訃報を受けても、遠方に住んでいたり、仕事や体調の都合で葬儀に参列できないことは珍しくありません。

そのような場合、弔意を伝える方法として「香典を郵送する」という手段があります。

とはいえ、「香典を郵送しても失礼にならないのか」「現金書留の手順は?」「添え状はどう書けばいいのか」と悩む方も多いでしょう。

本記事では、香典を郵送する際の正しいマナーと手順を、具体的な文例やNG集を交えて徹底解説します。



 香典の金額相場(両親・親族・友人別)、表書きや中袋の書き方、渡すタイミング、やってはいけないNGマナーまで徹底解説。

葬儀や法要に参列する前にチェックしておきましょう。

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目次

香典を郵送しても失礼にならない?

「香典は直接持参するのが礼儀」という考えが根強いため、郵送に不安を覚える人も多いはずです。

しかし、遠方や体調の都合などで参列できない場合、現金書留による郵送は認められた方法です。

ここでは、香典郵送の位置づけや注意点を整理します。

香典は郵送してもマナー違反ではない

葬儀に出られない事情がある場合、香典を郵送するのは失礼ではありません。

現金書留で送ることで安全に届き、弔意を示すことができます。

遠方や体調不良の場合に選ばれる方法

遠方に住んでいる、体調を崩している、高齢で移動が難しい…などの場合、郵送が一般的です。

直接手渡しが原則だが、やむを得ない場合は郵送可

本来は「直接お悔やみを伝える」のが望ましいですが、やむを得ない事情なら郵送でも誠意は伝わります。

香典を郵送する際の基本ルール

香典を郵送する場合、守らなければならない基本ルールがあります。

特に「現金書留を使うこと」「香典袋を正しく包むこと」は必須です。

ここを誤ると、せっかくの誠意が失礼になってしまいます。

現金書留で送るのが唯一の正しい方法

現金を郵送できるのは「現金書留」だけです。

普通郵便やレターパックでは現金を送れません。

現金書留の料金と計算方法

香典を郵送する際、現金書留の料金は「郵便物の基本料金」+「現金書留の加算料金」で決まります。

普通郵便やレターパックでは現金を送ることはできませんので、必ず現金書留を利用しましょう。

現金書留の料金例(2025年8月現在)

香典額郵便料金(50g以内)現金書留加算料金保証料合計(封筒代別)
5,000円110円480円0円590円
30,000円110円480円88円678円
50,000円110円480円172円762円

📌 補足:

  • 現金書留加算料金は一律480円。
  • 保証料は送金額に応じて変動し、1万円ごとに+28円(2025年現在の改定料金)。
  • 現金書留専用封筒は別売りで 21円(小サイズ)/33円(大サイズ)
  • 重量が50gを超えると郵便料金はさらに加算されます。

👉 つまり、香典を送る場合、 600〜800円程度+封筒代 を見込めば安心です。

普通郵便や宅配便では送れない理由

郵便法で現金を普通郵便に入れることは禁止されています。

宅配便も規定違反になるため不可です。

香典袋の包み方と封筒の入れ方

香典袋に入れた現金を、中袋ごと現金書留封筒に入れます。

香典袋の表書きと現金書留封筒の差出人は一致させましょう。

香典に添える手紙・添え状のマナー

香典を郵送する際にもっとも大切なのが「添え状」です。

お金だけ送ると事務的な印象になりかねません。

弔意を伝える丁寧な言葉を添えることで、相手に気持ちが伝わります。

添え状は必ず同封する

「なぜ郵送なのか」「どのような気持ちで送ったのか」を書くことで、誠意が伝わります。

手紙に書くべき内容

  • 訃報を受けた驚きと悲しみ
  • 本来なら参列すべきだが、事情で叶わないこと
  • 香典を送る旨と、供養を願う気持ち

手紙のNG表現

「重ね重ね」「再び」など不幸が続くことを連想させる言葉は避けましょう。

添え状の例文(参列できない場合)

ご逝去の報に接し、ただ驚きと悲しみでいっぱいです。

本来であれば参列し、ご冥福をお祈りすべきところ、遠方につき伺えず誠に申し訳ございません。

ささやかではございますが、心ばかりの御香料を同封いたしました。

ご霊前にお供えいただければ幸いに存じます。

現金書留の送り方手順

初めて現金書留を利用する方は手順に不安を感じるでしょう。

ここでは、郵便局での流れや記入方法を詳しく説明します。

4用意するもの

  • 香典袋
  • 現金書留専用封筒(郵便局で購入)
  • 添え状
  • 現金

郵便局での手続き方法

現金を香典袋に包み、現金書留封筒に入れて郵便局窓口へ。

差出人と受取人の住所・氏名を記入します。

送り先の宛名は「喪主」か「ご遺族代表」に

宛名は「〇〇家 喪主 △△様」または「ご遺族代表者宛」とします。

香典を郵送するときの注意点

香典の郵送には「届くタイミング」「送り先」「表現方法」など細かい配慮が必要です。

葬儀当日までに届くように送るのが理想

できる限り通夜や葬儀に間に合うよう発送します。

遅れた場合は「忌明け(四十九日)」までに

葬儀後に知った場合でも、四十九日までに届けば失礼にはなりません。

メッセージカードや派手な封筒は避ける

カラフルな便箋や飾りは不適切です。

白無地の便箋を使用しましょう。

香典を郵送するときの具体例

ここではシーンごとに香典郵送の例文を紹介します。

参列できない場合の文例

突然の訃報に接し、ただ驚いております。

本来であれば弔問に伺うべきところ、遠方にて叶わず誠に失礼いたします。

心ばかりの御香料を同封いたしました。

ご霊前にお供えいただければ幸いに存じます。

会社関係者に送る場合

〇〇様のご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。

本来ならば参列しご冥福をお祈りすべきところ、業務の都合により伺えず大変心苦しく存じます。

心ばかりの御香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えいただければ幸いです。

複数人でまとめて送る場合

このたびのご訃報に接し、深くお悔やみ申し上げます。

私ども一同の気持ちとして、心ばかりの御香料を同封いたしました。

ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。

NG集|やってはいけない香典郵送マナー

  • 普通郵便で送る
  • 香典袋を入れずに現金だけ送る
  • 添え状を省略する
  • カラフルな便箋を使用する
  • 香典袋と現金書留封筒の名前が異なる

よくある質問(Q&A)

香典を郵送するのは、普段なじみがないため戸惑う方が多いものです。

「現金書留でしか送れないの?」「送るタイミングが遅れたら失礼?」など、具体的な疑問は誰しも抱きがちです。

ここでは、よく寄せられる質問に対して、実際に使える文例付きで分かりやすく回答します。

香典を郵送する際の参考にしてください。

Q1. 香典は現金書留以外で送れますか?

回答:
いいえ。

香典を郵送できるのは現金書留だけです。

普通郵便やレターパックに現金を入れることは郵便法で禁止されており、紛失やトラブルの原因となります。

必ず郵便局の窓口で現金書留を利用しましょう。

Q2. 香典を送るタイミングが葬儀後になってしまいました。

回答:
葬儀に間に合わなかった場合でも、四十九日(忌明け)までに届けば失礼にはなりません。

その際は、添え状に「葬儀に参列できなかったこと」や「遅れて送ることへのお詫び」を必ず添えることが大切です。

テンプレート例文:
「ご葬儀に参列できず、また御霊前に直接お供えすることが叶わず、誠に申し訳ございません。

遅ればせながら、心ばかりの御香料をお送りいたします。

ご霊前にお供えいただければ幸いに存じます。」

Q3. 香典の金額の目安は?

回答:
香典の金額は故人との関係性によって異なります。

  • 友人・知人:3,000円〜5,000円
  • 職場関係者:5,000円〜10,000円
  • 親戚:10,000円〜30,000円
  • 両親や兄弟姉妹:30,000円〜50,000円程度

ただし地域や慣習によっても差があるため、迷った場合は親族や職場の同僚に確認すると安心です。

テンプレート例文:
「本来ならば直接弔問に伺うべきところ、叶わず失礼いたします。

ささやかではございますが、御香料を同封いたしました。

ご霊前にお供えいただければ幸いに存じます。」

Q4. 会社や取引先へ送る場合は?

回答:
会社関係者や取引先の場合は、基本的に「個人名」で送ります。

ただし、職場で取りまとめて香典を送る場合は、代表者名や「〇〇株式会社 △△一同」として送るのが一般的です。

添え状には「会社を代表してお送りする旨」を記載しましょう。

テンプレート例文:
「このたびのご逝去に際し、社員一同、深くお悔やみ申し上げます。

誠に心ばかりではございますが、香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えくださいませ。」

Q5. 封筒と香典袋の名前は一致させる?

回答:
はい。

香典袋に記載した名前と、現金書留封筒に記載する差出人は必ず一致させましょう。

異なる名前だと、ご遺族が誰からの香典か分からず混乱を招きます。

Q6. 香典を郵送する際にお札は新札でも大丈夫ですか?

回答:
香典には「用意していた印象を避けるため、ピン札は避ける」のが一般的です。

ただし、どうしても新札しかない場合は、折り目を軽くつけてから包むと良いとされています。

Q7. 香典の郵送で使う便箋や封筒に決まりはありますか?

回答:
便箋は白無地または薄いグレーを使用し、罫線入りでもかまいません。

封筒も白無地を選び、派手な柄や色物は避けるのがマナーです。

二重封筒は「不幸が重なる」と連想されるため使用しないようにしましょう。

テンプレート例文:
「このたびのご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

誠に心ばかりの御香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えくださいませ。」

Q8. 香典を送る宛名は誰にすれば良いですか?

回答:
香典は喪主宛に送るのが原則です。

喪主が明確でない場合は「〇〇家御遺族様」や、葬儀案内状に記載された代表者宛にします。

テンプレート例文:
「〇〇家 喪主 △△様
このたびのご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。

誠に心ばかりではございますが、御香料を同封いたしました。」

Q9. 葬儀が遠方で参列できない場合、香典と一緒に弔電も送った方がいいですか?

回答:
必須ではありませんが、葬儀当日に香典が届かない場合や、特に深いお付き合いがある場合は、香典に加えて弔電を送ると誠意がより伝わります。

テンプレート例文(弔電例):
「ご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

本来ならば参列のうえご冥福をお祈りすべきところ、遠方につき叶わず誠に申し訳ございません。

謹んで哀悼の意を表します。」

Q10. 香典を送るのがさらに遅れて、四十九日を過ぎてしまった場合は?

回答:
四十九日を過ぎてしまった場合は、法要に合わせて「御仏前」として送ります。

その際は遅れたことをお詫びし、改めて弔意を伝えることが大切です。

テンプレート例文:
「ご法要に際し、心ばかりの御仏前を同封いたしました。

ご葬儀に間に合わず大変失礼いたしましたが、改めて故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」

Q11. 香典を郵送した後に、お礼状は必要ですか?

回答:
香典を受け取った側(喪主や遺族)が「香典返し」とともにお礼状を送るのが一般的です。

送った側からのお礼状は不要ですが、もし特別に親しい関係なら「受け取っていただけたかどうか」の確認を兼ねて一言お伝えしても良いでしょう。

まとめ

香典は本来、直接持参して弔意を伝えるものですが、遠方ややむを得ない事情がある場合、現金書留で郵送するのはマナー違反ではありません

大切なのは、添え状を添えて誠意をしっかり伝えること。

葬儀当日までに届くのが理想ですが、遅れても四十九日までに送れば失礼にはなりません。

正しい手順を守り、相手の心に寄り添う形で弔意を伝えましょう。

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