長寿を祝う慣わしは年月を経るごとに変化し、その由来や儀式も多様化しています。

本記事では、2024年の長寿祝いに関する早見表を掲載しつつ、長寿祝いを何歳で祝うか、お祝いの名称や読み方、年齢の意味、色の意味、由来などについて紹介します。

長寿祝いが持つ文化的背景や歴史をたどりながら、様々な地域や価値観における違いも考察します。

長寿を祝う慣わしの奥深さや尊重すべき意味に触れつつ、伝統と現代社会のつながりを模索していきます。

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目次

【2024早見表つき】お祝いの名称・読み方・年齢・色・由来を紹介

長寿祝いとは、奈良時代から始まった長生きを祝う風習で、もともとは中国がルーツといわれています。

今では日本でも一般的な行事です。


60歳の「還暦(かんれき)」や77歳の「喜寿(きじゅ)」など、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ここでは、60歳の「還暦」から、120歳の「大還暦」までの由来や読み方、お祝いの色などを紹介しましょう。

名称(読み方)年齢
還暦(かんれき)61歳(満60歳)赤・朱色
古希(こき)70歳
喜寿(きじゅ)77歳
傘寿(さんじゅ)80歳黄など
米寿(べいじゅ)88歳金茶
卒寿(そつじゅ)90歳白など
白寿(はくじゅ)99歳
百寿(ひゃくじゅ)100歳白など
茶寿(ちゃじゅ)108歳決まっていない
皇寿(こうじゅ)111歳決まっていない
大還暦(だいかんれき)120歳決まっていない

この一覧は日本の伝統的な長寿祝いの節目を表しています。

各祝いには特定の色が割り当てられ、それぞれの年齢を迎えた方を祝います。

寿のお祝いは還暦から始まり、
本来は数え年の誕生日に祝うものでしたが、
最近は満年齢で祝う人が多くなっています。

長寿を祝う節目の年齢にはそれぞれ名前が付けられていて由来があります。

感謝の気持ちといつまでも長生きしてほしいことを願って、
長寿のお祝いをしてあげたいものですね。

【2024早見表つき】長寿祝いの年齢の一覧表

高齢化社会が進む中、長寿祝いはますます身近なイベントとなっています。

本記事では、長寿祝いにおける年齢の一覧表を2024年の早見表つきで紹介します。

長寿祝いは、歳月を重ねることができたことを祝う機会であり、家族や友人との絆を深める大切な行事です。

さまざまな年齢における長寿祝いの習慣や文化に触れながら、2024年における早見表を通じて、長寿祝いの意義や喜びを考えてみましょう。

以下、長寿祝いの年齢の一覧表です。

名称(読み方)年齢満年齢数え年
還暦(かんれき)60歳1964年(昭和39年)1965年(昭和40年)
古希(こき)70歳1954年(昭和29年)1955年(昭和30年)
喜寿(きじゅ)77歳1947年(昭和22年)1948年(昭和23年)
傘寿(さんじゅ)80歳1944年(昭和19年)1945年(昭和20年)
米寿(べいじゅ)88歳1936年(昭和11年)1937年(昭和12年)
卒寿(そつじゅ)90歳1934年(昭和9年)1935年(昭和10年)
白寿(はくじゅ)99歳1925年(大正14年)1926年(大正15年)
百寿(ひゃくじゅ)100歳1924年(大正13年)1925年(大正14年)
茶寿(ちゃじゅ)108歳1916年(大正5年)1917年(大正6年)
皇寿(こうじゅ)111歳1913年(大正2年)1914年(大正3年)
大還暦(だいかんれき)120歳1904年(明治37年)1905年(明治38年)

この表は、お祝いする年齢と、その年齢を迎える満年齢・数え年での生まれ年を示しています。

数え年と満年齢の違い

数え年とは?

「数え年」とは、生まれた日を1歳とし、
元旦(1月1日)を迎えるたびに年齢を重ねていく数え方のことです。

人は生まれる前から胎内で命を宿しており、
その期間(十月十日)も年齢に加えるべきだという考えに基づいています。

満年齢とは?

それに対し「満年齢」は、生まれた日から年齢を数え始め、
誕生日がくるごとに1歳ずつ年齢を加算していく数え方をいいます。

かつて、日本では広く「数え年」で年齢を計算していましたが、
明治時代以降に流入された西洋文化の影響を受けて「満年齢」が、
主流になったと考えられています。

長寿をお祝いする際は「数え年」で祝うのが本来の形式でしたが、
現在では「満年齢」で祝うことが多くなってきています。

ただし、例外として還暦だけは「数え年」61歳、「満年齢」60歳でお祝いします。

長寿祝いの種類

長寿を祝う節目の年齢には、それぞれ由来にちなんだ名前がつけられています。
こちらでは、長寿祝いの種類について詳しくご紹介していきます。

長寿祝い:還暦(かんれき)

60歳の節目を祝う、還暦祝い。

“元の暦に戻る=生まれた干支に還る”という意味から「還暦」と呼ばれています。

昔は、赤子に戻りもう一度生まれ変わって出直すという意味合いから、
「赤いちゃんちゃんこ」を贈るという風習がありました。

しかし、今の60歳は、まだまだ現役として働いている方も多いため、
現代の還暦祝いでは、赤いちゃんちゃんこに代わり、赤にまつわるものを、
プレゼントする方が多いようです。

現代の還暦祝いは長寿を祝うのではなく、
「感謝の気持ちを伝える節目の日」としてお祝いされることが多いようです。

お祝いの年齢

61歳(満60歳)

還暦の由来

60年で十干十二支(じっかんじゅうにし)が一巡してもとの暦に還ることに由来。

還暦祝いの発祥は中国にあるといわれており、
一説では千年前に遡(さかのぼ)ることができるといわれています。

当時は現在よりも寿命がはるかに短かったため、
60歳は長命でめでたいと盛大にお祝いされてきました。

還暦のテーマカラー

長寿祝いの色は赤・朱。
おなじみの赤いちゃんちゃんこには、
魔除けや、もう一度“赤ちゃん”として生まれ、
新たなスタートを切るという意味があるそう。

還暦のお祝いの仕方

還暦祝いは、決まった日取りにお祝いすることはありません。

誕生日当日に限らず、お正月やお盆、敬老の日を選んでも問題ありません。
家族で相談し、みんなが集まりやすいように日程を組むのがよいでしょう。

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長寿祝い:緑寿(ろくじゅ)

お祝いの年齢

66歳(満65歳)

緑寿の由来

一般的な定年退職の年齢が65歳になったことから、
2002年に新しく提唱された長寿祝いです。

もともとは「緑々寿(ろくろくじゅ)」という名称が略されて「緑寿」となりました。

緑寿のテーマカラー

長寿祝いの色は緑。

若々しい生命力を感じさせる「緑」の字には、
地球の自然環境のイメージが込められています。

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長寿祝い:古希(こき)

お祝いの年齢

70歳(満69歳)

古希の由来

70歳を祝う「古希(こき)」の由来といわれているのが、
中国唐代の著名な詩人・杜甫が詠んだ『曲江詩(きょっこう)』にある、
酒債尋常行処有 人生七十古来稀」という一節。

「酒代のつけなら私が行くところ至るところにある。

しかし人生を70歳まで生きるのは非常に稀(まれ)なことだ」
という意味をもつこの一節は、当時70歳まで生きることが
いかに難しいことだったかを物語っています。

もともとは「古稀」と書かれ、
かつては70歳まで元気に過ごせることが稀だったことから、
古希のお祝いをするようになったといわれています。

一方、後期高齢者社会を迎えた現代では、
70歳まで生きることは「稀(まれ)」ではなくなりました。

また、「稀(まれ)」の字が常用漢字から外れていることもあり、
現在は「古希」と書くのが一般的です。

古希のテーマカラー

長寿祝いの色は紫。

古希祝いの色である紫は、古くから魔除けや、
心や体を癒す効果があると考えられてきました。

古希【古稀】のお祝いの仕方

古希を含め、還暦以降は数え年で祝うのがならわしです。

そのため、古希は満69歳(数え70歳)にお祝いします。
とはいえ、その翌年に満年齢でお祝いしても問題はありません。

一般的なお祝いの仕方としては、
家族や親族、友人らが集まって食事会を開いたり、
温泉などに旅行へ行ったりすることが多いようです。

また、祝う時期についてはお正月や誕生日、敬老の日などが一般的ですが、
基本的にはみんなが集まりやすいタイミングでおこなうのがよいでしょう。

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長寿祝い:喜寿(きじゅ)

お祝いの年齢

77歳(満76歳)

喜寿の由来

「喜寿」とは、77歳を迎える方の長寿祝いのことです。

「還暦」「古希」は中国から伝来した思想ですが、
「喜寿」は室町時代末期に日本で生まれた習わしであるといわれています。

喜の草書を楷書にすると「㐂」と書き、
字を分解すると十七の上に七が付いたような文字となることに由来。

喜寿のテーマカラー

長寿祝いの色は紫。

喜寿のお祝いの仕方

他の長寿祝いと同様、お正月や誕生日、
敬老の日といった親しい方が集まりやすい日にお祝いをします。

食事会や旅行に行くのが定番のスタイルです。

また、地域によってはテーマカラーにちなんだ紫色のちゃんちゃんこや、
頭巾・扇子・座布団などを用意する風習があるといいます。

お住まいの土地の習わしがあれば、それに従ってお祝いの準備をしましょう。

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長寿祝い:傘寿(さんじゅ)

お祝いの年齢

80歳(満79歳)

傘寿の由来

80歳を迎える方の長寿を祝う「傘寿」は「喜寿」同様、
日本発祥の長寿祝いの習わしです。

「傘」の略字「仐」が八と十を重ねた形になり、
八十と読めることから「傘寿」と呼ばれています。

「八十寿(やそじゅ)」ともいいます。

傘寿のテーマカラー

長寿祝いの色は金茶。

長寿祝いの色は、高貴な色として使われてきた、
「黄色(ゴールド)」または紫色が一般的。

ですが、古希、喜寿と紫色が続くことから、傘寿には黄色を選ぶ方が多いようです。

傘寿のお祝いの仕方

他の長寿祝いと同様、お正月や誕生日、
敬老の日といった親しい方が集まりやすい日にお祝いをします。

誕生日に一緒にお祝いをするのが基本のようですが、
春や秋のような過ごしやすい時期ならより集まりやすいでしょう。

とくに、敬老の日は時期としておすすめです。

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長寿祝い:米寿(べいじゅ)

お祝いの年齢

88歳(満87歳)

米寿の由来

米寿も、日本発祥の長寿祝いの習わしとされおり、
88歳の長寿をお祝いします。

88歳を祝う「米寿(べいじゅ)」は、
「米」という漢字を分解すると「八十八」になることが由来。

元来、日本では「八」という数字を「末広がり」と捉え、
縁起のよい数字と考えてきました。

その「八」がふたつ重なる米寿のお祝いはとくにおめでたいとされ、
還暦と同じように盛大にお祝いする地域もあるほどです。

米寿のテーマカラー

米寿祝いの色は、高貴な色として使われてきた「黄色」や「金茶色」。

特に黄色には、
秋に実る稲穂のイメージもあることから、選ばれることが多いそうです。

米寿のお祝いの仕方

他の長寿祝いと同様、お正月や誕生日、
敬老の日といった親しい方が集まりやすい日にお祝いをします。

誕生日や敬老の日が一般的なようですが、親族・親戚や友人の方々とよく話し合い、
みんなが無理なく集まることができる日がよいでしょう。

ただし、88歳ともなれば、ご本人の健康面もしっかり気にかけたいところ。

身体に負担をかけることのないよう、体調に考慮したお祝いを心がけましょう。

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長寿祝い:卒寿(そつじゅ)

お祝いの年齢

90歳(満89歳)

卒寿の由来

卒寿は90歳のお祝いのこと。

卒の字の略字「卆」が九十と読めることに由来し、
別名「卒の祝い」ともいわれます。

令和3年度の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳とされています

90歳はまさに長寿です。

卒寿のテーマカラー

卒寿の色は「紫」や「白」。

古希や喜寿の色でもある紫は昔から高位な色とされ、
白は、純粋で無垢・神聖な色とされています。

卒寿のお祝いの仕方

他の長寿祝いと同様、誕生日や敬老の日といった、
節目の日もしくは身体に負担をかけにくく過ごしやすい日を選ぶようにしましょう。

自宅での食事会のように、リラックスした状態で楽しめる少人数の会を催すのがおすすめです。

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長寿祝い:白寿(はくじゅ)

お祝いの年齢

99歳(満98歳)

白寿の由来

白寿は99歳のお祝いのこと。

日本発祥のお祝いで、
「百」の字から「一」を引くと「白」になることに由来し、
別名「白字の祝い」とも。

また、
「人も99歳を迎えると世俗の垢が落ち、
俗人の域を超越した仙人のような存在になるのではないか」という考えから、
白髪に白い髭という出立ちを彷彿とさせる仙人にあやかって「白寿」と呼ぶ、
という説もあるようです。

昔は99歳まで長生きすることが珍しかったため、
お祝いされることはほとんどありませんでした。

白寿のテーマカラー

その名の通り、白寿の色は「白」。

純粋で無垢、神聖な色とされています。

白寿のお祝いの仕方

長寿祝いの会を開催する場合、
家族や親しい人を招いていてお祝いするのが基本であるとお伝えしてきましたが、
99歳の方の場合、ご自宅で過ごされているか、充分な介護が必要な状態か、
老人ホームに入っているのか…というようにさまざまな状況が想定されます。

いずれの場合も、ご本人の体調を第一に考え、
身体に負担のかからないお祝いを準備しましょう。

過ごしやすい日中の時間帯、2時間程度を目安に、
穏やかに過ごせるようなお祝いの会を開けるとよいでしょう。

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長寿祝い:百寿(はゃくじゅ)・百寿(ももじゅ)

お祝いの年齢

100歳(満99歳)

百寿の由来

100歳を迎える方の長寿をお祝いするのが「紀寿」「百寿」です。

一世紀=100年ということから「「紀寿(きじゅ)」ともいわれます。

また100を漢字で書いて、
「百寿(ひゃくじゅ、ももじゅ)」とも呼びます。

長寿大国・日本には100歳以上の高齢者が多くおり、
お祝いするのも珍しくなくなってきました。

百寿のテーマカラー

長寿祝いの色は白。

紀寿・百寿のお祝いの仕方

100歳ともなれば、どれだけ健康であっても体力が衰えていたり、
体調がすぐれないことが増えてくることでしょう。

また、賑やかなお祝いが好きな方、自宅でゆっくりと過ごしたい方など、
希望する形は十人十色です。

お祝い会の日程の決め方や祝い方については、
まず、ご本人のご希望や体調を第一に考慮して決めることが大切です。

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長寿祝い:100歳以上の長寿のお祝い

寿命を上中下の三段階に分けた三寿(さんじゅ)という考え方もあります。

60歳から下寿(かじゅ)、80歳から中寿(ちゅうじゅ)、
100歳から上寿(じょうじゅ)といわれ、100歳以上は毎年、上寿祝いをします。

祝いの「賀」を用いて「百一賀」「百二賀」ともいいます。

100歳以上のカラーは特に定められていません。

世界で最も長生きをした方は、122歳まで生きられ、
1997年に老衰で亡くなられたフランスのジャンヌ・カルマンという女性でした。

フランスのジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)は、
122歳164日で亡くなったことで知られています。

彼女は1875年2月21日に生まれ、1997年8月4日に亡くなりました。

ジャンヌ・カルマンは、
公式に認められた最長寿の人物としてギネス世界記録に登録されています。

彼女の長寿の秘訣は、
適切な食事、積極的な生活、そしてストレスを避けることだと言われています。

長寿祝い:茶寿(ちゃじゅ)

お祝いの年齢

108歳

茶寿の由来

茶の字を分解すると八十八、十、十となり、すべて合わせると108になることに由来。

長寿祝い:皇寿(こうじゅ)

お祝いの年齢

111歳

皇寿の由来

皇の字を分解すると白(99歳)、一、十、一となり、
すべて合わせると111になることに由来。

長寿祝い:大還暦(だいかんれき)

お祝いの年齢

120歳

大還暦の由来

2回目の還暦を迎えることから。

長寿祝い:天寿(てんじゅ)

お祝いの年齢

250歳

天寿の由来

天から授けられた人の寿命を全うするという意味から
「天寿を全うする」としてこの言葉が使われます。

まとめ

この記事では、
還暦から百寿までの長寿祝いに関する基礎知識をお届けしました。

祝いの由来や習慣、具体的な祝い方など情報を網羅しています。

この記事を読むことで、長寿祝いの重要性や意味を理解し、
特別な日をどのように祝えば良いのかを知ることができます。

大切な人の長寿祝いの参考にしてください。