この記事では、
3月の誕生色と3月に咲く花を使った時候の挨拶をご紹介します。

‟和の誕生色”ってご存知ですか?

『誕生色』とは染めと織りの街、新潟県の十日町織物工業協同組合が、
1981年(昭和56年)に制定した1月から12月までの季節の色です。

四季折々の花と色が独特の優しく懐かしい和風名称で呼ばれています。

3月の誕生色の和名は「夢宵桜(ゆめよいざくら)」。
楚々として甘い優しい色をした、薄桃色のことです。

この色はヤマザクラと結びついており、春の到来を告げる色とされています。

山々を淡く繋ぐ薄桃色の桜の情景に、心惹かれない人はきっといないはず。

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3月の誕生色

誕生色:3月は(夢宵桜) ゆめよいざくらの薄い可憐なピンク色です。 
PALE PINK

花と色:3月の春おぼろに浮かぶ、
    楚々としたまぼろしのヤマザクラ(山桜)の薄い桃色。

桜-それは心躍る春の盛りをいろどる色です。

3月になると、
山のあちらこちらにピンク色のヤマザクラ(山桜)が咲きます。

日本の桜の原種として昔から親しまれているヤマザクラの花。

ヤマザクラの色は、淡い桃色または白色で、
3月に咲き始める日本の野生の桜の代表的な種類です。

ヤマザクラを原種として品種改良された桜もたくさんあります。

ヤマザクラの開花時期は3月から4月です。

まだ木々が芽吹く前の寂しい野山に、
ぽつりぽつりと咲く薄桃色の桜の花。

それは、
「あなたに微笑む」ように美しく咲いているようにも見えます。

3月の誕生色の
「夢宵桜(ゆめよいざくら)」の薄い桃色からは、
そんな優しくて淡い色合いが伝わってくるようです。

3月の時候の挨拶 (弥生:やよい)

3月に使える時候の挨拶を、ご紹介します。

ますます栄えること、いよいよ、あまねく満ちることを、
弥栄(いやさか)といいます。

弥生は、草木がいよいよ生い茂る「いやおい」の月です。

弥栄はまさに、3月春爛漫のピンク色のイメージでしょうか。

3月に咲く花や、花の色も一緒に書くと、
より印象に残るのではないでしょうか。

3月の花を使った書き出しの挨拶

(ヤマザクラの花)

ヤマザクラは、
昔から日本人の生活に深いかかわりを持っていました。

春になると野山に、白や薄桃色の花を咲かせ始めるヤマザクラ。

昔の人は、
ヤマザクラを穀霊(こくれい)の宿る花と信じてきました。

昔は暦がなかったので、
ヤマザクラの様子を農事の目安として、
また作業を開始する合図としていたようです。

今でも地方ではヤマザクラのことを、
「種まき桜」や「田植え桜」などと呼ぶことがあるそうです。

寒い冬が過ぎてもう3月!

ヤマザクラの淡い桜色が、山一面をうっすらと包み込み、
種まきや田植えを教える。そんな季節がやって来ました。

皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。

(ミモザの花:アカシア)

桜よりほんの一足先に春の訪れを告げてくれるミモザが、
明るい黄色の羽毛のような花を咲かせています。

ふわふわと風に揺れる黄色の花はとても可愛らしく、
ミモザの花は、見ている人に幸福感を与えてくれる色です。

3月あたたかい明るい日差しが戻ってまいりました。

この季節になると、ミモザの黄色い花が青い空に映え、
黄色と青のコントラスにますます暖かさを感じます。

これからの季節、多くの花々が日の暖かさを受け、
美しく花開き、心がおどる色満載の季節の到来です。

皆々様におかれましては、ご機嫌よくお過ごしのことと存じます。

(菜の花)

「菜の花や月は東に日は西に」…。

江戸時代の俳人・与謝蕪村が詠んだこの句は、
今も多くの人に知られ愛されています。

黄色が鮮やかな菜の花が咲く季節になりました。

さあ、今夜は独特のほろ苦い風味と香りの菜の花を、
いただきたいと堅いつぼみと茎を茹(ゆ)でてみました。

和子叔母様には、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。

(ホトケノザの花)

3月は、寒い日、風もない暖かい日の繰り返しで、
季節は春の準備をしています。

昨日、道を歩いていましたら、
道端や田んぼの畦道でよく見かける桃色のホトケノザが、
なんと、コンクリートの隙間から生えていました。

春になると様々な場所から顔を出し、咲き始める桃色のホトケノザは、
その葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えるということから
この花は、仏の座(ホトケノザ)という名前がついたそうです。

3月、もうすっかり春色の季節になりました。

皆々様におかれましてはお元気にお過ごしのことと存じます。

(ヤブツバキの花)

2月のきびしい寒冷でもなく、花繚乱の4月でもない、
3月は雲と光の色が映える月です。

山では、濃い赤色のヤブツバキと、
白の上品な色のサザンカが並んで咲いていました。

ヤブツバキの花は枝先に一輪ずつ、やや筒状に開くのが特徴です。

しばし混同されるサザンカのように全開せず、
その控えめな姿と色が好まれて茶花によく使われています。

松富先生、
春の色が目に優しい光の季節になりましたね。
お元気でいらっしゃいますか?

3月の結びの挨拶

・取り急ぎお礼申し上げます。

・風邪などお召しになりませんように。

・花冷えの時節柄、くれぐれもご自愛くださいませ。

・3月は春とはいいながら、まだまだお寒い日が続きます。

・花どきはとかく気候不順と申します。
 いっそうご自愛くださいませ。

・花どきの習いで3月は気候も不順になりがちです。
 くれぐれもご自愛くださいませ。

・3月に入り、すっかり暖かくなりました。
 ご夫婦おそろいで一度ゆっくりお出かけください。

・3月、桜の花がおぼろ月にかすんでおります。
 なんだかロマンティックな気分でお便りをしたためました。

・暑さ寒さも彼岸までと申します。
 季節の変わり目ですから、ご無理なさいませんように。

・春の日ざしを受けて、健やかな日々を、
 お過ごしくださいますように心からお祈り申し上げます。

まとめ

この記事では、
3月の誕生色と3月に咲く花を使った時候の挨拶をご紹介しました。

古くから伝わる3月の花便りに、
「二十四番花信風(にじゅうしばん・かしんふう)」と、
呼ばれるものがあります。

花信風(かしんふう)とは開花を告げる風をいいます。

吹いて来た春風に花の香りと風の色を感じ、
その季節の到来と知ってそう呼んだとのこと。

花の便りを乗せて吹く風…なんとも風雅な言葉ですね。

3月の花の色を風に乗せて、
親しい方にお便りを出してみられませんか。

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よっちゃん
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