「ごめんなさい」が言えない――。

それは、子どもだけでなく大人にとっても難しいことかもしれません。

けれど、誰かを傷つけてしまったとき、素直に謝ることは人間関係を円滑にし、信頼を築くための大切なステップです。

この記事では、親子で学べる「謝る力」の基本から、家庭や学校で役立つ具体的な場面別例文、NG例、そして子どもと一緒に取り組める練習用フォーマットまでを丁寧にご紹介します。

小さな「ごめんね」が、将来の大きな信頼につながります。

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目次

なぜ子どもに「謝る力」が必要?

「謝る力」は信頼を築くための基本スキルです。

子どもが対人関係で困らないように、家庭と学校で身につけたい理由をわかりやすく解説します。

社会で求められる共感力と責任感(SEO:「共感力」「責任感」)

相手の気持ちを思いやれる人は、友達や大人から信頼されやすい傾向があります

子どもたちは家庭や学校、友達との関わりを通じてさまざまな社会性を身につけていきます。

その中でも「謝る力」は、もっとも基本的でありながら、意識しなければなかなか育ちにくい力です。

相手の立場に立ち、自分の行動を振り返ることは、思いやりや共感といった心を育てるベースになります。

「ごめんなさい」と言うのは、ただの言葉ではありません。

そこには「あなたを傷つけてしまった」「それはよくなかった」という気持ちが込められています。

その感情を言葉に乗せて伝える経験を積むことで、子どもは“感情の調整”や“人との関係修復”といった重要なスキルを自然と身につけていくのです。

謝ることで立ち直れる力を育てる

失敗しても、『ちゃんと謝れる人』は自分を責めすぎず立ち直る力が育ちます。

ときどき「謝ると負けたように感じる」と言う子どもがいます。

しかし、本当の意味で謝ることは、「自分の非を認め、信頼を築くための力強い行動」です。

大人でもプライドが邪魔をして素直に謝れない場面があるように、子どもにもその感覚はあるのです。

そこで大切なのが、「謝れる人は強い人」という考え方を日常で伝えること。

親自身も失敗したときに「ごめんね、ママも間違えたよ」と素直に言う姿勢を見せることで、子どもは「謝ることは恥ずかしくない」と感じるようになります。

トラブル対応に差がつく“謝罪後の行動”

子ども同士のケンカやトラブルは避けられないもの。

問題は「その後、どう向き合うか」です。

謝罪の言葉があるだけで、相手の受ける印象は大きく変わります。

謝ることで関係を修復し、相手との信頼を築き直す力は、社会に出たときにも必ず役立ちます。

謝り方を親がどう教えるか?〈5つのステップ〉

親子で実践できる謝りの構造を5つのステップで整理。

子ども自身が理由と気持ちを言葉にできるようになる方法を紹介します。

気持ちを言葉に:相手の立場を想像する

悲しかったかな?』と声かけするだけで共感力が深まります。

謝る前に大切なのは、相手がどんな気持ちでいるのかを想像すること。

「〇〇ちゃん、びっくりしたかな」「痛かったかもしれないね」と声をかけることで、共感の心が育ちます。

非を認める表現を使う

僕が〜した』という主語と動詞で責任を明確に伝えます。

次に、自分がどうして謝るべきなのかを自分の言葉で振り返らせましょう。

「順番を抜かしてしまって、いやな気持ちにさせたと思う」など、具体的に言えると相手にも伝わります。

心からの謝罪を言葉にする

ごめんなさい』に『本当に』『~してごめんね』と気持ちを重ねましょう。

「ごめんなさい」を伝えるときは、目を見て、真剣なトーンで。

「なんとなく」ではなく「相手のために」心を込めて言う姿勢が大切です。

行動で示すフォロー

謝った後は、『次はどうするか』を一緒に考えることで本当の意味の謝罪になります。

言葉だけでなく、「次は順番を守る」「おもちゃを直す」などの行動で誠意を伝えられるとベストです。

謝罪は“言うこと”だけで完了しません。

行動で信頼を取り戻すステップが大切です。

親(大人)が率先して謝る背中を見せる

親が謝る姿は子どもにとって最も説得力のある教材です。

どもが学びやすいシーン別謝罪例文

家庭や学校でよくある場面を想定した、子ども向け謝罪例文をまとめました。

親子で練習しやすい“型”が身につきます。

このシートをつかって、ロールプレイをしてみましょう(おうちの人が「ともだち」役になります)。

できたら、「こんどどうしたらいいか」もいっしょに考えてみましょう。

おもちゃを壊してしまったとき

【① あやまることばを考えよう】
ごめんね。(何をしてしまった?)。〇〇のおもちゃ、大切だったのに、。

👉ヒント:
・「こわしちゃった」
・「本当にごめんね」
・「かなしくさせちゃった」 など

【② こんどはどうする?(選んで〇をつけよう)】

☐ 今度は気をつけて使う

☐ なにも言わない

☐ 新しいおもちゃをかってあげる(大人と相談)

例文

ごめんね。おもちゃ、こわしちゃった。

大事なものだったのに、本当にごめんね。

ポイント
・まず謝る
・相手の気持ちに気づくことを伝える
・反省の気持ちをしっかり伝える

言いかえ例
「ごめんなさい。大切なおもちゃをこわしてしまって、かなしい気持ちにさせちゃったよね。」

順番を抜かしてしまったとき

【① あやまることばを考えよう】
___________、先にやっちゃった。順番を___________なきゃいけなかったよね。ごめんね。

👉ヒント:
・「ごめんね」
・「まもら」
・「わざとじゃなかったけど」など


【② こんどはどうする?(選んで〇をつけよう)】

  • ☐ ちゃんと順番をまもる
  • ☐ だまって次もぬかす
  • ☐ ゆずってあげる
例文

ごめんね。

まちがえて先にやっちゃった。

順番まもらなきゃいけなかったのに、ごめんなさい。

ポイント
・自分がしたことをはっきり言う
・相手の立場を考える
・正しいやり方を知っていると伝える

言いかえ例
「ごめんね。先にやってしまったけど、次からはちゃんと順番をまもるね。」

意地悪なことを言ってしまったとき

【① あやまることばを考えよう】
さっきは___________ことを言ってごめんね。〇〇が___________気もちになったと思う。本当に___________。

👉ヒント:
・「いやな」
・「ごめんなさい」
・「言わなければよかった」 など


【② こんどはどうする?(選んで〇をつけよう)】

  • ☐ ことばに気をつける
  • ☐ また同じことを言う
  • ☐ ごめんねと言わずににげる
例文

さっきは意地悪なこと言ってごめんね。

きっとイヤな気もちにさせちゃったよね。

本当にごめんなさい。

ポイント
・どんな言葉がいけなかったのかを考える
・相手の気持ちを思いやる
・二度としない気持ちを持つ

言いかえ例
「ごめんね。あんなこと言わなければよかったって思ってるよ。もう言わないようにするね。」

友達のものを勝手に使ってしまったとき

【① あやまることばを考えよう】
〇〇のものを使ってごめんね。つぎからはちゃんとから使うね。

👉ヒント:
・「かってに」
・「かしてって聞いて」
・「言わないで使ってごめん」など

【② こんどはどうする?(選んで〇をつけよう)】

☐ つぎからは「かして」と言う

☐ またこっそり使う

☐ もう遊ばない

例文

ごめんね。

かってに使っちゃった。

かしてって言わなきゃいけなかったよね。

ごめんなさい。

ポイント
・「勝手に」はルール違反であることを伝える
・どうすればよかったかを自分で考えさせる
・誠実な気持ちを込める

言いかえ例
「ほんとは『かして』って言わなきゃいけなかったよね。つぎからはちゃんと聞いてからにするよ。ごめんね。」

子どもが学びやすい!シーン別・謝罪の例文集

おもちゃを壊してしまったとき

〇〇ちゃんのおもちゃを壊しちゃってごめんね。

大切にしていたのに、ごめんなさい。

どうやって直せるか、一緒に考えたいです。

順番を抜かしてしまったとき

さっき順番を抜かしてしまってごめん。

ちゃんと並ぶべきだったのに、ごめんなさい。

次から気をつけるね。

意地悪なことを言ってしまったとき

嫌なことを言ってごめんね。

傷つけたかもしれないよね。

もう言わないように気をつけるから、許してくれる?

友達のものを勝手に使ってしまったとき

勝手に使ってしまってごめんね。

聞かずに使って、びっくりしたよね。

次からちゃんと聞いてから使います。

NGな謝り方と改善法

形だけの謝罪や言い訳癖を避けるためのポイントと改善のヒントを、NG例とOK例で比較形式で紹介します。

とりあえず「ごめん」と言うだけ

意味も考えずに「とりあえず言っとこう」は、相手の心には届きません。

謝罪は「理由」と「気持ち」があってこそ、真意が伝わります。

「でも」「だって」で言い訳を重ねる

「でも〇〇ちゃんも悪いと思う」などの言い訳は、相手をさらに怒らせてしまう場合があります。

謝るときは、まず自分の非をしっかり認めましょう。

人ごとのように謝る

「〇〇って言われたのがイヤだったなら、ごめん」など、人ごとのような言い方は謝罪になりません。

「あなたがどう思ったか」ではなく「自分が何をしたか」に目を向けるべきです。

ふざけた態度で謝る

ふざけて「ごめんなさ〜い」と言うと、相手にとっては逆に嫌な印象になります。

真面目に、まっすぐ伝える姿勢が必要です。

謝罪の力を育てる!親子でできる練習用フォーマット

日常で使える書く形式のフォーマットを通じて、謝りの構造を自然に身につけるワークシート形式でご紹介。

会話・ロールプレイ活用のコツ

1. なにをしたの?

( )ちゃんに( )をしてしまった。

2. 相手はどう思ったかな?

きっと( )って思ったと思う。

3. どうして謝りたいの?

( )してしまったことを反省してるから。

4. 謝る言葉を書いてみよう

( )ちゃん、ごめんなさい。

わたしが( )してしまって、( )と思います。

5. これからどうしたい?

もう( )しません。

今度は( )するように気をつけます。

家庭で謝る文化を作るヒント

このフォーマットを使い、親子で一緒に「一日一つのごめんね」を振り返る習慣を作ると、自然に謝罪力が育ちます。

紙に書くだけでなく、実際に言葉に出す練習も忘れずに。

家庭内でも「ごめんなさい」を大事に

兄弟げんか、忘れ物、ママへの口答え――どんな小さな出来事でも、「ごめんね」と謝る機会はたくさんあります。

家庭の中でこそ、「素直に謝る姿勢」を身につけさせましょう。

読者の悩みに答えるQ&Aコーナー

親からよく聞かれる質問を厳選。

誠意を伝えるための声かけ方や対応のヒントをQ&A形式でわかりやすく解説します。

Q1:謝りたがらない子どもにはどう向き合う?

A:無理に謝らせるのではなく、まずは気持ちの整理を手伝いましょう。

「どんな気持ちだった?」「どうすればよかったと思う?」と共感しながら寄り添うのが大切です。

Q2:謝ったのに許してもらえない場合は?

A:謝ることと許されることは別物です。

「ごめんなさい」は相手のためだけでなく、自分のための行動でもあります。

誠意を持って謝れば、結果にこだわりすぎないようにしましょう。

Q3:年齢によって教え方をどう変える?

A:幼児はまず「まねる」ことから、小学生は「意味を考える」ことを軸に。

年齢に応じて「なぜ謝るのか」を丁寧に伝えましょう。

Q4:謝りすぎる子どもへの配慮は?

A:謝罪が「自己否定」につながっている場合は注意が必要です。

「自分が悪いから謝る」ではなく、「人との関係を大切にするために謝る」ことを教えていきましょう。

Q5:家庭以外の場でも実践してほしいことは?

A:学校、塾、習い事など人と関わる場面すべてがチャンスです。

先生や他の大人と協力しながら、日常の中で謝る力を育てていくことができます。

まとめと行動提案

謝ることは「自分が悪い」と認めるだけではなく、「相手の気持ちに寄り添う」行為です。

それは子どもにとって、とても勇気が必要なこと。で

も、謝ることで人間関係がよくなり、信頼が深まるという“気づき”を、小さな日常のなかから積み重ねていくことができます。

「謝る力」を身につけることで、子どもは社会の中でより豊かに人と関わっていけるようになります。

まずは、親子で一緒に「正しい謝り方」について、今日から話し合ってみませんか?

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