向きを統一する

これは「顔を伏せる=悲しみを表す」という意味があります。

入れ方の例

1万円札1枚の場合:

封筒を開いたときに、肖像画が見えない向きに入れる。

3枚入れる場合:

3枚すべて同じ向きで重ねる。

揃っていないと雑な印象を与えてしまいます。

新札はNG?正しい扱い方

香典では新札をそのまま使うのは避けるのが一般的です。

理由は、「あらかじめ不幸を予想して準備していた」と受け取られる可能性があるためです。

正しい対応

✔ 新札しかない場合は、一度軽く折り目をつける
✔ なるべく使用感のあるきれいなお札を使う

ただし近年では「新札でも問題ない」とする考えも広がっています。

地域差がありますので、迷った場合は軽く折り目をつけておくと安心です。

枚数と金額の注意点

香典では「縁起」を重視する文化があります。

避けたい金額

・4,000円(死を連想)
・9,000円(苦を連想)
・偶数金額(縁が切れるとされる)

一般的には5,000円・10,000円・30,000円などが無難です。

枚数の考え方

・1万円 → 1枚
・3万円 → 1万円札3枚

5千円札を混ぜるのは避けた方が無難です。

最近増えているNG例

✔ コンビニ袋からそのまま出す
✔ 袱紗に包まず持参する
✔ お札の向きがバラバラ
✔ 香典袋が派手すぎる(水引が豪華すぎる)

特に袱紗を使わないのは目立つNGです。

袱紗(ふくさ)の基本マナー

弔事では寒色系(紫・紺・グレー)の袱紗を使います。

包み方(簡易手順)

  1. 袱紗をひし形に置く
  2. 中央に香典袋を置く
  3. 右→下→上→左の順に折る

受付で取り出す際は、台の上で丁寧に開きましょう。

香典の渡し方と挨拶例文

香典は「包み方」だけでなく、「渡し方」も重要なマナーです。


特に受付での所作や、遺族への言葉選びは印象に残りやすい部分です。

緊張していると、つい普段の言葉遣いが出てしまったり、忌み言葉を使ってしまうこともあります。

ここでは、受付での正しい流れ・具体的な挨拶例文・郵送時の文例まで、実際にそのまま使える形でまとめました。

受付での正しい渡し方

基本の流れ

  1. 受付で一礼
  2. 袱紗から香典袋を取り出す
  3. 相手から読める向きにして両手で差し出す
  4. 一言お悔やみを述べる
  5. 芳名帳に記帳する

具体例

(軽く一礼して)

「この度はご愁傷様でございます。心ばかりですがお納めください。」

受付の方が遺族でない場合もありますが、丁寧に対応することが大切です。

注意点

✔ 片手で渡さない
✔ ポケットから直接出さない
✔ 雑談をしない

挨拶例文(状況別)

弔事では「忌み言葉」を避ける必要があります。

基本のお悔やみ

「この度は誠にご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます。」

親しい関係の場合

「突然のことで言葉もございません。どうかお力落としのないように。」

上司や取引先の場合

「この度は誠にご愁傷様でございます。ご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。」

使ってはいけない言葉(NG例)

× 重ね重ね
× 再び
× 続いて
× 生きていれば

不幸が続くことを連想させる言葉は避けます。

郵送する場合のマナー

やむを得ず参列できない場合は、現金書留で送ります。

普通郵便は絶対にNGです。

手順

  1. 香典袋を用意
  2. 現金書留封筒に入れる
  3. 手紙を同封する
  4. 四十九日前に届くよう送る

郵送用例文(そのまま使える)

拝啓
この度は突然の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。


本来であれば直接お伺いすべきところではございますが、やむを得ず書中にて失礼いたします。


心ばかりの香典を同封いたしましたので、御霊前にお供えいただければ幸いです。


ご家族の皆様のご平安をお祈り申し上げます。


敬具

令和〇年〇月〇日
山田 太郎

郵送時のNG例

✔ 現金を普通封筒で送る
✔ 手紙を入れない
✔ 香典袋を裸のまま入れる

丁寧さを忘れないことが大切です。

急用や遠方で参列できないとき、香典は郵送しても大丈夫?

失礼にならない手順と、コピペで使える添え状の文例をまとめています。

👇

香典を郵送するのは失礼?正しいマナーと現金書留の送り方|そのまま使える添え状文例付き

香典マナーのNG例まとめ【保存版チェックリスト】

香典マナーは細かいルールが多いため、「知らなかった」では済まされない場面もあります。


ここでは、特に失敗しやすいNG例をまとめました。

参列前の最終チェックとして活用してください。

金額に関するNG

✔ 4,000円・9,000円を包む
✔ 偶数金額(2万円など)を包む
✔ 年齢や立場に合わない極端な高額・低額

特に「4」「9」は避けるのが無難です。

書き方のNG

✔ ボールペンで書く
✔ 住所を書き忘れる
✔ 金額を算用数字で書く
✔ 宗教に合わない表書きを使う

例)浄土真宗で「御霊前」はNG

行動・服装のNG

✔ 派手なネイルやアクセサリー
✔ 袱紗を使わない
✔ 香典をポケットから直接出す
✔ 写真撮影をする

弔事では「控えめ」が基本です。

最近増えている失敗例

✔ コンビニ購入のカジュアルな香典袋
✔ 香典袋の水引が豪華すぎる
✔ 会社ロゴ入り封筒を使う

最低限のフォーマル感は必要です。

法要に参列する際の服装マナーや、お布施を包むのし袋の書き方、僧侶への正しい渡し方までを詳しく解説しています。

香典とあわせて知っておきたい実践的なマナーを網羅した内容です。

👇

法要の服装マナーとお布施の完全ガイド|のし袋の書き方から僧侶へのスマートな渡し方まで

よくある質問

実際に多い検索疑問をもとに、具体的に解説します。

Q1. 香典は偶数でも問題ありませんか?

基本的には奇数が望ましいとされています。

偶数は「縁が切れる」と解釈される場合があります。

ただし地域差があります。

Q2. 1万円は少ないですか?

友人や会社関係であれば一般的な金額です。

親族の場合は関係性によって増額します。

Q3. 香典を忘れてしまった場合は?

後日、自宅へ持参するか現金書留で送ります。

1週間以内が目安です。

Q4. 家族葬でも香典は必要?

参列する場合は持参するのが基本です。

辞退されていれば不要です。

香典を辞退された場合の正しい対応とは?


無理に渡してもいいのか、代わりに何をすべきか、弔電や供物のマナー、使える例文、やってはいけないNG例まで詳しく解説しています。

👇

香典を辞退されたらどうする?正しい対応マナーと失礼にならない例文・NG集まで完全解説

Q5. 子ども名義で必要?

未成年であれば不要なケースがほとんどです。

Q6. 通夜と告別式両方出る場合は?

香典は一度のみです。

Q7. 受付がない場合は?

遺族に直接渡します。

その際も袱紗から取り出します。

Q8. 香典返しの相場は?

一般的には「半返し(半額程度)」です。

Q9. 会社から出る場合、個人では不要?

会社規定に従います。

個人で出さないケースもあります。

Q10. お札はバラバラでもいい?

向きは必ず揃えましょう。

雑な印象になります。

まとめ|香典は金額より“思いやり”が大切

香典マナーは形式だけでなく、遺族への配慮と敬意が最も重要です。

✔ 相場を守る
✔ 正しい表書きを使う
✔ 丁寧に渡す

これらを押さえておけば失礼になることはありません。

・香典を包む際は金額や渡し方だけでなく、香典返しのマナーも押さえておくと安心です。

香典返しには、贈るタイミングや添える挨拶状の文面にルールがあります。

失礼のない文章例や送付タイミングを詳しく解説した記事は以下からご覧いただけます。

👇

香典返しの挨拶状の書き方|例文・送付タイミング完全ガイド

・香典や香典返しとあわせて押さえておきたいのが、法事・法要の案内状の書き方です。

四十九日、一周忌、三回忌など、それぞれの法要に応じた文面やマナーを知っておくと、遺族や参列者に失礼なく案内できます。

具体的なテンプレートや文例も紹介されています。

👇

法事・法要案内状の書き方決定版|四十九日・一周忌・三回忌対応テンプレート付き

・法要ごとの香典相場(四十九日・一周忌・三回忌)を早見表で確認。

仏式・神式・キリスト教式の表書き、渡し方、マナーの注意点まで徹底解説しています。

👇

法要の香典相場とマナー|四十九日・一周忌・三回忌ごとの金額早見表と宗教別注意点

お布施、供物、線香、手土産など、法要当日に必要な持ち物を一覧化。

チェックリスト付きで漏れなく準備できます。

👇

初めての法要準備ガイド|日程・手順・持ち物一覧とマナー・NG集付き

香典の郵送方法だけでなく、同封する添え状の書き方も知っておきたい方は、こちらをご確認ください。

👇

香典を郵送するマナーと現金書留の送り方|失礼にならない添え状文例付き

法要に参列する際の服装マナーや、お布施を包むのし袋の書き方、僧侶への正しい渡し方までを詳しく解説しています。

香典とあわせて知っておきたい実践的なマナーを網羅した内容です。

👇

法要の服装マナーとお布施の完全ガイド|のし袋の書き方から僧侶へのスマートな渡し方まで