結婚祝いをもらったら、お礼状を書くのがマナーです。

基本的に結婚式や披露宴の出欠席にかかわらず、
お祝いを頂いたすべての方に、感謝の気持ちを込めて
「結婚内祝い」をお贈りするのがマナーです。

そして、その際には「お礼状」も合わせて送ります。

しかし、
目上の方や親戚、友人など、出す相手によってお礼状の文面は変わるため、
どう書けばいいのか悩みがちですよね。

この記事では、
結婚内祝いに添えるお礼状の書き方の基本構成と、
相手別・もらったお祝い別のメッセージ例文をご紹介します。

読み進めることで、ご友人や親戚、
上司や同僚への適切なお礼の伝え方をマスターできるだけでなく、
気持ちを温かく伝えるための工夫や注意点も身につけられます。

特別な日の感謝の気持ちを心温まるお礼状に込めて、
相手への心のこもったメッセージを送るためのノウハウを、
ぜひこの記事で習得してください。

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結婚内祝いのお礼状を送るタイミング

結婚のお祝いを頂いたらなるべく早めにお礼状を出しましょう。

一般的には挙式後または新婚旅行から帰ってきてすぐにお礼状を出します。

結婚お祝いのお返しに、相手に対して
お返しの品物とお礼状を別に送る場合、
品物よりも先にお礼状が届くようにしましょう。

結婚お祝いをいただいてから挙式までの期間が長い場合、
お礼の品物を贈るのは挙式や新婚旅行の後でも問題ありません。

しかし、
無事に届いたことを伝えるためにも、
お礼状は先に出しておくと良いでしょう。

また、入籍前に結婚のお祝いを頂いた場合は、
入籍後に結婚の報告も兼ねてお礼状を出しましょう。

【結婚内祝い】の感謝を伝えるお礼状の書き方とマナー

👇

* 筆記用具は、「呉竹の筆ペン<筆ごこち>」を使って書いてみました。

👇「ミドリ便箋きれいな手紙が書ける便箋」を使い書いてみました。

一番の悩みどころである文章ですが、例文を使ってお礼状を紹介します。

結婚お祝いのお礼状の文章の中には、
「頂だいたことのお礼」「内祝いの品を贈った事を伝える言葉」
「今後のお付き合いをお願いする言葉」は必ず書いておきましょう。

①頭語 (拝啓、謹啓など)

②時候の挨拶 (季節を表す言葉)

③相手を気遣う言葉

④頂いたことへのお礼の言葉

⑤内祝いの品を贈った事を伝える言葉

⑥結婚後の近況や抱負など

⑦今後のお付き合いをお願いする言葉

⑧結びの挨拶

⑨結語 (敬具、敬白など)

⑩日付

⑪名前 (夫婦の連名)

⑫宛先

①頭語 (拝啓、謹啓など)

「頭語」とは手紙の冒頭に書き出す言葉

「拝啓」「拝呈」「啓上」などが一般的です。

目上の人に対して少し改まった表現になると、
「謹啓」「謹呈」などがあります。

いずれも「頭語」に対して使用できる「結語」は決まっています。

一般的な手紙の場合 

頭語「拝啓(はいけい)
結語「敬具(けいぐ)」

丁寧な手紙の場合 (目上の方に対して)


頭語「謹啓(きんけい)」
結語「謹言(きんげん)」または「謹白(きんぱく)」

②時候の挨拶 (季節を表す言葉)

結婚内祝いのお礼状では、
結婚祝いに対するお礼の言葉という本題の前に
時候の挨拶を書くのがマナーです。

時候の挨拶は、手紙などの冒頭に使う季節をあらわす言葉です。

時候の挨拶とは、頭語の後に続く書き出しの言葉で、
「○○の候」「○○のみぎり」といった表現が一般的です。

短く表現した「漢語調」と少し砕けた表現の「口語調」の2つの種類があり、
目上の方には「漢語調」、親しい方には「口語調」と使い分けることが多いようです。

1月の挨拶

<漢語調>
初春の候、新春の候、迎春の候、厳寒の候、大寒の候、寒冷の候

<口語調>
正月気分も抜け、寒さ厳しき折から、厳しい寒さが続きますが

季節の移り変わりを伝え相手の健康を気遣う意味があり、
手紙に使用できる季節の言葉は時季によって異なります。

時候の挨拶には「早春の候」といったあらたまった印象の挨拶と、
「花の便りが聞かれるころとなりましたが……」といった
きちんとしつつも、やわらかい印象の挨拶があります。

時候の挨拶は現実の季節感に合ったものを使うことが大切です。

遠方に住む方だと自分の住んでいるところとは
季節感が異なることもあります。

お相手の住む地域の季節感に合わせて時候の挨拶を選びましょう。

【時候の挨拶】季節を彩る季語と結びの言葉!1月~12月の例文総まとめ!
👇

③相手を気遣う言葉

皆様におかれましては、ご清祥のことと喜び申し上げます。

④頂いたことへのお礼の言葉

この度は、
私どもの結婚に際し過分なお祝いを賜り誠にありがとうございました。

結婚祝いをくださったことに対するお礼の言葉を書きましょう。
親しい間柄でくだけた言葉でメッセージを書くときでも、
お礼の言葉は丁寧に伝えるのがマナーです。

お礼の言葉だけでは感謝の気持ちを伝えにくいときは、
いただいたお祝いの品の感想を伝えるのもよいでしょう。

気に入って使用していることや、以前から欲しかったといった感想を一言記載します。

結婚祝いをご祝儀でいただいた場合は、
買ったものを報告すると喜ばれるかもしれません。

⑤内祝いの品を贈った事を伝える言葉

お礼のしるしに、心ばかりの品をお贈りさせていただきます。
ご笑納頂ければ幸いです。

⑥結婚後の近況や抱負など

新居に落ち着いて、ようやく新しい生活にも慣れ始めたところです。
今後は、二人で力を合わせ、明るい家庭を築いていく所存です。

夫婦の近況やどんな家庭を築いていきたいのかという抱負を書きましょう。

抱負は長い文章で書く必要はなく「2人で力をあわせて頑張りたい」
「温かい家庭を作りたい」と簡潔にまとめても構いません。

前向きな気持ちを自分なりの言葉で書くのがポイントです。

夫婦が仲よく過ごしている様子や今後の抱負を知ることで、
相手の方も結婚祝いを贈ってよかったと思えるのではないでしょうか。

⑦今後のお付き合いをお願いする言葉

どうか温かく、ご指導くださいますようお願い申し上げます。

「これからもよろしくお願いします」と今後に関する一文を書きましょう。

結婚祝いをくださった方には、
これからもお世話になることや長くお付き合いが続くこともあるでしょう。

今後も交流関係を良好に続けたいという気持ちを伝えることが大切です。

お礼の言葉と同じく、親しい友人にも礼儀をわきまえて丁寧な言葉で書きましょう。

「ぜひ新居にもお越しください」という言葉を書き添えると、
これからも会いたいという気持ちが伝わりやすいでしょう。

⑧結びの挨拶

末筆ながら、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

⑨結語 (敬具、敬白など)

「頭語」と対をなす締めの言葉になります。
「拝啓ー敬具」「「謹啓ー謹白」などが一般的に使用されています。

⑩日付

令和〇年〇月〇日

⑪名前 (夫婦の連名)

山口 幸太郎
   琴 美(旧姓 高山)

名前は新しい姓と旧姓の両方を書きます。

結婚祝いをくださった方であれば、
今後も年賀状や手紙などのやり取りをすることもあると考えられますので、
新居の住所はマンション名や部屋番号まで詳細に書きましょう。

郵便番号もあわせて記載すると丁寧です。

メールアドレスや電話番号を記載するときは、
夫婦どちらの連絡先かわかるようにしておきましょう。

⑫宛先

木村 保彦 様
   芳子 様

縁起の悪い言葉は避ける(忌み言葉・重ね言葉)

「忌(い)み言葉」とは?

「忌み言葉」とは、その場にふさわしくない縁起の悪い言葉や言い回しを指します。

「別れる」「切れる」などの別れを連想させる言葉や、
「死ぬ」「病む」などの不吉な言葉、「戻る」「重ねる」などの
再婚や不幸が繰り返すことを連想させる言葉などがあります。

披露宴の最後を「終わり」ではなく、
「お開き」と表現するのもそのためですね。

「重ね言葉」とは?

「重ね言葉」とは、
「同じ言葉を重ねた言葉」や「同じ意味を持つ言葉を重ねた言葉」のことで、
不幸が繰り返すことを連想させるため、好まれていません。

「再び」「またまた」「しばしば」「いよいよ」「皆々様」などの言葉があります。

「たびたび」「いろいろ」「つぎつぎ」「ますます」といった繰り返し言葉は、
日常生活で使う方も多いのではないでしょうか。

結婚祝いのメッセージを書くときにうっかり使わないように気を付けましょう。

「いろいろとありがとう」と書きたい場合は、
「たくさんの心遣いをありがとう」と変えてみましょう。

最近はあまり厳しく言われることはないようですが、
どちらも冠婚葬祭ではなるべく使わないほうが良い言葉です。

句読点をつけない場合も

お祝い関連の文面には、
「句読点を使わない」ということを聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

句読点には「区切り」や「終わり」をつけるという役割があるので、
お祝いの文面にはふさわしくないという慣習です。

このことから結婚内祝いのお礼状にも
句読点を使わない場合もありますが、
最近では気にしない人のほうが多いようです。

友人や仲の良い親戚などに送る場合はあまり気にする必要はありませんが、
縁起を重んじる目上の人などに送るお礼状では、句読点を使わないほうが無難かもしれません。

【結婚内祝い】感謝を伝えるお礼状の例文

結婚のご祝儀を頂いた相手との関係性によって、
お礼状の文面は変わってくるので、相手別にお礼状の例文をご紹介します。

結婚内祝いの感謝を伝えるお礼状の例文:目上の方

謹啓 春先うららかな季節となりました。

皆様におかれましては、
ご清祥のこととお喜び申し上げます。

この度は 
私どもの結婚に際し過分なお祝いを賜り、
誠にありがとうございました。

お礼のしるしに 心ばかりの品をお贈りさせていただきます。
ご笑納頂ければ幸いです。

新居に落ち着いて、 
ようやく新しい生活にも慣れ始めたところです。

今後は二人で力を合わせ 明るい家庭を築いていく所存です。

どうか温かくご指導くださいますようお願い申し上げます。

末筆ながら 
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。  謹白

令和4年3月2日

山口 幸太郎
   琴 美(旧姓 岡山)

木村 保彦 様
   芳子 様

結婚内祝いの感謝を伝えるお礼状の例文:親戚

拝啓 さわやかな秋晴れの日が続いておりますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。

この度は私達の結婚に際し、
心のこもったお祝いの品を頂き誠にありがとうございました。

ささやかながら、心ばかりの品を別便にてお贈りいたしましたので、
どうぞお納めください。

ようやく新居も片付きましたので、 
近くにお越しの際はぜひ新居にお立ち寄りください。

未熟ではありますが、二人で助け合い温かな家庭を
築いていきたいと思っております。

これからも変わらずご指導をよろしくお願い申し上げます。 敬具

令和〇年〇月〇日  

山際 信一郎
   奈々未(旧姓 松富)

山田 和樹 様

結婚内祝いの感謝を伝えるお礼状の例文:友人

この前は素敵な結婚お祝いをありがとう。

本当に嬉しかったです!

ささやかですがお礼の品を贈ります。
喜んでもらえたら嬉しいです。

まだ新しい生活には慣れないけど、
二人で力を合わせてがんばります!

これからもどうぞよろしくお願いします。

令和〇年〇月〇日

山口 次郎 
   一樺(旧姓 原田)

山本 花子様

結婚内祝いの感謝を伝えるお礼状の例文:仕事の上司

拝啓 空高く澄み渡る今日このごろ、
○○様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。


このたびは、私どもの結婚に際しまして結構なお祝いを賜り誠にありがとうございました。

お礼のしるしに心ばかりの品をお贈りさせていただきますので、ご笑納頂ければ幸いです。

今後とも、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

残暑なお厳しき折柄、くれぐれもご自愛くださいませ。 敬具

令和〇年〇月〇日

松富 翔平
   美鈴(旧姓 川村)

波多野 太郎 様

結婚のご祝儀をいただいた時のお礼状の例文

現金を贈られた場合は、受け取ったらすぐに電話でお礼を述べましょう。

相手は無事に届いたかどうか気にしているはずですから、
届いたことを早く連絡するに越したことはありません。

電話だけで済ませるのは、誠意に欠けますから、
改めてお礼の手紙をすぐに出すようにしましょう。

例文:ご祝儀をいただき&内祝いのお返しをした場合

謹啓 初夏の候◯◯様におかれましては、
ご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度は私たちの結婚に際しまして、
過分なお祝いを賜り誠にありがとうございました。

ささやかではございますが、
内祝いのしるしに心ばかりの品をお贈りいたします。

ご笑納いただけますと幸いです。

今後は、
いただいたご祝辞を胸に、二人で力を合わせて
明るい家庭を築いていく所存です。

何分にも未熟な私達ではございますが、
末長くご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

本来ならば お伺いするべきところではございますが、
まずは略儀ながら書中にてお礼申し上げます。 敬具

令和 ○年〇月〇日      

山口 三郎
   有希(旧姓 田村)

高木 裕子 様

例文:結婚式に来ていただいた場合

謹啓 新緑の候◯◯様におかれましては、
ご清祥のこととお慶び申し上げます。

先日はご多忙のところ 、
私どもの結婚式にご出席くださいまして誠にありがとうございました。

また、
過分なお祝いと温かい激励のお言葉を頂戴し心より御礼申し上げます。

今後は(お相手のお名前)様ご夫婦を目標に、
二人で力を合わせ温かな家庭を築いていく所存です。

何分にも未熟な二人ではございますが、
今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう 、よろしくお願い申し上げます。 謹白

令和〇年〇月〇日

河口 史郎
   文香(旧姓 (木村)

室川 和夫 様

例文:結婚お祝いの品をいをいただいた場合

謹啓 厳寒の候、

皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。

この度は私どもの結婚に際しまして、 
お祝いの品を賜り誠にありがとうございました。

いただいた○○は、 さっそく新居で使わせていただいております。

これからは二人で力を合わせて 、
穏やかで温かい家庭を築いていく所存です。

今後とも末永くご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

略儀ながら書中にて失礼致します。 敬白

 令和〇年〇月〇日

山口 五郎
   さやか(旧姓 山岸)

品川 令子 様

まとめ

この記事では、
結婚内祝いに添えるお礼状の書き方とマナーをご紹介しました。

結婚内祝いのメッセージの本来の目的は、
お相手に感謝の気持ちを伝えることです。

同時に内祝いを用意することも忘れてはいけません。

そして、結婚お祝いに現金をいただいたときに
お礼をする際には、用途をきちんと伝えるのがマナーです。

用途が決まっていないときや貯蓄に回すときは、
「大切に使わせていただきます」などと一言お礼状に添えます。

二人の結婚をお祝いしてくださった方に、
基本的なルールをふまえて丁寧な文で、
お礼状を書けば、難しくはありません。

素敵なお礼状で感謝の気持ちを伝えましょう!