この記事では、
一般に使用される敬称についての使い分けをご説明します。

手紙やはがきの宛名につける「敬称」とは、
【様・殿・御中・各位・先生・様方・気付】など。

送る相手に対して敬意を表す言葉です。

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敬称の説明

宛名に使われる言葉には、さまざまな種類があります。

中でもよく使われるのは、
「様」や「殿」のように相手の名前や
役職名などの下に付ける言葉でしょう。

これらはいずれも相手への敬意を表す言葉・敬称と呼ばれるものです。

宛名を書く際に何気なく用いる敬称ですが、
間違いに気付かずに使ってしまっていたり、
迷う例も多いので、それぞれの意味を知り、
敬称を適切に使い分けることが大切です。

では、敬称の種類を見てみましょう。

敬称の使用例

個人に宛てるとき

『様』は、年齢、性別、社会的地位などに関わらず、
個人名の後に付けて、広く一般的に使用される敬称で、
書き言葉・話し言葉の制限もなく使用することができます。

個人名に使用される敬称には、「様」以外に「殿」があります。

「殿」は主に書き言葉として使用される敬称です。

官公庁や企業などの公的文書や、
表彰状の受賞者名等に使用されます。

最近では「殿」は、格下や同格の相手に使用する接尾語である。
との見方が一般的になっているため、官公庁や企業などの
公的文書においても「様」を用いるケースが増えています。

特定の職業に就く人に宛てるとき

『先生』は、
教師、講師、医師、弁護士、会計士、
牧師、議員、作家などに使用されます。

一般的に「先生」と呼ばれる教育関係者や
特定の職業に就く人に対して使用されます。

先生」に「様」や「殿」を重ねて付けて、
二重敬称にならないように注意しましょう。

間違い例:

「○○先生様」「○○先生殿」

組織・団体に宛てるとき

会社・学校・病院・役所など、
組織や団体に宛てる場合の敬称を
「御中(おんちゅう)」と書きます。

宛先に部署名、課名を書く場合は、
「社名→部・課名→御中」の順に書きます。

組織・団体に所属する人に宛てるとき

会社に勤める社員など、企業や団体に
所属する個人に宛てる場合の敬称は「様」です。

次の順番で書きます。

企業・団体名→(部・課名)→(肩書き)→個人名→様

代表取締役・部長・課長・係長などの「肩書き・役職名」は、
氏名の前に置き、「肩書き→氏名→様」の順番に書きます。

下の名前が不明な場合は、苗字だけでもかまいませんが、
できるだけフルネームを書くことが望ましいです。

文中や口語では、役職名を氏名の後に接尾語としてつける場合があります。

この場合は、
役職名自体が敬称の意味を含む言葉になりますので、
「様」などの敬称を重ねて付ける必要はありません。

正しい例:三好課長 

間違い例:三好課長様

また、
役職名の前に氏名を置かず、役職名だけを単独で使用する場合、
接尾語ではなく名詞としての意味を持った言葉になりますので、
「様」などの敬称をつけても問題ありません。

使用例:

「営業部長殿」「総務課長様」など

複数を対象にするとき

複数の個人を対象とする場合に、
敬意を表す敬称として「各位(かくい)」があります。

主にビジネス文書や案内状などのお知らせ文書に使用されます。

使用例:「各位」「社員各位」「関係者各位」

「お客様各位」「保護者各位」など
「各位」は単独でも使用できる敬称ですが、
その後に「様」や「殿」をつけると,
二重敬称になりますので注意しましょう。

間違い例:

「各位 殿」「関係者各位 様」「代理店各位 御中」

受取人と世帯主が違うとき

「~様方(さまかた)」とは、手紙やはがきを個人宅に送る際、
送付先住所の世帯主と受取人の苗字が異なる場合に使用されます。

主に、居候や下宿、
結婚して苗字が変わった妻が、里帰り出産で実家へ帰省したときなど、
一時的に別世帯(異なる苗字)の住所に身を置く場合に使用されます。

使用例:

山本さん宅を介して徳本令子さんに届けたい場合

   「山本様方 徳本令子様」

企業を経由して個人に送るとき

「気付(きづけ)」とは、
送付先住所の企業・団体に所属しない相手に対して、
その企業・団体経由で、荷物を届けたい場合に使用します。

使用例1:宿泊施設・ホテルを介して、宿泊者に送る場合

〒753-0212

山口県山口市駅通り1-2-3

△△ホテル 気付

○○○○ 様  (←自分に送る場合は「○○○○ 行」)

利用者の出入りが多いホテルなどに送る場合は、
あらかじめホテルに確認の電話連絡を入れておくといいでしょう。

使用例2:A社の一室を一時的に間借りしているB社のCさんへ送る場合

〒123-4567

東京都新宿区○○1-2-3

株式会社 A 気付
株式会社 B C 様

まとめ

この記事では、
一般に使用される敬称についての使い分けをご説明しました。

普段、何気なく使っている宛名の敬称も、
こうしてあらためて見直してみると、
たくさんの種類と使い分けがあります。

そして、それぞれの意味を持って
使い分けられていることがわかります。

宛名・敬称は、相手の名前や相手に関する物事を指す
尊称・尊敬語ですから、使い分けを間違えないように、
ふさわしい言葉を選んで使いましょう。