大切な方を見送った後、弔意に対するお礼として欠かせないのが「香典返しの挨拶状」です。
丁寧で誠実な文章は、故人やご遺族の想いを正しく伝えるだけでなく、今後のご縁を円滑に保つうえでも重要な役割を果たします。
本ガイドでは、香典返しの挨拶状を失礼なく作成するためのマナー、送付タイミング、シーン別例文、NG集まで網羅的に解説。
この記事を読めば、どなたでも安心して挨拶状を書けるようになります。
目次
香典返しの挨拶状とは?
香典返しの挨拶状は、葬儀で香典を頂いた方へ感謝を示し、香典返しの品物を同封または別送する際に添えるお礼状です。
故人の冥福を祈りつつ、遺族として礼を尽くす場面だからこそ、格式と温かさを両立させた言葉選びが求められます。
挨拶状の目的と重要性
- 感謝の気持ちを正式に伝える
- 遺族としての礼節を保つ
- 今後のご縁を大切にする意思表示
香典返しと香典返しの挨拶状の違い
区分 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
香典返し(品物) | タオル・お茶・カタログギフトなど | 地域慣習と価格帯(半返し)が目安 |
挨拶状 | 品物や現金書留に添える書面 | 書式や敬語の正確さが必須 |
香典返しの挨拶状を送るタイミング
送付時期を誤ると、先方に失礼となるだけでなく宗教・地域慣習との不一致を招きます。
ここでは一般的な仏式を中心としつつ、宗派や地域の差異に配慮したタイミングの決め方を解説します。
四十九日法要後
- 一般的目安:忌明け後の1〜2週間以内
- 法要当日に授与品を手渡す場合は同封で可
- 遠方の参列者・辞退者には後日郵送
三十五日法要で忌明けとなる地域
- 孤立地域や浄土真宗など
- 三十五日+1週間が目安
遅れた場合の対処
- 挨拶状の冒頭でお詫び
- 理由は簡潔に(「諸般の事情により遅延し…」)
- 送付が3か月超なら電話連絡で先に謝意を伝える
挨拶状の基本構成とマナー
形式を整えながらも温かみを持たせるには、「定型+故人らしさ+遺族の感謝」をバランスよく配置することがコツです。
全体構成(縦書きを想定)
- 頭語(謹啓・拝啓)
- 時候の挨拶
- 御礼の言葉
- 故人の逝去報告と生前の厚誼への感謝
- 香典返しの品物の案内
- 結語(敬具・謹白)
- 日付・差出人
頭語と結語
- 最も無難なのは「謹啓」「謹白」
- カジュアル禁止(「こんにちは」等はNG)
時候の挨拶
- 忌明け後であれば季節の言葉を使用: 「向暑の候 皆様にはいよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 忌中は「時下」とし、季語を控える
故人への言及と感謝
「去る○月○日 享年◯歳にて永眠いたしました故 ○○ 儀 生前賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。」
品物の案内
「心ばかりの品をお届けいたしますので ご受納賜りますれば幸いに存じます。」
シーン別の例文集
関係性に応じた言葉選びは、同じフォーマルでも微妙に異なります。
以下の例文をベースに調整すると、失礼なく気持ちを伝えられます。
近親者向け(親戚・親族)
謹啓 向暑の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
去る○月○日 ○○が永眠いたしました折には ご丁重なるご香典並びに温かいお言葉を賜り 厚く御礼申し上げます
本日 忌明けの法要を相営み 供養の印として心ばかりの品をお送りいたしました
略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます
謹白
令和○年○月○日
喪主 ○○ ○○
友人・同僚向け
拝啓 盛夏の候 益々ご繁栄のこととお慶び申し上げます
父 ○○ 儀 逝去の折には ご丁重なるご厚志を賜り誠にありがとうございました
本来なら拝眉のうえ御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
会社関係・上司向け
謹啓 晩夏の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
このたびは ご多忙のところ過分なるご厚志を賜り 誠にありがとうございました
忌明け法要を滞りなく相営みましたので 謹んで香典返しの品をお届け申し上げます
今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げ 略儀ながら書中をもちまして御礼に代えさせていただきます
謹白
連名・団体宛て
拝啓 秋晴の候 皆さまにおかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先般は 故 ○○ 儀 の葬儀に際し 有志一同としてご厚志を賜り誠にありがとうございました
供養の印として心ばかりの品を同封いたしましたので ご笑納くださいませ
まずは書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
NG集|やってはいけない表現と注意点
せっかく心を込めた挨拶状でも、タブー表現が含まれていると台無しに。
以下は必ずチェックしましょう。
タブー表現
- 「ご冥福をお祈りします」(忌明け後の遺族が使うのは不適切)
- **「再起を祈念」「がんばります」**など前向きすぎる語
カジュアルすぎる言い回し
- 絵文字・顔文字
- 口語体(「ありがとう!」など)
過度な装飾やデザイン
- 派手すぎるフォントや色紙
- キャラクター柄の便箋
香典返しの挨拶状を簡単に作成する方法
忙しい喪主や家族にとって、数十通〜数百通の挨拶状を手書きするのは大きな負担です。
効率的かつ丁寧に仕上げるコツを紹介します。
テンプレートの活用
- この記事の例文をコピペ → 故人名・日付を編集
- 表現の重複や誤字脱字チェックを忘れずに
オンラインサービス
- 挨拶状専門の印刷サイトを利用
- フォーマット選択 → 文面入力 → 校正 → 投函代行までワンストップ
専門業者への外注
- 仏壇店・葬儀社の提携印刷所
- 校正者によるマナー監修付きプランが安心
よくある質問(FAQ)
Q1. 忌明け前に香典返しの挨拶状を送ってもいいですか?
A. 基本的には忌明け後が正式ですが、遠方で法要に参加できない方には「略式挨拶状」を先に送り、正式な挨拶状は後日送付する方法もあります。
Q2. 挨拶状をメールやLINEで送っても失礼ではありませんか?
A. 目上の方や会社関係には紙が無難。
親しい友人なら補足的にメールで送ってもかまいませんが、紙の本状を省略するのは避けましょう。
Q3. キリスト教式の場合はどう書けばいい?
A. 「四十九日」「御霊前」など仏語を用いず、「召天」「安息」などキリスト教の語句を選びます。
感謝と品物送付の趣旨は同じです。
Q4. 挨拶状なしで品物だけ送ったら?
A. 非常に失礼に当たります。最低限の礼を示すためにも、必ず書面を添えましょう。
まとめ
香典返しの挨拶状は、故人を偲びつつご厚志への感謝を伝える大切な手紙です。
この記事で紹介した基本構成、送付タイミング、シーン別例文、NGチェックリストを活用すれば、どなたでも誠意ある文章を作成できます。
忙しいときはテンプレートや外注も賢く利用し、心のこもったごあいさつを届けましょう。
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