病院実習を終えた後、指導者やスタッフへのお礼は「メール」で済ませてよいのか、それとも「手紙」が必要なのか——理学療法士を目指す学生にとって、悩ましいマナーの一つです。

本記事では、実習後に感謝を伝える方法としての「メール」と「お礼状」の違いや、それぞれの適切な使い分け方、送信時のマナーや注意点について、具体例を交えて解説します。

実習後に送るお礼状の基本構成から、好印象を与える文章のコツ、送付時期や封筒の選び方まで詳しく解説しています。

例文付きなので、初めてでも安心して書き始められます。

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関連記事:理学療法士の病院実習|感謝が伝わるお礼状の書き方と例文【送る時期・封筒のマナーも解説】

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目次

理学療法士の実習後、お礼を伝える重要性とは?

病院実習後のお礼は、単なる形式的なものではありません。

感謝の気持ちをしっかり伝えることは、今後の信頼関係や評価にも大きく影響します。

理学療法士としての人間性やコミュニケーション能力を示す絶好の機会でもあるのです。

感謝を形にすることの意味

実習中に得た学びや経験を振り返り、その機会を与えてくれたことへの感謝を「言葉にして伝える」ことが大切です。

言葉にすることで、自分自身の理解も深まり、相手にも誠意が伝わります。

「終わり方」が印象を左右する

どんなに実習中の態度が良くても、最後の挨拶が不十分であればマイナス印象になることも。

逆に、丁寧な感謝の伝え方は、将来の推薦や就職にもプラスに働く可能性があります。

病院・指導者にとってのお礼の受け取り方

指導側も忙しい中で実習生を受け入れてくれています。

だからこそ、感謝を受け取ったときの印象は強く残ります。

「実習を無事に終えてくれてよかった」と安心してもらう意味もあります。

お礼メールとお礼状の違いとは?

「お礼メールで済ませてもいいのか」「やっぱり手紙の方がいいのか?」——多くの学生が迷うポイントです。

ここでは、メールと手紙それぞれの特徴と役割の違いを明確にしていきます。

メール:スピーディーでカジュアルな第一報

メールは、送信してすぐに届く手軽さが最大の魅力です。

実習終了の翌日にすぐ感謝を伝えられることで、好印象を残すことができます。

ただし、カジュアルすぎる文面や表現には注意が必要です。

手紙(お礼状):丁寧で印象に残る正式な挨拶

手紙は、誠実さや丁寧さを強く印象づける手段です。

手書きで送ることで、相手に対する敬意や真剣さがより伝わります。

郵送の手間はありますが、だからこそ特別感があり、受け取る側の記憶にも残りやすいです。

どちらを選ぶ?判断のポイント

基本的には「メール+手紙」の併用がベストですが、どちらか一方にする場合は、相手の立場や関係性、実習内容の濃さによって判断しましょう。

効果的な使い分け方|メール+手紙の併用がベスト

メールと手紙、それぞれの特性を活かすことで、より丁寧で印象的なお礼の伝え方が可能になります。

以下に、効果的な使い分けの具体的なステップをご紹介します。

実習終了の翌日:まずはメールで素早く感謝

感謝の気持ちは「早さ」も大切です。

実習が終わった翌日には、簡潔でも良いのでメールで感謝を伝えるのが理想的です。

1週間以内:手紙で丁寧に補足・印象づけ

手紙は少し時間がかかるため、1週間以内を目安に送ると良いでしょう。

メールで伝えきれなかった学びや印象に残ったエピソードを補足すると丁寧です。

内容の重複を避ける書き方の工夫

メールと手紙を併用する際は、同じ内容を繰り返すのではなく、役割を分けると良いです。

メールは簡潔な感謝、手紙は詳細な振り返りや感想というふうに使い分けましょう。

メールでお礼を送る際のマナーと注意点

メールは便利な分、マナーを誤ると逆効果になることもあります。

ここでは、送信時の基本的なマナーや避けたいNG例を含め、丁寧なメールの書き方を解説します。

送るタイミングと件名の付け方

送信タイミングは実習終了の翌日がベスト。

「〇〇大学〇年〇〇 実習のお礼」といった具体的で分かりやすい件名が好印象です。

構成:宛名→挨拶→お礼→学び→結び

構成はビジネスメールに準じた形式が基本。

宛名や敬称、挨拶文から始まり、実習へのお礼、学び、今後の目標、そして結びと署名で構成しましょう。

NG例:カジュアルすぎる文面・絵文字の使用

「ありがとうございました!(^^)」などの絵文字や砕けすぎた表現はNG。

友人に送るような口調ではなく、丁寧語・敬語を基本にしましょう。

お礼メールの例文【理学療法士学生向け】

ここでは、理学療法士学生が使える具体的なメール例文を目的別に紹介します。

コピー&ペーストだけに頼らず、自分の言葉でアレンジするのがポイントです。

一般的な例文(メール)

件名:実習のお礼(〇〇大学 〇年 〇〇) 〇〇病院 リハビリテーション科 〇〇先生

お世話になっております。

〇〇大学〇年の〇〇と申します。

このたびは貴重な実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。

先生のご指導のもと、臨床現場の厳しさとやりがいを学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。

今後もこの経験を糧に、より一層努力してまいります。

末筆ながら、先生のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

〇〇大学〇年 〇〇〇〇

メールアドレス:xxxx@example.com

簡潔にまとめたい場合の短文例

忙しい先生向けに、短くまとめる場合の例文もご紹介します。

短くまとめたい場合は、要点だけに絞り、1〜2段落で完結させるのがコツです。


以下は忙しい先生向けの簡潔な例文です。

件名:実習のお礼(〇〇大学 〇年 〇〇)

〇〇病院 リハビリテーション科 〇〇先生

お世話になっております。
〇〇大学〇年の〇〇です。

このたびは実習の機会とご指導をいただき、誠にありがとうございました。


教えていただいた内容を今後の学びに活かしてまいります。

〇〇大学〇年 〇〇〇〇

実習中に失敗やご迷惑をかけた場合のフォロー例

失敗があった場合でも、前向きな姿勢でお礼を述べましょう。

反省+感謝+今後への意欲が伝わる内容が理想です。

失敗や迷惑をかけたときは、
①事実を簡潔に触れる
②反省の気持ちを示す
③感謝と今後の意欲で締める
この3ステップでまとめると、重くなりすぎず誠意が伝わります。

件名:実習のお礼とお詫び(〇〇大学 〇年 〇〇)

〇〇病院 リハビリテーション科 〇〇先生

お世話になっております。
〇〇大学〇年の〇〇です。

実習中はご指導いただき、誠にありがとうございました。


私の不注意によりご迷惑をおかけした場面があり、大変申し訳ございませんでした。


今回の反省を忘れず、同じことを繰り返さぬよう努力してまいります。

至らぬ点も多くありましたが、先生のおかげで多くの学びを得ることができました。
心より感謝申し上げます。

〇〇大学〇年 〇〇〇〇

よくある質問|実習後の感謝の伝え方Q&A

ここでは、実際の理学療法士学生からよくある質問をもとに、実践的なQ&Aをまとめました。迷ったときの参考にしてください。

Q1. お礼メールは実習最終日に送るべき?

A. 最終日当日か、遅くとも翌日中に送るのがベストです。


実習直後に送ることで、新鮮な感謝の気持ちが伝わります。

どうしても翌日以降になる場合でも、3日以内には送りましょう。

遅れるほど印象が薄れてしまうため注意が必要です。

Q2. お礼メールに返信がないけど、失礼だった?

A. 基本的に返信がなくても問題ありません。


医療現場は多忙なので、返信がないことはよくあります。

大切なのは「感謝の気持ちを伝えたこと」なので、返信を前提にしないようにしましょう。

再送も不要です。

返信を期待するより、感謝を伝えること自体が目的と考えましょう。

感謝のメールは「返事が来るかどうか」より「伝えること」に価値があり。

Q3. メールと手紙、両方送るのはやりすぎ?

A. 丁寧な印象を与えるため、むしろ好印象です。


ただし、同じ内容を繰り返さないように工夫しましょう。

メールでは簡潔に感謝を述べ、手紙では具体的な学びや心に残った指導について詳しく書くと効果的です。

Q4. 宛名は「先生」?それとも「〇〇部長」など役職名?

A. 立場や肩書に応じて適切に書きましょう。


指導者が理学療法士であれば「〇〇先生」、部長クラスであれば「〇〇部長殿」などが適切です。

曖昧な場合は「〇〇様」としても失礼にはなりません。

Q5. 学んだ内容を書くとき、具体的にどこまで触れていい?

A. 守秘義務に配慮しつつ、自分の気づきや感想を中心に。


患者さんの名前や病状、個人情報に触れるのはNGです。

印象に残った場面を「ある患者さんとの関わりから〜」という形で抽象的に書くのは問題ありません。

Q6. グループ実習で全員でまとめてお礼を出してもいい?

A. 問題ありませんが、個々の名前や感謝が伝わる工夫を。


代表者がまとめて送る場合でも、文中に参加者全員の名前を記載し、それぞれの学びが感じられる表現を盛り込むと丁寧な印象になります。

Q7. メール本文の締め方に迷います…おすすめの例文は?

A. 以下のような文が好印象です:

「今後も今回の経験を活かして学びを深めてまいります。お忙しい中、誠にありがとうございました。」

実習を活かす意志や今後の抱負を添えると、前向きで誠実な印象になります。

NG例集(避けたい表現)

NG理由改善例
「楽しかったです」遊び感覚に聞こえる「大変学びの多い実習でした」
「すごいなと思いました」語彙が曖昧「臨床での観察力と対応力の高さに感銘を受けました」
「また行きたいです」学生の立場を超えてしまう表現「今後の学びに今回の経験を活かしていきます」

Q8. 送信先は病院の代表アドレス?それとも指導者の個人メール?

A. 指導者から指定がなければ、代表アドレスや部署の公式メールが無難です。


個人の連絡先を教えてもらった場合でも、公的なメールアドレスを優先しましょう。

個人アドレス宛に送る場合は、ビジネスメールとしてのマナーを守ってください。

Q9. 実習先で名刺をもらった場合はどう対応すればいい?

A. 名刺に記載されたメールアドレス宛にお礼メールを送って問題ありません。


ただし、部署全体宛や上司宛の連絡も必要であれば、CCで共有するなど配慮が求められます。

名刺の保管も忘れずに。

名刺をもらった場合は、その名刺に記載されているメールアドレス宛てにお礼メールを送って問題ありません


ただし、以下の点に注意しましょう:

🔸 送るときのポイント

項目対応方法
送信先名刺に書かれたメールアドレス(個人宛)を使用する
宛名「〇〇先生」「〇〇様」など、肩書きや敬称を適切に記載
件名例:「実習のお礼(〇〇大学〇〇学科 〇〇)」など
内容実習中に指導を受けたお礼を丁寧に伝える

🔸 補足注意点

  • 名刺が個人宛(携帯アドレス等)の場合も、基本的には使用OKですが、夜遅い時間帯は避け、常識的な時間帯(9~19時ごろ)に送信しましょう。
  • BCCやCCを使って他の先生に送る必要はありません(1対1の丁寧なメールが基本です)。

名刺をもらった=「ご縁があった証拠」。
そのお礼と感謝を、正式な形でメールで伝えることは非常に丁寧なマナーになります。

Q10. お礼状の封筒や切手に指定はある?

A. 白無地の封筒と切手の使用が基本マナーです。


封筒は縦書きが正式、切手は季節や柄よりも「清潔感・丁寧さ」が大切です。

カラフルなイラスト入り切手などは避け、ビジネス寄りのデザインを選びましょう。

まとめ|メールと手紙の特性を活かして感謝を伝えよう

実習後の感謝の伝え方一つで、あなたの印象や信頼度は大きく変わります。

メールは素早く感謝を伝える手段、手紙は丁寧に心を届ける手段。

それぞれの特性を理解し、目的や相手に応じて適切に使い分けることで、理学療法士としての第一歩をより良いものにしましょう。

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