この記事では、
敬語の正しい使い方やマナーを解説します。

敬語を正しく使うことで、
周囲との人間関係や信頼関係を築くためには、
敬語を正しく使えることは重要だと言えるでしょう。

敬語が正しく使えなければ、
仕事上でのやりとり以前に、
周囲との人間関係や信頼関係を築く事が
困難になる場合もあるかもしれません。

ビジネスシーンにおいては適切な言葉遣いがあり、
正しく使えることは、重要だと言えるでしょう。

敬語に苦手意識のある人は、実に7割とも言われています。

「丁寧な言葉づかいをしなければいけない」という意識が
強すぎるせいか、かえってくどく聞こえることもあります。

それは、話し言葉でも書き言葉でも同じこと。

ここでは間違いやすい表現について、確認してみましょう!

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敬語とは

敬語は、口語や文書などで言葉を表現する場合、
その当事者同士の上下関係を、言葉で表現するために
用いられる語法です。

つまり相手を敬う気持ちを示す方法として敬語が存在します。

敬語を正しく使用する事は、
現代社会においてとても大切なマナー。

また、ビジネスシーンのみならず、
日常生活など様々な環境において人間関係の基本となります。

正しく理解し、使うことで、社会人として
恥ずかしくないマナーを身につけておきたいものです。

敬語の種類

それでは、敬語の5分類の型を説明します。

1.尊敬語:「いらっしゃる・おっしゃる」型     

2.謙譲語1:「伺う・申し上げる」型         

3.謙譲語2(丁重語):「参る・申す」型             

4.丁寧語:「です・ます」型              

5.美化語:「お酒・お料理」型  

「美化語」は、
「お手紙用の便箋」などのように、
ものごとを美化して述べるものです。

しかし、「私のお電話番号は9999-9999です」
「このところお休みがとれずお肌の調子が悪くて」。

など、
自分だけに関する事柄に「お」や「ご」を
付けすぎるのは不自然と感じる人も多いもの。

いくら美化語のつもりで使っている言葉でも、
中には相手側の尊敬語としてしか使わない言葉もありますので、
使いすぎにも注意して、適切かつ正しい言葉で表現しましょう。

敬語を使うにあたっての注意点

社外の方には全て敬語

来客や顧客など、
社外の方に対しては全て敬語で対応します。

例:「いらっしゃいませ、どうぞご案内いたします。」

社外の方への上司の説明にはNO敬語

社外の方と話す場合、
自分の上司などに関しての話題に敬語は使いません。

例:「部長の○○(苗字のみ)を紹介します」

例:「その件は課長の○○(苗字のみ)が説明します」

社内では目上の人に対しては全て敬語

社内では、上司や先輩に対しては敬語で、
また同僚には丁寧語を使うように心がけましょう。

例:「部長がおっしゃったように、資料をご覧ください。」

社内での身内の話はNO敬語

上司や同僚、顧客などに対して、
両親や兄弟など自分の家族を
話題にする場合、敬語は使いません。

例:「母が上京します。」

例:「父が事故に遭いました。」

顧客や他社についての話題は全て敬語

顧客や他社を話題にする場合は、
どのような状況でも敬語を使います。

例:「先方の担当者からご提案をいただきました。」

例:「A社の○○様とおっしゃる方からお電話がありました。」

相手の動作にはNO謙譲語

(誤)詳細は担当者に伺ってください。

(正)詳細は担当者にお尋ねください。
(正)詳細は担当者にお聞きください。

(誤)プレゼンの資料は3階で拝見してください。

(正)プレゼンの資料は3階でご覧になってください。
(正)プレゼンの資料は3階でご覧ください。

謙譲語を尊敬語のように使わない

(誤)経理部で旅費をいただかれてください

(正)経理部で旅費をお受け取りください

(誤)不明な点は私にお伺いください

(正)不明な点は私にお尋ねください

身内に敬語を使わない

(誤)課長は、ただ今、席を外していらっしゃいます。

(正)課長は、ただ今、席を外しております。

恥をかかない敬語表現と正しい使用例

間違いやすい表現「○○様でございますか」

「ございます。」は、
自分のことやモノについていうときに用います。

相手のことについて話す(書く)ときには
「いらっしゃいます。」を用いましょう。

(誤) 田中さんのご出身はどちらでございますか。

(正) 田中さんのご出身はどちらでいらっしゃいますか。
(正) わたくしの実家は静岡市内にございます。

(誤) 山田さんのご子息はスポーツ万能でございますね。

(正) 山田さんのご子息はスポーツ万能でいらっしゃいますね。

二重敬語に気をつけて、くどく聞こえる表現をスッキリと

(誤) 先日、お義母さまがおっしゃられたお話ですが、

(正) 先日、お義母さまがおっしゃったお話ですが、

(誤) 先日、お義母さまがお話しになられました

(正) 先日、お義母さまがお話しになった。

(誤) お酒をお召し上がりになられますか。

(正) お酒を召し上がりますか。

「〜させていただきます」の使いすぎ

「できるだけ丁寧に言いたい。」「言わなければならない。」ときに、
つい使ってしまいがちなのが「させていただく」という表現。

これは本来、相手の許可や依頼を得て
何かをするときにつかわれる言葉です。

たとえば、芸能人が結婚を報告するときに、
「かねてよりお付き合いさせていただいておりました△△さんと…」
という言い方をしますが、世間の許可を得てお付き合いしていた
わけではないのですから、正しい言い方とはいえません。

その一方で、結婚式の招待状の返事に、
「出席させていただきます」とするのは間違いではありません。

なぜなら、相手からの出席依頼を受けて、相手の厚意により、
出席させていただくのですから、ふさわしい使い方といえます。

ビジネスシーンで、
「このたび弊社で開発させていただいた新商品ですが、
先日ご報告させていただいたように、当初予定より
時期を早めて発売させていただくことになりました。」
などは耳障りに聞こえますから、要注意!

(誤) ご説明させていただきます。

(正) ご説明いたします。
(正) 説明いたします。

(誤) 宅建に合格させていただきました。

(正) 宅建に合格いたしました。

(誤) 保彦さんとは3年ほどお付き合いさせていただいております。

(正) 保彦さんとは3年ほどお付き合いしております。

*「さ入れ言葉」は過剰敬語ではなく誤り

(誤) 書かさせていただきます。

(正) 書かせていただきます。

まとめ

この記事では、
敬語の正しい使い方やマナーを解説しました。

コミュニケーションを、
良好にするためにとても大切な語法となる敬語。

ただし、正しい使い方をしなければ
かえって相手を敬う気持ちにはつながらず、
失礼にあたる場合もあるかもしれません。

それぞれの特徴や目的を理解し、状況ごとに
判断して正しい使い分けが出来ると良いでしょう。