納期変更メールでは、当初の納期・変更を希望する日時・変更理由・相手に回答してほしい内容を明確にしましょう。相手が了承するまでは、新しい日時を決定済みの納期として書かず、変更案として相談します。
納期を延ばしてほしい場合だけでなく、発注側から前倒しをお願いする場合も、相手の作業予定への配慮が必要です。「変更します」と一方的に知らせるより、対応できるかを確認し、合意できた条件を記録すると認識違いを防ぎやすくなります。
この記事では、納期変更の相談から、承諾・条件付き承諾・断られた場合の返信まで、10のメール例文を紹介します。
例文を使う前に
以下は説明用の架空例文です。[ ]を実際の案件に合わせて置き換えてください。原因、提出可能な日時、先行納品、回答希望日時は、確認できた内容だけを記載します。
例文に合わせて事情や対応策を作る必要はありません。該当しない文は削除し、社内の連絡手順や相手との取り決めに合わせて調整してください。
納期変更メールは「相談」と「合意後の確認」を分ける
了承前は「変更候補」として伝える
社内で提出可能な日時を確認できても、相手がその日時への変更を認めたとは限りません。了承前は、次のように可否を尋ねます。
「[案件名]の納期を、[当初納期]から[変更候補日時]へ変更していただくことは可能でしょうか。」
一方、了承を得た後は、「ご承諾いただいた[日時]に提出いたします」と、合意した内容を確認できます。自分側の予定と、相手との合意を分けて書くことがポイントです。
遅延の報告が必要な場合は、変更案が決まるまで待たない
当初の納期に間に合わないことが分かっている場合、変更候補を決めるために必要な状況報告まで止めないようにします。新しい日時をまだ示せないなら、未定であることと、確認できている状況を先に伝えてください。
連絡先や電話・メールの使い分け、担当者が不在の場合の対応は、納品遅延の連絡方法|電話・メールの使い分けと不在時・納期未定の対応で詳しく紹介しています。
遅延へのお詫びと状況報告を中心に書きたい場合は、納期遅れのお詫びメール例文8選|確定・見込み・未定で書き分けるを参考にしてください。
納期変更を相談するメールに入れる内容
メールを作る前に、次の情報を整理しておくと、相手が変更の可否を判断しやすくなります。
- 対象:案件名、商品名、注文番号など
- 当初の納期:変更前の年月日・時刻
- 変更候補:提案できることを確認した年月日・時刻
- 理由:確認できている事実を簡潔に説明
- 調整案:先行提出、対象範囲の変更など、実行可能な案
- 回答してほしいこと:変更の可否、条件、必要な部分など
「発送日」「到着日」「提出日」を明確にする
「納期は[日付]です」だけでは、その日に発送するのか、相手へ届くのかが分からない場合があります。商品の到着日、データの提出日時、確認用資料の共有日など、何を終える期限なのかを明記しましょう。
配送を伴う場合は、発送可能日と到着見込みを区別します。確認できていない到着日を確約しないようにしてください。
理由は事実に沿って、相手を責めずに書く
自分側の作業見積もりが不十分だったなら、その事実を簡潔に伝えます。「品質向上のため」など、実際とは異なる理由に置き換える必要はありません。
追加作業や資料の受領状況が日程に影響している場合は、「何が変わり、どの工程に影響しているか」を説明します。相手に確認が必要な点があれば、責任を決めつける表現ではなく、確認事項として書きましょう。
回答希望日時には、調整上の理由を添える
返答を急ぐ必要があるときは、「工程を調整するため」などの理由とともに、回答希望日時を伝えます。ただし、返信がないことを承諾と扱う書き方は避けてください。
「作業日程を調整するため、可能でしたら[回答希望日時]までに変更の可否をお知らせいただけますでしょうか。ご判断にお時間が必要な場合は、その旨をご連絡いただけますと幸いです。」
納期変更をお願いするメール例文5選
例文1.自分側の事情で延期をお願いする
使う場面:自分側の事情で当初納期に間に合わず、提出可能な候補日時を確認できている場合です。
件名:[案件名]提出期限の変更に関するご相談
[取引先会社名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]の提出期限につきまして、[当初納期]から[変更候補日時]へ変更していただくことは可能でしょうか。
弊社の[実際に確認した事情]により、当初予定していた日程での提出ができない状況です。こちらの都合でご調整をお願いすることとなり、申し訳ございません。
残りの[作業内容]と確認工程を整理し、[変更候補日時]には[提出する成果物]を提出できることを社内で確認しております。
上記日時への変更の可否をお知らせいただけますでしょうか。変更が難しい場合は、貴社で必要となる時期を伺い、対応可能な方法を検討いたします。
お手数をおかけしますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
[署名]
候補日時がまだ見込みの場合は、「提出できることを確認しております」と書かず、残っている確認事項と見通しを明記してください。
例文2.追加作業に伴う日程の再調整を相談する
使う場面:追加依頼の内容と、追加に必要な作業を確認できている場合です。納期以外の条件も変わる場合は、別途確認します。
件名:[案件名]追加対応に伴う提出日程のご相談
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[依頼を受けた日]にご相談いただいた[追加内容]について、必要な工程を確認いたしました。
追加内容を含む一式の提出日は、当初の[当初納期]から[変更候補日時]への調整をお願いできればと考えております。
また、当初の[当初納期]に[先に提出できる内容]を提出し、追加分を[追加分の提出候補日時]にお送りする方法も対応可能です。
一式の提出日を変更する方法と、分けて提出する方法のどちらがご都合に合うか、お知らせいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
[署名]
分割提出ができない場合は、その案を削除します。追加費用や確認回数に変更があるなら、納期への了承だけでそれらも合意したと扱わず、変更点を分けて相談してください。
例文3.必要な部分を先に提出する案を添える
使う場面:全体の延期を相談する一方、相手が必要とする部分を先行提出できる場合です。
件名:[案件名]全体の提出日変更と先行提出のご相談
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]について、[確認済みの理由]により、全体の提出を[当初納期]から[全体の変更候補日時]へ変更していただけないか、ご相談いたします。
ご予定への影響が生じることとなり、申し訳ございません。
[先行提出できる部分]は、[先行提出日時]にお送りできます。こちらは[確認用・完成版など、実際の状態]です。
先行提出する内容で貴社の作業を進められるか、また、全体の提出日を上記日時へ変更できるか、それぞれお知らせいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
[署名]
先行提出するデータが確認用なら、完成版と誤解されないよう明記します。「一部を送れること」と「相手がその一部を使えること」は別なので、利用目的も確認しましょう。
例文4.社内の提出期限を変更してほしい
使う場面:社内資料などの提出期限を、上司や担当者へ相談する場合です。
件名:[資料名]提出期限の変更について相談
[上司・担当者名]さん
お疲れさまです。[氏名]です。
[当初提出日時]に提出予定の[資料名]について、[変更候補日時]への変更をご相談したく、ご連絡しました。
現在、[確認済みの状況]のため、[残っている作業]が必要です。予定どおりに提出できず、申し訳ありません。
[変更候補日時]には、確認を終えた資料を提出できます。[先行共有できる内容]は[共有日時]にお送りします。
この日程で進めてよいか、ご確認をお願いいたします。会議などで先に必要となる部分がありましたら、優先順位を相談させてください。
[氏名]
自分だけでは日程を判断できない場合は、変更候補に加えて、どの業務の優先順位を相談したいかを具体的に示します。
例文5.発注側から納期の前倒しをお願いする
使う場面:発注側の予定が変わり、合意済みの納期を早められるか相談する場合です。
件名:[案件名]納期前倒しの可否についてご相談
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]について、弊社の[実際の事情]により、納期を[合意済みの納期]から[希望日時]へ前倒しできないか、ご相談いたします。
弊社都合でのお願いとなり、申し訳ございません。
全体の前倒しが難しい場合は、[先に必要な部分]のみを[希望日時]までにお送りいただく方法も検討しております。
対応の可否と、対応可能な場合の作業範囲・費用などの条件をお知らせいただけますでしょうか。ご回答を伺ったうえで、進め方を相談させてください。
よろしくお願いいたします。
[署名]
希望を伝えただけで、相手に変更後の日程での作業開始を求めないようにします。対応条件の回答を受け、自分側でも確認してから合意内容をまとめましょう。
納期変更への回答・返信メール例文5選
例文6.変更依頼を受け、承諾する
使う場面:相手からの変更依頼について、必要な社内確認を終え、承諾できる場合です。
件名:Re:[元の件名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]の納期変更について、社内で確認いたしました。
ご提案のとおり、[成果物・対象範囲]の[提出・到着などの完了条件]を、[当初納期]から[変更後の納期]へ変更することを了承いたします。
[合意したその他の条件がある場合は記載]
引き続き、よろしくお願いいたします。
[署名]
「承知しました」だけでは、状況を理解したのか、変更を認めたのかが伝わりにくい場合があります。承諾する日時と対象を明記すると確認しやすくなります。
例文7.先行提出を条件に、変更案へ回答する
使う場面:一部を先に受け取れるなら、全体の納期変更に対応できる場合です。まだ条件への合意は済んでいません。
件名:Re:[元の件名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]の納期変更について、ご連絡ありがとうございます。
[先に必要な部分]を[先行提出希望日時]までにお送りいただける場合は、残りの提出を[全体の変更候補日時]とする日程で調整可能です。
上記の分割提出に対応できるか、お知らせいただけますでしょうか。ご回答を確認したうえで、変更内容を確定させたく存じます。
よろしくお願いいたします。
[署名]
条件を提示した段階では、相手がその条件を受け入れたとは限りません。回答を確認してから、合意した日程として記録します。
例文8.変更を承諾してもらった後に返信する
使う場面:自分からの変更依頼に対し、相手から明確な了承を得た場合です。
件名:Re:[元の件名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
[案件名]の納期変更をご承諾いただき、ありがとうございます。ご調整のお手数をおかけしました。
ご回答いただいたとおり、[成果物・対象範囲]を[変更後の納期]までに[合意した提出方法]で提出いたします。
[合意した先行提出・進捗報告などがある場合は記載]
引き続き、よろしくお願いいたします。
[署名]
相手の返信に記載された日時や条件を確認し、自分が最初に提案した内容をそのまま転記しないようにしましょう。
例文9.電話で合意した内容をメールに残す
使う場面:電話で変更日時と条件への了承を得ている場合です。相談しただけで、相手が検討中なら使いません。
件名:[案件名]お電話で合意した納期変更内容の確認
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
本日はお電話で日程をご調整いただき、ありがとうございました。合意した内容を以下にまとめます。
・対象:[案件名・成果物]
・当初納期:[変更前の日時]
・変更後の納期:[合意した日時]
・提出方法・完了条件:[合意した内容]
・その他の合意事項:[合意した内容、なければ行ごと削除]
上記内容に沿って進めます。認識に相違がございましたら、お知らせいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
[署名]
このメールは、電話ですでに合意した内容の記録です。メールへの返信がないことを根拠に、未合意の条件まで了承されたと判断しないでください。
例文10.延期を断られ、代替案を相談する
使う場面:延期案への了承を得られず、自分側で実行可能な別の方法を確認できている場合です。
件名:Re:[元の件名]
[担当者名]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[氏名]です。
ご回答ありがとうございます。[相手が伝えた事情]により、ご提案した日時への変更が難しい旨、承知いたしました。
ご予定に沿う対応ができず、申し訳ございません。
弊社で改めて確認したところ、[当初納期]までに[提出可能な部分]を提出し、残りを[残りの提出候補日時]にお送りする方法は対応可能です。
この方法でご対応いただけるか、ご相談できますでしょうか。必要となる範囲や利用予定を伺い、対応可能な内容をすり合わせたく存じます。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
[署名]
代替案が確認できていない場合は、無理に提案しません。どの点が支障になるかを伺い、社内で対応を確認します。できないと分かっている当初納期を、断られたからといって約束し直さないことが大切です。
一方的に聞こえやすい表現と言い換え
| 避けたい表現 | 言い換え例 |
|---|---|
| 納期を変更します | [候補日時]への変更は可能でしょうか |
| 少しだけ延ばしてください | [当初納期]から[候補日時]への変更をご相談できますでしょうか |
| なるべく早く出します | [確認できた候補日時]には提出可能です |
| 返信がなければ了承とします | 変更の可否をお知らせいただけますでしょうか |
| とにかく前倒ししてください | 前倒しの可否と、対応に必要な条件をお知らせいただけますでしょうか |
言い換えだけで、相手が変更に対応できるようになるわけではありません。判断に必要な日時・対象・理由・条件を一緒に示しましょう。
返信が曖昧な場合・返信がない場合の確認方法
「確認しました」だけなら、変更への了承かを確かめる
相手から「確認しました」「承知しました」と返信があっても、複数の相談事項がある場合は、どこまで了承されたか分からないことがあります。文脈で判断できないときは、対象を絞って確認しましょう。
「ご返信ありがとうございます。念のため、[成果物]の提出期限を[候補日時]へ変更することについても、ご了承いただけたという理解でよろしいでしょうか。」
返信待ちでも、必要な状況報告を続ける
返信がない場合は、変更への了承を確認できていない状態です。メールの送信やチャットの既読だけで、合意したと扱わないようにします。
緊急性や相手との取り決めに応じて、利用できる連絡手段で確認してください。変更の回答を待っている間も、当初納期に間に合わないことが判明しているなら、その状況は必要な相手へ共有します。
「[送信日]にお送りした[案件名]の納期変更案について、ご検討状況を伺えますでしょうか。[候補日時]への変更は、現時点では了承を確認できていないものと認識しております。ご判断に必要な情報がございましたら、お知らせください。」
納期変更メールを送る前の確認ポイント
- 案件名と、変更する成果物・商品が分かるか
- 変更前と変更候補の年月日・時刻に誤りがないか
- 発送・到着・提出など、期限の意味が明確か
- 候補日時は、必要な工程を確認したうえで示しているか
- 理由や対応策に、未確認の内容が混ざっていないか
- 相手に回答してほしい内容が明確か
- 先行提出や追加費用など、確認が必要な条件を省いていないか
- 了承前の日時を、決定事項として書いていないか
- [ ]などの置き換え欄が残っていないか
合意後は、変更日時と条件を関係者にも共有しましょう。メールでは新しい納期になっていても、社内の予定表や作業指示が古いままだと、対応にずれが生じることがあります。
納期変更メールでよくある質問
件名は「お願い」と「ご相談」のどちらがよいですか?
どちらも使えます。変更の可否や複数の案を話し合いたいなら「ご相談」、具体的な変更案への承諾をお願いするなら「お願い」が使いやすいでしょう。いずれの場合も、案件名と納期に関する連絡であることを入れます。
前倒しをお願いするときも謝罪は必要ですか?
自分側の都合で合意済みの日程を変えてもらう場合は、「こちらの都合でのお願いとなり、申し訳ございません」など、調整の負担への配慮を添えるとよいでしょう。長い謝罪より、希望日時と必要な範囲を分かりやすく示すことが大切です。
新しい納期を決められない場合はどうしますか?
未定の日時を埋めるために約束を作らず、現在の状況と確認中の事項を伝えます。次の報告予定を案内できる場合は、納品する日時とは分けて記載してください。文面は、納期遅れのお詫びメールの「未定の場合」の例文も参考になります。
電話で相談した後、確認メールを送れば合意したことになりますか?
相談内容を送っただけでは、相手の了承を確認したことにはなりません。電話で明確な了承を得たなら合意内容を記録し、検討中なら「ご検討中の案」として回答をお願いします。
まとめ|納期変更は、具体的な案と回答の確認まで行う
納期変更メールでは、変更前の納期、変更候補、理由、回答してほしい内容を整理し、相手が判断できる形で相談しましょう。
了承を得たら、日時だけでなく、対象範囲や提出方法など、合意した条件を確認して記録します。変更が難しい場合は、実行可能な代替案を相談し、できない日程を無理に約束しないようにしてください。
例文は、自分の案件の状況に合うものを選び、確認した情報へ置き換えて使いましょう。